JPH0367200A - 磁界型偏向器 - Google Patents

磁界型偏向器

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JPH0367200A
JPH0367200A JP20292889A JP20292889A JPH0367200A JP H0367200 A JPH0367200 A JP H0367200A JP 20292889 A JP20292889 A JP 20292889A JP 20292889 A JP20292889 A JP 20292889A JP H0367200 A JPH0367200 A JP H0367200A
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magnetic
coil
magnetic pole
point
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JP20292889A
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Inventor
Taido Uno
宇野 泰道
Toyoki Kitayama
北山 豊樹
Joji Nakada
中田 穰治
Masayuki Nakajima
雅之 中島
Toa Hayasaka
早坂 東亜
Teruo Hosokawa
細川 照夫
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、主にシンクロトロンなどの荷電粒子加速器
や蓄積リングに使用される磁界型偏向器に関し、磁界型
偏向器を構成する磁性材料を非飽和領域から飽和領域ま
で連続して使用できるようにした磁界型偏向器に関する
[従来の技術] 第4図は従来のシンクロトロンなどの加速器で使用され
ている磁界型偏向器〈以f&偏向電磁石という)の−例
を示す斜視図である。第4図において、1.2は磁極面
、3.4は磁極、5は磁路を形成するためのリターンヨ
ーク部、6,7は起磁力を発生するための電気捲線(以
後コイルという)である。また、8は荷電粒子(以後代
表例として電子とする)が通過する磁極面1.2から構
成される空隙部である。磁極3.4およびリターンヨー
ク部5は通常高透磁率の磁性材料(主に鉄系統の部材が
使用されることが多く以後鉄心という〉が使用される。
磁極面1,2は空隙部8に均一な偏向磁場を発生するた
め、鏡面対称の関係にあることが多い。この対称面を以
後単に対称面く第4図においては図示していない〉とい
う。また、コイル6.7も同一の対称面に対して鏡面対
称をなす配置および形状を有する】一対ないし複数個の
対で構成されるのが一般的である。また、点鎖線9は電
子の進行方向に沿った運動の軌跡であり、−点M線9の
矢印方向に示すように電子が上記対称面を紙面左から偏
向電磁石の空隙部8を通過して紙面右に向かう。以後こ
の電子の軌跡を電子軌道Sという。
第5図(a)は、第4図の偏向電磁石の磁極面1.2の
形状と、磁極3.4に捲線されたコイル6.7の形状と
を上記対称面上に投影し、それに電子弊道Sを重畳した
平面図である。10は磁極面1.2の投影であって磁極
を示す。また、11はコイル6.7の投影であってコイ
ルを示す。以後説明を簡便にするため、第5図(a)で
示すように電子軌道Sに沿う磁極10の長さ(点a、 
b間)を磁極長く以後鉄心長という〉βIron、その
直交方向の磁極の長さを磁極幅という。また、便宜上、
磁極端部である点aを偏向電磁石の入口、点りを偏向電
磁石の出口という。同様に、コイル11についても電子
軌道Sに沿う長さ(点c、 d問)をコイル長々。。0
、その直交方向のコイルの長さをコイル幅という。この
第5図(a)において磁場Bの方向は対称面(紙面〉に
対して垂直となっている。
まず、第5図(a) 、 (b)を参照して偏向磁場と
電子軌道Sとの関係について概述する。
はじめに、空隙部8の偏向磁場は矩形状偏向磁場である
と仮定する。この矩形状偏向磁場とは、磁極の領域10
の内部においては電子軌道Sに沿った偏向磁場強度Bは
一定(B=Bo )であり、領域10の外部では偏向磁
