JPH035767B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は生茶葉管理装置に関し、特に、生茶葉
を貯留槽のほぼ全面にわたつて万遍なく投入する
ようにしたことを特徴とするするものである。

従来の技術 緑茶を製造するに当つては、先ず、茶園から摘
採した生茶葉を蒸熱処理し、次いで、粗揉、揉
捻、中揉、精揉、乾燥等の処理を行なう。この場
合、茶園から生茶葉を摘採する作業と摘採された
生茶葉を蒸熱する作業とは、全く異別の作業であ
つて、両者は連繁していないから、生茶葉は摘採
されたのち一旦集積され、然るのち蒸熱処理を受
けることとなる。従つて、生茶葉は蒸熱処理され
るまでに可成りの時間貯留される。ところで、生
茶葉は茶の新芽であるから萎凋し易いものであ
り、しかもこのものは鮮度が重要視されていて、
少しでも萎凋すると製品緑茶の品質を低下させる
ので、これを貯留するときは生茶葉より発生する
「蒸れ気」を除去してその鮮度を保つ方策が採ら
れている。その一つが生茶葉管理装置である。こ
のものは一種の通気式貯留槽であつて、槽１は底
面２を長尺の通気性コンベヤによつて形成してこ
こから槽内に向けて空気を吹き上げるようになつ
ている。

そして槽１の後部には生茶葉投入機３を付設
し、更に前面を解放して、ここから生茶葉を取り
出すようになつている。この装置では、貯留槽に
生茶葉を充填するには先ず、槽１の後部に生茶葉
を投入し、これが所定の厚さになつたところでベ
ルトコンベヤを回転させて生茶葉を若干漸進させ
る。すると槽１の後部には空間が生じるから再び
これに生茶葉を投入し、以下、生茶葉の投入とベ
ルトコンベヤの前進を繰り返すことによつて、槽
１の全体に生茶葉を充填するのである。この方式
では生茶葉は槽１の前部から後部に向かつて順に
入れられることとなり、従つて貯留された生茶葉
は投入された順に取り出されることとなるのであ
る。

ところで、貯留槽には数枚又は十数枚の茶園か
ら摘採された生茶葉を収容する能力があり、しか
も生茶葉は茶園ごとに性質が異なるものであるか
ら、上記した従来の生茶葉管理装置の様に、貯留
槽１に投入した順に取り出る方式では、性質の異
なる生茶葉が順次茶葉蒸機に送り込まれることと
なるため、生茶葉にとつては必ずしも適切な条件
で加工をすることができないので、製品にバラツ
キを生じ、ひいては製品緑茶の品質を低下させる
のである。

技術的手段 本発明は上記した従来の生茶葉管理装置の欠点
を解消して、性質の異なる生茶葉を混合して均一
化した状態で取り出すようにしたものであり、こ
れによつて全ての生茶葉を同一の条件で蒸熱処理
して、良質の製品緑茶を得ることができるように
したものである。

以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。

図中符号４は貯留槽である。このものは従来の
この種の貯留槽と同様であつて、底面は通気性の
コンベヤ５によつて形成されていて、図示はしな
いがコンベヤを通して槽内に空気を吹き上げるよ
うになつており、又、槽の前面は解放されていて
ここから生茶葉を取り出すようになつている。符
号６は送りコンベヤ、７は掃き込みブラシであ
る。これらは生茶葉を貯留槽４のほぼ全面に撒布
して投入するものであつて、送りコンベヤ６は貯
留槽４の上部に貯留槽のほぼ全長にわたつて設け
られており、更にその後端部には生茶葉供給コン
ベヤ８が設けられていて送りコンベヤ６上に生茶
葉を投載するようになつている。送りコンベヤ６
の両側にはレール９が敷設されていてこれに往復
走行架台１０が載せられており、更に往復走行架
台１０には掃き込みブラシ７が取付けられてい
る。この掃き込みブラシ７は送りコンベヤ６に投
載された生茶葉を貯留槽４に掃き込むものであつ
て、往復走行架台１０は送りコンベヤ６を跨いで
形成されており、掃き込みブラシ７は下端が送り
コンベヤ６に接していて往復走行架台１０を往復
走行させることにより、送りコンベヤ６の上面に
沿つて移動するようになつている。掃き込みブラ
シ７の構造については特に限定はしない。要は送
りコンベヤ６上の生茶葉を傷付けることなく貯留
槽４内に掃き込むことの出来るものであれば充分
である。図では一例として竪形の回転翼とし、送
りコンベヤ６の上面と接する部分にはブラシを取
付けたものを示した。

