JPH0364474B2 - - Google Patents
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- JPH0364474B2 JPH0364474B2 JP57148329A JP14832982A JPH0364474B2 JP H0364474 B2 JPH0364474 B2 JP H0364474B2 JP 57148329 A JP57148329 A JP 57148329A JP 14832982 A JP14832982 A JP 14832982A JP H0364474 B2 JPH0364474 B2 JP H0364474B2
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Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
産業上の利用分野
この発明は、アルミナを主成分とするセラミツ
クス基体と軟鋼からなる金属を結合させる方法に
係り、挿入材に銅を用い、セラミツクス基体と銅
との境界にFeAl2O4なる中間化合物を生成させ、
広い温度範囲で工業生産上容易にセラミツクスと
金属を強固に結合させる方法に関する。 従来の技術 セラミツクスと金属との接合に関する技術は数
多く開発されている。例えば、高融点金属法や活
性金属法などが広く実施されているが、複雑な工
程が必要なため製造コストが高くつくこと、雰囲
気を厳しく制御する必要など多くの問題があつ
た。 また、この発明に先行する技術として、英国特
許第761045号と、特開昭52−37914号公報に記載
の方法がある。 前者の方法はあらかじめ銅を強く酸化し、その
銅をセラミツクス基体上に配置し、ついで銅の融
点より高く酸化第1銅の融点より低い温度に加熱
し、まず銅上に酸化銅を形成させ酸化銅と液体銅
との共晶と基体との反応によつて結合させるもの
である。 また後者の方法はセラミツクスに接合する金属
が大部分を占める共晶合金を、セラミツクスと金
属との間に生成させる方法であつて、具体的には
鉄とセラミツクスを結合させる場合に酸素を結合
材として用い、1523℃という極めて高い温度すな
わち鉄と酸素との共晶温度に加熱して結合させる
ものであり、銅とセラミツクスを結合させる場合
には銅と酸素との共晶点以上(1065℃)でかつ銅
の融点以下(1083℃)に加熱し結合させるもので
ある。 発明が解決しようとする課題 いずれの方法も加熱温度範囲が狭く、また鉄と
セラミツクスの接合に際しては1523℃以上という
高い温度が必要であるという問題がある。 この発明は、上記の問題点に鑑み、セラミツク
スと金属との接合、特にアルミナセラミツクスと
軟鋼との接合を工業化する上で、実施が容易でか
つ安価にでき、両者の結合強度が極めて高い複合
材料が得られる結合方法の提供を目的とする。 課題を解決するための手段 この発明は、純度95%以上のアルミナからなる
セラミツクス基体と軟鋼からなる金属との間に、
銅からなる挿入材を挿入し、弱酸化性雰囲気にお
いて、上記挿入材の融点以上かつ上記金属の融点
以下の温度で加熱し、その後冷却することによ
り、セラミツクス基体と挿入材との境界に
FeAl2O4なる中間化合物を生成させセラミツク基
体と金属とを挿入材を介して結合させることを要
旨とするセラミツクスと金属の結合方法である。 作 用 この発明は、純度95%以上のアルミナからなる
セラミツクス基体と軟鋼からなる金属との間に、
銅からなる挿入材を挿入し、弱酸化性雰囲気にお
いて、上記挿入材の融点以上かつ上記金属の融点
以下の温度で加熱することにより、雰囲気中から
供給された酸素によつて、溶融した挿入材中に一
部溶解した軟鋼の主成分である鉄が酸化され、基
体中のアルミナと反応して中間化合物FeAl2O4が
形成されることにより基体と金属との強固な結合
を得るものである。そして、最も重要なことは、
