JPH0356825B2 - - Google Patents

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JPH0356825B2
JPH0356825B2 JP61214550A JP21455086A JPH0356825B2 JP H0356825 B2 JPH0356825 B2 JP H0356825B2 JP 61214550 A JP61214550 A JP 61214550A JP 21455086 A JP21455086 A JP 21455086A JP H0356825 B2 JPH0356825 B2 JP H0356825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、遠心力鋳造に使用される砂型の造型
方法に関する。 〔従来の技術〕 遠心力鋳造用鋳型として、円筒状金枠の内面に
砂型または塗型を形成したものが使用される。そ
の砂型や塗型は、鋳込まれる金属溶湯と金枠との
接触を遮断することにより、金属溶湯の凝固速度
を制御し、鋳造品の内部品質を改善する役目を有
し、また金枠を金属溶湯による損傷から保護する
と共に、鋳造品の鋳肌を平滑・美麗なものとする
役目を有している。従つて、金枠内の砂型・塗型
は、遠心力鋳造工程において、剥離・破損が生じ
ることのない十分な強度・堅牢性をもち、かつ適
切な一定の厚さを有することが必要である。 従来の砂型または塗型の造型方法を、第4図〜
第6図により説明すると、第4図は、金枠10を
垂直に立設してその内部に芯金50を挿入し、金
枠10と芯金50との間の空間に、粘結剤(代表
的には水ガラス)を含む砂3を充填し、ランマー
60等で突き固めた後、芯金50を抜き取る砂型
造型法を示している。造型された砂型は、そのま
ま生型として、または加熱炉で加熱乾燥され、乾
燥型として鋳造に供される。生型として鋳造に使
用される場合は、鋳込まれる溶湯の熱で気化する
砂中の水分を速やかに外部に逸散させる必要上、
金枠として、その全面に多数の小孔(ガス抜き
孔)が分散穿設された金枠(孔あき金枠)が用い
られる。乾燥型として用いる場合は、そのような
小孔を必要としないので無孔金枠が用いられる。 第5図に示す方法は、予熱された金枠10を水
平に保持して軸心を中心に回転させながら、その
金枠内に、樋状の砂受け治具70を挿入し、反転
させて該治具70内の砂(レジンコーテツドサン
ド)4を金枠10の内面に落下させ、金枠の保有
熱でレジンの熱硬化反応を生じさせて砂4を固化
させるようにした砂型造型法である。この造型法
は、砂の硬化剤が有機系であるので、鋳造時に砂
型から多量のガスが発生する。従つて、そのガス
を速やかに外部に逸散させるために、金枠10と
して孔あき金枠が用いられる。 第6図に示す方法は、金型遠心力鋳造に使用さ
れる金型10の内面に塗型を形成する方法であ
る。金型10は無孔金型であり、軸心を中心とす
る回転下に、ジルコンフラワ等の微粉骨材と粘結
剤を含むスラリ5をタンク90から圧送し、噴霧
器80にて金型10内面に散布し、金型の保有熱
で水分を蒸発させることにより塗型が形成され
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の砂型・塗型の造型法は次のような問題を
有している。すなわち、第4図の砂型造型法は、
砂厚が比較的厚い砂型を形成することができる反
面、ランマー60による砂の突き固め作業や芯金
50抜取り作業の都合上、金枠10と芯金50と
の隙間をあまり狭くすることができず、従つて砂
厚の薄い砂型を造型することができない。また、
その造型に使用される芯金50は、目的とする鋳
造品の外径(砂型の内径に対応)に応じて取り替
