JPH0360629B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、破損したり不整形であるため規格
外として廃棄されるレンガの処理方法に関するも
のである。

［発明の背景］ 一般に焼成レンガは、粘土、石粉等を混練して
所定の形状に成型した後、これを焼成して製造す
るが、製造過程における種々の原因によつて商品
にすることのできない規格外品が生ずる。

すなわち、不整形を生じたり、クラツクを生じ
たり、あるいは角端部が破損したり等の現象は製
造工程でかなりの頻度で生じており、燃料を多量
に消費するレンガ製造における原価コストをさら
に上昇させる大きな要因になつている。

一方、このような規格外のレンガは、再利用す
るにしても精々、破砕して砂利代り使用する程度
の利用方法しかなく、多くは産業廃棄物として処
理されている。

しかるに、今日では環境問題の多発により産業
廃棄物の処理は種々制限を受け、レンガ製造の分
野においても、規格外レンガの廃棄処理が日毎に
困難を来すようになつている。

そもそも、レンガの製造コストの大半は燃料と
いわれるほど多量のエネルギーを消費するレンガ
製造産業において、規格外製品を廃棄すること自
体がエネルギーの無益な消費であるところに、廃
棄自体にも種々のエネルギの消費なくしては不可
能になつてきており、二重、三重のエネルギの消
費を強いられており、レンガ製造における原価コ
ストと上昇という私的問題に止まらず、社会的に
みてエネルギー資源の有効な利用を図り得ないと
いう問題をも生じているのである。

［発明の概要］ この発明は、不整形品、破損品といつた商品価
格を失なつた規格外のレンガを、 破砕し、この破砕したレンガの細片、細粉に結
合剤を混入して所定形状の型枠において成型硬化
しレンガ様材を得たのち、型抜きした前記レンガ
様材をステンレス小球噴射手段に連続的に送り込
み表面に無数の細孔を形成することにより、 廃棄用レンガの有効利用を可能とする廃棄用レ
ンガの処理方法を提供することによつて、 上記従来の問題点を解決しようとするものであ
る。

［発明の実施例］ 図面に基づいてこの発明ほ実施例を説明する。

第１図ないし第４図は、この発明の１実施例を
示す図である。

先ず、規格外のレンガ、すなわち不整形であつ
たり、製造工程でクラツクその他の欠陥を生じて
廃棄該当品となつたレンガを、クラツシヤで破砕
してふるい分けを行ない、その結果得られた細片
と細粉とをポルトランドセメント等の結合剤とと
もに混練する。

次に、第１図ａに示すように、混練した上記素
材を型枠１に流し込み、硬化後、仕切板２によつ
て単体に形成されたレンガ３を取り出す。

このレンガ３の表面は、結合剤であるポルトラ
ンドセメントの硬化した粗平面である。（第１図
ｂ参照）また、第２図に示したものは、単体とし
て成形せず、大きいブロツク４を成形し、離型後
カツタ５によつて所定の大きさのレンガ６に裁断
したものである。この際、カツタ５としてダイヤ
モンドツール等を使用すれば比較的平滑な表面６
ａが得られる。

第３図は、建造物壁面の一部をなす大きさに成
形されたレンガ様部材７であつて、目地模様８は
前記した素材を流し込む型枠に設けられたビード
状突起によつて形成されるものである。

このようにして得られた粗平面を有するレンガ
様部材は、用途によつては、そのまま使用できる
が、粗平面の表面に仕上げ加工をなせばその用途
はさらに用途範囲が拡大する。

これを、第４図によつて説明する。

図において、９は表面未処理のレンガ様粗部材
で、９′は処理室１０内へコンベアベルト１１に
よつて送り込まれた該レンガ様粗部材である。１
２は、モータ１３によつて駆動されるインペラ、
１４は該インペラによつて噴射され、前記レンガ
様粗部材９′の表面に衝撃される無数のステンレ
ス小球である。９″該小球によつて表面を処理さ
れ、処理室１０から搬出されたレンガ様部材であ
る。小球の大小および噴射速度の変換によつて、
表面の仕上り形態が様々に変化する。

すなわち、例えば極小のステンレス球を使用す
れば、レンガ様部材の表面は通常のレンガの表面
より多少粗であるが肌理細かい微小孔が形成され
て自然な風合のより増した表面が得られる。

また、やや大きめの小球を使用すれば、表面が
やや荒々しく削られた味わいの深い仕上りが得ら
れる。

特に後者は、通常のレンガでこのような仕上り
面を得るために、焼成前にレンガを二つ割りにし
割れ面をそのままにして焼成するという複雑な工
程を要するのが本発明によれば簡単に得ることが
できる。

ところで、レンガ様部材の表面をステンレス小
球で叩解することにより組成体における微小片、
微小粉が組成体内で解離し、このため組成体内に
は無数の間隙が形成され、レンガ様部材は透水性
を有するようになる。

したがつて、これらの素材で舗装材を形成すれ
ば、降水等を地下水として保存するために近年さ
かんに使用されるようになつた透水性舗装材が安
いコストで容易に得ることができる。

さらに、上記では、コンベアベルト１１の送り
速度を調整することによつて前記表面３ａ、６ａ
等の研削度を加減し、表面に種々の模様を簡単に
得ることも可能である。

［発明の効果］ 以上説明したように、この発明は、不整形品、
破損品といつた商品価値を失つた規格外のレンガ
の処理にあたり、これらの規格外レンガを破砕
し、この破砕したレンガの細片、細粉に結合剤を
混入し所定形状の型枠において成型硬化しレンガ
様材を得たのち、型抜きした前記レンガ様材をス
テンレス小球噴射手段に連続的に送り込み表面に
無数の細孔を形成することにより、 廃棄用レンガの有効利用を可能とし、レンガ製
造における産業廃棄物の処理上の困難性を一挙に
解決するとともに、レンガ関連製品の種類を豊富
にしこれまでの廃棄のための費用を支出していた
のが逆に有価値商品として販売できるのでレンガ
製造のトータルコストを大幅に低減できるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは、レンガ様部材の成形加工を示す
図、同図ｂは単体のレンガ様部材を示す図、第２
図は単体のレンガ様部材を形成する方法を示す
図、第３図は建造物の壁面の一部をなす大きさに
成形したレンガ様部材を示す図、第４図は、第１
図〜３図に示した各レンガ様部材の仕上げ加工を
行なう本願発明に係る１実施例を示す図である。 ３，６，７……レンガ様部材、９……レンガ様
粗部材、１４……ステンレス小球、１２，１３…
…噴射手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (イ) 不整型品あるいは破損品等の廃棄用規格
   外レンガを破砕する工程、 (ロ) 破砕したレンガの細片、細粉に結合剤を混入
   して所定形状の型枠において成型硬化しレンガ
   様材を得る工程、 (ハ) 型抜きした前記レンガ様材をステンレス小球
   噴射手段に連続的に送り込み表面に無数の細孔
   を形成する工程、 以上の工程からなる廃棄用レンガの処理方法。