銅からなる挿入材とアルミナからなるセラミツク
ス基体との界面にFeとAlの共存する層があり、
これが上記のFeAl2O4であり、この区間層には銅
は存在せず、銅自体が直接基体と金属を結合させ
ているのではなく、生成されたFeAl2O4が銅層を
介して金属と基体を強固に接合せしめていること
である。 上記の基体と金属との結合機構は、溶融銅中に
軟鋼の主成分である鉄が一部溶解し、弱酸化性雰
囲気から適切な量の酸素が供給され、溶融銅中に
溶解した鉄が一部酸化され、生成したFeOがアル
ミナと反応して中間化合物ヘルシナイトFeAl2O4
が接合界面に生成し強固な結合体を形成するもの
と考えられる。 従つて、前記した先行技術がかかる結合に金属
とその酸化物の共晶を用いるため、極めて高温で
かつ狭い温度幅で実施しなければならないのに対
して、この発明方法では、挿入材の融点以上、金
属の融点以下、約1000℃〜1500℃という広い温度
範囲で実施できる利点がある。また、挿入材に銅
を使用するため実施が容易で、安価に製造でき
る。 好ましい実施態様 次に、この発明を実施する場合の条件等につい
て説明する。 セラミツクス基体は、アルミナ(Al2O3)が強
固な結合層を生成させるのに必須の成分であるた
め、鉄酸化物とアルミナとの間に中間化合物が形
成されるにたる量のアルミナの含有が必要であ
り、比較的容易に入手できる純度95%以上のアル
ミナを用いる。 また、セラミツクス基体に接合される金属は、
上記の結合層を生成させるために、鉄の酸化物を
供給するにたる鉄を含有する必要があり、また用
途の広さ等を考慮し軟鋼を用いる。 挿入材は直接基体と金属を接合するのに関与し
ないが、中間化合物(FeAl2O4)を生成させるた
めに溶解した鉄原子を基体側に拡散させるのに有
効かつ不可欠であり、材質としては銅を用いる。 この銅からなる挿入材の使用形態は板あるいは
箔だけでなく、粉末または粉末に少量の有機結合
剤を添加してペースト状にしたものを塗布した
り、あるいは挿入材と同一組成の被膜を基体また
は金属の表面にメツキ、スパツター等で被着させ
てもよい。 次に加熱時の雰囲気は接合に必要な酸素を十分
供給できるだけの弱酸化性雰囲気である必要があ
る。 従つて5×10-6mmHgを越える高い真空状態換
言すれば低い圧力ではこの発明を実施できないた
め、5×10-6mmHg以上の圧力が良く、好ましく
は1×10-4mmHg以上である。 また、150mmHgを越える高い圧力になると酸化
が激しく、かえつて結合力が急激に低下するかあ
るいは全く接合しないため、150mmHg以下である
必要があり、好ましくは70mmHg以下が良く、結
合力が強くなる。 また、1×10-3mmHg〜70mmHgであると接合に
おいて最も好ましい効果が得られる。 この加熱時の雰囲気は必ずしも減圧下で行なう
必要はなく、ArまたはN2などの不活性ガスに若
干の酸素を混合した雰囲気でも良く、この際の酸
素分圧は、1.3×10-9〜4×10-2atmに調節する必
要がある。 次に加熱温度は、挿入材の融点以上でかつ金属
の融点以下である必要があり、例えば、銅の融点
は1083℃であり、鉄の融点は1536℃であり、この
広い温度範囲で実施できる。 また、加熱後の冷却方法は公知の各種冷却手段
を適宜適用すればよい。 接合時の加圧は、必ずしも必要ではないが、挿
入材の形状または挿入方法、基体の形状、寸法
等、金属の形状、寸法、加熱温度、加熱雰囲気、
加熱時間等に応じて各種条件を適宜選定する際
に、加圧条件等を設定すればよい。 実施例 以下にこの発明による実施例を示しその効果を
明らかにする。 実施例 1 基体に純度95.4%、直径15mm、厚さ3mmのアル
ミナ板を用い、金属に直径6mm、厚さ3mmの軟鋼
(JIS−SS41)を用い、各々の接合面をエメリー
紙にて、No.1000まで研磨したのち、両者間に挿入
材として純度99.9%、厚さ0.12mmの銅板を挿入
し、大気を3mmHgまで減圧した雰囲気で、20
