JPH0369275B2 - - Google Patents

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JPH0369275B2
JPH0369275B2 JP31576486A JP31576486A JPH0369275B2 JP H0369275 B2 JPH0369275 B2 JP H0369275B2 JP 31576486 A JP31576486 A JP 31576486A JP 31576486 A JP31576486 A JP 31576486A JP H0369275 B2 JPH0369275 B2 JP H0369275B2
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【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、醸造酒の品質の安定性を向上する醸
造酒の製造方法および装置に関する。 (従来の技術) 醸造酒である清酒は、伝統的に醸造工程、おり
びきろ過工程後に火入れ処理が行なわれていた。
清酒の貯蔵安定性のためこの火入れは清酒中に残
存する酵素(αアミラーゼ、グルコアミラーゼ、
酸性プロテアーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼ
等)の失活と酵母類、乳酸類、時に火落ち菌の殺
菌の目的て行われてきた。 この従来の技術についてもう少し詳細に説明す
る。前記醸造工程により得られた生酒は味覚的に
優れ、マイルドな風味を有している。しかし、こ
の生酒は、そそまま常温貯蔵しておくと時間がた
つにつれて残存酵素のためグルコース、アミノ酸
の増加をきたし、過熟成となることにより、前述
のように味質のの劣化を招くという問題があり、
また火落ち菌が繁殖し腐敗を招くという問題があ
る。 これらの問題即ち、残存酵素による過熟成から
の味質の劣化の問題を火落ち菌の問題を解決する
ために伝統的に行われているのが、生酒を加熱す
る前記火入れ処理である。この従来の火入れ処理
は、火落ち菌の殺菌はできるが、次の理由により
残存酵素の失活を十分に行うことのできるような
火入れ条件とすることはできなかつた。残存酵素
がより少なくなるように失活させようとすると、
極端に過激な加熱条件(例えば、100℃で5分)
を必要とする。もし、このような過激な加熱処理
を行つた場合、前記過熟成の問題はより一層解決
し貯蔵中の酒質の安定性が得られるものの、生酒
の風味は完全に損なわれる。一方、生酒の風味を
できるだけ残すような火入れ条件で処理を行う
と、残存酵素が十分に失活されないまま残るので
時間がたつにつれ残した生酒の風味も前述のよう
に過熟成により劣化していくことになる。従つ
て、生酒の風味を残し、しかもその生酒の風味を
過熟成させぬように長期的に安定に持続させる理
想的な火入れ処理の条件は存在せず、生酒の風味
を優先させれば味質の長期的安定性(経時安定
性)が犠牲となり、味質の長期的安定性を優先さ
せれば生酒の風味が犠牲になるので、従来は生酒
の風味と味質の長期的安定性のバランスを考慮し
て火入れの条件を決定していた。 そこで、近年はこの清酒本来の風味を損なわ
ず、しかも貯蔵中の酒質の経時安定性をも損なわ
ないように(過熟成による味質の経時変化のない
ように)する方法として生酒を低温にして保存
し、低温にして流通させることが行われるように
なつた。しかし、この方法は低温に維持するため
の冷却設備を必要とし、コストが高くなると言う
問題があつた。 (発明が解決しようとする課題) 本願発明は、これらの問題点を解決することを
目的とするものである。すなわち、本発明は、酵
素の活性を十分に失活させ、醸造酒の味質を経時
安定性を増加させることを目的とするものであ
る。 また、本発明は、酵素の活性を十分に失活させ
たにもかかわらず、清酒の風味を損なわないよう
にすることを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するために、本発明の醸造酒
の製造方法は、固定化蛋白分解酵素により、殺菌
前または殺菌後の醸造酒を接触処理して醸造酒中
の残存酵素を失活させる工程を含むことを特徴と
する。 また、固定化蛋白分解酵素により、醸造酒を接
触処理して醸造酒中の残存酵素を失活させる工程
と、その工程の前または後のいずれか一方または
