JPH036429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は筆記軸、菓子容器等の円筒体の周面へ
の印刷をするための印刷装置に関するものであ
る。

（従来の技術とその問題点） 従来の円筒体の印刷装置は、印刷器で筆記軸、
菓子容器等の円筒体の周面に印刷した後、その印
刷部を乾燥させるため乾燥装置の下側で円筒体を
回転させて乾燥させていた。その回転体の回転手
段として実公昭59−31408号公報のものがある。

この方法は、搬送チエン全長にわたつて架設さ
れた回転体の両側にピニオンを取り付け、該ピニ
オンと噛合するラツクを乾燥装置下側の機枠に設
け、これらの噛合により回転体を回転させるもの
である。

しかし、この方法は搬送チエン全長にわたつて
多数取り付けられた回転体の両側すべてにピニオ
ンを取り付けなければならないため、機構が複雑
になるとともに、コスト高になり、さらに円筒体
の両側部は回転体の全幅に渉つて側端部まで印刷
を施こした場合はその印刷インクが回転体に付着
することになり、従つて側端部まで印刷が施こさ
れた円筒体の搬送には使用出来ないといつた問題
を有している。

（考案が解決しようとする技術的課題） 本考案が解決しようとする技術的課題は、円筒
体の印刷装置における回転体の回転手段を簡潔に
すると共に、円筒体の側端付近に印刷され、また
乾燥されてないインクが円筒体の回転の際に回転
体の表面に付着しないようにすることである。

（技術的課題を達成するための技術的手段） 以上の技術的課題を達成するための本考案の技
術的手段は、搬送装置を駆動回転する左右一対の
無端チエン間に支持枠を一定間隔毎に取付け、そ
の支持枠に、円柱状の回転体をその軸芯を無端チ
エンの移動方向と直交する方向に向けて並設する
と共に、それら左右の回転体は左右の無端チエン
間の中央に向け、夫々下向きに傾斜させて回転自
在に支持し、更に、左右回転体における軸芯方向
の外側端上面と接する長尺板をチエンに沿つて乾
燥装置下部に設け、その長尺板をバネで回転体側
に付勢したことにある。

（作用） 円筒体の印刷装置における無端チエンの搬送に
伴ない隣接する回転体の間に載置せる円筒体は、
乾燥装置下部に設けた長尺板に回転体の外側端が
接し、その摩擦により回転する回転体とともに回
転しながら乾燥装置の下部を搬送され、その周面
に印刷された印刷部を乾燥させる。

（考案の効果） 本考案は以上の様に構成したので下記の効果を
有する。

乾燥装置下部に設けた長尺板と回転体の外側
端との接触による摩擦で回転体を回転させるの
で回転体の回転手段を簡潔にすることが出来、
かつコストも安くすることができる。

無端チエン間に支持枠を介して左右一対の回
転体を適宜間隔をおいて並設すると共に、それ
ら左右の回転体の周面を内方に向けて傾斜させ
ることにより、これら回転体の間に載置される
円筒体が、その両端で回転体表面と線接触をす
るため、周面に印刷され乾燥していないインク
が回転体周面に付着するのを防止することが出
来る。

支持枠に並設支持される円柱状の回転体はあ
る程度の長さを有しているため、印刷加工され
る円筒体が長・短長さの異なるものでも確実に
載承支持できると共に、長・短長さの異なる円
筒体に合わせて回転体を軸芯方向に移動させる
必要は全く無く、非常に便利である。

回転体を傾斜させ、その傾斜面で円筒体を支
持するため、該回転体はその全長にわたつて同
一外径の円柱（ローラ）でよく、従つて外周面
がテーパを有した特別製作のローラを使用しな
くてもよく、非常に経済的である。

（実施例） 本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

本考案の円筒体の印刷装置Ａは搬送装置１、印
刷手段２、乾燥装置３、長尺板５とにより構成さ
れる。

搬送装置１は平行に対向する後部スプロケツト
ａと平行に対向する前部スプロケツトｂとの間に
わたつて一対の対向する無端チエンｃを掛けわた
し、該平行に対向する一対のチエンｃ間全長にわ
たつて支持枠６を介して回転体４，４′を設ける。

支持枠６は断面コ字形の支持片６ａ，６a′を連
結材６ｂを介して連結して形成され、これら左右
支持片６ａ，６a′に夫々回転体４，４′を並設す
る。

回転体４，４′は無端チエンｃの全長にわたつ
て円筒体ｍが回転体４，４′に載置可能な間隔を
もつて設けると共に、その内側を下側に傾斜させ
た状態で並設する。

これは、回転体４，４′間に載置せる円筒体ｍ
がその両側端で回転体４，４′の周面と線接触を
させるためであり、前記回転体４，４′は円筒体
ｍと線接触させるために内側の径を外側よりも小
径にした所謂テーパロールを用いることも可能で
ある。

また前記搬送装置１の一方側に設けられる印刷
手段２は、印刷胴７と印刷インク供給胴８とから
なる印刷器９、円筒体ｍを収納するホツパー１０
と円筒体ｍをホツパー１０から案内する案内ピス
トン１１とからなる供給器１２により構成され、
紫外線硬化性インクにて印刷された円筒体ｍは、
前記搬送装置１により乾燥装置３側へ搬送され
る。

乾燥装置３は紫外線の照射エネルギーを照射す
る直管状の照射灯３ａを前記回転体４，４′と直
交して設けることにより、無端チエンｃの移動に
伴つて搬送される円筒体ｍの表面をむらなく照ら
し、該表面に印刷されたインクを乾燥硬化させ
る。

前記乾燥装置３の下側に設けられる長尺板５
は、該乾燥装置３と同等の長さを有し、前記左右
の回転体４，４′の外側端上面と接触する位置に、
機枠ｎの両側に固着した支承軸１３に垂設され
る。

また長尺板５はその両側に設けた支軸１４によ
り上下摺動可能に取り付けられ、前記支承軸１３
と長尺板５との間に弾装したバネ１５により常時
回転体４，４′側に付勢している。

而して、無端チエンｃの移動に伴い、長尺板５
の設置間において、該長尺板５と回転体４，４′
との接触による摩擦で回転体４，４′が回転し、
それに伴つて回転体４，４′間に載置された円筒
体ｍが回転する。

よつて該円筒体ｍは無端チエンｃの移動に伴つ
て回動しながら乾燥装置３部を通過することによ
り、その表面に印刷されたインクが完全に乾燥硬
化する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の円筒体の印刷装置の正面図、
第２図は一部を切欠した長尺板の拡大正面図、第
３図は一部を省略した拡大側面図である。 尚、図中、Ａ……円筒体の印刷装置、１……搬
送装置、２……印刷手段、３……乾燥装置、４…
…回転体、５……長尺板、６……支持枠、を夫々
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒体を載承して移動する搬送装置の一方側
   に、前記円筒体周面へ印刷する印刷手段を有する
   と共に、搬送装置上に乾燥装置を備えた円筒体の
   印刷装置において、前記搬送装置を駆動回転する
   左右一対の無端チエン間に支持枠を一定間隔毎に
   取付け、その支持枠に、円柱状の回転体をその軸
   芯を無端チエンの移動方向と直交する方向に向け
   て並設すると共に、それら左右の回転体は左右の
   無端チエン間の中央に向け、夫々下向きに傾斜さ
   せて回転自在に支持し、更に、左右回転体におけ
   る軸芯方向の外側端上面と接する長尺板をチエン
   に沿つて乾燥装置下部に設け、その長尺板をバネ
   で回転体側に付勢した円筒体の印刷装置。