場は存在しない(B=O)磁場分布を示す磁場を指す。
この磁場分布を第5図(b)に示づ。横軸が電子軌道S
、縦軸は電子軌道に沿った磁場の強度Bを示す。第5図
(a) 、 (b)において1点aおよび点すは対応す
る位置関係にある。このとき、第5図(a)に示すよう
に、点Aから飛来する電子は点aまでは直線で進み、磁
極10の領域内部では偏向磁場の影響で原点をOとする
一定の曲率半径ρなる偏向を受けて点すに至り、この点
すから直線的に点Bに向かう。磁極10の領域内部での
電子の偏向軌跡の曲率半径ρは次のようになる。すなわ
ち、磁場分布は一定(B o(T) )と仮定している
ので、電子のエネルギーをE04eV)とすると、ρ(
m)は一定で、(1)式に示す関係にある。
p = 10E / (3B o)         
  (1)また、磁場中を電子が運動するときに描く弧
長!;l (m)  と偏向角度θとは、(21式に示
すような関係にある。
θ=、1/ρ             (2)このよ
うに規定すると、このとき描かれる弧長々と偏向電磁石
の鉄心長41roaとは同一長であり、(3)式に示す
ようになる。
、ff=、ff、、。、(3) しかし、実際の偏向電磁石の作る偏向磁場は第5図(b
)に例示するように、矩形状磁場分布12ではなく、磁
石端部においてフリンジ磁場と呼ばれる偏向磁場の染み
だしがあり、電子軌道Sに沿って測定した磁場強度は1
3に例示するように磁極端の外側まで拡がった分布を示
す。したがって、運動する電子は磁極端のa点に達する
以前に偏向作用を受は始め、この偏向作用は磁極端のb
点を過ぎてもしばらくは続くことになる。このため、コ
イルの励磁量が一定ならば実際の電子の偏向角度は(′
2式に示す偏向角θより通常大きくなる。これは、曲率
半径ρを一定とすると、t2式のβは鉄心長1 iro
+el:り長くなっていることを示し、この長さを偏向
磁場有効長という。この偏向磁場有効長をらとし、偏向
磁場有効長しによる偏向角度をeとして(21式を書き
直すと(4)式のようになる。
e=L/ρ              (4)このと
き、偏向磁場有効長しは実際の磁場分布から(9式のよ
うにして求めることができる。
L、= (f s B (S)dS / f a’Bc
)ds )・!2ir。、(5) ただし、(ジスにおいて、f5は偏向電磁石がら光分離
れた点Aおよび点B間の全電子軌道Sに沿った積分を意
味し、ハ5は鉄心長々、ro。に相当する第5図(a)
の点aから点すまでの電子軌道Sに沿った積分を意味す
る。また、Boは(1)式における偏向電磁石中央の磁
場強度を示す、したがって、(51式に従えば、フリン
ジ磁場を加味した磁場分布は、電子軌道Sに沿う磁場の
長さがし、磁場強度がBOである矩形状磁場として等価
的に定義される。
このように等価的に定義された矩形状磁場の様子を第5
図(b)の破線14に例示する。すなわち、点a、b間
は鉄心長であり、点a’ 、b’間は磁場有効長くここ
ではL 1roaと記す)である。
これに対応した電子軌道を第5図(a)に例示する。す
なわち、点A′から飛来する電子は点aまでは直線に進
み、点a′から原点をOとする一定の曲率半径ρとなる
偏向を受は点b′に至り、点b′から直線的に点B′に
向かう電子軌道を等価的に考えることができる。このと
きの偏向角度がOとなる。従来のシンクロトロンや蓄積
リングでは、偏向角度0を適切な偏向角度となるように
偏向電磁石における鉄心長や磁極面形状などを選定して
使用している。また、鉄心は飽和を起こさないように非
飽和領域である磁場強度1〜1.5(T)以下の範囲内
で使用され、コイルは制作の可能な範囲で磁極にできる
だけ沿うように巻かれるのが普通である。
[発明が解決しようとする課題] しかし、近年半導体装置や各種分析装置、医療への応用
などの工業化目的にそって荷電粒子の加速器や蓄積リン
グの小形化が検討され、さらに、システム全体としての
経済化を図るために蓄積機能を持たせた円形加速器など
の制作が指向されている。このような工業用の小形の加
速またはM積すングでは、入射電子エネルギーはできる
だけ低くシく例えば15(MeV) ) 、加速終了時
には1 (GeV)程度の電子エネルギーを1台の装置
で得ることが望まれる。これを実現させるには、入射時
