JPH0367679B2 - - Google Patents

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JPH0367679B2
JPH0367679B2 JP19844682A JP19844682A JPH0367679B2 JP H0367679 B2 JPH0367679 B2 JP H0367679B2 JP 19844682 A JP19844682 A JP 19844682A JP 19844682 A JP19844682 A JP 19844682A JP H0367679 B2 JPH0367679 B2 JP H0367679B2
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dye
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Kazumi Arai
Morio Kobayashi
Kenichiro Okaniwa
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Konica Minolta Inc
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は分析素子、特に流体中の特定成分を分
析する分析素子に関し、更に詳しくは、生物学的
流体試料中の特定成分を還元型補酵素を介して分
析する乾式の分析素子に関する。 従来、流体試料中の特定成分を分析する方法
は、多数開発がなされてきたが、これらは大別し
て、溶液内で反応が行なわれる反応系と、固相担
体内で行なわれる反応系との2種類に別けること
ができる。溶液系における分析反応(以下、ウエ
ツト・ケミストリーという。)は、用手法と呼ば
れる全く機械を用いない方法から、自動分析機器
まで巾広く知られている。特に臨床化学の分野で
はその進歩が著しく、近年種々の臨床検査用自動
定量分析機器が病院の臨床検査室などに導入され
ている。 いる。 しかしながら、上述の方法は、基本的には水溶
液の形で反応を行なわしむるために、種々の欠点
を有している。即ち、その分析過程で大量の水、
特に精製された純水あるいは蒸留水を必要とする
ことからエネルギー消費の増大を招く。また、
種々の自動分析機器はそれ自体著しく高価であ
り、かつその操作に多大の熟練を必要とし、莫大
な時間と労力を必要とするばかりでなく、その廃
液は必然的に環境汚染を引き起こすという欠点を
有している。 これに対して固相系における分析反応(以下、
ドライ・ケミストリーという。)を用いる分析方
法も広範に用いられているが、これらは紙等に
試薬を含浸させた形で行なわれる。 上記の紙は、例えば米国特許第3050373号あ
るいは同3061523号各明細書等に記載されている
ように紙の如き吸水性繊維質担体に試薬溶液を
含浸させ、乾燥させて作られるものである。これ
らは一般に分析試験紙または単に試験片と呼ばれ
るもので、試験片に流体試料を滴下するか、また
は流体試料中へ試験片を浸漬させ試験片の色変化
または濃度変化を肉眼判定か、または反射濃度計
により測定し、流体試料中の特定成分の濃度レベ
ルを決定するものである。 これらの試験片は、その取扱いが簡便であり、
かつ直ちに結果が得られるので有用ではあるが、
その構成上から半定量または定性分析の領域にと
どまつている。 一方上述の如き従来の分析方法に対して操作性
の簡便なドライ・ケミストリーを用い、その上高
い定量性を有する多層分析素子が知られている。
例えば、特公昭53−21677号、特開昭55−164356
号、同57−125847号、特願昭56−65446号、なら
びに同56−189784号等に多層分析素子が記載され
ている。 これらに記載の素子によれば、分析反応に用い
られる一切の試薬類を一枚の分析素子中に含有し
ており、血清または全血液を一定容量上記素子上
に滴下し、一定温度で一定時間保温した後、支持
体側から反射濃度の測定を行ない、この反射濃度
から物質濃度を決定することが可能である。 上記方法は、従来の試験紙型のものに対して飛
躍的な分析精度を有し、かつ予め試薬を調製する
ことなくウエツト・ケミストリーと同等以上の性
能を有するものである。 しかしながら、かかるドライ・ケミストリーを
用いた分析素子は低分子量の化合物の分析に主と
して供せられ、かつ反応終点測定法(エンド・ポ
イント・アツセイ)で行なわれるものが主体であ
り、未だ初速度法(レート・アツセイ)を用いる
高分子量物質、特に酵素の活性度を測定するもの
の開発はなされていない。 特に、還元型補酵素、即ち還元型ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドあるいは還元型ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の増加ま
たは減少によつて流体試料中の成分を測定する方
法はその適用範囲が広く有用な方法であることが
知られている。 これら還元型補酵素はウエツト・ケミストリー
においては応用されており、試料中の特定成分を
一定の所望の反応径路を介在せしめた後、上記の
還元型補酵素の減少反応に導き還元型補酵素の紫
外部領域を初速度法により測定することで検出す
る方法、あるいは還元型補酵素の変化を電子伝達
剤を介して色素形成性前駆物質に伝えることで、
色素を形成せしめ、この色素の濃度を比色法によ
り定量する方法が知られている。 前者の方法は、ウエツト・ケミストリーにおい
ては一般的に用いられている方法であるが、前述
のドライ・ケミストリーの分析素子に導入するた
めにはいくつかの致命的な問題点がある。即ち測
定対象物とされる還元型補酵素の変化は、340n
mの紫外部の吸収を測定する必要があり、かつそ
の分子吸光係数は著しく小さいものであることが