えなければならないので、外径の異なる多種類の
芯金を多数準備しておく必要があり、芯金コスト
が高くつく。更に、造型された砂型を生型のまま
鋳造に供する場合の金枠は、孔あき金枠でなけれ
ばならないので、孔あけ加工に多大のコストを要
するほか、孔あき構造であるがために強度が低く
長期の使用に耐え得ず、またその反復使用におい
て、孔に詰つた砂を取り除くための極めて煩わし
い作業を余儀なくされる。なお、乾燥型として使
用する場合の金枠は無孔金枠であつてよいから、
上記の不利は回避されるものの、乾燥炉の設置を
必要とし、乾燥コストの負担のほか、乾燥に長時
間を要する等の難点がある。 なお、バインダとして使用される水ガラスは、
砂型の強度確保等の点から原液のまま砂と混合す
る必要があり、しかもその混練時に生じるロス
(大気中のCO2ガスとの反応による消耗)を補償
するために余分の量を配合せねばならない。また
その砂型を鋳造に使用すると、金枠と砂との間に
焼付きが生じるため、使用後の砂落とし作業に難
渋するのが一般である。 第5図の砂型造型法は、第3図の造型方法に比
し、生産性が高く、砂厚の制御も比較的容易であ
るが、砂の固化に有機系硬化剤が用いられる関係
上、前述のように金枠として孔あき金枠を使用せ
ねばならない。また、砂厚の制御が比較的容易で
あると言うものの、薄い砂型を造型する場合は、
金枠の回転、砂受け治具の反転タイミング、ある
いは砂の流動性や金枠内面への落下状況等によ
り、砂厚に部分的な厚薄不同が生じ易く、極端な
場合には、砂のない部分(金枠内面が露出したま
まの部分)が生じ、造型の失敗となることもあ
る。他方、砂厚の厚い砂型、例えば厚さ10mm以上
の砂型を造型する場合に、砂型の内部まで硬化剤
の硬化反応を生じさせるべく金枠の予熱温度を高
めると、砂型の外面(金枠との接触面)側が焼け
過ぎとなり砂型の強度が低下する。その焼け過ぎ
を回避しようとして金枠の予熱温度を下げると、
砂型の内面側の硬化反応が十分に進まないため
に、鋳造品に鋳造欠陥が生じる原因となり、結局
厚さ10mmをこえる砂型の造型は実際上極めて困難
である。 また、第6図に示す塗型形成方法において、形
成し得る塗型厚さは、せいぜい3mm程度であり、
それを越える厚い塗型を形成しようとしても、固
化した塗型表面の骨材が、内部から蒸発する水分
により破損し、塗型表面が発泡状粗面となるほ
か、塗型と金枠との密着性が損なわれ、剥離し易
く、結局実用し得る塗型を形成することはできな
い。 本発明は、上記のごとき従来の問題点を解決
し、任意の砂厚を有する砂型を能率良く造型する
ことができ、かつ孔あき金枠を必要としない砂型
造型法を提供しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の遠心力鋳造用砂型の造型方法は、 温度100〜400℃に加熱された円筒形状を有する
無孔金枠(以下「金枠」)の水平軸心を回転中心
とする回転運動下に、 鋳型砂である耐火物粉粒体(以下「粉粒体」)
を、金枠内面に対する投与位置を軸心方向に一端
側から他端側へ1回もしくは複数回反復して移動
させながら金枠内面に投与すると共に、その粉粒
体に、濃度5〜70%(容積)の水ガラス溶液を、
粉粒体1Kg当り10〜450c.c.の割合で噴霧すること
により、水ガラス混合率5%(重量)以下の水ガ
ラス含有粉粒体層を所定の層厚に形成し、金枠の
保有熱により生じる水ガラスの硬化反応により固
化させることを特徴としている。 本発明方法を第1図により説明すると、20は
粉粒体送給管(以下、「砂送給管」)であり、その
先端部に吐出口21が開口し、後端側は粉粒体ホ
ツパ22に接続されている。砂等の粉粒体1は圧
空ノズル23から吹き込まれる圧空により送給管
20内を圧送され、吐出口21から吐き出される
と同時に、その前面に取付けられた当て板24に