の偏向磁場強度は100(G)程度から加速終了時の偏
向磁場強度は3〜5(T〉程度まで変化させることが要
求される。これは、通常の加速器で考えられている■〜
1..5(T)以下という磁場の使用範囲、すなわち、
鉄磁極の非飽和領域内での使用範囲を超えた偏向磁場強
度であり、従来このような非飽和領域を超えて使用する
加速器偏向電磁石は実現されていなかった。
このような加速器偏向電磁石が実現できない最大の理由
は、鉄磁極の磁場の非飽和時と飽和時とでは磁場有効長
が大きく変動することによる。すなわち、一般に鉄磁極
付き偏向電磁石を非飽和の範囲で使用している時は鉄磁
極面の形状などによって定まる磁場分布を示すが、その
磁性材料の飽和限度を超えるとコイルの形状によって定
まる空芯コイルとしての磁場を重畳した磁場分布となり
、さらに起磁力を高めると、空芯コイルのみとしての磁
場分布の形状が支配的となる。したがって、このような
磁場有効長の変動が偏向角度を変化させるので、加速中
に電子軌道を安定して維持することは困難であった。
次に、空芯コイルによる磁場分布の概要を述べる。空芯
の偏向器の磁場分布は、基本的にはビオサバールの式か
ら求めることができ、その磁場分布形状はコイルの形状
2位置関係で一義的に定まる。すなわち、励磁電流値の
変化に対しては磁場強度は比例的に変化するだけである
第5図(a)の11に示すコイル(空芯と仮定する)の
作る電子軌道S軸に沿った磁場分布の一例を第5図(c
)の15に示す。ここで、第5図(a) 、 (C)に
おいて、点Cおよび点dは対応する位置間係にある。磁
場分布はコイル長、コイル幅、およびコイル端部の形状
などにより種々の分布を示すが、15に励磁するように
空芯コイルも矩形状磁場でなく、フリンジ磁場を有する
のが普通である。このようなフリンジ磁場を有する偏向
磁場は第5図(b)で示したと同様に矩形磁場分布に等
価的に置き換えることができる。(9式において、鉄心
長β1roaをコイル長々。。目に置き換えると(61
式に示すような磁場有効長しが求められる。
L= (J″s B (S)dS / f 、bB(、
ds )・々。。it   f61 ここでも、fsは磁石から光分離れた点A、B間の全電
子軌道Sに沿った積分を示し、f、bはコイル長に相当
する第5図(a)の点Cから点dまでの電子軌道に沿っ
た積分を意味する。また、B、はコイル中心の偏向磁場
の値である。これによる矩形磁場分布を16に示す。こ
こで、c’ 、d’間距離がコイル]−1の作る磁場有
効長Lcollである。このとき、曲率半径をρとする
と、偏向角はLco目/ρ となる。
磁極面10の形状により定まる非飽和時の磁場有効長L
 lromと、飽和時にコイル】−1の形状により定ま
る磁場有効長Leollとは一般に一致せず、第5図(
a)に示すように磁極に沿ってコイルが巻かれる場合は
、 L Irom> Lcoll となるのが普通である。このため、同一の偏向角O1同
一の曲率半径ρとなることを設計の基本にする加速器の
偏向電磁石においては飽和領域まで偏向磁場強度を強め
て使用することはできなかった。
そこで、この発明の目的は、上述した従来の課題を解決
するために、鉄磁極を非飽和から飽和にまたがって動作
させても磁場有効長が一定となる特性を有する偏向電磁
石を提供することにある。
すなわち、従来の偏向電磁石では、前述のように非飽和
の範囲内での使用を想定したもので、主に磁極面形状や
鉄心長に配意されて製作されており、起磁力を与えるコ
イルの位置、形状は主として製作上などの理由により定
められ、通常鉄磁極にできるだけ沿うように巻かれるの
が一般的である。
[課題を解決するための手段] これに対し、この発明は鉄磁極(磁性材料)を飽和状態
でも使用することを想定したもので、このときの偏向磁
場は空芯の偏向コイルによる偏向器と同様の磁場分布を
示すようになるため、コイルの位置、形状についても考
慮した点が従来のものと異なる。
すなれち、この発明による磁界型偏向器は、磁性材料が
非飽和時における荷電粒子進行方向の偏向磁場有効長と
電気捲線のみによる空芯時を仮定した場合の荷電粒子進
行方向の偏向磁界有効長とを等しくしたものである。
また、この発明の磁界型偏向器は、上述の磁界型偏向器