℃/minの加熱速度で第1表に示す温度まで加熱
して30分間保持して結合を実施した。得られた複
合材の剪断破壊強度を調べた結果を第1表に示
す。 ちなみに、同様に加熱冷却を施したアルミナ板
の剪断破壊強度は約10Kgf/mm2であり、この発明
方法による複合材は基体のアルミナ板と同等の強
度を得ていることが分る。
クス基体と軟鋼からなる金属を結合させる方法に
係り、挿入材に銅を用い、セラミツクス基体と銅
との境界にFeAl2O4なる中間化合物を生成させ、
広い温度範囲で工業生産上容易にセラミツクスと
金属を強固に結合させる方法に関する。 従来の技術 セラミツクスと金属との接合に関する技術は数
多く開発されている。例えば、高融点金属法や活
性金属法などが広く実施されているが、複雑な工
程が必要なため製造コストが高くつくこと、雰囲
気を厳しく制御する必要など多くの問題があつ
た。 また、この発明に先行する技術として、英国特
許第761045号と、特開昭52−37914号公報に記載
の方法がある。 前者の方法はあらかじめ銅を強く酸化し、その
銅をセラミツクス基体上に配置し、ついで銅の融
点より高く酸化第1銅の融点より低い温度に加熱
し、まず銅上に酸化銅を形成させ酸化銅と液体銅
との共晶と基体との反応によつて結合させるもの
である。 また後者の方法はセラミツクスに接合する金属
が大部分を占める共晶合金を、セラミツクスと金
属との間に生成させる方法であつて、具体的には
鉄とセラミツクスを結合させる場合に酸素を結合
材として用い、1523℃という極めて高い温度すな
わち鉄と酸素との共晶温度に加熱して結合させる
ものであり、銅とセラミツクスを結合させる場合
には銅と酸素との共晶点以上(1065℃)でかつ銅
の融点以下(1083℃)に加熱し結合させるもので
ある。 発明が解決しようとする課題 いずれの方法も加熱温度範囲が狭く、また鉄と
セラミツクスの接合に際しては1523℃以上という
高い温度が必要であるという問題がある。 この発明は、上記の問題点に鑑み、セラミツク
スと金属との接合、特にアルミナセラミツクスと
軟鋼との接合を工業化する上で、実施が容易でか
つ安価にでき、両者の結合強度が極めて高い複合
材料が得られる結合方法の提供を目的とする。 課題を解決するための手段 この発明は、純度95%以上のアルミナからなる
セラミツクス基体と軟鋼からなる金属との間に、
銅からなる挿入材を挿入し、弱酸化性雰囲気にお
いて、上記挿入材の融点以上かつ上記金属の融点
以下の温度で加熱し、その後冷却することによ
り、セラミツクス基体と挿入材との境界に
FeAl2O4なる中間化合物を生成させセラミツク基
体と金属とを挿入材を介して結合させることを要
旨とするセラミツクスと金属の結合方法である。 作 用 この発明は、純度95%以上のアルミナからなる
セラミツクス基体と軟鋼からなる金属との間に、
銅からなる挿入材を挿入し、弱酸化性雰囲気にお
いて、上記挿入材の融点以上かつ上記金属の融点
以下の温度で加熱することにより、雰囲気中から
供給された酸素によつて、溶融した挿入材中に一
部溶解した軟鋼の主成分である鉄が酸化され、基
体中のアルミナと反応して中間化合物FeAl2O4が
形成されることにより基体と金属との強固な結合
を得るものである。そして、最も重要なことは、
銅からなる挿入材とアルミナからなるセラミツク
ス基体との界面にFeとAlの共存する層があり、
これが上記のFeAl2O4であり、この区間層には銅
は存在せず、銅自体が直接基体と金属を結合させ
ているのではなく、生成されたFeAl2O4が銅層を
介して金属と基体を強固に接合せしめていること
である。 上記の基体と金属との結合機構は、溶融銅中に
軟鋼の主成分である鉄が一部溶解し、弱酸化性雰
囲気から適切な量の酸素が供給され、溶融銅中に
溶解した鉄が一部酸化され、生成したFeOがアル
ミナと反応して中間化合物ヘルシナイトFeAl2O4
が接合界面に生成し強固な結合体を形成するもの
