JPH0367959B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、農用トラクター用リフトに係るもの
である。

（従来技術） 従来公知の、実願昭53−145002号明細書および
図面には、４輪型農用トラクターの後部に設けら
れ該農用トラクターの機体側に取付けた油圧装置
により上下動するリフトアームおよび伸縮自在の
アツパリンクならびにロワーリンクとからなる三
点リンク機構と、前記アツパリンクおよび前記ロ
ワーリンクの後端に取付けられ前記アツパリンク
の伸縮により前後傾動する垂直のリフトマスト、
該リフトマストに上下動自在に取付けたリフトと
からなる農用トラクター用リフトにおいて、前記
リフトマストには、前記リフトを独立して上下動
させる油圧シリンダーと、前記リフトマストの下
端部に設けられ前記リフトマストを下降させたと
き接地するスタンドとを設けた農用トラクター用
リフトついて記載されている。

また、従来公知の、実願昭47−83844号明細書
および図面には、４輪型農用トラクターの後部に
設けられ該農用トラクターの機体側に取付けた油
圧装置により上下動するリフトアームおよびアツ
パリンクならびにロワーリンクとからなる三点リ
ンク機構と、前記アツパリンクおよび前記ロワー
リンクの後端に取付けられた垂直のリフトマスト
と、該リフトマストに上下動自在に取付けたリフ
トとからなる農用トラクター用リフトにおいて、
前記リフトアームには、前記リフトマストに設け
た滑車を介して前記リフトに先端を係止したワイ
ヤの基部を係止し、前記リフトマストの下端部に
は複数の遊転輪を設けた農用トラクター用リフト
について記載されている。

（発明が解決しようとする課題） 前記実願昭53−145002号明細書および図面に記
載されたものは、リフトマストの下端部にスタン
ドを設けた構成であるため、ロワーリンクおよび
アツパリンクによりリフトマストを下動させたと
き、該リフトマストをスタンドにより支持し転倒
を防止する。

しかし、リフトマストは、ロワーリンクおよび
アツパリンクの取付部を中心とする円弧移動しな
がら下降するため、リフトマストの下端のスタン
ドが接地したとき、リフトマストは後倒れ状態に
なるが、スタンドが接地した状態でリフトマスト
の前後傾斜を修正すると、リフトマストはその下
端部を中心に前後回動するのでスタンドの前後側
が浮き上がりスタンドを破損する。

また、リフトに重量物を載置した状態で、誤操
作によりトラクターを前後進させるとスタンドを
破壊するという課題もある。

また、リフトアームはスタンドにより支持され
るから、リフトに重量物を載置した状態で、移動
することは不可能である。

また、実願昭47−83844号明細書および図面に
記載されたものは、リフトアームにワイヤの基部
を係止し、該ワイヤの先端は前記リフトマストに
設けた滑車を介して前記リフトに係止した構造の
ため、リフトアームによりワイヤを牽引してリフ
トの上下はできるがリフトマストの上下はできな
いという課題がある。

リフトマストを上下させるには、別途リフトア
ームとリフトマストを連結する部材により両者を
固定しなければならず、操作が面倒であるという
課題がある。

また、アツパリンクは伸縮不能であるため、リ
フトマストを下動させると、リフトマストは後倒
れ状態になるので、リフトを上下させると危険で
ある。

また、リフトマストの下端に遊転輪は、幅のな
い車輪を複数にしたものであるから、荷重を受け
切れない。

（発明の目的） 本発明は、簡単に、リフトアームによるリフト
マストの上下動と、リフトマストに設けたリフト
の単独での上下動とを同時にできるようにしたも
のである。

また本発明は、リフトマストを地面に設置後垂
直状態に修正できるようにしたものである。

また、本発明は、重量物をリフトに載置した状
態で、支持および運搬可能にしたものである。

（課題を解決するための手段） よつて本発明は、４輪型農用トラクター１の後
部に設けられ該農用トラクター１の機体側に取付
けた油圧装置により上下動するリフトアーム６お
よび伸縮自在のアツパリンク４ならびにロワーリ
ンク５とからなる三点リンク機構と、前記アツパ
リンク４および前記ロワーリンク５の後端に取付
けられ前記アツパリンク４の伸縮により前後傾動
する垂直のリフトマスト８と、該リフトマスト８
に上下動自在に取付けたリフト１３とからなる農
用トラクター用リフトにおいて、前記リフトマス
ト８には、前記リフト１３を上下動させる油圧シ
リンダー１８と、前記リフトマスト８の下端部に
横軸により回転自在に設けられ前記リフトマスト
８を下降させたとき接地する前記リフトマスト８
幅一杯の横に長いローラー２２とを設けた農用ト
ラクター用リフトとしたものである。