このように形成した生茶葉管理装置の貯留槽４
に生茶葉を投入する操作について述べると、先
ず、送りコンベヤ６を回転させつつ、供給コンベ
ヤ８を作動させて、送りコンベヤ６上に生茶葉を
連続的に投載し、掃き込みブラシ７を回転させな
がらこれを貯留槽４の前部から後部（図中右方
向）へ向かつて移動させる。すると送りコンベヤ
６上の生茶葉は掃き込みブラシ７によつて貯留槽
４に掃き込まれ、しかして貯留槽に投入される。
掃き込みブラシ７が最後部まで達したときは、こ
れを前進させ、以下往復移動を繰り返すのである
が、ここにおいて、掃き込みブラシ７の前進速度
は特に問題はない。その速度が送りコンベヤ６の
移送速度より遅いときは、前進する際にも生茶葉
を掃き込むし、移送速度と同一若しくはこれより
速いときは掃き込むことはない。勿論この場合、
掃き込みブラシ７を一箇所に停滞させるか、或い
は限られた範囲内で往復させれば、生茶葉は貯留
槽１のその部分にだけ投入されるから、結局生茶
葉は貯留槽の任意の箇所に任意の量を投入するこ
とも可能となるのである。

符号１１は生茶葉の検知センサであつて、往復
走行架台１０の図示しない駆動モータと連絡され
ていて、送りコンベヤ６上の生茶葉の有無を検出
してコンベヤ上の生茶葉が途切れたときは、次に
生茶葉が送られるまでの間往復走行架台１０を停
止させる。これにより供給コンベヤ８から送りコ
ンベヤ６に供給する生茶葉の供給が断続的であつ
ても、貯留槽４への投入は連続的にして、掃き込
みブラシ７の走行する範囲内では生茶葉の投入量
を平均化するのである。符号１２は分散翼であ
る。

このものは、掃き込みブラシ７によつて貯留槽
４に掃き込まれ生茶葉の落下軌道上にあつて、生
茶葉を貯留槽４に向けて更に広く分散させるもの
で、掃き込みブラシ７によつて送りコンベヤ６か
ら掃き落とされた生茶葉は分散翼１２によつて分
散されて貯留槽４に落下するので、貯留槽４を大
形にすることができるのである。勿論分散翼１２
は掃き込みブラシ７と同じく往復走行架台１０に
取り付けられていて掃き込みブラシ７と一体的に
往復移動するのである。

効果 以上詳述した様に本発明は貯留槽４の上部に貯
留槽４とほぼ同じ長さの送りコンベヤ６を設け、
該コンベヤ上に掃き込みブラシ７をコンベヤに沿
つて往復走行自在に設け、送りコンベヤ６に載せ
られ生茶葉を貯留槽４に掃き込むものであつて、
この様にすることによつて生茶葉は貯留槽４に順
次積層して投入されるから、貯留槽４のロツトの
異なる生茶葉が投入されても、これを取り出すと
きは全てのものが合組されて、ほぼ均一になるの
で、この生茶葉の加工条件が一定となり、高品質
の緑茶が得られるのである。又、生茶葉は茶園か
ら摘採されたものであることから、貯留槽４に投
入する生茶葉が必ずしも一時に集積されるとは限
らないのであつて、全ての生茶葉を投入し終るま
でに可成りの時間を要することがある。この点に
おいて従来は、生茶葉を貯留槽４の後部から順次
投入するものであつたから、生茶葉が貯留槽４に
満杯になるまでは、貯留槽の前部には全くの空間
があるにも拘らず、後部には生茶葉が所定の高さ
に積まれることとなる。これに対しては本発明で
は生茶葉は投入開始直後から貯留槽４のほぼ全面
に投入されるから、貯留槽４の底面から吹き上げ
る空気は全て有効に作用し、生茶葉の鮮度を保つ
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部切欠斜視
図、第２図は縦断側面図、第３図は縦断正面図、
第４図は他の一実施例の要部を示す斜視図、第５
図は同上縦断正面図、第６図は従来の生茶葉管理
装置を示す縦断側面図である。 ４；貯留槽、５；通気性コンベヤ、６；送りコ
ンベヤ、７；掃き込みブラシ、８；供給コンベヤ
９；レール、１０；往復走行架台、１１；検知セ
ンサ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 底面を通気性コンベヤによつて形成し、前面
   を解放した貯留槽の上部に該貯留槽とほぼ同じ長
   さの送りコンベヤを取付け、更に該送りコンベヤ
   に沿つてレールを設けて、これに送りコンベヤを
   跨ぐ走行架台を架載し、且つ走行架台には送りコ
   ンベヤ上の生茶葉を貯留槽に掃き込む掃き込みブ
   ラシを取付けたことを特徴とする生茶葉管理装
   置。 ２ 走行架台には掃き込みブラシによつて掃き込
   まれる生茶葉の落下軌道上に分散翼を取付けたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の生茶
   葉管理装置。