知られている。それ故、紫外部の微小な吸光度の
変化を測定する必要があり、また分析素子の構造
上、反射測光を行なわねばならないために、より
高度な測定機器を必要とし、著しく高価な測定機
器を用いなければならない。更に紫外部を測定す
るために、全ての素材について340nm付近に吸
収を有しないものを用いなければならないという
困難さを伴う。 後者の方法は、電子伝達剤を介して色素を形成
させ、これを可視部において比色法により定量で
きるため、前者の方法に比べてはるかに有利であ
るばかりでなく、初速度法、反応終点法の両方を
用いることが可能であるため極めて有利である。 この様に有利な面を有しながら、後者の方法
は、ウエツト・ケミストリーにおいては多用され
なかつた。というのは、前述の電子伝達剤および
色素形成前駆体は、両者が溶液系内で共存すると
これらの安定性が非常に低下し、不所望の色素の
形成を誘発するという重大な欠点を有するだけで
なく、両者の混合時における精度の低下や、色素
形成前駆体から誘導される色素が水に不溶性であ
る場合が多く、色素が水溶液中で沈澱を起こし、
この沈澱に基づく精度の低下、再現性の劣化等が
問題となる。 従つて、後者の方法を単に多層分析素子に摘用
した場合、本来多層分析素子自体が有している有
用性を発揮できないばかりか、更に試薬の安定性
および測定精度等の点で充分に満足し得るもので
はないことは明白である。 このため、多層分析素子の有用性を維持しつ
つ、かつ上記後者の方法を適用した分析素子の開
発が強く望まれていた。 本発明の目的は、従つて、試薬の安定性および
測定精度に優れ、生物学的流体試料中の特定成分
を還元型補酵素を介して簡便に分析するための乾
式分析素子を提供することにある。 即ち、本発明の分析素子は、光透過性でありか
つ液体不浸透性の支持体上に、順次必須の層とし
て少なくとも1層の検知層および少なくとも1層
の展開層が設けられている液体試料中の特定成分
を分析するための分析素子において、少なくとも
1種の電子伝達剤と少なくとも1種の色素形成性
前駆物質とが前記検知層および前記展開層に別々
に、またはいずれか一方の層に別々の粒子として
一緒に含有されており、且つ、少なくとも1種の
酸化型補酵素、および前記特定成分を介して前記
酸化型補酵素を還元型補酵素に変え得る少なくと
も1種の試薬が前記検知層および前記展開層のい
ずれかの層に含有されていることを特徴とするも
のである。 本発明に係る電子伝達剤は、生物学的流体試料
中の特定成分が介在して、本発明に係る試薬の少
なくとも1種と酸化型補酵素が反応して生成する
還元型補酵素の存在下で還元され、更に還元され
た該電子伝達剤は色素形成性前駆物質を還元し、
可視部に吸収を有する色素を形成せしめるもので
ある。 本発明において測定し得る流体試料中の特定成
分としては、例えば乳酸脱水素酵素(LDH)、グ
ルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ
(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミ
ナーゼ(GPT)、アミラーゼ(AMY)、クレアチ
ンホスホキナーゼ(CPK)、およびトリグリセリ
ド(TG)等が挙げられる。 本発明に係る試薬とは、主として基質または酵
素をいい、場合によつては補酵素をも包含する。
これらの試薬は、測定すべき生物学的流体試料中
の特定成分によつて適宜選ばれ、例えばLDHを
測定する場合は乳酸、GOTの場合はアスパラギ
ン酸、α−ケトグルタル酸およびグルタミン酸脱
水素酵素(GIDH)、GPTの場合はアラニン、α
−ケトグルタル酸およびグルタミン酸脱水素酵素
(GIDH)、AMYの場合はマルトペントース、オ
ルトリン酸、β−ホスフオグルコムターゼ(β−
PGM)、グルコースオキシダーゼ(GOD)およ
びマルトースホスフオリラーゼ(MP)、CPKの
場合はクレアチン、アデノシン三リン酸
(ATP)、ヘキソキナーゼ(HK)およびグルコ
ース−6−リン酸脱水素酵素(G−6−PDH)、
TGの場合はリポプロテインリパーゼ(LPL)、
グリセロキナーゼ(GK)、グリセロリン酸脱水
素酵素(GPDH)およびアデノシン三リン酸
(ATP)である。 本発明に係る酸化型補酵素とは、酸化型ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、お
よび酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
ドリン酸(NADP+)等をいう。還元型補酵素と
は、前記酸化型補酵素の還元型をいう。NAD+
還元型はNADHで、NADP+の還元型はNADPH
である。 以下に本発明に係る生物学的流体試料中の特定
成分が介在して、本発明に係る試薬の少なくとも
1種と酸化型補酵素との反応によつて、還元型補
酵素が生成される反応式を示す。 LDH 乳酸+NAD+LDH ―――→ ピルビン酸+NADH GOT アスパラギン酸+α−ケトグルタル酸GOT ―――→ オキザロ酢酸+グルタミン酸 グルタミン酸+NAD+GIDH ――――→ α−ケトグルタル酸+NADH GPT アラニン+α−ケトグルタル酸GPT ―――→ ピルビン酸+グルタミン酸 グルタミン酸+NAD+GIDH ――――→ α−ケトグルタル酸+NADH AMY マルトペントースα−AMY ――――→ マルトトリオース +マルトース マルトース+オルトリン酸MP ――→ グルコース +β−D−グルコース−1−ホスフエート β
