JPH0364461B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自重式の焼塊冷却装置に係り、特に
グレート式冷却装置と併用すると効果的な焼塊冷
却装置に関する。

例えばセメントクリンカはロータリキルン等の
焼成炉において約1400〜1500℃の高温に焼成され
るため、これを冷却させる必要があるがこの様な
高温のクリンカ（焼塊）を冷却する装置は大別し
て次の二つとなる。

一つはグレート式冷却装置であり、ロータリキ
ルンから落下したクリンカによりグレート上に層
を形成し、このクリンカ層をグレートでほぼ水平
に移動させながら、グレート下部から供給する冷
却用空気により所定の温度まで冷却するものであ
る。

他の一つは自重式冷却装置と称するものであ
り、ロータリキルンから落下した高温焼塊により
重力方向に移動する移動層を形成し、この移動層
に対して冷却用空気を通過させ冷却するものであ
る。なお、この冷却装置においては冷却管内の冷
却用空気はクリンカの移動方向とは反対に上昇さ
せて対向流とするのが一般的である。

セメントクリンカの場合大径のものは直径が約
1000mmもしくはこれ以上あり、反対に小径のもの
は１mmもしくはこれ以下となつて、クリンカの粒
度分布は極端に広い。グレート式の焼塊冷却装置
の場合にはこれらのクリンカの径にかかわらず比
較的良好に冷却を行うことができる。またクリン
カ層の高温部（落下点近辺）ではクリンカ粒子と
冷却装置との間に充分な温度差があるので、効果
的な熱交換が行なわれわて熱交換後の冷却空気は
充分高い温度となり、ロータリキルン用の燃焼用
空気として利用する等有効利用が可能である。し
かし、低温部では温度差があまりなく効果的な熱
交換が行なわれず多量の冷却空気が必要となり、
クリンカ冷却後の含塵高温空気である排気の増大
と含塵排気を集塵して公害を防止する為の膨大な
集塵装置を必要とする欠陥がある。

一方、自重式冷却装置では細粒クリンカ層に対
して粗粒クリンカが落下した場合または細粒クリ
ンカのみが部分的に集中して層を形成している場
合等、移動層中のクリンカの粒度分布が不均一な
場合、移動層の通気抵抗が不均一となり移動層に
対して直接冷却用空気を供給する場合には移動層
全体では極端な冷却むらが生じるという欠点があ
る。しかし移動層の粒度分布が均一である限り
は、移動層下部から冷却空気を供給しクリンカの
移動方向と対向させることにより、冷却用空気は
クリンカに対して常に十分な温度差を保ちながら
流れるため、移動層の高温部と低温部に係りなく
良好な冷却を行うことができる。

またさらに、自重式冷却装置の変形として、移
動層中に冷却管を配置し、この冷却管内に冷却用
空気を供給してクリンカを間接的に冷却するもの
もある。この場合にはクリンカと熱交換した空気
に全く粉塵が含まれないので集塵装置等の特別な
設備を必要としない反面、間接冷却であるため冷
却効率が悪く、排気温度も低いため排気の利用は
不可能である。

この発明の目的は上述した問題点に鑑み構成し
たものであり、冷却効率が良好でしかも外部に粉
塵を排出することがなく、かつグレート式焼塊冷
却装置と併用する焼塊冷却装置を提供することに
ある。

要するにこの発明は、グレート式焼塊冷却装置
で冷却した焼塊を破砕機で破砕し整粒して移動層
式焼塊冷却装置に供給し、該移動層式冷却装置で
冷却した空気を前記グレート式焼塊冷却装置に再
循環供給する管路を設けた焼塊冷却装置において
前記移動層式冷却装置の冷却室内に複数の間接冷
却用の冷却管を配置し、かつ冷却室下部には冷却
補助用の空気を噴射する部材を配置したことを特
徴とする焼塊冷却装置である。

以下この発明の実施例を図面により説明する。

第１図において、１はグレート式冷却装置、２
はクリンカを移動させるグレート、３はグレート
２で運ばれた粗粒クリンカを排出端で破砕するハ
ンマーブレーカ、４ａ，４ｂはグレート２より落
下してきた細粒クリンカを排出端に運ぶコンベ
ヤ、５は自重式冷却装置、６はグレート式冷却装
置１で冷却されたクリンカを自重庄式冷却装置５
に運ぶベルトコンベヤ、７はシユート、８ｂは自
重式冷却装置５内のクリンカを直接冷却したあと
の排気をグレート式冷却装置１に再循環して送入
するダクトである。自重式冷却装置５内のクリン
カを間接冷却たあとの排気は前記８ｂの空気と合
流してグレート式冷却装置１に再循環して送入す
るダクト、９はシユート７より落下したクリンカ
を自重式冷却装置５に運ぶドラグチエーン、１０
は自重式冷却装置５内のクリンカを冷却する冷却
用空気の送風機（第２図参照）、１１はロータリ
キルン、１２はバーナ、１３はハンマーブレーカ
３によつて破砕されたクリンカを分級する篩、１
４は細粒クリンカを分級する二次篩である。