（実施例） 本発明の実施例を図により説明すると、１は農
用トラクター、２はその前輪、３はその後輪であ
り、前記農用トラクター１に後部には、アツパリ
ンク４とロワーリンク５よりなる三点リンク機構
が取付けられる。

該三点リンク機構は、農用トラクター１の機体
内に取付けられている油圧装置により上下動す
る。

６はリフトアームであり、リフトアーム６の先
端部分にはロツド７の上端を取付け、ロツド７の
下端は前記ロワーリンク５の中間に軸着される。
アツパリンク４とロワーリンク５の後端には垂直
のリフトマスト８，８の中間部が左右に所定の間
隔を有して取付けられている。

該リフトマスト８，８は、断面コ型形状であ
り、左右のリフトマスト８，８の内側には、型
形状の上下動枠９が上下動自在に取付けられてい
る。該上下動枠９は、左右のリフトマスト８，８
の中間に取付けられた垂直の油圧シリンダー１０
のピストン１１の伸縮により上下動するように構
成する。

前記上下動枠９は、左右両側の縦枠１２の上端
を横枠１４により連結固定して形成され、前記縦
枠１２の断面は、チヤンネル形（コの字）のレー
ルに形成され、前記リフトマスト８，８の内側に
嵌合させる。

１３は前記上下動枠９の縦枠１２に取付けたリ
フトであり、リフト１３のリフト枠２９の前面左
右両側に設けたローラー３０を縦枠１２に嵌合さ
せて上下移動する。

前記横枠１４の下面側の左右側には滑車１５，
１５を取付け、該滑車１５，１５にチエン１６，
１６の中間部を掛け回す。

チエン１６，１６はその一端がリフトマスト８
の下端に固着され、滑車１５，１５を巻回したの
ち、他端はリフト１３に固着されている。従つ
て、上下動枠９が油圧シリンダー１０のピストン
１１の伸縮で上下動すると、リフト１３は２倍に
拡大されて上下動する。

前記リフトマスト８，８には、油圧シリンダー
１０を作動させる油圧切替バルブ１７と油タンク
１８を取付ける。１９は油圧切替バルブ１７の操
作レバーであり、前記リフト１３は操作レバー１
９の操作により単独で上下動する。

前記アツパリンク４の一部は油圧シリンダー２
０により形成され、該油圧シリンダー２０のピス
トン２１の伸縮によりリフトマスト８は下部を中
心に前後に傾動する。

しかして、前記リフトマスト８，８の下端には
横長のローラー２２を取付ける。

該ローラー２２は前記リフトマスト８，８を下
降させたとき接地し、この接地状態でリフトマス
ト８，８を支持する。

前記リフト１３又はリフト１３に取付けたバケ
ツト２３は転倒するように油圧シリンダー２４を
取付ける、２５は油圧シリンダー２４のピストン
である。農用トラクター１には、出力軸２６を設
け、出力軸２６に着脱自在に油圧ポンプ２７を取
付ける。そして、油圧ポンプ２７と、油圧シリン
ダー１０、油圧シリンダー２０、油圧シリンダー
２４および油圧切替バルブ１７とを関連的に結合
する。

（作用） 本発明は、上述の構成であるから、トラクター
１の後部に設けた油圧装置により三点リンク機構
のリフトアーム６を上動させると、ロワーリンク
５を上動させるから、ロワーリンク５およびアツ
パーリンク４によりリフトマスト８，８を上動さ
せる。

また、操作レバー１９により油圧シリンダー２
０に送油すると、リフトマスト８は、アツパリン
ク４との取付部を中心に前後に傾動する。

また、油圧シリンダー２４に送油すると、バケ
ツト２３を転倒させる。

しかして、油圧ポンプ２７を出力軸２６に取付
け、鎖２８で農用トラクター１と結合し、出出力
軸２６を回転させ、油圧切替バルブ１７を切替え
ることによつて、油圧シリンダー１０のピストン
１１を伸縮させると、ピストン１１により上下動
枠９を上動させ、チエン１６の作用でリフト１３
のみを２倍に拡大して上下動させる。

この場合、リフトマスト８，８の下面にはロー
ラー２２が設けられているから、トラクター１の
後部に設けた油圧装置により三点リンク機構のリ
フトアーム６を下動させると、ロワーリンク５は
下動し、ロワーリンク５およびアツパーリンク４
によりリフトマスト８，８を下動させ、ローラ２
２は接地する。

