JPH0363980B2 - - Google Patents
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- JPH0363980B2 JPH0363980B2 JP3662585A JP3662585A JPH0363980B2 JP H0363980 B2 JPH0363980 B2 JP H0363980B2 JP 3662585 A JP3662585 A JP 3662585A JP 3662585 A JP3662585 A JP 3662585A JP H0363980 B2 JPH0363980 B2 JP H0363980B2
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Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は積層摺動部材、とくに芳香族ポリアミ
ド繊維を緯二重織して構成された布基材を用いた
積層摺動部材の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、積層摺動部材は例えば特公昭39−14852
号に開示されているように綿布などの布基材に黒
鉛、二硫化モリブデン、ふつ素樹脂粉末などの固
体潤滑剤を、結合材をなすフエノール樹脂などの
ワニスに混じた混合液を含浸、乾燥せしめて該布
基材に固体潤滑剤が付着した樹脂加工布を得、こ
れを数層重ねて加熱加圧成形することによつて一
体化して形成する方法、あるいは特公昭56−8045
号および特公昭58−35468号に開示されるように、
ふつ素樹脂繊維とポリテステル繊維などの他の繊
維とふつ素樹脂繊維が一方の面に多く露出するよ
うに交織された布基材を適宜裏材に該布基材が表
面(摺動面)のみに位置するように結合材を用い
て一体に配して形成する方法が主に採られてい
る。 しかしながら、これらは寸法精度を向上させる
ために、機械加工を施すと摺動特性が低下する問
題、また布基材に用いられる繊維の強度が小さい
ため、積層摺動部材として高荷重の使用条件に耐
え得る十分な機械的強度が得られないという問
題、さらに耐熱、耐薬品性に劣るため、高温、腐
食雰囲気での使用が困難であるなどの問題があ
る。 このため、近年上述した問題点を解決すべく高
強度および耐熱、耐薬品性にすぐれる芳香族ポリ
アミド繊維からなるあるいは芳香族ポリアミド繊
維を含む布基材に固体潤滑剤を含む結合材を含浸
せしめて形成した積層摺動部材、例えば特開昭54
−148089号および特公昭54−21498号が開示され、
また芳香族ポリアミド繊維とふつ素樹脂繊維とを
撚り合せた糸で布基材を構成し、該布基材に結合
材を含浸せしめて形成した積層摺動部材、例えば
特開昭51−62243号および特開昭55−2888号が開
示されている。 詳述すれば、特開昭54−148089号は芳香族ポリ
アミド繊維布およびカーボン繊維布ないし紙にふ
つ素樹脂を混入したポリイミド樹脂ワニス液を結
合材としてそれぞれ含浸させたものを互いに積層
状に折り重ね、これを加熱、加圧して一本化せし
めることによつて積層摺動部材を形成する方法で
ある。 また、特公昭54−21498号は芳香族ポリアミド
繊維からなる糸あるいは織布もしくは該芳香族ポ
リアミド繊維を含む糸あるいは織布に固体潤滑剤
を混入した熱硬化性樹脂の混合液を結合材として
含浸させ、これを心棒のまわりに所望量捲回した
後、結合材を硬化させることによつて積層摺動部
材を形成する方法である。 さらに、特開昭51−62243号および特開昭55−
2888号は芳香族ポリアミド繊維とふつ素樹脂繊維
とを撚り合せた糸で、平織、朱子織された布基材
を構成し、該布基材に熱硬化性樹脂を結合材とし
て含浸させ、かつ乾燥せしめて樹脂加工布を形成
し、該樹脂加工布を適宜裏材と一体に加熱、加圧
して積層摺動部材を、あるいは布基材を適宜裏材
に接着剤を用いて一体化せしめて積層摺動部材を
形成する方法である。 そして、このように構成された積層摺動部材は
前述した綿布などの布基材を用いた積層摺動部材
に比して、数段すぐれた耐荷重性および耐熱、耐
薬品性を示すものの摺動特性については何んら向
上せず、かつ機械加工を施すと従来と同様に摺動
特性が低下する問題が解決されずに残されてい