−D−グルコース −1−ホスフエートβ−PGM ――――――→ グルコース−6−ホスフエート グルコース−6−ホスフエート+NAD+GOD ―――→ 6−ホスフオグルコン酸+NADH CPK クレアチン+ATPCPK ―――→ クレアチンリン酸 +ADP グルコース+ATPCPK ――→ ADP+グルコース −6−リン酸 グルコース−6−リン酸 +NADP+G−6−PDH ―――――――→ 6−ホスフオグルコン酸+NADPH TG TGLPL ―――→ グリセリン+脂肪酸 グリセリン+ATPGK ――→ グリセリン−1− リン酸+ADP グリセリン−1−リン酸+NAD+GPDH ――――→ ジヒドロキシアセントンリン酸+NADH 本発明に用いられる電子伝達剤としては、N−
メチルフエナジン・メトサルフエート類(例えば
N−メチルフエナジン・メトサルフエート、1−
メトキシ−N−メチルフエナジンメトサルフエー
ト等)、メルドラブルー、メチレンブルーおよび
ジアホラーゼなどを使用することができ、好まし
い電子伝達剤としては、N−メチルフエナジンメ
トサルフエート類を挙げることができる。 一方、本発明に係る色素形成性前駆物質として
は、テトラゾリウム塩類が通常用いられる。本発
明において用いられる上記テトラゾリウム塩類
は、色素形成後は殆どが水に対して難溶ないしは
不溶性になり、通常ウエツト・ケミストリー法で
は使用が難かしいものの、形成される色素が耐拡
散性であり、不所望のリンキングを防止し、測定
の定量性を向上せしめる点で、好ましく使用する
ことができる。 本発明において有用とされる上記テトラゾリウ
ム塩としては、例えば3,3′−(3,3′−ジメト
キシ−4,4′−ビフエニレン)−ビス[2−(p−
ニトロフエニル)−5−フエニルテトラゾリウム
クロリド](NBT)、3,3′−(3,3′−ジメトキ
シ−4,4′−ビフエニレン)−ビス[2,5−ジ
フエニル−テトラゾリウムクロリド](BT)、3
−(4,5′−ジメチル−トリアゾリル−2)−2,
4−ジフエニルテトラゾリウムブロミド
(MTT)、2−(p−ヨードフエニル)−3−(p
−ニトロフエニル)−5−フエニル−テトラゾリ
ウムクロリド(INT)、2,2′,5,5′−テトラ
−(p−ニトロフエニル)−3,3′−(3−ジメト
キシ−4−ジフエニレン)−ジテトラゾリウムク
ロリド(TNBT)、2,3,5−トリフエニルテ
トラゾリウムクロリド(TT)および3,3′−
(4,4′−ビフエニレン)−ビス[2,5−ジフエ
ニルテトラゾリウムクロリド](NT)等を挙げ
ることができる。 本発明の分析素子に含有される本発明に係る試
薬および酸化型補酵素は、それぞれ少なくとも1
層の検知層および少なくとも1層の展開層の何れ
に含有されても良い。また、電子伝達剤および色
素形成前駆物質も、それぞれ、少なくとも1層の
検知層および少なくとも1層の展開層のうちの何
れの層に含有されても良い。しかし、流体試料が
適用されるまではこれらの電子伝達剤および色素
形成性前駆物質は、不所望の色素を形成すべく互
いに反応しない状態で含有されていることが必要
である。従つて、電子伝達剤および色素形成性前
駆物質が、少なくとも1層の検知層および少なく
とも1層の展開層のうちの別異の層に含有されて
いることが好ましい。あるいは少なくとも1層の
検知層および少なくとも1層の展開層のうちの同
一の層に含有される場合においても、これらの電
子伝達剤および色素形成性前駆物質は、それぞれ
別々の粒子として含有されていることが好まし
い。 電子伝達剤および色素形成性前駆物質が別異の
層に含有され、少なくとも1層の検知層および少
なくとも1層の展開層の何れか1層以上に電子伝
達剤を含み、電子伝達剤を含まない層の何れか1
層以上の色素形成性前駆物質を含有する分析素子
においては、電子伝達剤が展開層の何れか1層に
含有され、色素形成性前駆物質が検知層に含有さ
れていても良く、その逆の状態で含有されていて
も良いが、好ましくは前者の状態である。この場
合、電子伝達剤を含む展開層と色素形成性前駆物
質を含む検知層の間にこれらの電子伝達剤および
色素形成性前駆物質を含まない層が介在している
ことが、より好ましい。 電子伝達剤および色素形成性前駆物質を別異の
層に含有させる場合、これらの含有層を設ける方
法としては、電子伝達剤または色素形成性前駆物
質をバインダー水溶液に溶解させ、更に具体的に
は水に溶解させた後、この溶液を水に溶解させた
バインダー中に加えて溶解させたものを塗設する
方法が挙げられる。 少なくとも1層の検知層および少なくとも1層
の展開層のうちの同一層に、電子伝達剤および色
素形成性前駆物質が別々の粒子として含有されて
いるとき、これらの電子伝達剤および色素形成性
前駆物質の粒径がそれぞれ0.1μ以上となつている
ことが好ましい。 更に電子伝達剤および色素形成性前駆物質が別
異の層に含有されている場合にも、これら電子伝
達剤および/または色素形成性前駆物質は粒子状
とすることもできる。 電子伝達剤および色素形成性前駆物質を粒子と
して含有する層を設ける方法としては、予め微粉
砕した電子伝達剤および色素形成性前駆物質をそ
れぞれ有機溶媒中に懸濁させ、同一の有機溶媒に
溶解させたバインダー中に得られた懸濁物を加え
て均一に分散させたものを塗設する方法、あるい
は、電子伝達剤および色素形成性前駆物質をそれ
ぞれ有機溶媒中に懸濁させて微粉砕し、同一の有
機溶媒に溶解させたバインダー中に加えて均一に
分散させたものを塗布する方法、ないしは、電子
伝達剤および色素形成性前駆物質を、バインダー
を含む有機溶媒中で微粉砕した後、均一したもの
を塗設する方法などが挙げられる。 また展開層が紙の如き繊維質多孔物質で構成
される場合は、バインダーを含む有機溶媒中に電
子伝達剤および色素形成性前駆物質を加えた後、
多孔質物質を加えて均一に分散させて塗布する方
法が挙げられる。 本発明に係る電子伝達剤を本発明の分析素子に
含有させる量は、前記特定成分の量に応じて変わ
るが、通常は1mg/m2〜1g/m2、好ましくは、
10〜500mg/m2である。また本発明に係る色素形
成性前駆物を本発明の分析素子に含有させる量
は、通常は10mg/m2〜10g/m2、好ましくは50
mg/m2〜3g/m2である。更に、本発明に係る酸