と考えられる。 従つて、前記した先行技術がかかる結合に金属
とその酸化物の共晶を用いるため、極めて高温で
かつ狭い温度幅で実施しなければならないのに対
して、この発明方法では、挿入材の融点以上、金
属の融点以下、約1000℃〜1500℃という広い温度
範囲で実施できる利点がある。また、挿入材に銅
を使用するため実施が容易で、安価に製造でき
る。 好ましい実施態様 次に、この発明を実施する場合の条件等につい
て説明する。 セラミツクス基体は、アルミナ(Al2O3)が強
固な結合層を生成させるのに必須の成分であるた
め、鉄酸化物とアルミナとの間に中間化合物が形
成されるにたる量のアルミナの含有が必要であ
り、比較的容易に入手できる純度95%以上のアル
ミナを用いる。 また、セラミツクス基体に接合される金属は、
上記の結合層を生成させるために、鉄の酸化物を
供給するにたる鉄を含有する必要があり、また用
途の広さ等を考慮し軟鋼を用いる。 挿入材は直接基体と金属を接合するのに関与し
ないが、中間化合物(FeAl2O4)を生成させるた
めに溶解した鉄原子を基体側に拡散させるのに有
効かつ不可欠であり、材質としては銅を用いる。 この銅からなる挿入材の使用形態は板あるいは
箔だけでなく、粉末または粉末に少量の有機結合
剤を添加してペースト状にしたものを塗布した
り、あるいは挿入材と同一組成の被膜を基体また
は金属の表面にメツキ、スパツター等で被着させ
てもよい。 次に加熱時の雰囲気は接合に必要な酸素を十分
供給できるだけの弱酸化性雰囲気である必要があ
る。 従つて5×10-6mmHgを越える高い真空状態換
言すれば低い圧力ではこの発明を実施できないた
め、5×10-6mmHg以上の圧力が良く、好ましく
は1×10-4mmHg以上である。 また、150mmHgを越える高い圧力になると酸化
が激しく、かえつて結合力が急激に低下するかあ
るいは全く接合しないため、150mmHg以下である
必要があり、好ましくは70mmHg以下が良く、結
合力が強くなる。 また、1×10-3mmHg〜70mmHgであると接合に
おいて最も好ましい効果が得られる。 この加熱時の雰囲気は必ずしも減圧下で行なう
必要はなく、ArまたはN2などの不活性ガスに若
干の酸素を混合した雰囲気でも良く、この際の酸
素分圧は、1.3×10-9〜4×10-2atmに調節する必
要がある。 次に加熱温度は、挿入材の融点以上でかつ金属
の融点以下である必要があり、例えば、銅の融点
は1083℃であり、鉄の融点は1536℃であり、この
広い温度範囲で実施できる。 また、加熱後の冷却方法は公知の各種冷却手段
を適宜適用すればよい。 接合時の加圧は、必ずしも必要ではないが、挿
入材の形状または挿入方法、基体の形状、寸法
等、金属の形状、寸法、加熱温度、加熱雰囲気、
加熱時間等に応じて各種条件を適宜選定する際
に、加圧条件等を設定すればよい。 実施例 以下にこの発明による実施例を示しその効果を
明らかにする。 実施例 1 基体に純度95.4%、直径15mm、厚さ3mmのアル
ミナ板を用い、金属に直径6mm、厚さ3mmの軟鋼
(JIS−SS41)を用い、各々の接合面をエメリー
紙にて、No.1000まで研磨したのち、両者間に挿入
材として純度99.9%、厚さ0.12mmの銅板を挿入
し、大気を3mmHgまで減圧した雰囲気で、20
℃/minの加熱速度で第1表に示す温度まで加熱
して30分間保持して結合を実施した。得られた複
合材の剪断破壊強度を調べた結果を第1表に示
す。 ちなみに、同様に加熱冷却を施したアルミナ板
の剪断破壊強度は約10Kgf/mm2であり、この発明
方法による複合材は基体のアルミナ板と同等の強
度を得ていることが分る。
【表】
実施例 2
実施例1で使用した基体、金属、挿入材を用
い、種々の減圧雰囲気中で、1200℃、30分間の加
熱をほどこしてセラミツクスと金属との複合材を
得た。各複合材の剪断破壊応力と雰囲気圧力との
関係を調べた。その結果を第1図に示す。複合材