る。 このことは、芳香族ポリアミド繊維自体に極だ
つた潤滑性がないことと、該積層摺動部材が結合
材を付着せしめた糸を単に巻き付けて形成された
場合糸間に結合材が存在しにくい、あるいは一般
に用いられている第4図に示すような構造の布基
材1、すなわち緯糸2…2に経糸3…3が交互に
交差するように織つた平織で構成した布基材1に
固体潤滑剤を混入した結合材4を含浸せしめて形
成された場合、1)固体潤滑剤(結合材)が布基
材1の糸目間に十分含浸されずに表面のみに存在
するので、高荷重の作用によつて容易に表面より
離脱し易いこと、2)機械加工を施す場合は表面
に含浸、付着された固体潤滑剤が除去されるこ
と、などに起因するものであると考えられる。 また、芳香族ポリアミド繊維とふつ素樹脂繊維
とを撚り合せた糸で布基材を構成したものは、
1)結合材としての熱硬化性樹脂が表面に露出す
ること、2)機械加工を施すことによつて、ふつ
素樹脂繊維の表面に占める割合が低下すること、
などに起因するものであると考えられる。 〔本発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上述した問題点に鑑み、高荷重の作用
および機械加工を施すことによつても低い摩擦係
数と良好な耐摩耗性を有するのみならず、耐荷重
性および耐熱、耐薬品性にすぐれる積層摺動部材
の製造方法を提供することを技術的課題とするも
のである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記課題を解決すべく鋭意研究した結
果、布基材を緯二重織によつて形成し、以下の技
術的手段を採ることによつて、耐荷重性および耐
熱、耐薬品性ならびに機械加工を施すことによつ
てもすぐれた摺動特性を示す積層摺動部材が得ら
れることを見い出したものである。 すなわち、芳香族ポリアミド繊維を緯二重織し
た布基材に、固形分が40〜65重量%のフエノール
樹脂、ポリイミド樹脂、から選ばれたワニス状の
結合材100重量部に対し、ふつ素樹脂粉末15〜35
重量部とステアリン酸リチウム1〜5重量部を混
入した粘度が200〜2000センチポアズの混合液を
含浸させ、これを雰囲気温度100〜160℃で乾燥せ
しめて樹脂加工布を形成し、該樹脂加工布を所定
寸法に切断したものを層状にして加熱加圧成形し
て一体化することによつて板状の積層摺動部材
を、また長尺の樹脂加工布を所定寸法の芯金に加
熱加圧しながら巻き付けて成形して一体化するこ
とによつて円筒状の積層摺動部材を形成する手段
を採るものである。 本発明において布基材は、第1図に示すように
二重に配された緯糸5…5に経糸6を該緯糸5を
所定間隔で交差するように織られ、従来の平織構
造に比して糸目間に多数の空隙7…7が存在する
緯二重織で構成した布基材8を用いるものであ
る。 図において、9は結合材、10は結合材9に分
散されたふつ素樹脂を示すものである。 また、結合材に混じるふつ素樹脂粉末は積層摺
動部材の摺動部材の摺動特性に寄与するもので、
その混合割合は結合材100重量部に対して15〜35
重量部がよく、15重量部以下では十分な摺動特性
が得られず、35重量部以上では積層摺動部材の層
間の接着力を低下させるため好ましくない。 さらに、ふつ素樹脂粉末とともに結合材に混じ
るステアリン酸リチウムは積層摺動部材の初期な
じみ性および金型との離型性に寄与するもので、
その混合割合は結合材100重量部に対して1〜5
重量部がよく、1重量部以下では十分ななじみ性
および離型性が得られず、5重量部以上では積層
摺動部材の層間の接着力を低下させるため好まし
くない。 さらにまた、結合材とふつ素樹脂およびステア
リン酸リチウムとの混合液の布基材への含浸は、
該混合液に布基材を浸漬する方法あるいは混合液
を布基にハケ刷りする方法のいずれかで行なうも
のである。 また、本発明の積層摺動部材においては、結合
材にふつ素樹脂に加えて従来より用いられている
黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤をふつ
素樹脂の混合量を超えない範囲で適宜混入して用
いることもできるものである。 さらに、本発明の積層摺動部材は他の布基材を
裏当として用いる態様、すなわち、従来より用い
られている平織りなどで構成された他の繊維より