第２図は自重式焼塊冷却装置の詳細を示し、２
０は冷却室、１７は冷却室２０の下部に配置した
多孔板、１６は冷却室２０内に配置した冷却管、
１０は送風機で冷却管１６に対して冷却用空気を
供給すると共に連絡管１８を介して多孔板１７の
下部から焼塊の移動層に対して直接冷却用空気を
供給する。１５は排出管２５を介してホツパ２６
に集められた焼塊を外部に排出する装置でありこ
の排出量を調節することにより移動層の移動速度
を調節する。

以上の装置において、ロータリーキルン１１で
焼成されたクリンカは、グレート式冷却装置１の
グレート２の一端に落下し、グレート中の可動グ
レートの作動によつて他端に向つてほぼ水平に送
られる。

一方自重式冷却装置５よりの冷却用空気（排
気）はグレート２上に形成したクリンカ層の下に
対してダクト８ａによつて導かれ、ほぼ水平なク
リンカ層を下方より上方に直角に貫通し直交流熱
交換を行なつてクリンカを冷却する。

このグレート式冷却装置１によつて熱交換し更
に昇温した空気はグレート式冷却装置１のスロー
ト部を通りロータリキルン１１用のバーナ１２の
二次空気として使用され、保有する熱は有効に利
用される。

一方、ハンマーブレーカ３により破砕され篩１
３で一定の大きさ以下、例えば25mm以下にされた
細粒クリンカ、及び２段篩１４で一定の大きさ以
上、例えば５mm以上にされた細粒クリンカはベル
トコンベヤ．、シユート７、ドラグチエーン９を
経て自重式冷却装置５内に供給される。

このドラグチエーン９は自重式冷却装置５に対
し前記５〜25mmの大きさに粉砕したクリンカを均
等に供給する。

第３図は自重式冷却装置の実施例を示し、冷却
管１６はクリンカの移動層２１の移動を妨げない
よう断面略凸レンズ状に形成しておくとよい。２
７は冷却室２０の底部に配置した冷却用空気噴射
用パイプであり、前記連絡管１８により冷却用空
気の一部を同パイプ２７に形成した小孔１９から
噴射させる。移動層は層内に配置された冷却管１
６で主として冷却されるものである。なお移動層
２１は前記５〜25mmの整粒された小径粒子で形成
されるので、その表面積は塊の場合より飛躍的に
増大し、かつこれら粒子間の隙間を冷却用空気噴
射用パイプ２７から供給される冷却空気が流れる
ので少ない量の冷却空気で大きな焼塊冷却効果を
上げることができる。またこの冷却効果を上げる
のは移動層において下方より上昇する空気は固体
表面に集りやすく、かつ冷却空気が冷却管１６の
表面近傍とその下面側に乱流域を形成するので、
冷却管に対する熱伝達を粒子と管との接触熱伝達
だけでなく対流熱伝達をして熱伝達効果を高めて
いるものである。以上の自重式冷却装置におい
て、冷却室２０内のクリンカは粒径が前述の如く
均一であるため、直接冷却用の空気を供給しても
吹き抜け等を生ぜずクリンカ全体を均一に冷却す
ることができる。

また冷却装置５においてクリンカを直接冷却し
た空気（排気）は管路８ｂを経て管路８ａに合流
し、間接冷却により発生した排気と合流するが、
粉塵を全く含有しない間接冷却の排気に対する直
接冷却（粉塵を含有）は僅かであるから、管路８
に対して集塵器を別途設ける必要はない。

この発明を実施することにより高温のクリンカ
の冷却を効果的に行うことができると共に、集塵
器等の設備を設ける必要がなく、さらにグレート
式冷却装置と併用する場合には両者の欠点を補
い、良好なクリンカ冷却を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はグレート式焼塊冷却装置と自重式焼塊
冷却装置の系統図、第２図は自重式焼塊冷却装置
の詳細を示す断面図、第３図は自重式焼塊冷却装
置の拡大部分図である。 １…グレート式冷却装置、５…自重式焼塊冷却
装置、６…コンベヤ、１６…冷却管、１７…多孔
板、２０…冷却室、２１…クリンカ移動層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ グレート式焼塊冷却装置で冷却した焼塊を破
   砕機で破砕し整粒して移動層式焼塊冷却装置に供
   給し、該移動層式冷却装置で冷却した空気を前記
   グレート式焼塊冷却装置に再循環供給する管路を
   設けた焼塊冷却装置において、前記移動層式冷却
   装置の冷却室内に複数の間接冷却用の冷却管を配
   置し、かつ冷却室下部には冷却補助用の空気を噴
   射する部材を配置したことを特徴とする焼塊冷却
   装置。