の高い強度を得るのに、適当な減圧雰囲気が必要
であり、極めて高い真空状態であつても、逆に
150mmHg以上の大気圧中においても強固な結合は
得られないことが分る。すなわち、この発明方法
は、雰囲気中から供給された酸素によつて、挿入
材中に一部溶解した鉄が酸化され、基体中のアル
ミナと反応して中間化合物FeAl2O4が形成される
ことにより基体と金属との強固な結合を得るもの
であり、弱酸化性雰囲気が必要なことが分る。 実施例 3 実施例2で得た複合材のうち、雰囲気が10mm
Hg、1200℃、30分で結合させた複合材を、煮沸
高濃度硝酸でその金属部分を溶解し、アルミナ板
の接合部分のX線回折を行なつた。その結果を第
2表に示す。得られたX線回折ピークは、回折強
度のA欄は欄に示す文献(ASTMcard)掲載
のα−Al2O3ピークに類似し、回折強度のB欄は
欄に示す文献(ASTMcard)掲載のFeAl2O4
ピークに類似し、また、これらは同時に得られて
いることから、中間化合物FeAl2O4が形成されて
いることが分る。
い、種々の減圧雰囲気中で、1200℃、30分間の加
熱をほどこしてセラミツクスと金属との複合材を
得た。各複合材の剪断破壊応力と雰囲気圧力との
関係を調べた。その結果を第1図に示す。複合材
の高い強度を得るのに、適当な減圧雰囲気が必要
であり、極めて高い真空状態であつても、逆に
150mmHg以上の大気圧中においても強固な結合は
得られないことが分る。すなわち、この発明方法
は、雰囲気中から供給された酸素によつて、挿入
材中に一部溶解した鉄が酸化され、基体中のアル
ミナと反応して中間化合物FeAl2O4が形成される
ことにより基体と金属との強固な結合を得るもの
であり、弱酸化性雰囲気が必要なことが分る。 実施例 3 実施例2で得た複合材のうち、雰囲気が10mm
Hg、1200℃、30分で結合させた複合材を、煮沸
高濃度硝酸でその金属部分を溶解し、アルミナ板
の接合部分のX線回折を行なつた。その結果を第
2表に示す。得られたX線回折ピークは、回折強
度のA欄は欄に示す文献(ASTMcard)掲載
のα−Al2O3ピークに類似し、回折強度のB欄は
欄に示す文献(ASTMcard)掲載のFeAl2O4
ピークに類似し、また、これらは同時に得られて
いることから、中間化合物FeAl2O4が形成されて
いることが分る。
【表】
実施例 4
実施例2で得た複合材のうち、雰囲気が50mm
Hg、1200℃、30分で結合させた複合材を、その
結合面を切断して、断面のX線マイクロアナライ
ザーによる元素分析を行なつた。その結果を第2
図に示す。第2図から明らかなように、挿入材の
銅と基体のアルミナとの界面にFeとAlの共存す
る層があり、これが上記の第2表の結果と考え合
せてFeAl2O4であることは明らかであり、この中
間層には銅は存在せず、銅自体が直接基体と金属
を結合させているのではなく、生成された
FeAl2O4が銅層を介して金属と基体を強固に接合
せしめていることが分る。このことは第3図に示
すFeO−Al2O3状態図からも明らかである。 実施例 5 基体に純度95%、直径15mm、厚さ3mmのアルミ
ナ板を用い、金属に直径6mm、厚さ3mmの軟鋼を
用い、各々の接合面をエメリー紙にて、No.1000ま
で研磨したのち、両者間に挿入材として、厚さ
0.12mmの銅板を挿入し、大気を3mmHgまで減圧
した雰囲気で、20℃/minの加熱速度で1200℃ま
で加熱して第4図に示す各種時間保持して結合を
実施した。得られた複合材の剪断破壊強度を調べ
た結果を第4図に示す。結果から明らかなよう
に、20分から80分の加熱時間で強固な結合が得ら
れたことが分る。 実施例 6 この発明方法によりアルミナ板及び軟鋼との各
種接合継ぎ手を作製した。 a 50mm×25mm、厚さ1mm、純度99.5%のアルミ
ナ板同士を突合せ、20mm×25mm、厚さ5mmの軟
鋼板を当て金して接合した。 b 上記アルミナ板上に、50mm×20mm、厚さ5mm
