JPH0359882B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は新規な動物の成長促進剤および動物
の抗マイコプラズマ症薬剤に関するものである。 この発明の動物の成長促進剤および動物の抗マ
イコプラズマ症薬剤において有効成分として使用
されるアシルペプタイドは下記の一般式（）で
示される。 （式中、R¹はラクトイル−アラニル、R²はカ
ルボキシメチルアミノ、R³はカルボキシをそれ
ぞれ意味するか、R¹はヘプタノイル、R²は１−
カルボキシエチルアミノ、R³はカルボキシをそ
れぞれ意味するか、またはR¹はステアロイル、
R²は１−カルボキシエチルアミノ、R³は水素を
それぞれ意味する。） 上記一般式（）で示されるアシルペプタイド
およびその無毒性塩は免疫増強活性を有する化合
物として知られている（例えば特開昭56−45449
号公報参照）。 従来からある種の抗生物質（例えばペニシリ
ン、テトラサイクリン、バシトラシン、バージニ
アマイシン等）が動物の成長促進剤として使用さ
れているが、これらの抗生物質は強力な直接的な
抗菌活性を有していることが特徴であるために、
耐性菌の出現の問題がある。 この発明者等はこの問題点を解決すべく、鋭意
研究の結果、免疫増強活性を有するが、インビト
ロで抗菌活性（すなわち、直接的な抗菌活性）を
有しない前記化合物（）およびその無毒性塩が
動物の成生促進作用を有し、さらに動物の抗マイ
コプラズマ症に有効であるということを見出しこ
の発明を完成した。 この発明で有効成分として使用するアシルペプ
タイド(1)の無毒性塩としては、ナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、エタ
ノールアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロ
ヘキシルアミン塩等の有機または無機塩、酢酸
塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸
塩、フマル酸塩、酒石酸塩、くえん酸塩、メタン
スルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸
塩等の有機酸または無機酸との酸付加塩が挙げら
れる。 また、アシルペプタイド(1)にはその分子中の不
斉炭素原子による１または２以上の立体異性体が
含まれ、これらの化合物も全てこの発明の有効成
分として使用できる。 この発明で有効成分として使用されるアシルペ
プタイド(1)のうち、代表的な化合物を挙げると次
のとおりである。 この発明の動物の成長促進剤および抗マイコプ
ラズマ症薬剤を動物に投与する場合には、直接ア
シルペプタイド(1)またはその無毒性塩を経口投与
してもよいが、一般には通常使用されている担体
（例えば、脂肪米ぬか、脱脂大豆粉、ふすま、カ
オリン、タルク、炭酸カルシウム、乳糖等）と混
合したものを投与するか、あるいはこのようにし
て混合したものもしくはアシルペプタイド(1)また
はその無毒性塩単独を動物飼料もしくは水と混合
して投与する方法が好ましい。 また抗マイコプラズマ症薬剤として使用する場
合には、経口投与のほかに、注射により投与する
こともできる。 アシルペプタイド(1)またはその無毒性塩を動物
成長促進剤として使用する場合の投与量は動物の
種類、成長時期等により異なるが、通常は0.01〜
10mg／Kg／日の範囲内で最適投与量が選択され
る。また、抗マイコプラズマ症薬剤として使用す
る場合の投与量は動物の種類、疾病の程度により
異なるが、一般的には成長促進剤として使用する
場合とだいたい同程度の範囲内で最適投与量が選
択される。 ここでアシルペプタイド(1)またはその無毒性塩
を動物飼料と混合して使用する場合について詳述
すると、動物飼料の形態は例えば配合飼料等の一
般に使用される動物用飼料であればいずれも使用
可能である。その１例としては、例えばとうもろ
こし、米、麦、マイロ、大豆粕、綿実油、ふす
ま、脱脂米ぬか、魚粉、脱脂粉乳、乾燥ホエー、
油脂、アルフアルフアミール、炭酸カルシウム、
りん酸３カルシウム、塩化ナトリウム、塩化コリ
ン、ビタミン類（例えばビタミンＡ、ビタミン
