JPH0364968B2

JPH0364968B2 -

Info

Publication number: JPH0364968B2
Application number: JP20387787A
Authority: JP
Priority date: 1987-08-17
Filing date: 1987-08-17
Publication date: 1991-10-09
Also published as: JPS6448330A

Description

【発明の詳細な説明】発明の目的（産業上の利用分野）この発明は限流素子を内蔵し、特に架空送電線
用の碍子装置に使用される避雷碍子に使用される
放圧孔を備えた耐圧絶縁筒に関するものである。

（従来の技術）従来、限流素子を内蔵した避雷碍子として、
FRP等の機会的強度に優れた耐圧絶縁筒の上下
両端にそれぞれ筒状の接地側電極及び課電側電極
を嵌合固定するとともに、両電極間には電圧−電
流特性が非直線性の限流素子を収容固定し、限流
素子と耐圧絶縁筒との間及び耐圧絶縁筒の外周に
ゴムモールドを設け、さらに、前記耐圧絶縁筒の
外周には、予期しない大規模雷撃によつて限流素
子が電気的に破壊し続流によつて生ずる高温・高
圧のアークを碍子外部に放出するための放圧孔を
形成したものが提案されている。（特開昭62−
139301号公報参照）（発明が解決しようとする問題点）ところが、従来の避雷碍子における耐圧絶縁筒
１１には、第８図に示すように多数の放圧孔１１
ａを縦横に等間隔に形成していたので、系統の短
絡容量が大きく続流もこれに対応して大きい場合
では放圧特性の改善の必要があり、かつ高電圧と
なり長さが長くなるような場合、機会的強度面で
も改善が必要できるという問題があつた。すなわ
ち、避雷碍子に内蔵した限流素子表面のある点で
発弧現象が生じると、この高温・高圧ガスは発弧
地点から最短距離にある放圧孔１１ａを経て外部
に放圧されるが、四角形の四隅に位置する４つの
放圧孔１１ａの内側中心点Ｏまで発弧が生じる
と、同点Ｏから放圧孔１１ａまでの距離Ｌ２は、
放圧孔１１ａの縦方向の配列ピツチをＰ１とし、
横方向の配列ピツチをＰ２とすると、 L2＝√（1２）²＋（2２）² となる。この距離Ｌ２は放圧までの圧力上昇から
みると長く、続流が大きい場合放圧特性が低下す
るとうい問題があつた。

又、耐圧絶縁筒１１の同一高さ位置において
は、放圧孔１１ａが等間隔で縦方向の配列数と同
数（第９図では４個）だけ形成されているので、
この放圧孔１１ａを通る水平断面積が減少して、
曲げあるいは引張荷重に対する機械的強度が低下
するとういう問題があつた。

なお、上記問題を解消するため、耐圧絶縁筒１
１の肉厚を大幅に増加させると、避雷碍子が大型
化するという別の問題が生じる。

発明の構成（問題点を解決するための手段）この発明は前記問題点を解決するため、電圧−
電流特性が非直線性の限流素子を収容し得る耐圧
絶縁筒に対し、その縦方向及び横方向に複数の放
圧孔を所定のピツチで透設し、相隣接する縦列の
放圧孔の縦方向の配列位相を相違させるという構
成を採用している。

（作用）この発明は前記手段を採用したため、予期しな
い大規模雷撃によつて限流素子が電気的に破壊
し、続流によつて生ずる高温・高圧のアークの発
弧地点が何処であつても、四角形の四隅に放圧孔
を設ける構造と比較して、同地点から放圧孔まで
の距離が短くなり、放圧特性が向上するととも
に、同一高さ位置における放圧孔の個数が少なく
なつて、この放圧孔を横断面積が大きくなり、機
械的強度が向上する。

（実施例）以下、この発明を具体化した一実施例を第１図
〜第３図に基づいて説明する。

第１図に示すように、機械的強度に優れた
FRP等の耐圧絶縁筒１には、内外を連通する放
圧孔２が透設されている、この放圧孔２の縦方向
の配列ピツチＰ１は、各縦方向の配列とも同一に
設定している。又、放圧孔２〜２の第一〜第四の
縦配列ａ〜ｄのうち奇数の縦配列ａ、ｃの放圧孔
２〜２は縦方向に関して互いに同じ位相に位置さ
せ、偶数の縦配列ｂ、ｄの放圧孔２〜２も、縦方
向に関して互いに同じ位相に位置させ、奇数と偶
数の縦配列間の放圧孔２〜２は、二分の一ピツチ
（P1／２）だけ縦方向に位相を変位している。