化型補酵素を本発明の分析素子に含有させる量
は、通常は10mg/m2〜50g/m2、好ましくは50
mg/m2〜10g/m2である。一方、本発明に係る試
薬の全量は、該試薬の種類によつて一概には言え
ないが、通常は10mg/m2〜100g/m2の範囲の量
で本発明の分析素子中に含有される。 前記電子伝達剤を含有する層および色素形成性
前駆物質を含有する層を形成するために用いられ
るバインダーは、特に制限されないが、色素形成
性前駆物質を含有する層のバインダーがゼラチン
誘導体であることが好ましい。層を形成させる方
法は特に制限されない。また、電子伝達剤および
色素形成性前駆物質が同一層に別々の粒子として
存在する場合、これらを含有する層のバインダー
は、これらを溶解させない理由により、疏水性バ
インダーであることが好ましい。 この様にして構成された本発明の分析素子は、
分析素子のカブリ(反射濃度)(検体を滴下して
いない場合の反射濃度)の保存安定性をはじめと
して、作製した素子の保存安定性が飛躍的に向上
し、高い識別能を得ることが可能となつた。 本発明に係る展開層は、(1)一定容量の流体試料
を単位面積あたり一定容量を検知層に均一に配布
する機能を有するものである。その上、更に、特
公昭53−21677号公報に記載された性能、即ち(2)
流体試料中の分析反応を阻害する物質または要因
を除去する機能、および/または(3)分光光度分析
を行なうときに支持体を経て透過する測定光を反
射する作用を行なう機能を有するものであれば好
ましい。従つて、本発明に係る展開層は、上記(1)
の機能のみを有する層、(1)に加えて(2)および/ま
たは(3)の機能を併せて有する層の何れかとするこ
とができ、あるいは、(1)を包含する複数の機能を
適宜分離し、各機能毎に別の層を使用することも
可能である。更に(1)、(2)および(3)の機能のうち、
2つの機能を有する層と、残りの1つの機能を有
する層を組合せて使用することができる。例え
ば、前述の特公昭53−21677号公報に記載された
二酸化チタンおよび二酢酸セルロースから成るブ
ラツシユポリマーと呼称される非繊維多孔質媒体
の展開層、特開昭56−24576号、同57−125847号
および特願昭56−65446号明細書などに記載され
た繊維構造展開層が挙げられる。特に上記繊維構
造展開層は、血球部分も速やかに移送することが
可能な素材として特に有用であり、更に本発明の
目的の一つである酵素の如き巨大分子の展開移送
に有用なものである。本発明の分析素子における
展開層の膜厚は、その空隙率によつて決定される
べきであるが、好ましくは約100〜約500ミクロ
ン、更に好ましくは約150〜350ミクロンである。
また、空隙率は好ましくは約20〜約85%である。 本発明に係る検知層は、流体試料中の特定物質
が、選択された反応により最終的に電子伝達剤を
介し、色素形成性前駆物質が色素に変化する際、
該色素形成系前駆物質が該検知層内で色素に変化
して分光学的観測量の変化として検知するための
場とするか、あるいは該検知層外で少なくとも色
素形成性前駆物質から変化した色素を受容し、分
光学的観測量の変化として検知するための場とす
る目的で設けられるものであり、この目的に反し
ない限りにおいて種々の試薬類および各種の付加
的な添加剤を含有することが可能である。 また他の付加的な添加剤として、例えば保恒
剤、緩衝剤、界面活性剤等、種々の添加剤も所望
に応じて添加することが出来る。 特に界面活性剤は流体試料を本発明の素子に適
用した際の浸透速度の調節等有効に用いることが
できる。 使用可能な界面活性剤としては、イオン性(ア
ニオン性またはカチオン性)、非イオン性を問わ
ず使用することが可能であるが、非イオン性界面
活性剤が有効である。非イオン性界面活性剤の例
としては、例えば2,5−ジ−t−ブチルフエノ
キシポリエチレングリコール、p−オクチルフエ
ノキシポリエチレングリコール、p−イソノニル
フエノキシポリエチレングリコール等のアルキル
置換フエノールのポリアルキレングリコール誘導
体、高級脂肪酸のポリアルキレングリコールエス
テルなどが挙げられる。これらの界面活性剤は流
体試料の受容層への浸透速度を調節し、同時に好
ましからざる「クロマトグラフイ現象」発生を抑
制する効果を有する。 上記界面活性剤は広範に選択された量を用いる
ことが可能であるが、塗布液の重量に対して10重
量パーセント乃至0.005重量パーセント、好まし
くは6重量パーセント乃至0.05重量パーセント用
いることができる。 本発明の分析素子に係る前記の液体不浸透性の
光透過性支持体(以下、本発明に係る支持体と略
す。)は、液体不浸透性で、かつ光透過性であれ
ば、その種類を問わないが、例えば酢酸セルロー
ス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、またはポリスチレンのような種々の重合体
材料が、この使用目的に適する。更には上記重合
体材料のみならず、ガラスの如き無機材料も同様
に用いることが可能である。本発明に係る支持体
の厚さは任意であるが、好ましくは約50〜約250
ミクロンである。また、本発明に係る支持体の観
測側の一側面は、その目的に応じて任意に加工す
ることが可能である。更に検知層を積層する側の
支持体面に、場合によつては光透過性の下塗り層
を使用して検知層と支持体との接着性を改良する
ことができる。 本発明の分析素子は、必要に応じて、例えば米
国特許第3992158号記載の反射層、下塗り層、米
国特許第4042335号記載の放射線ブロツキング層、
米国特許第4066403号記載のバリヤー層、米国特
許第4166093号記載のマイグレーシヨン阻止層、
特開昭55−90859号記載のスカベンジヤー層、お
よび米国特許第4110079号記載の破壊性ポツド状
部材等を任意に組合せて本発明の目的に合わせた