なる布基材に結合材を含浸せしめた樹脂加工布を
裏当とし、該裏当上に本発明の樹脂加工布を所望
の厚さの摺動面を形成するように配し、これらを
加熱加圧成形して一体化することにより積層摺動
部材を形成する態様も可能である。 〔発明の効果〕 本発明は、布基材を緯二重織によつて構成する
ことにより、従来の布基材に比して糸目間に多数
の空隙が生じ、該空隙および表面の凹部にふつ素
樹脂が分散された結合材が多量に含浸して充填さ
れることにより、成形したまゝの状態ならびに機
械加工を施すことによつても、表面に常にふつ素
樹脂が存在してすぐれた摺動特性を示す積層摺動
部材が得られる。 また、機械加工を施すことによつても摺動特性
が変化しないため、特定の素材を形成することに
より、種々の寸法の積層摺動部材を得ることがで
きる。 さらに、芳香族ポリアミド繊維よりなる布基材
を用いることにより、耐荷重性が大きく、かつ耐
熱、耐薬品性にすぐれるため種々の使用条件下で
もすぐれた摺動特性が得られる。など、経済性、
生産性にすぐれる多大な作用効果を有するもので
ある。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例について詳述する。 実施例1: 結合材として樹脂固形分60重量%を有するフエ
ノール樹脂ワニス100重量部にふつ素樹脂粉末30
重量部とステアリン酸リチウム1重量部を混じて
粘度が1500センチポアズの混合液を調整した。 この混合液に芳香族ポリアミド繊維(帝人社
製、商品名「コネツクス」)を緯二重織した布基
材を浸漬して、該布基材に混合液を含浸させ、つ
いで雰囲気温度120℃に加温された乾燥炉内で乾
燥し、樹脂(結合材)の反応を進めて成形可能な
樹脂加工布を形成した。 この状態における樹脂加工布の固形分の成分割
合は、 芳香族ポリアミド繊維布 30重量% ふつ素樹脂 ステアリン酸リチウム フエノール樹脂 70重量% であつた。 つぎに、この樹脂加工布を所定寸法(縦横30
cm)に切断し、切断した樹脂加工布を所定数積層
し、プレスにより成形圧力50Kg/cm2、温度150℃、
成形(保持)時間20分の条件で加熱、加圧成形し
て、縦横30cmで厚さ5mmの板状の積層摺動部材を
得た。 実施例2: 結合材として、実施例1で用いたフエノール樹
脂に代えて、樹脂固形分60重量%を有するポリイ
ミド樹脂ワニス(東芝ケミカル社製
「TVF5900」)を用い、その他の条件は実施例1
と同様にして、 芳香族ポリアミド布 35重量% ふつ素樹脂 ステアリン酸リウム ポリイミド樹脂 65重量% からなる樹脂加工布を得た。 これを、実施例1と同様にして所定数積層し、
成形圧力10Kg/cm2、温度180℃、成形(保持(時
間30分の条件で加熱、加圧成形して、縦横30cmで
厚さ5mmの板状の積層摺動部材を得た。 比較例 1: 芳香族ポリアミド繊維を平織りした布基材を、
実施例1で用いた混合液に浸漬して、該布基材に
混合液を含浸させ、以下実施例1と同様の条件で
縦横30cmで厚5mmの板状の積層摺動部材を得た。 比較例 2; 比較例1で用いた布基材を、実施例2で用いた
混合液に浸漬して、該布基材に混合液を含浸さ
せ、以下実施例2と同様の条件で縦横30cmで厚さ
5mmの板状の積層摺動部材を得た。 このようにして得られた積層摺動部材より、縦
横15mm、厚さ5mmの試験片を作り、これを層方向
に圧縮してへき開力を測定した結果を表に示す。
ド繊維を緯二重織して構成された布基材を用いた
積層摺動部材の製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、積層摺動部材は例えば特公昭39−14852
号に開示されているように綿布などの布基材に黒
鉛、二硫化モリブデン、ふつ素樹脂粉末などの固
体潤滑剤を、結合材をなすフエノール樹脂などの
ワニスに混じた混合液を含浸、乾燥せしめて該布
基材に固体潤滑剤が付着した樹脂加工布を得、こ
れを数層重ねて加熱加圧成形することによつて一
体化して形成する方法、あるいは特公昭56−8045
号および特公昭58−35468号に開示されるように、
ふつ素樹脂繊維とポリテステル繊維などの他の繊
維とふつ素樹脂繊維が一方の面に多く露出するよ
うに交織された布基材を適宜裏材に該布基材が表
面(摺動面)のみに位置するように結合材を用い
て一体に配して形成する方法が主に採られてい