の軟鋼板をT字型に接合した。 いずれの接合継ぎ手の場合も5Kgf/mm2以上
の強固な結合が得られた。 発明の効果 この発明は、実施例に明らかな如く、純度95%
以上のアルミナからなるセラミツクス基体と軟鋼
からなる金属との間に、銅からなる挿入材を挿入
し、挿入材の融点以上、金属の融点以下、約1000
℃〜1500℃という広い温度範囲で加熱して、中間
化合物FeAl2O4を接合界面に生成させて強固な結
合体を形成するため、結合強度が高い複合材料を
容易に提供でき、また挿入材に銅を使用するため
実施が容易で安価に製造できる利点がある。
Hg、1200℃、30分で結合させた複合材を、その
結合面を切断して、断面のX線マイクロアナライ
ザーによる元素分析を行なつた。その結果を第2
図に示す。第2図から明らかなように、挿入材の
銅と基体のアルミナとの界面にFeとAlの共存す
る層があり、これが上記の第2表の結果と考え合
せてFeAl2O4であることは明らかであり、この中
間層には銅は存在せず、銅自体が直接基体と金属
を結合させているのではなく、生成された
FeAl2O4が銅層を介して金属と基体を強固に接合
せしめていることが分る。このことは第3図に示
すFeO−Al2O3状態図からも明らかである。 実施例 5 基体に純度95%、直径15mm、厚さ3mmのアルミ
ナ板を用い、金属に直径6mm、厚さ3mmの軟鋼を
用い、各々の接合面をエメリー紙にて、No.1000ま
で研磨したのち、両者間に挿入材として、厚さ
0.12mmの銅板を挿入し、大気を3mmHgまで減圧
した雰囲気で、20℃/minの加熱速度で1200℃ま
で加熱して第4図に示す各種時間保持して結合を
実施した。得られた複合材の剪断破壊強度を調べ
た結果を第4図に示す。結果から明らかなよう
に、20分から80分の加熱時間で強固な結合が得ら
れたことが分る。 実施例 6 この発明方法によりアルミナ板及び軟鋼との各
種接合継ぎ手を作製した。 a 50mm×25mm、厚さ1mm、純度99.5%のアルミ
ナ板同士を突合せ、20mm×25mm、厚さ5mmの軟
鋼板を当て金して接合した。 b 上記アルミナ板上に、50mm×20mm、厚さ5mm
の軟鋼板をT字型に接合した。 いずれの接合継ぎ手の場合も5Kgf/mm2以上
の強固な結合が得られた。 発明の効果 この発明は、実施例に明らかな如く、純度95%
以上のアルミナからなるセラミツクス基体と軟鋼
からなる金属との間に、銅からなる挿入材を挿入
し、挿入材の融点以上、金属の融点以下、約1000
℃〜1500℃という広い温度範囲で加熱して、中間
化合物FeAl2O4を接合界面に生成させて強固な結
合体を形成するため、結合強度が高い複合材料を
容易に提供でき、また挿入材に銅を使用するため
実施が容易で安価に製造できる利点がある。
第1図はアルミナ板と軟鋼を雰囲気の圧力を変
えて1200℃で30分間加熱接合したときの圧力と剪
断破壊応力との関係を示すグラフである。第2図
はアルミナ板と軟鋼の接合後の断面を組織観察お
よびX線マイクロアナライザーで元素分析した結
果を示す図であり、太い実線は界面を示す。ま
た、細い実線はFe、破線はCu、一点鎖線はAlの
アナライザーのピークを示す。第3図はFeO−
Al2O3状態図である。第4図はアルミナと軟鋼を
1200℃で加熱時間を変えて接合したときの加熱時
間と剪断破壊応力との関係を示すグラフである。
えて1200℃で30分間加熱接合したときの圧力と剪
断破壊応力との関係を示すグラフである。第2図
はアルミナ板と軟鋼の接合後の断面を組織観察お
よびX線マイクロアナライザーで元素分析した結
果を示す図であり、太い実線は界面を示す。ま
た、細い実線はFe、破線はCu、一点鎖線はAlの
アナライザーのピークを示す。第3図はFeO−
Al2O3状態図である。第4図はアルミナと軟鋼を
1200℃で加熱時間を変えて接合したときの加熱時