双方に設けた除・殺菌処理工程とを含むことを特
徴とするものである。 また、上記製造方法に使用する本発明によるカ
ラムは、一端に流入口を設け、他端に流出口を設
けた筒型の容器に蛋白分解酵素を固定した表面に
非イオン性かつ親水性官能基を有する高分子担体
を充填したことを特徴とする。 以下、本発明の醸造酒の製造方法およびそれに
使用するカラムを具体的に説明する。 固定化される蛋白分解酵素は、清酒の醸造工程
中に使用されるこうじ由来のαアミラーゼ、グル
コアミラーゼ、酸性プロテアーゼ、酸性カルボキ
シペプチダーゼ、その他の諸酵素も失活する能力
のある基質特異性の低いものが用いられる。ま
た、プロセスコストを下げるためにも安価で安定
供給されるものが好ましい。ペプシン、トリプシ
ン、パパイン等は、これらの条件を満たすもので
ある。更に、細菌由来のプロテアーゼも含まれる
が、特に分解活性の安定性の優れたペニシリウ
ム・デユポンテイK−1014等の耐熱性プロテアー
ゼが好ましい。 固定化蛋白分解酵素は上記酵素を高分子不溶性
担体に固定化させる。 ここて用いられる不溶性担体としては、合成高
分子系のもの、高分子多糖類系のもの、無機質系
のものが使用される。合成高分子系担体のものと
しては、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ
アクリルアミド等、高分子多糖類系の担体として
は、セフアデツクス、セフアロース[フアルマシ
ア(株):商品名]、セロフアイン〔生化学工学(株):
商品名]、架橋デキストラン系、架橋アガロース
系、セルロース性、無機質系の担体としてはガラ
ス、シリカゲル系等が利用できる。 風味成分の吸着がなく、風味を変化させない担
体が必要であり、グルコシル基、ハイドロキシル
基等の非イオン性かつ親水性の表面を有する担体
が望ましい。 これらの高分子担体への蛋白分解酵素の固定化
は、通常の方法、例えば、物理吸着法、イオン結
合法、共有結合法を用いることができる(「蛋白
質・核酸・酵素」Vol.31,No.3(1986),P220−
229参照)。物理吸着法は、疎水性表面を有する担
体に疎水性相互作用を利用して酵素を吸着させ、
イオン結合法は、担体表面にカチオン性やアニオ
ン性の官能基を結合したもので、酸素をイオン的
に吸着させ、共有結合法は、担体へ反応性試薬に
より、エポキシ基やサツクシニル基やトリシル基
等を結合させ、さらに酸素を共有結合的に結合さ
せる方法である。 清酒は一般にタンクに貯蔵するため火入れが行
われ、さらに瓶詰工程で再び殺菌のため瓶かんと
称し火入れをするが、この一度または二度の火入
れにより、芳醇な香りが減少し、また味覚自体も
変化するので再び精成処理をする必要がある。 本発明によれば、清酒は、蛋白分解酵素を固定
化した高分子担体を充填されたカラムを通過させ
る。これにより、芳香を失なうことなく、酵素の
失活が可能である。しかも、カラムによる酵素の
失活に要する反応時間は短時間でよいので、大容
量のカラムは必要でない。 また、30℃乃至50℃に加熱した後に上記カラム
を通過させることも可能である。この場合、処理
される清酒の品温が高いほど酵素反応が速く進む
ため、固定化酵素カラムの容量はさらに小さくて
済む利点がある。但し、固定化酵素の活性低下は
上記加熱をしない場合に比べ早く低下する。 さらに、本発明は醸造工程、おりびきろ過工程
後の清酒を、紫外線による殺菌工程後の、上記カ
ラムを通過させるようにすることも可能である。
この場合においても芳香を失なうことなく酵素を
失活を行うことが可能である。その紫外線として
は特に火落ち菌に対し殺菌性の高い波長のものを
用いることが好ましい。 さらに、本発明は醸造工程、おりびきろ過工程
後の清酒を、精密ろ過を行うフイルタによる除菌
工程、あるいは限外ろ過による除菌工程後、上記
カラムを通過させるようにすることも可能であ
る。この場合においても芳香を失なうことなく酵
素の失活を行うことができる。 なお、上記の殺菌工程、除菌工程、をカラム通
過工程の後に行うことも可能である。 (実施例) 第1図は本願発明の方法を説明するための図で
あり、同図1は醸造酒を酵素失活のために接触処
理する工程が、酵素固定化カラム通過工程からな
る例を示し、同図2,3,4,5は、それぞれ蛋
白分解酵素固定化カラム通過工程の前に、紫外線
照射による殺菌工程、精密ろ過による除菌工程、