において、荷電粒子の進行方向に沿った磁界型偏向器の
入口および出口の磁性材料端部の磁極面形状を等磁位面
を得るように近似させたものである。
[作用] この発明の磁界型偏向器は、磁性材料の非飽和時に定ま
る偏向電磁石の磁場有効長と、飽和時の磁場有効長とを
一致させることにより、磁界型偏向器を構成する磁性材
料を非飽和領域から飽和領域まで連続して使用できるた
め、同一の磁界型偏向器で電子などの荷電粒子を高エネ
ルギーまで加速することができる。
[実施例] 次に、この発明について図面を参照して説明する。
第1図(a) 、 (b)はこの発明の磁界型偏向器(
偏向電磁石〉の一実施例を示す図である。第1図(a)
は第5図Ca)と同様に対称面上に磁極およびコイルを
投影したものであり、これに電子軌道Sを重畳したもの
である。(7は磁極の投影であって磁極を示す、また、
18はコイルの投影であってコイルを示す。第1図(b
)は磁場分布強度を示す。19は非飽和時の鉄磁極の磁
場分布、20は起磁力を与えるコイルが空芯であると仮
定したときの磁場分布を示す。ただし、第1図(b)で
は偏向電磁石中央部での磁場強度を便宜上同一値Boと
して示した。点a、bは電子軌道上に投影した鉄磁極端
を示し、同様に点c、dはコイル端部を示す。第1図(
b)が示す特徴は、19と20をそれぞれ(四穴、(6
)式で矩形磁場分布近似を行ったとき、同一の磁場有効
長(点e、f間)を有する矩形状の磁場分布21となる
よう(・こしたことにある、すなわち、 L I row =L co l l        
    I″7)としたものである。
第工図(a) 、 (b)において点e、fは対応する
位置関係にある。このような偏向磁場有効長を一致する
ようにした鉄磁極とコイル形状の関係を有する磁石構造
をしているため、鉄磁極の非飽和。
飽和を問わず同一の偏向角Oを有する偏向電磁石となり
、点Aから飛来する電子は点eまでは直線で進み、点e
から原点0とし曲率半径ρが一定となる偏向を受は点f
に至り、点fから点Bに向かう電子軌道Sとなり、この
軌道は常に一定なものとすることができる。このため、
この種の配慮が払われた偏向電磁石は、広範囲の偏向磁
場で使用することができる。ただ実際には、前述のよう
にフリンジ磁場でも電子は偏向作用を受けるため、偏向
角0は同一でも電子の軌道はフリンジ磁場の形状で差異
が生じ、軌道長が若干変化することがある。しかし、こ
の発明による偏向電磁石は、その量を極めて小さく仰え
ることができるものである。具体的な偏向電磁石の設計
では、非飽和時の鉄磁極の形状は3次元の磁場解析によ
り、また空芯コイルの形状はビオサバールの式により計
算される。
次に、電子の通過する空隙部8を作る磁極面1.2の形
状について若干言及する。
第2図は第4図、第5図で説明した磁極形状を電子軌道
Sを含む対称面に垂直な磁極の断面図の一部(ここでは
偏向電磁石出口近傍)を示す。ここで、1.2は磁極面
、3.4は磁極であり、磁極端部22,23と磁極面1
.2とがなす角度が直角である場合を例示した。また、
24.25は磁極3がら空隙部8を通り磁極4に抜ける
定性的な磁力線の2つの例である。通常、25に示す磁
力線がフリンジ磁場を作るが、このような磁力線の存在
を許す磁極形状では鉄磁極内の磁束密度分布が一様でな
く、したがって、空隙部8の特にフリンジ部を形成する
磁場分布が磁場の強さにより変化し、鉄磁極が非飽和内
の使用であっても磁場有効長は変動するのが普通である
。これを避はフリンジ部を含む空隙部の磁場分布を一様
にするためには鉄磁極内の磁場分布を一様にする必要が
ある。このためには破線26.27で例示するように磁
極端部の切り欠きを行うことが普通である。
上記目的で行う磁極端部の切り欠きの形状には一般には
ロゴスキー曲線が使用されることが多い。ロゴスキー曲
線とは鉄磁極の透磁率が非常に大きいと仮定したとき、
空隙部8の磁力線が磁極面では垂直になる形状を与える
もので、したがって電界場で定義されたのと同様に、こ
の磁極面形状は等磁位面を形成する形状ということがで
きる。この等磁位面を形成するという意味でのロゴスキ
ー曲線を与える式はいくつか提起されているが、その−
例を文献(HIROOKUMAGAI、On a De