このよう形成した耐圧絶縁筒１は、第３図に示
すように内部に限流素子３を収容するとともに、
外部にゴムモールド４を被覆し、さらに耐圧絶縁
筒１の上下両端部には図示しないが、キヤツプ電
極を嵌合することにより避雷碍子を構成する。

この避雷碍子が装柱状態において、想定をこえ
る雷撃をうけ限流素子３が電気的に導通状態とな
り、同限流素子３のある部位において発弧する
と、その高熱のアークは高圧ガスを生じるため、
ガスは放圧孔２に向かつて移動される。このた
め、耐圧絶縁筒１のガス圧による破壊が未然に防
止される。

この実施例では放圧孔２〜２の配列構造を縦方
向の配列のうち、相隣接する縦列の放圧孔２のピ
ツチを縦方向に関してほぼ二分の一変位させたの
で、限流素子３のどの部位で発弧が生じても、つ
まり三つの放圧孔２〜２の内側中心点Ｏで発弧現
象が生じた場合、三角形の三隅に位置する放圧孔
２〜２の内側中心点Ｏから放圧孔２〜２間までの
距離Ｌ１は、 L1＝（P1／２）²＋（P2）²／２（P2）但し、P2＞P1／２となり、従つて、放圧孔２までの距離を四角形の
四隅に放圧孔を設けた従来の距離Ｌ２と比較し
て、短くすることができ、この結果、放圧特性を
従来例よりも向上することできる。

ここで、前記Ｐ１を100mm、Ｐ２を70mmと仮定
して距離Ｌ１，Ｌ２を比較すると、 L2≒61.0mm L1≒52.8mm となり、発弧地点から放圧孔までの距離がほぼ
8.2mmだけ短くなることがわかる。

又、横方向の同一高さ位置における放圧孔２の
配列個数を減少することができ、このため同位相
における横断面積を大きくして曲げあるいは引張
荷重に対する機械的強度を向上することができ
る。

前記実施例では放圧孔２を円形にし、かつ耐圧
絶縁筒１の中心を通る直線上に放圧孔２を位置さ
せたが、この場合にはドリルにより放圧孔２の形
成を容易に行うことができる。

なお、この発明は次のように実施してもよい。

前記実施例では放圧孔２を円形にしたが、れを
第４図に示すように長孔とし、この向きを縦方向
にしたり、第５図に示すように横方向にしたり、
さらに、第６図に示すように、放圧孔２の配列を
変則的な千鳥状にしたり、第７図に示すように円
形の放圧孔２と長孔状の放圧孔２を混合して設け
たりすること。

又、曲げ荷重に対して大きな応力が発生する側
に位置する放圧孔の径を若干小さくし、その反対
側（軸方向）に行くにつれ大きくすること。

発明の効果以上詳述したように、この発明は耐圧絶縁筒の
放圧孔を縦方向に位相を異ならしめて千鳥状に配
設したので、予期しない大規模雷撃によつて限流
素子が電気的に破壊し続流によつて生ずる高温・
高圧のアークの放圧時に、発弧地点から放圧孔ま
での距離を短くして放圧特性を向上することがで
きるとともに、同一横断面における断面積を多く
して機械的強度を向上することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した一実施例を示す
斜視図、第２図は第１図の耐圧絶縁筒の展開図、
第３図は耐圧絶縁筒を使用した避雷碍子の横断面
図、第４図〜第７図はそれぞれ本発明の別例を示
す耐圧絶縁筒の展開図、第８図は従来の耐圧絶縁
筒の斜視図、第９図は同じく耐圧絶縁筒の展開図
である。１……耐圧絶縁筒、２……放圧孔、３……限流
素子、４……ゴムモールド、Ｐ１……放圧孔２〜
２の縦方向の配列ピツチ、Ｐ２……放圧孔２〜２
の横方向の配列ピツチ、Ｌ１……発弧地点０から
放圧孔２までの距離。

Claims

【特許請求の範囲】

１電圧−電流特性が非直線性の限流素子を収容
し得る耐圧絶縁筒に対し、その縦方向及び横方向
に複数の放圧孔を所定のピツチで透設し、相隣接
する縦列の放圧孔の縦方向の配列位相を相違させ
たことを特徴とする避雷碍子用耐圧絶縁筒。