任意の構成とすることができる。 これら分析素子の種々の層は、本発明に係る支
持体上に所望の構成に従い、従来写真工業におい
て公知のスライドホツパー塗布法、押出し塗布
法、浸漬塗布法等を適宜選択して用い、順次積層
することで任意の厚みの層を塗設することができ
る。 本発明の分析素子を用いて、流体試料中の特定
成分の量を、本発明に係る支持体側から反射スペ
クトロフオトメトリーにより初速度法または反応
終結法に従つて測定することができる。このよう
にして得られた測定値は、予め作成しておいた検
量線に当てはめることで特定成分の量を決定する
ことができる。 本発明の分析素子に適用される流体試料の量は
任意に定めることができるが、好ましくは約5μ
から約50μであり、更に好ましくは5μから
20μである。通常約10μの流体試料を適用す
るのが好ましい。 本発明の分析素子は、全血液、血清および血漿
のいずれの分析にも不都合なく用いることができ
る。更には尿、リンパ液、髄液等の他の体液も不
都合なく用いられる。全血液を用いる場合には、
必要に応じて検出のための放射線が血球により防
害を受けるのをさけるために前述の放射線ブロツ
キング層または他の反射層を設けることができ
る。 本発明の分析素子に用いられる分析反応は、そ
の目的により任意に定めることができるが、例え
ば臨床化学の分野に有用であり、特に生物学的液
体試料、すなわち血液または尿中の成分の分析に
用いられる。 以上詳述したように、本発明の分析素子によれ
ば、流体試料を適用するまでは、電子伝達剤と色
素形成性前駆物質とが互いに反応し得ない状態で
構成層中に含有せしめることができたので試薬の
保存、安全性が改良され、カブリ濃度が低減し、
発色性に優れているだけでなく、不均一濃度の発
生や、クロマトグラフ現象もほとんど見られず、
可視光を使用して通常の分光光度計により、簡便
かつ迅速に流体試料、特に生物学的流体試料中の
成分の高精度乾式定量分析に用いることが可能と
なり、極めて実用的に有利である。 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、これによつて本発明の実施態様が限定
されるものではない。 実施例 1 (1) 本発明の分析素子−1の製造 A 塗布液調製 (a) ゼラチン25g、酸化型ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド(NAD+)3.8g、
TritonX−100(商品名、Rohm & Hass
社製)0.5g、乳酸リチウム5g、トリス
ヒドロキシメチルアミノメタン3.9g、塩
酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g、1,2−ビス(ビニルスルホニル)
エタン0.2gを150mlの蒸留水に溶解し、受
容層用塗布液とした。 (b) キシレン100mlに1−メトキシ−N−メ
チルフエナジンメトサルフエート
(MeO・PMS)68mgを加えた液、キシレ
ン100mlにNBT820mgを加えた液を別々に
用意し、これらにそれぞれ70mlのガラスビ
ーズを加えたサンドグラインダーを用いて
MeO・PMSおよびNBTをそれぞれ微粒
子状にキシレン中に分散を行なつた後、ガ
ラスビーズを別し、それぞれのキシレン
分散液とした。更にキシレン300mlにスチ
レン−グリシジルメタクリレート共重合体
〔共重合比9:1(重量比)〕13g、
TritonX−100 9gを加えてキシレン溶液
とし、上記2種のキシレン分散液およびキ
シレン溶液を混合し、混合液中に粉末紙
C〔東洋紙(株)製、300メツシユ以上)91g
を加えよく撹拌を行ない展開層用塗布液と
した。 B 分析素子製造 透明な膜厚約180ミクロンの下塗り済ポリ
エチレンテレフタレート支持体上に上記(a)、
(b)において調製した塗布液を用いて下記組成
の層を順次塗布して本発明の分析素子−1を
作製した。 (a) 検知層 ゼラチン 25g/m2 乳酸リチウム 5g/m2 NAD+ 3.8g/m2 Triton X−100 0.5g/m2 トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g/m2 塩酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g/m2 1,2−ビス(ビニルスルフオニル)エタ
ン 0.2g/m2 を含有する層。 (b) 展開層 粉末紙C 91g/m2 スチレン−グリシジルメタクリレート
(9;1)共重合体 13g/m2 MeO・PMS 68mg/m2 NBT 820mg/m2 Triton X−100 9g/m2 を含有する層。 (2) 本発明の分析素子−2の製造 A 塗布液調製 (a) キシレン50mlにMeO・PMS68mgを加え
た液、キシレン50mlにNBT820mgを加えた
液、キシレン100mlに乳酸リチウム10g、
NAD+3.8g、トリスヒドロキシメチルア
ミノメタン3.9g、および塩酸トリスヒド
ロキシメチルアミノメタン2.3gを加えた
液を別々に用意し、これらの液100mlに対
して70mlのガラスビーズを加え、サンドグ
ラインダーを用いて各試薬をそれぞれ微粒
子状にキシレン中に分散した後、ガラスビ
ーズを別して、それぞれのキシレン分散
液とした。更にキシレン100mlにスチレン
−メタクリレート共重合体〔共重合比9;
1(重量比)〕10g、Triton X−100 0.5g
を加え、キシレン溶液とし、上記3種のキ
シレン分散液とキシレン溶液を混合して検
知層用塗布液とした。 (b) キシレン300mlにスチレン−グリシジル
メタクリレート共重合体〔共重合比9;1
(重量比)〕13g、Triton X−100 9gを
加えキシレン溶液とした後、この溶液に粉
末紙C91gを加えてよく撹拌を行ない展
開用塗布液とした。 B 分析素子製造 透明な膜厚約180ミクロンの下塗り済ポリ