間と剪断破壊応力との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 純度95%以上のアルミナからなるセラミツク
ス基体と軟鋼からなる金属との間に、銅からなる
挿入材を挿入し、弱酸化性雰囲気において、上記
挿入材の融点以上かつ上記金属の融点以下の温度
で加熱し、その後冷却することにより、セラミツ
クス基体と挿入材との境界にFeAl2O4なる中間化
合物を生成させセラミツクス基体と上記金属とを
挿入材を介して結合させることを特徴とするセラ
ミツクスと金属の結合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14832982A JPS5939779A (ja) | 1982-08-25 | 1982-08-25 | セラミックスと金属の結合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14832982A JPS5939779A (ja) | 1982-08-25 | 1982-08-25 | セラミックスと金属の結合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5939779A JPS5939779A (ja) | 1984-03-05 |
JPH0364474B2 true JPH0364474B2 (ja) | 1991-10-07 |
Family
ID=15450336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14832982A Granted JPS5939779A (ja) | 1982-08-25 | 1982-08-25 | セラミックスと金属の結合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5939779A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6077181A (ja) * | 1983-09-30 | 1985-05-01 | 株式会社東芝 | セラミツクス−金属接合体 |
JPS60231472A (ja) * | 1984-04-26 | 1985-11-18 | 住友電気工業株式会社 | セラミツクスと金属の接合体及びその接合方法 |
JP2015224151A (ja) * | 2014-05-27 | 2015-12-14 | Ngkエレクトロデバイス株式会社 | Cu/セラミック基板 |
JP6602450B2 (ja) * | 2018-12-11 | 2019-11-06 | Ngkエレクトロデバイス株式会社 | Cu/セラミック基板 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5659682A (en) * | 1979-10-20 | 1981-05-23 | Kogyo Gijutsuin | Manufacture of composite material consisting of ceramic and metal |
-
1982
- 1982-08-25 JP JP14832982A patent/JPS5939779A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5659682A (en) * | 1979-10-20 | 1981-05-23 | Kogyo Gijutsuin | Manufacture of composite material consisting of ceramic and metal |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5939779A (ja) | 1984-03-05 |
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