限外ろ過による除菌工程、可及的最低限の火入れ
による殺菌工程を含む例を示し、第2図は蛋白分
解酵素固定化カラム通過工程を含まない従来例の
工程を参照のために示すものである。 清酒は、ポンプにより蛋白分解酵素を固定化し
た高分子担体の充填されたカラムに給送し、含ま
れる酵素成分の失活を行う。 実施例 1 高分子材料であるセルロフアインGC−700(商
品名)と1000mlに0.1%グルタルアルデヒド水溶
液PH7.0の1000mlを加えて、スターラーで徐々に
室温下において24時間撹拌した。このようにして
得られた高分子担体をガラスフイルタでろ過し、
さらに、純水2000mlに入れて撹拌洗浄するという
操作を繰り返し、ろ液中にグルタルアルデヒドが
なくなるまで行つた。この高分子担体をPH6.9の
5mMolのリン酸バツフア液に蛋白分解酵素であ
るペプシン100mgを溶解した溶液に混入し、5℃
で20時間、スタラーで徐々に撹拌することによ
り、高分子担体に蛋白分解酵素を固定した。 このようにして製造した蛋白分解酵素を固定化
した高分子担体を、第3図に示すように一端に流
入口を設け、他端に流出口を設けた内径22mm、長
さ750mmの円筒型と容器からなるカラムに充填し、
純水で流出液中に蛋白質の流出が完全になくなる
まで洗浄する。 以上のようにして作成した蛋白分解酵素固定の
高分子担体を充填してなるカラムによる糖分解酵
素の失活効果を調べるために、いずれも火入れを
行つている市販の清酒A、Bをサンプルとして、
カラムを通過させた場合(カラム通過後)と通過
させなかた場合(カラム通過前)との酵素活性を
測定した。 本実施例のカラムを通過させないサンプルA、
Bを透析チユーブで透析し、PH5の0.1%でんぷ
ん溶液5mlに、それぞれサンプルを0.1mlを添加
し、40℃で20分間反応させて生成したグルコース
の量を測定し、糖分解酵素活性を計算した。 また、サンプルA,Bを35℃まで加温したの
ち、それぞれ上記カラム中を10ml/minの流速で
通過させた。なお、カラムを通過させないサンプ
ルA,Bについて上記測定方法と同じ方法により
生成グルコースの量を測定し、糖分解酵素活性を
計算した。さらに、上記のサンプルについ
【表】 て後述のようにペプチダーゼ活性を測定した。 その結果は、第1表に示すように、本実施例の
カラムを通過させない場合は、かなり糖分解酵素
活性およびペプチダーゼ活性が残存しているのに
対し、本実施例のカラムを通過させることによ
り、糖分解酵素活性およびペプチダーゼ活性が検
知されなかつた。なお、糖分解酵素活性の単位は
「ユニツト」であり、1ユニツトは、清酒1ml中
の0.1%でんぷん溶液から、40℃において1分間
に1μMolのグルコースを遊離する活性量である。
また、ペプチダーゼ活性の単位はTyr,μMol/
hであり、その測定には次のような方法を用い
た。即ち、1mMolのペプタイド(Cbz−L−
Glu−L−Tyr)を含む1.5mlに透析した清酒1.5ml
を加え、L字型試験管中で、モノー式振とう機で
ゆるやかに振とうしながら30℃、1時間反応さ
せ、上澄液中遊離したチロシンをニンヒドリン法
により定量した。活性単位は、30℃、1時間の反
応により生成するチロシンのμMolで表した。 実施例 2 実施例1の方法において蛋白分解酵素としてペ
プシンの代わりにトリプシンを用いた点の他は同
様の方法により蛋白分解酵素固定の高分子担体を
充填したカラムを製造した。 このカラムに清酒の火入れ後のサンプルCと、
それを火入れする前のサンプルC′を、それぞれ本
実施例のカラムを通過させないで、実施例1と同
様の方法で糖分解酵素の酸素活性を測定した。 また、サンプルC,C′を35℃まで加温したの
ち、それぞれ上記カラム中を10ml/minの流速で
通過させた。そしてカラムを通過させないサンプ
ルC,C′についての上記測定方法と同じ方法によ
り遊離グルコースの量を測定し、酵素活性を計算
した。
【表】 その結果は、第2表に示すように、本実施例の
カラムを通過させることにより、酵素活性が検知
されなかつた。この第2表に示す結果から次のこ
とが明らかである。すなわち、従来の残存酵素の
失活(火落ち菌の殺菌をも兼ねている)のための
火入れを行つた場合は、第2表において、サンプ
ルCのカラム通過前の糖分解酵素活性の計算値
2.05単位によつて表されるように、いまだ残存酵
素が存在するのに対し、従来の上記火入れに換え
