JPH0366237B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は液体定量充填機に於ける充填量自動補
正装置に関するものであり、更に詳しくは定量充
填機を構成する機械要素の温度変化等の要因によ
る充填量の変化を検出し、これを該液体定量充填
機に付設された液量補正装置によつて補正し得る
ようにした液体定量充填機に於ける充填量自動補
正装置に関するものである。

イ 従来技術 果汁、牛乳、酒、あるいは、醤油等の液状内容
物を紙パツク等の収納器内に充填する目的で種々
の型式の自動充填装置が提供されている。これら
の自動充填装置は無端搬送手段によつて送られて
くる収納容器内に予かじめ計量された所定量の液
状内容物を注入し得るように液体計量シリンダを
備えているのが普通である。然し乍ら、液体計量
シリンダが正確な仕上寸法を持つていたとして
も、実際には機械要素、あるいは、充填される液
状内容物の温度変化等の要因により、該液体計量
シリンダの寸法や該液体計量シリンダ内に流入す
る液状内容物の体積が変化し、最終製品に充填量
不同に基く品質欠陥を惹起する場合が見受けられ
る。更に在来の充填量補正装置は、充填ラインを
停止させた後、手動操作により充填量の補正動作
を行うものであり、運転中の充填量変化に対応す
ることは不可能である。

ロ 発明の目的 本発明の主要な目的は、在来の液体定量充填
機、殊にその液量測定装置に認められた前記の如
き問題点を解消し得る液体定量充填機に於ける充
填量自動補正装置を提供することにある。

本発明の他の主要な目的は充填量の補正精度が
良好で、且つ、構造が簡易な、故障しにくい液状
内容物用の充填量自動補正装置を提供することに
ある。

ハ 発明の構成 本発明は液体導入管１及び液体排出管２と連通
する計量室３を形成した液体計量シリンダＭと、 上記計量室内３に配設したピストン４に往復運
動を与える直動シリンダ機構Ｃと、 上記ピストン４のピストンロツド４′の直動シ
リンダ機構側基端部に側方から進退可能に挿入し
た、上面にストツパー面S′を有し、下面に傾斜し
た滑り面５を有する上記ピストン４の後退ストロ
ークの下限位置を規制するストツパーＳと、 上記ストツパーＳの滑り面５を案内する上面に
傾斜した滑り面１１を有する固定ガイド１２と、 上記ピストンロツド４′の基端部に形成した前
記ストツパーＳと当接する当接部材１５と、 上記ストツパーＳの固定ガイド１２に沿つて滑
動させ、ストツパーＳのストツパー面S′をピスト
ンロツド４′の軸線方向に変位させるストツパー
位置調整装置Ａと、 液量検出装置Ｄ、ならびに、 上記液量検出装置Ｄとストツパ位置調整装置Ａ
との間に接続された演算制御回路Cuとを具備し、 ピストン４の前進ストロークの上限位置は液体
計量シリンダＭの計量室３内の定位置とし、ピス
トン４の後退ストロークの下限位置を、上記スト
ツパー位置調整装置４によつて、ストツパー面
S′をピストンロツド４′の軸線方向に変位させて、
計量室３の容積並びにピストン往復動のストロー
クを増減し調整するようにした液体定量充填機に
於ける充填量自動補正装置を要旨とするものであ
る。

ニ 実施例 第１図は本発明に係る液体定量充填機に於ける
充填量自動補正装置の一部破断正面図である。第
１図に置いて、内径100mmの計量室３の上端面に
は測定すべき液状内容物の導入管１が接続されて
おり、また該計量室３の上端側方には計量された
液状内容物の排出管２が接続されている。これら
の導入管１および排出管２は、前記計量室３内に
延びるピストン４の往復動ストロークと連動して
開閉する弁機構８ならびに９を有し、図示しない
貯槽から注液ノズルに至る液状内容物の流路を形
成している。直動シリンダ機構Ｃは、前記計量室
３を形成してなる液体計量シリンダＭに対し同心
配置されたエア・シリンダ機構であり、該エア・
シリンダ機構内に形成された気室（図示せず）へ
の空気流路を切替えることにより前記ピストン４
に往復運動を与える。なお、ピストン４の前進ス
トロークの上限位置は、液体計量シリンダの計量
室内の定位置とし、ピストン４の後退ストローク
の下限位置は、後述の如くストツパーツパーＳを
移動させて可変とする。上記のストツパーツパー
Ｓは、前記ピストン４のピストンロツド４′の直
動シリンダ機構Ｃ側の基端部に側方から差し込ま
れた二又フオーク状のストローク並びに、計量室
容積の規正部材であり、下面の傾斜した滑り面５
を前記直動シリンダ機構Ｃの上部で、かつ、機台
１６に取付けられた固定ガイド１２の上面の滑り
面１１に面接触させ、ピストンロツド４′の軸線
に対して傾斜角θをなす可変厚調整部材として機
能している。このストツパーＳに対応して直動シ
リンダ機構Ｃのピストンロツド４″にネジ止めさ
れた前記ピストンロツド４′の基端部には、後退
ストロークの下限位置に於いて該ストツパーＳの
上面のストツパー面S′に当接する受け面１４を形
成してなる当接部材１５が固着されている。スト
ツパー位置調整装置Ａは、前記ストツパーＳに、
固定ガイド１２の滑り面１１に沿つて進入または
退入ストロークを与えるためのストツパーＳの駆
動装置であつて、該ストツパーＳに形成された雌
ネジ６′と該雌ネジ係合する回転ネジ軸６、なら
びに該回転ネジ軸６を駆動するブレーキ付のモー
タ７から構成されている。また、本実施例におい
ては、第２図に示す様に液量検出装置Ｄによつて
検出された液状内容物充填量の誤差を演算制御回
路Cuによつて演算し、該演算結果を前記モータ
７の回転量に変換して回転ネジ軸６に伝達し、該
回転ネジ軸６と雌ネジ６′とのネジ係合を介して
ストツパーＳの作動により前記誤差補正用の厚み
変化を生ぜしめる閉ループ方式の制御機構を形成
している。