Ｄ、ビタミンＥ、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビ
タミンB₆、ビタミンB₁₂、パントテン酸カルシウ
ム、ニコチン酸アミド、葉酸等）、アミノ酸類
（例えばリジン、メチオニン等）、微量無機塩類
（例えば硫酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸銅、硫
酸亜鉛、よう化カリウム、硫酸コバルト等）等の
１部または全部を混合して調製した配合飼料が挙
げられる。 この発明の動物の成長促進剤および抗マイコプ
ラズマ症薬剤は上記のほか抗生物質や殺菌剤、防
かび剤、駆虫剤、抗コクシジウム剤、抗酸化剤、
天然色素等を適宜添加して使用してもよい。また
他の動物成長促進剤、例えばチオペプチン、エン
ラマイシン、バシトラシン、ミカマイシン、フラ
ジオマイシン、フラボマイシン、バージニアマイ
シン等を主成分とする動物成長促進剤と併用して
もよい。 また、飼料中のアシルペプタイド(1)またはその
無毒性塩の含有量は通常0.01ppm〜100ppm好ま
しくは0.1ppm〜10ppmの範囲内で適宜選択され
る。 この発明の動物成長促進剤および抗マイコプラ
ズマ症薬剤は動物一般に使用でき、その例として
例えば鶏、七面鳥、あひる、うずら、牛、馬、
豚、羊、やぎ、うさぎ、犬、ねこ、ミンク等の家
きんおよび家畜が挙げられる。 また、この発明の動物成長促進剤および抗マイ
コプラズマ症薬剤を動物飼料と混合して用いる場
合における動物飼育法は、一般の動物飼育法がそ
のまま適用される。 この発明の動物成長促進剤は動物の成長を促進
するのみならず動物の飼料要求率を改善するとい
う効果に加えてアシルペプタイド(1)およびその無
毒性塩が直接的な抗菌活性を有しないため、抗生
物質に対する耐性菌の出現を伴わなず、安全に使
用できるという従来の抗生物質を使用する動物成
長促進剤には見られない優れた効果を有する。 またアシルペプタイド(1)またはその無毒性塩を
抗マイコプラズマ症薬剤として使用する場合、こ
の薬剤はマイコプラズマ症の治療剤および予防剤
の双方の薬剤として使用することができるが、通
常は予防剤として使用するのが好ましい。 このアシルペプタイド(1)を抗マイコプラズマ症
薬剤として使用する場合、抗生物質（例えば、タ
イロシン、テトラサイクリン、クロラムフエニコ
ール、チアムリン、スペクチノマイシン等）と併
用すると、相乗効果を示すという新知見が得られ
た。 この発明の抗マイコプラズマ症薬剤を上記抗生
物質と併用する場合、アシルペプタイド１と該抗
生物質とを同様に動物に投与してもよいが、先づ
アシルペプタイド(1)またはその無毒性塩を投与し
た後ある一定期間（例えば１週間）後に、該抗生
物質を投与した方が好ましい。 また、このアシルペプタイド(1)またはその無毒
性塩と抗生物質とを併用する場合の両者の投与量
比は動物の種類、疾病の程度等によつて異なる
が、一般的にはアシルペプタイド(1)またはその無
毒性塩１に対して抗生物質50程度の割合で投与す
ればよい。 この発明の抗マイコプラズマ症薬剤は抗生物質
に対する耐性菌の出現を伴わず、安全に使用でき
るという従来の抗生物質を使用する薬剤には見ら
れない優れた効果を有する。 次にこの発明の効果を試験例により説明する。 試験例 １ ７日令の肉用種鶏ひな（雄）（チヤンキー）を
１群４羽ずつ、すなわちアシルペプタイド(1)投与
群（処理群）と対照群に分け、下記飼料組成を
飼育開始日から４週令まで、飼料組成を５週令
から８週令まで不断に投与し、常法により飼育し
た後、増体重および飼料要求率を調べた。結果は
下記表のとおりである。

【表】

【表】

【表】 (注)
利用された飼料
飼料要求率＝

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一般式 （式中、R¹はラクトイル−アラニル、R²はカ
   ルボキシメチルアミノ、R³はカルボキシをそれ
   ぞれ意味するか、R¹はヘプタノイル、R²は１−
   カルボキシエチルアミノ、R³はカルボキシをそ
   れぞれ意味するか、またはR¹はステアロイル、
   R²は１−カルボキシエチルアミノ、R³は水素を
   それぞれ意味する。） で示されるアシルペプタイドまたはその無毒性塩
   を含有する新規な動物の成長促進剤。