JPH035778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、室内外分離形空気調和機の室内機に
係り、特に、天井据付形の室内機に関する。

空気調和機のなかには、室内に位置する部分と
室外に位置する部分とを分離させた、いわゆる室
内外分離形としたものがある。この室内外分離形
の空気調和機は、室内機と室外機とを配管および
配線等で接続するだけでよいので、建物が完成し
た後であつても容易に設置でき、しかも室外機の
騒音が室内へ侵入するのを防止できる等の利点を
備えている。

ところで、このような室内外分離形の空気調和
機は、一般に、第１図に示すように、室内機Ｘを
壁Ｙの内面に固定する、いわゆる壁掛け方式を採
用している。そして、室内機Ｘは、第２図および
第３図に示すように筐体１内に熱交換器２、電動
フアン３、整流板４、ケーシング５およびドレン
パン６を配置し、上記電動フアン３によつて室内
空気を筐体１の前面壁に設けられた吸込口７から
フイルタ８を介して吸込み、この空気を熱交換器
２に接触させた後、筐体１の前面壁下部に設けら
れた吹出口９を介して斜下方へ吹出すように構成
されている。

しかしながら、上記のように構成された室内機
にあつては、次のような問題があつた。すなわ
ち、壁掛け方式を採用しているので、必然的に部
屋の隅に据え付けられることになる。このため室
内に温度むらが生じるのを免れ得ず、居住者に異
和感を与える問題があつた。また、壁掛け方式で
あるから壁面および室内の美観を悪化させる問題
もある。さらに、吹出し流路が一方向だけに限定
されているので騒音が大きいと云う問題もあつ
た。

そこで、このような不具合を解消するために、
最近では特開昭55−12365号公報に見られるよう
に、天井の中央部等に据付できるようにした室内
機が提案されている。この、いわゆる天井据付形
の室内機は、天井の下面や天井に埋め込んだ状態
に取付けられる筐体と、この筐体の下壁に形成さ
れた空気吸込口と、筐体の側壁に形成され筐体内
の空気を上記空気吸込口を中心とした放射方向へ
吹出す吹出口と、筐体内に設けられ上記空気吸込
口を介して吸込んだ空気を上記空気吹出口を介し
て強制排気する遠心フアンと、この遠心フアンと
上記空気吹出口との間に設けられた熱交換器と、
この熱交換器と遠心フアンとの間に設けられたデ
イフユーザとで構成されている。このような構成
であると、天井の中央部に据付ることができるの
で、室内の温度むらを解消できるばかりか、室内
との調和を取り易いものとなる。

しかしながら、上記のように構成された天井据
付形の室内機にあつても次のような問題があつ
た。すなわち、冷房運転をしているときには、室
内機内に設置されている熱交換器の表面に水滴が
付着し、この水滴は下方に配置されたドレンパン
上に落下する。ドレンパン上に溜つた水は、通
常、重力でドレン配管内を通つて室外へ導びかれ
る。しかし、天井の中央部下面に室内機を設置し
たときには、ドレン配管が露出することになり、
このドレン配管の存在が室内の調和を阻害する問
題があつた。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、室内との調和を乱すことなくドレンパン上
に溜つた水を確実に外部へ排水し得る室内外空気
調和機の室内機で天井据付形のものを提供するこ
とを目的としている。

以下、本考案の詳細を図示の実施例によつて説
明する。

第４図は、本考案の一実施例に係る室内機を実
際に室内に設置したときの縦断面図であり、図中
Ｒは天井を示し、Ｓは天井Ｒの下面に取り付けら
れた室内機を示している。

室内機Ｓは大きく分けて、上下方向に薄い扁平
で、外形がたとえば円板状に形成された筐体１１
と、この筐体１１の下壁中央部に形成された空気
吸込口１２と、筐体１１の側壁に周方向に沿つて
複数形成された空気吹出口１３と、筐体１１内に
前記吸込口１２と対向する関係に設けられ上記吸
込口１２を介して室内空気を吸込み、これを前記
吹出口１３を介して上記吸込口１２を中心とする
放射方向へ吹出す、たとえば遠心形の電動フアン
１４と、この電動フアン１４と吹出口１３との間
に第５図に示すように環状に配置された熱交換器
１５と、前記筐体１１内に収容される形に設けら
れ室内の照明用に供される照明器具、たとえば環
状のけい光ランプ１６ａ，１６ｂとで構成されて
いる。