第１図に示す様にストツパーＳの下面の傾斜し
た滑り面５はピストンロツド４′の軸線に対して
傾斜角θを維持して固定ガイド１２の上面の傾斜
した滑り面１１に対して滑動し、滑り面５に沿う
厚みを直線的に変化せしめ、ストツパーＳの上面
のストツパー面S′の上下方向の位置を変化させ
る。例えば、回転ネジ軸６の駆動により、ストツ
パーＳが図中右側へ移動すれば、ストツパーＳの
厚さは増大して、ピストンロツド４′の後退スト
ロークの下限位置が、即ちストツパーＳの上面ス
トツパー面S′が上昇し、その結果、後退ストロー
クの下限位置が上方に移行する。従つてピストン
４の計量室３内での降下端が上方に移行し、計量
室３の容積が減少する。上記の動作に関連して直
動シリンダー機構Ｃ側のピストン（図示せず）も
前記ピストンロツド４′の後退ストロークの下限
位置の上方への移行に伴つて等量上昇するためエ
アーシリンダーのピストンの往復動のストローク
は前記上昇分だけ圧縮され減少し、その結果、計
量室３の容積とこれに対応したピストン４の往復
動のストロークは共に減少する。なお、ストツパ
ーＳを左方向へ移動させると、上述の場合とは逆
に作用し、計量室３の容積が増大する。ストツパ
ーＳの調整に於いては、例えば１mmのピツチを有
する前記回転ネジ軸６を１回転させることにより
計量室３の体積を１cm³だけ変化させることができ
る。傾斜角θは、任意の大きさに設定することが
できるが、回転ネジ軸６の計量室３の体積変化が
整数比で対応するように前記傾斜角θを選定する
ことが好ましい。なおストツパー位置調整装置は
前記実施例に限るものではなくピストンの後退ス
トロークの下限位置を軸線方向に変位調整出来る
ものであればよい。

ホ 発明の効果 以上の説明から明らかな如く、本発明装置を使
用することにより、在来装置に於いて為し得なか
つた自動充填途上の無停止補正動作が可能にな
り、運動途上に於ける充填量の変動に対して迅速
に適応することができる。更に上記補正動作は全
自動的に実施されるから、在来装置に於いて問題
視されていた手動補正動作に起因する補正精度の
低下現象を前面的に排除することができる。充填
量の補正動作を自動化することにより、充填すべ
き液状内容物の種類の変化、該液状内容物の温度
変化等、充填環境の変化に対して迅速、且つ、正
確に適応することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る液体定量充填機に於ける
充填量自動補正装置の一部破断正面図である。又
第２図は本発明装置の全体構造を示すブロツク線
図である。 １…液体導入管、２…液体排出管、３…計量
室、Ｍ…液体計量シリンダ、４…ピストン、Ｃ…
直動シリンダ機構、５…滑り面、Ｓ…ストツパ
ー、６…回転ネジ軸、７…モータ、Ａ…ストツパ
ー位置調整装置、Ｄ…液量検出装置、Cu…演算
制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液体導入管及び液体排出管と連通する計量室
   を形成した液体計量シリンダと、 上記計量室内に配設したピストンに往復運動を
   与える直動シリンダ機構と、 上記ピストンのピストンロツドの直動シリンダ
   機構側基端部に側方から進退可能に挿入した、上
   面にストツパー面を有し、下面に傾斜した滑り面
   を有する上記ピストンの後退ストロークの下限位
   置を規制するストツパーと、 上記ストツパーの滑り面を案内する、上面に傾
   斜した滑り面を有する固定ガイドと、 上記ピストンロツドの基端部に形成した前記ス
   トツパーと当接する当接部材と、 上記ストツパーを固定ガイドに沿つて滑動さ
   せ、ストツパーのストツパー面をピストンロツド
   の軸線方向に変位させるストツパー位置調整装置
   と、 液量検出装置、ならびに、 上記液量検出装置とストツパ位置調整装置との
   間に接続された演算制御回路とを具備し、 ピストンの前進ストロークの上限位置は液体計
   量シリンダの計量室内の定位置とし、ピストンの
   後退ストロークの下限位置を、上記ストツパー位
   置調整装置によつて、ストツパー面をピストンロ
   ツドの軸線方向に変位させて計量室の容積並びに
   ピストン往復動のストロークを増減し調整するよ
   うにした液体定量充填機に於ける充填量自動補正
   装置。