る。 しかしながら、これらは寸法精度を向上させる
ために、機械加工を施すと摺動特性が低下する問
題、また布基材に用いられる繊維の強度が小さい
ため、積層摺動部材として高荷重の使用条件に耐
え得る十分な機械的強度が得られないという問
題、さらに耐熱、耐薬品性に劣るため、高温、腐
食雰囲気での使用が困難であるなどの問題があ
る。 このため、近年上述した問題点を解決すべく高
強度および耐熱、耐薬品性にすぐれる芳香族ポリ
アミド繊維からなるあるいは芳香族ポリアミド繊
維を含む布基材に固体潤滑剤を含む結合材を含浸
せしめて形成した積層摺動部材、例えば特開昭54
−148089号および特公昭54−21498号が開示され、
また芳香族ポリアミド繊維とふつ素樹脂繊維とを
撚り合せた糸で布基材を構成し、該布基材に結合
材を含浸せしめて形成した積層摺動部材、例えば
特開昭51−62243号および特開昭55−2888号が開
示されている。 詳述すれば、特開昭54−148089号は芳香族ポリ
アミド繊維布およびカーボン繊維布ないし紙にふ
つ素樹脂を混入したポリイミド樹脂ワニス液を結
合材としてそれぞれ含浸させたものを互いに積層
状に折り重ね、これを加熱、加圧して一本化せし
めることによつて積層摺動部材を形成する方法で
ある。 また、特公昭54−21498号は芳香族ポリアミド
繊維からなる糸あるいは織布もしくは該芳香族ポ
リアミド繊維を含む糸あるいは織布に固体潤滑剤
を混入した熱硬化性樹脂の混合液を結合材として
含浸させ、これを心棒のまわりに所望量捲回した
後、結合材を硬化させることによつて積層摺動部
材を形成する方法である。 さらに、特開昭51−62243号および特開昭55−
2888号は芳香族ポリアミド繊維とふつ素樹脂繊維
とを撚り合せた糸で、平織、朱子織された布基材
を構成し、該布基材に熱硬化性樹脂を結合材とし
て含浸させ、かつ乾燥せしめて樹脂加工布を形成
し、該樹脂加工布を適宜裏材と一体に加熱、加圧
して積層摺動部材を、あるいは布基材を適宜裏材
に接着剤を用いて一体化せしめて積層摺動部材を
形成する方法である。 そして、このように構成された積層摺動部材は
前述した綿布などの布基材を用いた積層摺動部材
に比して、数段すぐれた耐荷重性および耐熱、耐
薬品性を示すものの摺動特性については何んら向
上せず、かつ機械加工を施すと従来と同様に摺動
特性が低下する問題が解決されずに残されてい
る。 このことは、芳香族ポリアミド繊維自体に極だ
つた潤滑性がないことと、該積層摺動部材が結合
材を付着せしめた糸を単に巻き付けて形成された
場合糸間に結合材が存在しにくい、あるいは一般
に用いられている第4図に示すような構造の布基
材1、すなわち緯糸2…2に経糸3…3が交互に
交差するように織つた平織で構成した布基材1に
固体潤滑剤を混入した結合材4を含浸せしめて形
成された場合、1)固体潤滑剤(結合材)が布基
材1の糸目間に十分含浸されずに表面のみに存在
するので、高荷重の作用によつて容易に表面より
離脱し易いこと、2)機械加工を施す場合は表面
に含浸、付着された固体潤滑剤が除去されるこ
と、などに起因するものであると考えられる。 また、芳香族ポリアミド繊維とふつ素樹脂繊維
とを撚り合せた糸で布基材を構成したものは、
1)結合材としての熱硬化性樹脂が表面に露出す
ること、2)機械加工を施すことによつて、ふつ
素樹脂繊維の表面に占める割合が低下すること、
などに起因するものであると考えられる。 〔本発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上述した問題点に鑑み、高荷重の作用
および機械加工を施すことによつても低い摩擦係
数と良好な耐摩耗性を有するのみならず、耐荷重
性および耐熱、耐薬品性にすぐれる積層摺動部材
の製造方法を提供することを技術的課題とするも
のである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記課題を解決すべく鋭意研究した結
果、布基材を緯二重織によつて形成し、以下の技
術的手段を採ることによつて、耐荷重性および耐
熱、耐薬品性ならびに機械加工を施すことによつ
てもすぐれた摺動特性を示す積層摺動部材が得ら
れることを見い出したものである。 すなわち、芳香族ポリアミド繊維を緯二重織し