sign of Wide Range Magnet
 for Cyclotron、 Nl14 v。
+6213−216(1960))より引用し第3図に
示す。第3図も第2図と同様に電子軌道Sを含む対称面
に垂直な磁極断面を示す。1.2はロゴスキー曲線を採
らない平行な磁極面、28.29はロゴスキー曲線に従
う磁極面である。また、30は平行な磁極面を通る磁力
線、31はロゴスキー曲線を通る磁力線を励磁したもの
である。いま、第3図に示すように平行な磁極面1.2
と、ロゴスキー曲線を採る磁極面28.29との境界で
空隙の中心に原点Oをとり、それより電子軌道上にS軸
をとり、また、S軸に垂直にZ軸をとると、上記文献に
よればロゴスキー曲線28.29は、(8)式で与えら
れる3 d        d ここで、dは平行な磁極1.2間の垂直距離の半分を示
す。この(2)式に従う磁極面28.29を通る磁力線
は31で示すように鉄磁極内では平行な磁極面を通る磁
力線30と平行である。このため、磁極内磁束密度分布
は一様となり、磁力線31は空隙部の境界において全て
の磁極面で垂直となる。この関係が磁場の強さには関係
なく維持されるため、フリンジ磁場を含む電子軌道上に
作る偏向磁場分布の形状が一定となり、この結果、磁場
有効長も一定となる。
磁極端部はこのような曲線に近似して磁極の切り欠きが
行われる。しかし、(8)式での曲線は無限に続くため
、実際の鉄磁極には32.33で例示するような磁極端
が存在する。その位置をどうするかについては、製作上
の都合や得たい磁場有効長の安定性などで定められる。
また、ロゴスキー曲線による切り欠き部も実際の磁極で
は第3図の34.35で示すように階段状で近似させる
のが普通であり、偏向電磁石の電子軌道に沿う入口およ
び出口の両方に同様の磁極の切り欠きを設ける。
以上述べたように、磁極面に等磁位面が得られるように
磁極端部を切り欠くことにより、鉄磁極の非飽和時の磁
場有効長を一定にできる。これに起磁力を与えるコイル
を空芯コイルとしたときの磁場有効長を非飽和時の鉄磁
極の磁場有効長に合わせた形状とすることによってさら
に安定した電子軌道が確保できる偏向電磁石を得ること
ができる。
なお、加速器用偏向電磁石では、3〜5(T)という強
い偏向磁場は、コイルに大電流を流す必要があり、常伝
導コイルは冷却や維持費などが問題となる場合、超伝導
コイルを使用するのがより現実的である。
以上鉄磁極付き偏向電磁石について述べたが、加速器用
偏向電磁石の中には偏向作用以外にも四極レンズ作用な
どを持たせた磁極面構造をなすものがあるが、その内の
偏向磁場成分について鉄磁極の作る偏向磁場有効長と、
起磁力を与えるコイルを空芯コイルと仮定したときのコ
イルが作る偏向磁場有効長を等しくする場合にはこの発
明に含まれるのは当然である。また、偏向角度について
も、上記概念で作成されていれば、45°や90゜偏向
に留まらす■80°偏向など任意の変降格を持つ偏向器
がこの発明に含まれる。また、コイル形状についても第
1図、第4図、および第5図で例示したようなコイル端
部が矩形状で、また対としてのコイルが平行というよう
な場合だけでなく、コイル端部が円弧状でもよく、その
端部が適当な角度で対称面に対して鏡面対称になるよう
に曲げられてもよい。また、鏡面対称で対を構成するコ
イル同士で曲率半径方向にみて内側と外側のコイル同士
の距離間隔が異なっていても偏向磁場成分について上記
概念に我ってすればこの発明に含まれるのは当然である
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の磁界型偏向器は、磁性
材料の非飽和時の偏向磁場有効長と、磁界型偏向器に起
磁力を与えるコイルを空芯コイルと過程したときのコイ
ルの作る偏向磁場有効長を等しくしたものである。
このため、この発明の磁界型偏向器を加速器に使用した
場合、まず低エネルギー電子の入射時には電子ビームそ
のものが拡がっているうえ、大きなベータトロン振動を
伴っており、広範囲−様な偏向磁場空間を必要とするが
、磁性材料を有するため、容易に目標を遠戚することが
できる利点がある。
なお、同様の広範囲−様の偏向磁場空間を空芯コイルの
みで得ようとすると、コイル間隔が非常に大きくなり、