前記筐体１１は、その下壁１１ａがアクリル樹
脂等の透明部材で形成されており、その中央部に
前記吸込口１２が形成されている。そして、吸込
口１２の内側には防塵フイルタ１７が上記吸込口
１２を内側から蓋する関係に設けられている。ま
た、前記熱交換器１５の下方には熱交換器１５の
表面で凝縮されて落下する水滴を受け止めるドレ
ンパン１８が配置されており、このドレンパン１
８の内側には、これと一体的に前記電動フアン１
４の吸込路と吹出路とを分離するベルマウス１９
が形成されている。ベルマウス１９の下面には、
反射塗料が塗布されており、この下面に弾性的な
支持片２０を介して第６図に示すように前記けい
光ランプ１６ａ，１６ｂが支持されている。

しかして、ドレンパン１８の下方には、第７図
に示すように上記ドレンパン１８に通じ、熱交換
器１５で発生したドレンを一箇所に集めるため
に、ドレンパン１８の底より低い位置に底を位置
させたドレン量検出用水溜め部としてのドレンタ
ンク２１が設けてあり、このドレンタンク２１の
上方に位置するベルマウス１９の上面にはポンプ
２２が設置されている。上記ポンプ２２の吸込口
はパイプ２３を介してドレンタンク２１内に挿し
込まれ、また吐出口はパイプ２４に接続されてい
る。そしてパイプ２４は、熱交換器１５への流体
循環用パイプ２５、電動フアン１４やポンプ２２
やけい光ランプ１６ａ，１６ｂの電源配線等を保
護するパイプ２５によつて一緒に保護された状態
で第７図および第１図に示すように天井裏を図示
しない室外機とスイツチとへ向けて導かれてい
る。なお、第７図中２７ａ，２７ｂはドレンタン
ク２１内の水２８のレベルが所定以上に増加した
とき上記水を介して導通し、前記ポンプ２２を駆
動する電極を示している。

このような構成であると、今、冷房機として使
用した場合の例を説明すると以下の通りである。

すなわち、室外機によつて液化された冷媒をパ
イプ２５を介して熱交換器１５に通流させるとと
もに電動フアン１４を駆動させる。電動フアン１
４が回転すると、室内空気は、第４図中実線矢印
で示す如く、吸込口１２から筐体１１内に吸込ま
れ、電動フアン１４によつてほぼ90度方向変換さ
れ、熱交換器１５に接触した後、各吹出口１３か
ら放射状に吹出される。前述の如く熱交換器１５
には冷媒が通流しているので、結局、各吹出口１
３からは冷たい空気が吹出されることになる。ま
た、熱交換器１５の表面に凝縮してドレンタンク
２１内に集められた水２８はその液位が所定レベ
ル以上に達する毎にポンプ２２によつて室外へ汲
み出されることになり、もつて冷房機としての機
能が良好に発揮される。

そして、この場合には次のような利点がある。
すなわち、ドレンパン１８に通じ、このドレンパ
ン１８上に落ちたドレンを一箇所に集めるために
ドレンパン１８の底より低い位置に底が位置する
ようにドレン量検出用水溜め部としてのドレンタ
ンク２１を設け、このドレンタンク２１内に吸込
み口が通じる関係にポンプ２２を設け、このポン
プ２２を介して排水するようにしているので、面
積の大きいドレンパン１８上に溜まつた水を直接
ポンプ２２で排水する場合に比べて水位の変化を
大きくできる。このため、電極２７ａ，２７ｂを
使つてのポンプ２２のオン、オフ制御が容易とな
り、ポンプ２２の空運転、つまり空気の吸い込み
を確実に防止できる。したがつて、ポンプ２２を
確実に動作させ得る条件に保持させた状態で、し
かも必要なときにポンプ２２を確実に作動させる
ことができる。また、ポンプ２２を組み込んでい
るので、ドレン用のパイプ２４を天井裏等には這
わせることが可能となり、この結果ドレン用の配
管によつて室内の調和が阻害されるのを確実に防
止できる。さらにまた、ドレンタンク２１を電動
フアン１４の周縁部下方、つまり空気の流れに影
響を与えない場所に設けているので、ドレンタン
ク２１の存在によつて風量が減少したり、騒音が
大きくなつたり、あるいは空気流によつてドレン
が巻き上げられたりするのを確実に防止すること
ができる。