た布基材に、固形分が40〜65重量%のフエノール
樹脂、ポリイミド樹脂、から選ばれたワニス状の
結合材100重量部に対し、ふつ素樹脂粉末15〜35
重量部とステアリン酸リチウム1〜5重量部を混
入した粘度が200〜2000センチポアズの混合液を
含浸させ、これを雰囲気温度100〜160℃で乾燥せ
しめて樹脂加工布を形成し、該樹脂加工布を所定
寸法に切断したものを層状にして加熱加圧成形し
て一体化することによつて板状の積層摺動部材
を、また長尺の樹脂加工布を所定寸法の芯金に加
熱加圧しながら巻き付けて成形して一体化するこ
とによつて円筒状の積層摺動部材を形成する手段
を採るものである。 本発明において布基材は、第1図に示すように
二重に配された緯糸5…5に経糸6を該緯糸5を
所定間隔で交差するように織られ、従来の平織構
造に比して糸目間に多数の空隙7…7が存在する
緯二重織で構成した布基材8を用いるものであ
る。 図において、9は結合材、10は結合材9に分
散されたふつ素樹脂を示すものである。 また、結合材に混じるふつ素樹脂粉末は積層摺
動部材の摺動部材の摺動特性に寄与するもので、
その混合割合は結合材100重量部に対して15〜35
重量部がよく、15重量部以下では十分な摺動特性
が得られず、35重量部以上では積層摺動部材の層
間の接着力を低下させるため好ましくない。 さらに、ふつ素樹脂粉末とともに結合材に混じ
るステアリン酸リチウムは積層摺動部材の初期な
じみ性および金型との離型性に寄与するもので、
その混合割合は結合材100重量部に対して1〜5
重量部がよく、1重量部以下では十分ななじみ性
および離型性が得られず、5重量部以上では積層
摺動部材の層間の接着力を低下させるため好まし
くない。 さらにまた、結合材とふつ素樹脂およびステア
リン酸リチウムとの混合液の布基材への含浸は、
該混合液に布基材を浸漬する方法あるいは混合液
を布基にハケ刷りする方法のいずれかで行なうも
のである。 また、本発明の積層摺動部材においては、結合
材にふつ素樹脂に加えて従来より用いられている
黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤をふつ
素樹脂の混合量を超えない範囲で適宜混入して用
いることもできるものである。 さらに、本発明の積層摺動部材は他の布基材を
裏当として用いる態様、すなわち、従来より用い
られている平織りなどで構成された他の繊維より
なる布基材に結合材を含浸せしめた樹脂加工布を
裏当とし、該裏当上に本発明の樹脂加工布を所望
の厚さの摺動面を形成するように配し、これらを
加熱加圧成形して一体化することにより積層摺動
部材を形成する態様も可能である。 〔発明の効果〕 本発明は、布基材を緯二重織によつて構成する
ことにより、従来の布基材に比して糸目間に多数
の空隙が生じ、該空隙および表面の凹部にふつ素
樹脂が分散された結合材が多量に含浸して充填さ
れることにより、成形したまゝの状態ならびに機
械加工を施すことによつても、表面に常にふつ素
樹脂が存在してすぐれた摺動特性を示す積層摺動
部材が得られる。 また、機械加工を施すことによつても摺動特性
が変化しないため、特定の素材を形成することに
より、種々の寸法の積層摺動部材を得ることがで
きる。 さらに、芳香族ポリアミド繊維よりなる布基材
を用いることにより、耐荷重性が大きく、かつ耐
熱、耐薬品性にすぐれるため種々の使用条件下で
もすぐれた摺動特性が得られる。など、経済性、
生産性にすぐれる多大な作用効果を有するもので
ある。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例について詳述する。 実施例1: 結合材として樹脂固形分60重量%を有するフエ
ノール樹脂ワニス100重量部にふつ素樹脂粉末30
重量部とステアリン酸リチウム1重量部を混じて
粘度が1500センチポアズの混合液を調整した。 この混合液に芳香族ポリアミド繊維(帝人社
製、商品名「コネツクス」)を緯二重織した布基
材を浸漬して、該布基材に混合液を含浸させ、つ
いで雰囲気温度120℃に加温された乾燥炉内で乾
燥し、樹脂(結合材)の反応を進めて成形可能な
樹脂加工布を形成した。 この状態における樹脂加工布の固形分の成分割
合は、 芳香族ポリアミド繊維布 30重量% ふつ素樹脂 ステアリン酸リチウム フエノール樹脂 70重量% であつた。 つぎに、この樹脂加工布を所定寸法(縦横30