小型の要求に合致しないばかりか、所望の磁場均一空間
が得られない可能性もある。
また、この発明によれば、磁性材料の飽和限界を超えた
空芯コイルによる磁場分布が主流となるような偏向磁場
強度においても電子の軌道方向に沿って測った偏向磁場
有効長が磁性材料の非飽和時の偏向磁場有効長と変わら
ない。このため、同一の磁界型偏向器で電子を高エネル
ギーまで加速することができるという利点がある。
なお、この高磁場での磁界型偏向器は空芯コイルとして
の性質を示すため、偏向磁場均一空間は磁性材料の非飽
和時に比較して狭くなるが、加速にともない電子ビーム
の広がりやベータトロン振動も小さくなるという特性が
あり問題はない。
したがって、この発明による磁界型偏向器は工業用の経
済的かつ小型にして高エネルギーを得る加速器などに適
している。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明の磁界型偏向器の一実施例にお
ける磁極形状、コイル形状、および電子軌道の関係を示
す平面図、第1図(b)は同実施例における磁場分布を
示す特性図、第2図、第3図は同実施例における磁極の
垂直断面図、第4図は従来の磁界型偏向器の一例を示す
斜視図、第5図(a)は同側における磁極形状、コイル
形状、および電子軌道の関係を示す平面図、第5図(b
)は同例における磁場分布を示す特性図、第5図(e)
は同例においてコイルを空芯と仮定した場合の磁場分布
を示す特性図である。 17・・・磁極、18・−・コイル、19〜21・・・
磁場分布、22.23・・・磁極端部、24.25・・
・磁力線、26.27・・・切り欠き、28.29・・
・磁極面、30.31・・・磁力線、32.33・・・
磁極端部、34.35・・・階段状磁極面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)荷電粒子が通過し得る空隙を有する磁性材料に電
    気捲線を施して構成される荷電粒子の磁界型偏向器にお
    いて、 磁性材料が非飽和時における荷電粒子進行方向の偏向磁
    場有効長と電気捲線のみによる空芯時を仮定した場合の
    荷電粒子進行方向の偏向磁界有効長とを等しくしたこと
    を特徴とする磁界型偏向器。
  2. (2)請求項1において、荷電粒子の進行方向に沿った
    上記磁界型偏向器の入口および出口の磁性材料端部の磁
    極面形状を等磁位面を得るように近似させたことを特徴
    とする磁界型偏向器。
JP20292889A 1989-08-07 1989-08-07 磁界型偏向器 Pending JPH0367200A (ja)

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JP20292889A JPH0367200A (ja) 1989-08-07 1989-08-07 磁界型偏向器

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JP20292889A JPH0367200A (ja) 1989-08-07 1989-08-07 磁界型偏向器

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JP20292889A Pending JPH0367200A (ja) 1989-08-07 1989-08-07 磁界型偏向器

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JP (1) JPH0367200A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008192562A (ja) * 2007-02-07 2008-08-21 Ihi Corp 質量分離電磁石
US8004871B2 (en) 2008-05-26 2011-08-23 Panasonic Corporation Semiconductor memory device including FET memory elements

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