エチレンテレフタレート支持体上に上記a、
bにて調製した塗布液を用いて下記組成の層
を順次塗設して本発明の分析素子−2を作製
した。 (a) 検知層 スチレン−グリシジルメタクリレート
(9;1)共重合体 10g/m2 MeO・PMS 68mg/m2 NBT 820mg/m2 乳酸リチウム 10g/m2 NAD+ 3.8g/m2 トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g/m2 塩酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g/m2 Triton X−100 0.5g/m2 を含有する層。 (b) 展開層 粉末紙C 91g/m2 スチレン−グリシジルメタクリレート
(9;1)共重合体 13g/m2 Triton X−100 9g/m2 を含有する層。 (3) 本発明の分析素子−3の製造 A 塗布液調製 (a1) ゼラチン25g、NAD+3.8g、NBT820
mg、乳酸リチウム10g、トリスヒドロキシ
メチルアミノメタン3.9g、塩酸トリスヒ
ドロキシメチルアミノメタン2.3g、
Triton X−100 0.5g、および1,2−ビ
ス(ビニルスルフオニル)エタン0.4gを
150mlの蒸留水に溶解し、第1の検知層塗
布液とした。 (a2) トルエン50mlにMeO・PMS72mgを加
えて35mlのガラスビーズを加えて、サンド
グラインダーを用いて微粒子状にトルエン
中に分散を行なつた後、ガラスビーズを
別し、トルエン分散液とした。更にトルエ
ン100mlにポリスチレン5.0gを溶解し、こ
の溶液に前記トルエン分散液を混合して、
第2の検知層塗布液とした。 (b) キシレン300mlにスチレン−グリシジル
メタクリレート共重合体〔共重合比9;1
(重合比)〕13g、Triton X−100 9gを
加えキシレン溶液とした後、この溶液に粉
末紙C91gを加え、よく撹拌を行ない展
開層塗布液とした。 B 分析素子製造 透明な膜厚約180ミクロンの下塗り済ポリ
エチレンテレフタレート支持体上に上記
(a1)、(a2)および(b)で調製した塗布液を用
い、下記組成の層を順次塗設して本発明の分
析素子−3を作製した。 (a1) 第一の検知層 ゼラチン 25g/m2 NBT 820mg/m2 NAD+ 3.8g/m2 乳酸リチウム 10g/m2 トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g/m2 塩酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g/m2 Triton X−100 0.5g/m2 1,2−ビス(ビニルスルフオニル)エタ
ン 0.4g/m2 を含有する層。 (a2) 第二の検知層 MeO・PMS 72mg/m2 ポリスチレン 5.0g/m2 (b) 展開層 粉末紙C 91g/m2 スチレン−グリシジルメタクリレート
(9;1)共重合体 13g/m2 Triton X−100 9g/m2 を含有する層。 (4) 本発明の分析素子−4の製造 A 塗布液製造 (a1) ゼラチン25g、NBT820mg、NAD+3.8
g、Triton X−100 0.5g、乳酸リチウム
10g、1,2−ビス(ビニルスルフオニ
ル)エタン0.2gを150mlの蒸留水に溶解し
第1の検知層塗布液とした。 (a2) n−ブタノール50mlにトリスヒゾロキ
シメチルアミノメタン3.9g、塩酸トリス
ヒドロキシメチルアミノメタン2.3gを加
えた液に35mlのガラスビーズを加え、サン
ドグラインダーを用いて微粒子状に分散を
行なつた後、ガラスビーズを別し、この
分散液を、ポリビニルピロリドン5gをn
−ブタノール50mlに溶解した液に加えて混
合し第2の検知層塗布液とした。 (b) キシレン50mlにN−メチルフエナジンメ
トサルフエート(PMS)52mgを加え、35
mlのガラスビーズを加えて、サンドグライ
ンダーを用いて微粒子状にキシレン中に分
散した後、ガラスビーズを別し、キシレ
ン分散液とした。更にキシレン300mlにス
チレン−グリシジルメタクリレート共重合
体〔共重合比9;1(重量比)〕13g、
Triton X−100 9gを加えてキシレン溶
液とし、これに上記キシレン分散液と混合
した後、混合液に粉末紙C91gを加え、
よく撹拌を行ない展開層塗布液とした。 B 分析素子製造 透明な膜厚約180ミクロンの下塗り済ポリ
エチレンテレフタレート支持体上に、上記
(a1)、(a2)および(b)にて調製された塗布液
を用い、下記組成の層を順次塗設して本発明
の分析素子−4を作製した。 (a1) 第1の検知層 ゼラチン 25g/m2 NAD+ 3.8g/m2 NBT 820mg/m2 乳酸リチウム 10g/m2 Triton X−100 0.5g/m2 1,2−ビス(ビニルスルフオニル)エタ
ン 0.2g/m2 を含有する層。 (a2) 第2の検知層 ポリビニルピロリドン 5g/m2 トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g/m2 塩酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g/m2 を含有する層。 (b) 展開層 粉末紙C 91g/m2 スチレン−グリシジルメタクリレート
(9;1)共重合体 13g/m2 PMS 52mg/m2 Triton X−100 9g/m2 を含有する層。 (5) 本発明の分析素子−5の製造 A 塗布液調製 ゼラチン/スチレン−グリシジルメタクリ
レート(重量比95;5)共重合体=7/93
(重量比)(特願昭56−155788号記載の重合体
粒子)60gに150mlの蒸留水を加え、この中
にNBT820mg、NAD+3.8g、トリスヒドロ
キシメチルアミノメタン3.9g、塩酸トリス