て本実施例によるカラムの通過させた場合は、サ
ンプルC′のカラム通過後の糖分解酵素活性の計算
値0.00単位によつて表されるように残存酵素が検
知されない程度になつていることが分る。 実施例 3 高分子材料であるセルロフアインGC−700(商
品名)の1000mlにPH9の0.1%エピクロルヒドリ
ン水溶液1000mlを入れて、室温で2時間放置し
た。このようにして得られた高分子担体を実施例
1と同様な方法で洗浄した。この高分子担体にPH
9の5mMolリン酸ブツフア液に、蛋白分解酵素
であるパパイン100mgを溶解した溶液を入れ、5
℃で20時間、スタラーで徐々に撹拌し、高分子担
体に蛋白分解酵素を固定した。これをカラムに充
填し、純水で洗浄を繰り返し、流出液中に蛋白質
が不検出になるまで洗浄した。 このようにして製作した蛋白分解酵素固定の高
分子担体充填カラムに、実施例2に用いた火入れ
後のサンプルC、火入れ前のサンプルC′、サンプ
ルCを更に火入れした(60℃5分)サンプルC″、
およびサンプルC′に紫外線を照射したサンプル
をそれぞれ通過させ、糖分解酵素活性を測定する
と共に、その味覚および印象を10人のパネラーで
調べたところ第3表に示す測定結果および評価結
果がえられた。なお、味覚の評価は、パネラーの
5段階(5:優れている、4:少し優れている、
3:普通、2:やや劣る、1:劣る)評価の平均
値を示す。 この結果のうち測定結果から明らかなように、
醸造工程により得られた清酒に、残存酵素の失活
と火落ち菌の殺菌を目的とした従来の通常の火入
れ処理を行つていない状態における糖分解酵素活
性は第3表のサンプルC′の第1行に示すおように
3.65ユニツトである。この清酒に対し上記従来の
通常の火入れ処理を行つた場合には、第3表のサ
ンプルCの第1行に示すように糖分解酵素活性は
2.05ユニツトであり、残存酵素の失活が十分でな
い。さらに、2度目の火入れを行つたサンプル
C″でも残存酵素が失活されないで残つている。 一方、本願発明による固定化蛋白分解酵素によ
り接触処理した場合には、第3表のサンプルC′の
第2行に示すように、糖分解酵素活性は検知され
ず、酵素の失活が完全に行われていることが分
る。 また、評価結果をみると、従来の火入れ工程の
代りに固定化蛋白分解酵素による残存酵素失活の
工程により処理したサンプルC′およびCは味覚
は普通以上であり、芳香があるという評価を得て
おり、清酒の風味が保持されていることが分る。 これに対し、従来の火入れ(すなわち残存酵素
の失活させかつ火落ち菌の殺菌させる目的を火入
れであつて味覚を損なわない程度の条件の火入
れ)を行つたサンプルCは、芳香が少なくなりサ
ンプルC′に比べて、味覚もやや落ちると評価され
ている。 残存酵素を低減するために火入れの条件を従来
の通常の火入れ条件よりもさらに強化したサンプ
ルC″は、味覚においても芳香においてもさらに
劣化がある旨評価されている。 以上の各結果を総合すると、本実施例による固
定化蛋白分解酵素の接触処理による酵素失活の効
果は、従来の火入れによる酵素失活の効果に比べ
て、遥かに優れている。しかも、味覚や芳香の劣
化も従来のものに比べて少なくすることができ
る。 なお、この実施例では、サンプルCの殺菌工
程は蛋白分解酵素固定化カラム通過工程の前に置
かれているが、この殺菌工程は蛋白分解酵素固定
化カラム通過工程の後に置いても、あるいは前後
双方に置いても、味覚や芳香にあまり差異のない
ことが確かめられた。また、第1図に示す他の殺
菌工程や除菌工程も同様である。
【表】 以上の実施例においては、醸造酒として清酒の
場合について説明したが、酵素失活を必要とする
他の醸造酒に対しても本発明を適用できることは
もちろんである。 (発明の効果) 以上に詳述したように、本発明によれば、醸造
工程、おりびろき過工程後の醸造酒を、蛋白分解
酵素を固定化した高分子担体の充填されたカラム
に通過させることにより、芳香を失うことなく、
酸素の失活が可能である。しかも、カラムによる
酵素の失活は反応時間が短時間でよいので、大容
器のカラムは必要でなく、装置は小型に構成する
ことが可能である。 また、30℃乃至50℃に加熱した後に上記カラム
を通過させた場合には、処理される清酒の品温が
高い程酵素反応が速く進むため、固定化蛋白分解
酵素カラムの容量は更に小さくて済む利点があ
る。ただ、固定化蛋白分解酵素の活性は上記加熱