cm)に切断し、切断した樹脂加工布を所定数積層
し、プレスにより成形圧力50Kg/cm2、温度150℃、
成形(保持)時間20分の条件で加熱、加圧成形し
て、縦横30cmで厚さ5mmの板状の積層摺動部材を
得た。 実施例2: 結合材として、実施例1で用いたフエノール樹
脂に代えて、樹脂固形分60重量%を有するポリイ
ミド樹脂ワニス(東芝ケミカル社製
「TVF5900」)を用い、その他の条件は実施例1
と同様にして、 芳香族ポリアミド布 35重量% ふつ素樹脂 ステアリン酸リウム ポリイミド樹脂 65重量% からなる樹脂加工布を得た。 これを、実施例1と同様にして所定数積層し、
成形圧力10Kg/cm2、温度180℃、成形(保持(時
間30分の条件で加熱、加圧成形して、縦横30cmで
厚さ5mmの板状の積層摺動部材を得た。 比較例 1: 芳香族ポリアミド繊維を平織りした布基材を、
実施例1で用いた混合液に浸漬して、該布基材に
混合液を含浸させ、以下実施例1と同様の条件で
縦横30cmで厚5mmの板状の積層摺動部材を得た。 比較例 2; 比較例1で用いた布基材を、実施例2で用いた
混合液に浸漬して、該布基材に混合液を含浸さ
せ、以下実施例2と同様の条件で縦横30cmで厚さ
5mmの板状の積層摺動部材を得た。 このようにして得られた積層摺動部材より、縦
横15mm、厚さ5mmの試験片を作り、これを層方向
に圧縮してへき開力を測定した結果を表に示す。
【表】
表からも分るように、本発明による積層摺動部
材は布基材の糸目間に結合材が十分に含浸される
ため、比較例による積層摺動部材に比して、高い
値を示す。 さらに、これらの積層摺動部材を成形面(押放
し面)を摺動面とした場合と、機械加工により成
形面を除去して形成した加工面を摺動面とした場
合における摩擦試験結果を第2図および第3図に
示す。 試験片は、圧縮試験に用いたものと同寸法に形
成し、試験は試険条件を荷重(スラスト荷重)
500Kg/cm2、すべり速度1.5m/min、試験時間120
時間、無給油とし、相手材は機械構造用炭素鋼の
円筒(内径16mm×外径30mm)を用い、相手材の端
面が板状の積層摺動部材の面と摺動するスラスト
試験で行なつた。 図から分るように成形面を摺動面とした場合、
摩擦係数は本発明品は0.04〜0.06の値であるのに
対し、比較例品は0.07〜0.10の値で大きな差はな
いが本発明品のすぐれた値を示している。 しかし、加工面を摺動面とした場合、摩擦係数
は本発明品が成形面を摺動面とした場合とほとん
ど変わらない0.05〜0.07の値であるのに対し、比
較例品は0.10〜0.15と大きな値を示し、かつ次第
に上昇していく傾向にあり本発明品とは顕著な差
が認められる。 なお、摩擦量については本発明品および比較例
品とも0.015〜0.03mmと極めて小さく、またその
差は認められなかつた。
材は布基材の糸目間に結合材が十分に含浸される
ため、比較例による積層摺動部材に比して、高い
値を示す。 さらに、これらの積層摺動部材を成形面(押放
し面)を摺動面とした場合と、機械加工により成
形面を除去して形成した加工面を摺動面とした場
合における摩擦試験結果を第2図および第3図に
示す。 試験片は、圧縮試験に用いたものと同寸法に形
成し、試験は試険条件を荷重(スラスト荷重)
500Kg/cm2、すべり速度1.5m/min、試験時間120
時間、無給油とし、相手材は機械構造用炭素鋼の
円筒(内径16mm×外径30mm)を用い、相手材の端
面が板状の積層摺動部材の面と摺動するスラスト
試験で行なつた。 図から分るように成形面を摺動面とした場合、
摩擦係数は本発明品は0.04〜0.06の値であるのに
対し、比較例品は0.07〜0.10の値で大きな差はな
いが本発明品のすぐれた値を示している。 しかし、加工面を摺動面とした場合、摩擦係数
は本発明品が成形面を摺動面とした場合とほとん
ど変わらない0.05〜0.07の値であるのに対し、比
較例品は0.10〜0.15と大きな値を示し、かつ次第
に上昇していく傾向にあり本発明品とは顕著な差
が認められる。 なお、摩擦量については本発明品および比較例
品とも0.015〜0.03mmと極めて小さく、またその
差は認められなかつた。
第1図は、本発明に用いられる布基材の構造を