ヒドロメチルアミノメタン2.3g、乳酸リチ
ウム10g、Triton X−100 1.5g、1,2−
ビス(ビニルスルフオニル)エタン0.2gを
加え、検知層塗布液とした。 展開層塗布液は本発明の分析素子−4に用
いたものと同一のものを用いた。 B 分析素子製造 透明な膜厚約180ミクロンの下塗り済ポリ
エチレンテレフタレート支持体上に上記調製
した塗布液を用いて、下記組成の層を順次塗
設して、本発明の分析素子−5を作製した。 (a) 検知層 ゼラチン/スチレン−グリシジルメタクリ
レート(95;5)共重合体 60g/m2 NBT 820mg/m2 NAD+ 3.8g/m2 トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g/m2 塩酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g/m2 乳酸リチウム 10g/m2 Triton X−100 1.5g/m2 1,2−ビス(ビニルスルフオニル)エタ
ン 0.2g/m2 を含有する層。 (b) 展開層 粉末紙C 91g/m2 スチレン−グリシジルメタクリレート
(9;1)共重合体 13g/m2 PMS 52mg/m2 Triton X−100 9g/m2 を含有する層 (6) 比較分析素子−1の製造 A 塗布液調製 ゼラチン25g、MeO・PMS68mg、
NBT820mg、乳酸リチウム5g、NAD+3.8
g、トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g、塩酸トリスヒドロキシメチルアミノ
メタン3.9g、塩酸トリスヒドロキシメチル
アミノメタン2.3g、1,2−ビス(ビニル
スルフオニル)メタン0.2g、およびTriton
−X0.5gを150mlの蒸留水に溶解し検知層塗
布液とした。 展開層塗布液は本発明の分析素子−2で用
いたのと同一の塗布液を用いた。 B 分析素子製造 透明な膜厚約180ミクロンの下塗り済ポリ
エチレンテレフタレート支持体上に上記塗布
液を用い、下記組成の層を順次塗設して比較
分析素子−1を作製した。 (a) 検知層 ゼラチン 25g/m2 MeO・PMS 68mg/m2 NBT 820mg/m2 乳酸リチウム 5g/m2 NAD+ 3.8g/m2 トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g/m2 塩酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g/m2 Triton X−100 0.5g/m2 1,2−ビス(ビニルスルフオニル)エタ
ン 0.2g/m2 を含有する層。 (b) 展開層 粉末紙C 91g/m2 スチレン−グリシジルメタクリレート(重
量比9;1)共重合体 13g/m2 Triton X−100 9g/m2 を含有する層。 (7) 比較分析素子−2の製造 塗布液調製時に、ゼラチンの代わりにポリビ
ニルピロリドン15g、MeO・PMSの代わりに
PMS52mgを用いた以外は比較分析素子−1と
同一の比較分析素子−2を作製した。 (8) 比較分析素子−3の製造 A 塗布液調製 ゼラチン/スチレン−グリシジルメタクリ
レート(重量比95;5)共重合体=7/93
(重量比)(特願昭56−155788号公報記載の重
合体粒子)60gに150mlの蒸留水を加え、こ
の中にMeO・PMS72mg、NBT820mg、
NAD+3.8g、トリスヒドロキシメチルアミ
ノメタン3.9g、塩酸トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン2.3g、乳酸リチウム10g、
Triton X−100 1.5g、および1,2−ビス
(ビニルスルフオニル)エタン0.2gを加え検
知層塗布液とした。 展開層塗布液は本発明の分析素子−2に用
いたのと同一の塗布液を用いた。 B 分析素子製造 透明な膜厚約180ミクロンの下塗り済ポリ
エチレンテレフタレート支持体上に上記塗布
液を用いて、下記組成の層を順次塗設して比
較分析素子−3を作製した。 (a) 検知層 ゼラチン/スチレン−グリシジルメタクリ
レート共重合体 60g/m2 MeO・PMS 72mg/m2 NBT 820mg/m2 NAD+ 3.8g/m2 トリスヒドロキシメチルアミノメタン
3.9g/m2 塩酸トリスヒドロキシメチルアミノメタン
2.3g/m2 乳酸リチウム 10g/m2 Triton X−100 1.5g/m2 1,2−ビス(ビニルスルフオニル)エタ
ン 0.2g/m2 を含有する層。 (b) 展開層 粉末紙C 91g/m2 スチレン−グリシジルメタクリレート(重
量比9;1)共重合体 10g/m2 Triton X−100 9g/m2 を含有する層。 かくして得られた本発明の分析素子1〜5およ
び比較分析素子1〜3の、製造直後および35℃で
3日間保存した後の反射濃度(カブリ)をλnax
580nmのフイルターを用いて支持体側から測定
した。結果を第1表に示した。
【表】 第1表から明らかな様に、比較分析素子と比べ
ても本発明の分析素子は、即日および3日間保存
後においてもカブリ濃度が極めて低く、素子の安
定性が向上しているのが判る。 実施例 2 第2表および第3表に示した組成(塗設層にお
ける塗布量)の検知層(1〜12)および展開層
(1〜12)から第4表に示した如く適宜選択され
た検知層ならびに塗布量を支持体上に塗設して、
本発明の分析素子(6〜16)および比較分析素子
(4〜8)を作製した。次いで得られた各分析素
子の反射濃度を測定し、結果を第4表に示した。
【表】
【表】
【表】 なお検知層塗布液7、8、9には溶媒としてn
−ブタノールを用い、サンドグラインダーにより
直接分散した。他の塗布液は水溶液として塗設し
た。 *1 特願昭56−15788号公報に記載のゼラチ