そして、ロワーリンク５およびアツパーリンク
４によるリフトマスト８，８の下動は、ロワーリ
ンク５およびアツパーリンク４の取付部を中心と
する円弧移動であるため、リフトマスト８，８は
後倒れ状態になるが、操作レバー１９により油圧
シリンダー２０に送油すると、リフトマスト８
は、ローラー２２を中心に前側に傾動し、容易に
リフトマスト８，８を垂直状態にでき、リフト１
３の上下も安全に行なえる。

この場合、リフトマスト８を垂直状態にすると
き、リフトマスト８の下端は円弧状に回転する
が、リフトマスト８はローラー２２により支持さ
れているから、円滑に行なえる。

しかして、以上のように、リフトを上昇させる
にあたり、リフトの重量が大であると、農用トラ
クター１の前輪２が持ち上つたりするが、前もつ
て、トラクター１側の油圧装置を作動させて、ロ
ワーリンク５を回動させてリフトマスト８を下動
させローラー２２を接地させることにより転倒を
防止する。

また、リフト１３あるいはバケツト２３に重量
物を載置した状態で、農用トラクター１を前後進
させても、リフトマスト８はローラー２２により
支持されているから、安全に走行できる。

（効果） 本発明は、４輪型農用トラクター１の後部に設
けられ該農用トラクター１の機体側に取付けた油
圧装置により上下動するリフトアーム６および伸
縮自在のアツパリンク４ならびにロワーリンク５
とからなる三点リンク機構と、前記アツパリンク
４および前記ロワーリンク５の後端に取付けられ
前記アツパリンク４の伸縮により前後傾動する垂
直のリフトマスト８と、該リフトマスト８に上下
動自在に取付けたリフト１３とからなる農用トラ
クター用リフトにおいて、前記リフトマスト８に
は、前記リフト１３を上下動させる油圧シリンダ
ー１８と、前記リフトマスト８の下端部に横軸に
より回転自在に設けられ前記リフトマスト８を下
降させたとき接地する前記リフトマスト８幅一杯
の横に長いローラー２２とを設けた農用トラクタ
ー用リフトとしたものであるから、 リフトアーム６によりロワーリンク５を下降
させるのみで、リフトマスト８の下端部のロー
ラー２２が接地し、リフトマスト８を支持し、
転倒を防止する。

ローラー２２が接地した状態でアツパリンク
４の縮小させるだけで、後倒れに下降したリフ
トマスト８を垂直状態にできる。

リフトマスト８が垂直状態なので、安全にリ
フト１３のみを油圧シリンダー１８により上下
させることができ、利用範囲が拡大する。

また、リフトマスト８はローラー２２により
支持されるから、リフト１３に重量物を載置し
た状態で、移動運搬できる。

また、リフト１３に重量物を載置した状態
で、誤操作によりトラクター１を前後進させて
も、ローラー２２は破損しない。

また、リフトマスト８幅一杯の横に長いロー
ラー２２とを設けたから、荷重が大きくとも円
滑に作動する。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の側面図、第２図は同バケツトが
上動した側面図、第３図は斜視図、第４図は要部
の斜視図である。 符号の説明、１……農用トラクター、２……前
輪、３……後輪、４……アツパリンク、５……ロ
ワーリンク、６……リフトアーム、７……ロツ
ド、８……リフトアーム、９……上下動枠、１０
……油圧シリンダー、１１……ピストン、１２…
…垂直部、１３……リフト、１４……横杆、１５
……滑車、１６……チエン、１７……油圧切替バ
ルブ、１８……油タンク、１９……操作レバー、
２０……油圧シリンダー、２１……ピストン、２
２……ローラー、２３……バケツト、２４……油
圧シリンダー、２５……ピストン、２６……出力
軸、２７……油圧ポンプ、２８……鎖、２９……
リフト枠、３０……ローラー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ４輪型農用トラクター１の後部に設けられ該
   農用トラクター１の機体側に取付けた油圧装置に
   より上下動するリフトアーム６および伸縮自在の
   アツパリンク４ならびにロワーリンク５とからな
   る三点リンク機構と、前記アツパリンク４および
   前記ロワーリンク５の後端に取付けられ前記アツ
   パリンク４の伸縮により前後傾動する垂直のリフ
   トマスト８と、該リフトマスト８に上下動自在に
   取付けたリフト１３とからなる農用トラクター用
   リフトにおいて、前記リフトマスト８には、前記
   リフト１３を上下動させる油圧シリンダー１８
   と、前記リフトマスト８の下端部に横軸により回
   転自在に設けられ前記リフトマスト８を下降させ
   たとき接地する前記リフトマスト８幅一杯の横に
   長いローラー２２とを設けた農用トラクター用リ
   フト。