なお、本考案は上述した実施例に限定されるも
のではない。たとえば、第８図に示すように筐体
１１を扁平な４角形とし、４つの側壁に吹出口１
３をそれぞれ設けてもよい。また、第９図に示す
ように電動フアン１４を中心にして熱交換器１５
をコ字形に配置するとともに第１０図に示すよう
に筐体１１の上記熱交換器１５に対向する側壁に
吹出口１３を設け、３方へ向けて空気を吹き出す
ようにしてもよい。また、筐体１１の形状は、扁
平な円板状、４角形状に限らず、第１１図に示す
ように扁平な３角形状に形成してもよい。また、
組込まれるけい光ランプは環状に限らず、たとえ
ば第１２図に示すよに直線状のけい光ランプ１６
ｃを平行に配設したり、あるいは第１３図に示す
ように吸込口１２を取り囲む枠状に配設してもよ
い。勿論、これらを露出するように配設してもよ
い。また、電動フアンとしては遠心フアンに限ら
ず斜流フアンを用いてもよい。

以上詳述したように、本考案によれば、天井面
の中央部に設置した場合であつても、ドレン配管
の存在によつて室内との調和が阻害される虞れが
なく、室内の美観を損ねない状態で室内の温度む
らを緩和でき、しかも熱交換器の表面に生じた凝
縮水を確実に室外へ導くことができる室内外空気
調和機の室内機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のこの種の室内機を設置したとき
の斜視図、第２図および第３図は従来の異なる室
内機の内部構成をそれぞれ説明するための縦断面
図、第４図は本考案の一実施例に係る室内機の縦
断面図、第５図は同室内機を第４図におけるＡ−
Ａ線に沿つて切断し矢印方向に見た断面図、第６
図は同じく第４図におけるＢ−Ｂ線に沿つて矢印
方向に見た下面図、第７図は同室内機の局部的な
縦断面図、第８図は本考案の別の実施例に係る室
内機の外観図、第９図は本考案のさらに別の実施
例における電動フアンと熱交換器との関係を説明
するための図、第１０図は第９図に示した配置関
係を採用した室内機の外観図、第１１図は本考案
の別の実施例に係る室内機の平面図、第１２図お
よび第１３図は本考案のさらに異なる実施例をそ
れぞれ示す下面図である。 Ｒ……天井、Ｓ，S₀，S₁，S₂，S₃，S₄……室内
機、１１……筐体、１２……吸込口、１３……吹
出口、１４……電動フアン、１５……熱交換器、
１６ａ，１６ｂ，１６ｃ……けい光ランプ、１８
……ドレンパン、２１……ドレンタンク、２２…
…ポンプ、２４……パイプ、２７ａ，２７ｂ……
電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室内外分離形空気調和機の天井据付形の室内機
   であつて、上記室内機は、回転軸を重力方向に向
   けた状態で軸方向に吸込んだ空気を放射方向に吹
   出す送風機と、この送風機の周縁部に配設された
   熱交換器と、この熱交換器の下方に配置されたド
   レンパンと、このドレンパンに通じ、前記熱交換
   器で発生したドレンを一箇所に集めるために前記
   ドレンパンの底より低い位置に底を位置させたド
   レン量検出用水溜め部とを具備してなることを特
   徴とする室内外分離形空気調和機の室内機。