ン/スチレン−グリシジルメタクリレート(重
量比95;5)共重合体=2/98の重合体粒子。 *2 東洋紙(株)製、300メツシユ以上
【表】 第4表から明らかな様に、比較分析素子と比べ
て本発明の分析素子は、何れも即日および3日間
保存後においてもカブリ濃度が極めて低く、素子
の安定性が向上しているのが判る。 実施例 3 実施例1および実施例2において作製された本
発明の分析素子1、4、5、8、12、14および比
較分析素子1、2、3、8の各素子作成直後およ
び35℃で3日間保存後のそれぞれの素子に対し
て、ユニキツトレートLDH(中外製薬(株)製)を用
いて確認したLDH活性126ロブレスキー単位、
253ロブレスキー単位および506ロブレスキー単位
の各標準血清10μを展開層に滴下し、37℃で10
分間インキユベートした後に、λnaxが580nmのフ
イルターを用いて支持体側から反射濃度を測定し
た。結果を第5表に示した。
【表】
【表】 第5表の結果から明らかな様に、比較分析素子
ではLDH活性の変化に対して呈色濃度の変化が
非常に低いのに対し、本発明の分析素子において
は立上りの良好な呈色濃度変化を示し、また、35
℃、3日間保存後においてもLDH活性の変化に
対して良好な呈色濃度変化を示すことが判つた。 実施例 4 本発明の分析素子1〜16および比較分析素子1
〜8において、乳酸リチウムの代わりにα−ケト
グルタル酸467mg/m2、アスパラギン酸21.3g/
m2、グルタミン酸脱水素酵素1200ユニツト/m2
加え、ならびに緩衝剤としてトリスヒドロキシメ
チルアミノメタンおよびその塩酸塩の代わりにリ
ン酸1水素2カリウム5.9g/m2、リン酸2水素
1カリウム2.2g/m2を加え、本発明に係るGOT
用分析素子(17〜32)およびGOT用比較分析素
子(9〜16)を作製した。 かくして得られた各分析素子に対し、実施例3
および実施例1と同様の操作により発色性および
カブリ濃度を測定した。その結果、比較分析素子
ではカブリが高く、呈色濃度変化もまた著しく小
さいものであつた、また、35℃、3日間保存後で
は比較分析素子のカブリが高く、血清滴下による
発色濃度であるか否かの識別さえ困難であつた。
一方、本発明の分析素子は保存後でもカブリ濃度
が低く、GOT活性に対応する良好な呈色を示し
た。 実施例 5 本発明の分析素子1〜16および比較分析素子1
〜8において、乳酸リチウムの代わりにα−ケト
グルタル酸467mg/m2アラニン28.5g/m2グルタ
ミン酸脱水素酵素1200ユニツト/m2を加え、実施
例4と同一の緩衝剤を加えて、本発明に係る
GOT用分析素子(33〜48)および比較分析素子
(17〜24)を作製した。 かくして得られた各分析素子に対し、実施例3
および実施例1と同一の操作により発色性および
カブリ濃度を測定した。その結果、比較分析素子
はカブリが高く、呈色濃度変化も著しく小さいも
のであつた。また、35℃、3日間保存後では比較
分析素子のカブリが高く、血清滴下による発色濃
度であるか否かの識別さえ困難であつた。一方、
本発明の分析素子は保存後でもカブリ濃度が低
く、GPT活性に対応する良好な呈色を示した。 実施例 6 本発明の分析素子(1〜16)および比較分析素
子(1〜8)において、乳酸リチウムの代わりに
クレアチンリン酸2ナトリウム塩1.5g/m2、ア
デノシン−5′−2リン酸ナトリウム塩2.3g/m2
グルコース4.1g/m2、硫酸マグネシウム水和物
20g/m2、NADP+1.5g/m2、ヘキソキナーゼ
100mg/m2、グルコース−6−リン酸デヒドロゲ
ナーゼ20mg/m2を加え、緩衝剤としてトリスヒド
ロキシメチルアミノメタン2.7g/m2およびその
塩酸塩3.5g/m2を加え、本発明に係るCPK用分
析素子(49〜64)および比較分析素子(25〜32)
を作成した。 かくして得られた各分析素子に対し、実施例3
および実施例1と同一の操作により発色性および
カブリ濃度を測定した。その結果、比較分析素子
はカブリが高く、呈色濃度変化も著しく小さいも
のであつた。また、35℃、3日間保存後では比較
分析素子のカブリが高く、血清滴下による発色濃
度であるか否かの識別さえ困難であつた。一方、
本発明の分析素子は保存後でもカブリ濃度が低
く、CPK活性に対応する良好な呈色を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光透過性でありかつ液体不浸透性の支持体上
    に、順次必須の層として少なくとも1層の検知層
    および少なくとも1層の展開層が設けられている
    流体試料中の特定成分を分析するための分析素子
    において、少なくとも1種の電子伝達剤と少なく
    とも1種の色素形成性前駆物質とが前記検知層お
    よび前記展開層に別々に、またはいずれか一方の
    層に別々の粒子として一緒に含有されており、且
    つ、少なくとも1種の酸化型補酵素、および前記
    特定成分を介して前記酸化型補酵素を還元型補酵
    素に変え得る少なくとも1種の試薬が前記検知層
    および前記展開層のいずれかの層に含有されてい
    ることを特徴とする流体試料中の特定成分を分析
    するための分析素子。 2 少なくとも1種の電子伝達剤および少なくと
    も1種の色素形成性前駆物質がそれぞれ前記検知
    層と前記展開層に別々に含有されている特許請求
    の範囲第1項記載の分析素子。 3 前記色素形成性前駆物質が検知層に含有され
    ている特許請求の範囲第2項記載の分析素子。 4 電子伝達剤および色素形成性前駆物質が前記
    検知層および前記展開層のいずれか一方の層にそ
    れぞれ別々の粒子として含有されている特許請求
    の範囲第1項記載の分析素子。
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