をしない場合に比べると早く低下する。 さらに、本発明は、醸造工程、おりびきろ過工
程の醸造酒に対し、固定化蛋白分解酵素の接触処
理により残存酵素の失活を行うことにより、残存
酵素の失活が、従来の火入れ処理とは異なり、ほ
ぼ完全に行われるので、得られた醸造酒は味質の
経時安定性に極めて優れている。また、火落ち菌
に対する処理は、従来の火入れのように残存酵素
の失活と兼ねて行う必要はなく、酵素失活のため
の処理に依存せず独立しているので、蛋白分解酵
素固定化カラム通過の前、または後、もしくは前
後双方に、紫外線照射による殺菌処理、精密ろ過
によ除菌、限外ろ過による除菌、可及的最低限の
火入れによる殺菌等の種々の細菌処理方法や除菌
処理方法から適宜に選択して、味覚や風味を損ね
ることの少ない条件で殺菌や除菌を行うことが可
能となり、従つて、本発明の製造方法は味質の優
れた醸造酒を製造できる。 さらに、生酒は市場に流通する際に、従来、低
温貯蔵を必要とし、その取り扱いが繁雑であり流
通のための費用も高くなつていたが、本発明によ
り輸送が簡単になりその費用も安くなる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明の方法を説明するための図で
あり、同図1は醸造酒を酵素失活のために接触処
理する工程が、蛋白分解酵素固定化カラム通過工
程からなる例を示し、同図2,3,4,5は、そ
れぞれ同図1の蛋白分解酵素固定化カラム通過工
程の前に、紫外線照射による殺菌工程、精密ろ過
による除菌工程、限外ろ過による除菌工程、火入
れ工程を含む例を示す。第2図は蛋白分解酵素固
定化カラム通過工程を含まない従来例の工程を示
すものである。第3図は、本発明によるカラムの
一実施例を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 固定化蛋白分解酵素により、醸造酒を接触処
    理して醸造酒中の残存酵素を失活させる工程と、 前記工程の前または後のいずれか一方または双
    方に設けた除・殺菌処理工程と を含むことを特徴とする醸造酒の製造方法。 2 前記醸造酒を接触処理して醸造酒中の残存酵
    素を失活させる工程は、固定化蛋白酵素による接
    触処理をバツチ法により行うものであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の醸造酒の製
    造方法。 3 固定化される蛋白分解酵素が、ペプシン、ト
    リプシン、パパイン、耐熱性プロテアーゼのいず
    れか、またはそれらの組み合せであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の醸造酒の製造
    方法。 4 前記除・殺菌処理工程が、ミクロフイルタに
    よる除菌工程であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の醸造酒の製造方法。 5 前記除・殺菌処理工程が、紫外線による殺菌
    工程であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の醸造酒の製造方法。 6 前記除・殺菌処理工程が、限外ろ過による除
    菌工程であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の醸造酒の製造方法。 7 前記除・殺菌処理工程が、火入れ処理工程で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の醸造酒の製造方法。 8 固定化蛋白分解酵素により、醸造酒を接触処
    理して醸造酒中の残存酵素を失活させる工程と、
    前記工程の前または後のいずれか一方または双方
    に設けた除・殺菌処理工程とを含む醸造酒の製造
    方法における残存酵素を失活させる工程に使用す
    るカラムであつて、一端に流入口を設け他端に流
    出口を設けた筒型の容器に、蛋白分解酵素を固定
    した表面に非イオン性かつ親水性官能基を有する
    高分子担体を充填したことを特徴とするカラム。 9 前記高分子担体が、高分子多糖類を主成分と
    することを特徴とする特許請求の範囲第8項記載
    のカラム。
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