示す説明図、第2図および第3図は、摩擦試験結
果を示す説明図、第4図は、従来用いられている
布基材の構造を示す説明図である。 5…緯糸、6…経糸、7…空隙、8…布基材、
9…結合材、10…ふつ素樹脂。
示す説明図、第2図および第3図は、摩擦試験結
果を示す説明図、第4図は、従来用いられている
布基材の構造を示す説明図である。 5…緯糸、6…経糸、7…空隙、8…布基材、
9…結合材、10…ふつ素樹脂。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 イ 芳香族ポリアミド繊維を緯二重織した布
基材を形成する。 ロ 固形分が40〜65重量%のフエノール樹脂、ポ
リイミド樹脂から選ばれたワニス状の結合材
100重量部に対し、ふつ素樹脂粉末15〜35重
量部とステアリン酸リチウム1〜5重量部を
混入した粘度が200〜2000センチポアズの混
合液を調整する。 ハ 該混合液を布基材に含浸させ、これを雰囲気
温度100〜160℃で乾燥せしめて樹脂加工布を
形成する。 ニ 該樹脂加工布を層状にして加熱加圧成形して
一体化する。 以上、イ)からニ)の各工程からなることを特
徴とする積層摺動部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3662585A JPS61197637A (ja) | 1985-02-27 | 1985-02-27 | 積層摺動部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3662585A JPS61197637A (ja) | 1985-02-27 | 1985-02-27 | 積層摺動部材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61197637A JPS61197637A (ja) | 1986-09-01 |
JPH0363980B2 true JPH0363980B2 (ja) | 1991-10-03 |
Family
ID=12475004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3662585A Granted JPS61197637A (ja) | 1985-02-27 | 1985-02-27 | 積層摺動部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61197637A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4010694A1 (de) * | 1990-04-03 | 1991-10-10 | Hoechst Ag | Faserverstaerkter werkstoff, verfahren zu seiner herstellung und seine verwendung |
JPH0718004U (ja) * | 1990-12-25 | 1995-03-31 | カヤバ工業株式会社 | 油圧シリンダーの軸受装置 |
US5880043A (en) * | 1991-04-03 | 1999-03-09 | Hoechst Aktiengesellschaft | Fiber-reinforced material and production and use thereof |
KR950002637Y1 (ko) * | 1992-06-11 | 1995-04-12 | 마종남 | 골프 퍼터용 헤드 |
JP2547944Y2 (ja) * | 1993-04-01 | 1997-09-17 | 住友ゴム工業株式会社 | パタークラブ |
CN108026973B (zh) * | 2015-08-03 | 2020-06-16 | Ntn株式会社 | 滑动构件、滚动轴承及保持器 |
-
1985
- 1985-02-27 JP JP3662585A patent/JPS61197637A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61197637A (ja) | 1986-09-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |