JPH0357250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、永久磁石を備えた掛寝具と敷寝具と
を組合せて成る掛敷寝具に関するものである。

〔従来の技術〕

磁気が人体に及ぼす効果、即ち、血行を促進
し、疲労回復、健康増進等に寄与するという有用
な効果は広く知られており、多くの商品に磁石が
採り入れられている。寝具もその例外ではない。

ところで、より有効な磁気効果を得るために
は、掛寝具と敷寝具の両者に永久磁石を配設する
ことが考えられるが、そのような考案として実公
昭61−27486号公報記載の考案が知られている。
この考案は、人体との接触部近くに治療用マグネ
ツトを配設した掛寝具と敷寝具との組合せによる
相乗効果により、有効な磁気効果を得ようとする
ものである。

また、温熱効果を得るために寝具に遠赤外線セ
ラミツクスを用いることも公知である（実開昭57
−95128号公報、同62−142360号公報等）。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記実公昭61−27486号公報記載の考案は、掛
寝具側の永久磁石と敷寝具側の永久磁石とが、相
互に作用し合つて人体中に磁力線を透過させると
いうものである（第４図参照）。即ち、例えば掛
寝具側をＳ極、敷寝具側をＮ極となし、Ｎ極から
出た磁力線が人体を透過してＳ極に達するように
したものである。しかし、人体を透過させるため
には非常に磁束密度の高い磁石を用いなければな
らず、また、掛寝具、敷寝具それぞれ単独、ない
し、他の寝具と組合せて用いた場合には、磁気効
果が得られないという問題がある。更に、一面に
永久磁石を配備した布団の場合は、常に同じ面が
人体に当接するためにその面が傷みやすく、ま
た、寒期においては保温性が十分とはいえないと
いう問題がある。

また、上記実開昭57−95128号公報や同62−
142360号公報等に記載された考案は、単に温熱効
果を得るために寝具に遠赤外線セラミツクスを利
用することを開示するに止まるもので、それ以上
の効果を期待できるものではない。

そこで本考案は、上記問題点を解決し、磁気効
果並びに遠赤外線効果の双方を有効利用し得る掛
敷寝具を提供することを課題としてなされたもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、一方の面の布団生地内側に、人体接
触側面に２極を備え、その２極が全幅に亘る溝で
隔てられた永久磁石を多数適宜配置にて定着する
と共に、他方の面の布団生地の表面に遠赤外線放
射セラミツクスを配備した掛寝具と、上面に２極
を備え、その２極が全幅に亘る溝で隔てられた永
久磁石を、前記上面が布団生地を挾んで人体に当
接するようにして多数適宜配置にて取り付けた敷
寝具とから成る永久磁石を有する掛敷寝具、を以
て上記課題を解決した。

〔作用〕

本考案において用いられる磁石は、一方の面に
２つの磁極を備えている。そのため磁力線は、付
加的な磁性材を用いることなく、一つの方向に磁
力線を向けることができるので、人体に対する磁
気治療用として最適である。しかも、２つの磁極
が全幅に亘る溝で隔てられているので、磁路長が
長くなり、磁力線の発生方向が磁石面より垂直な
ものとなり、磁力線が両磁極から離れた位置にま
で届くようになる。従つて、各永久磁石の磁力線
は、相互に依存することなく、それぞれ別個に人
体深部にまで及ぶ。この各永久磁石による磁気効
果は、人体の上下から満遍なく作用し、それらの
綜合として、十分な磁気治療効果が得られる。勿
論掛寝具、敷寝具それぞれ単独で用いても、各永
久磁石が独立して人体に作用するので、それなり
の磁気効果が得られる。

また、温暖期には永久磁石定着面側を下に、即
ち、人体に当てて使用することにより、涼しさと
共に、上下方向から、永久磁石による血行促進、
健康増進、熟睡促進といつた諸効果が得られる。
そして、寒冷期には遠赤外線放射セラミツクス側
を下にして使用することにより、下方からの磁気
効果に加え、セラミツクスから発生する遠赤外線
による保温効果が得られ、身体が芯から暖まつて
熟睡することができる。

〔実施例〕

本考案の好ましい実施例を図面に依拠して説明
する。

先ず、本考案において用いる永久磁石について
説明する。第２図に示される永久磁石１は、上面
が平坦な円形ないし角形のものであるが、上面は
球面状等であつてもよく、また、全体形状も任意
であつて限定されない。永久磁石１には、細めで
全高の３分の２程度の深さの溝２が、その全幅に
亘つて入れられる。永久磁石１は片面２極性であ
つて、その２極は溝２によつて隔てられている。
３は磁力線を示しており、従来の永久磁石１ａ
（第５図）における磁力線３ａとは、全く違つた
表れ方をする。即ち、永久磁石１ａの場合は、一
方の磁極から他方の磁極までの距離が短いため、
永久磁石１ａを構成する磁性材の表面近傍に磁束
が集中し、磁力線３ａは、磁石の上面近傍におい
て密度の高いループを描く。従つて、その場合、
磁気効果は人体深部にまで及ばないので、それに
よつて充分な磁気治療効果を期待することはでき
ない。これに対して永久磁石１の場合は、２つの
磁極が溝２によつて離隔されることにより、磁石
面から離れた位置にまで磁力線が届く。従つて、
その磁気効果は人体深部にまで及ぶ訳である（第
１図参照）。本考案は、それぞれ単独で人体の深
部にまで作用する各永久磁石１の磁気効果の集積
による、人体全身に対する磁気効果を企図したも
のである。

上記永久磁石１は掛寝具６に取り付けるには、
例えば、一面に接着剤シート４を有する円形等の
当て布５を用意し、その接着剤シート４側の中心
に、溝２形成面を上にして永久磁石１を載置固定
する（第３図）。そして、上下逆にして布団生地
上に置き、接着剤を加熱溶融させて当て布５を生
地に接着することにより永久磁石１を固定する。

また、永久磁石１を敷寝具７に取り付けるに
は、敷寝具７の芯材８に適宜配置にて突出部９を
多数設け、それらの頂部に埋設する方法によるこ
とが好ましい。

掛寝具６の永久磁石設置面と反対側の布団生地
には、遠赤外線放射源としてのセラミツクスを生
地の表側に直接プリントしたり、セラミツクスフ
アイバーによる生地を用いたりする。

〔考案の効果〕

本考案は上述した通りであつて、それぞれ単独
で用いても十分な磁気効果を発揮する掛寝具と敷
寝具が得られ、それらを併用することにより理想
的な磁気雰囲気を作り上げることができ、就寝中
健康増進等に寄与するところ極めて大である。ま
た、表裏を使い分けることにより遠赤外線による
効果、即ち、吸収光線である遠赤外線から放射さ
れる電磁波によつて生ずるイオン化現象により、
生体組織の活性化が促進され、そのために就寝中
体が芯から暖まり、心地よい眠りが得られ、目覚
めも快適となるという効果も併せ享受でき、表裏
使用により長持ちさせることができる非常に有用
なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す図、第２図はそ
こにおいて用いる永久磁石の構成例を示す図、第
３図は永久磁石の固定方法を示す図、第４図は従
来の掛敷寝具を示す図、第５図は従来の永久磁石
を示す図である。 １……永久磁石、２……溝、３……磁力線、４
……接着剤シート、５……当て布、６……掛寝
具、７……敷寝具、８……芯材、９……突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の面の布団生地内側に、人体接触側面に２
   極を備え、その２極が全幅に亘る溝で隔てられた
   永久磁石を多数適宜配置にて定着すると共に、他
   方の面の布団生地の表面に遠赤外線放射セラミツ
   クスを配備した掛寝具と、上面に２極を備え、そ
   の２極が全幅に亘る溝で隔てられた永久磁石を、
   前記上面が布団生地を挾んで人体に当接するよう
   にして多数適宜配置にて取り付けた敷寝具とから
   成る永久磁石を有する掛敷寝具。