衝突して金枠10の内面に向つて投与される。な
お、粉粒体の搬送は、上記の空気搬送方式に代
え、スクリユーコンベア、あるいはベルトコンベ
ア等を用いて行つてもよい。 30は水ガラス水溶液送給管(以下、「バイン
ダ送給管」)であり、その先端部にノズル31が
取付けられている。後端側は水ガラス水溶液タン
ク32に接続されており、該タンク32内を加圧
することにより水ガラス水溶液Sは送給管30内
に圧送され、先端のノズル31から金枠内面に向
つて噴霧される。 金枠10は回転ローラ100,100上に水平
に担持され、回転駆動装置(図示せず)により金
枠の軸心(管軸)を回転中心として所定の速度で
回転する。砂送給管20とバインダ送給管30
は、金枠10の端部に嵌着されたバンド(止め
板)11の孔を介して管軸に沿つて金枠内部に差
し込まれている。 砂送給管20とバインダ送給管30は、適当な
移動装置、例えば走行台車(図示せず)に載置さ
れ、走行台車の走行により、砂送給管20の吐出
口21およびバインダ送給管30のノズル31の
位置を、金枠10の軸心に沿つて一端側から他端
側へ漸次移動させるようになつている。 また、図示の例では、バインダ送給管30のノ
ズル31と砂送給管20の吐出口21の金枠軸心
方向の位置を略一致させ、金枠内面に対する粉粒
体の投与と、投与された粉粒体に対する水ガラス
水溶液の噴霧を略同時に行つているが、投与され
る粉粒体に対する水ガラス水溶液の噴霧のタイミ
ングは任意であり、砂送給管20を先行させて金
枠内面に粉粒体の層を形成したうえ、その粉粒体
層の上面に水ガラス水溶液を散布する場合もあ
る。 上記装置において、予熱された金枠10の回転
下に、砂送給管20の吐出口21から金枠内面に
粉粒体を投与すると、粉粒体は金枠10の回転に
伴う遠心力により金枠内面に沿つて層をなして堆
積する。その粉粒体の投与と併行して、または金
枠内面に粉粒体を層状に堆積させたのちにバイン
ダ送給管20のノズル21から水ガラス水溶液が
噴霧される。ノズル21から噴霧され、粉粒体層
内に含浸した水ガラス水溶液は、金枠10の保有
熱により水分が気化・逸散し、熱硬化反応が生起
して粉粒体を固化させる。砂送給管20の吐出口
21およびバインダ送給管30のノズル31を金
枠10の一端側から他端側まで移動させ、必要に
応じて金枠10の端部で折り返して複数回往復移
動させながら上記操作を反復実施することによ
り、所定の砂厚を有する砂型が形成される。 金枠10の予熱温度は、水ガラス水溶液の水分
の蒸発と水ガラスの熱硬化反応の点から、少なく
とも100℃以上が適当であり、より好ましくは130
℃以上である。もつとも、余り高くすると、鋳造
後、溶湯の熱による金枠の強度の低下が問題とな
ることがあるので、400℃を上限とすることが好
ましい。また、必要に応じ、例えば比較的砂厚の
厚い砂型を造型する場合において、金枠温度を補
償して固化時間の遅延を防ぎつつ十分な硬化反応
を生じさせるために、図示はしないが、熱風送給
管を金枠10内に挿入し、金枠10内の粉粒体層
の表面に熱風を吹き付け、熱風による給熱と金枠
の保有熱とで、粉粒体層の外面と内面から水ガラ
スの硬化反応を行わせるようにすることもでき
る。 金枠1回転当たりに形成される粉粒体の層厚
は、例えば0.5〜3mmとすることができる。この
砂厚は、ホツパ22からの粉粒体の圧送量による
容易かつ正確に制御することができる。 砂固化剤である水ガラスは代表的にはJIS K
1408に規定されているものである。 水ガラスを固化剤とする鋳物砂はガス砂と称さ
れ、広く用いられているが、その場合の水ガラス
は、砂型の強度不足や水蒸気の発生等の問題を避
けるために、原液(濃厚水溶液)のまま使用され
ている。これと異なり、本発明では水溶液(原液
を水で希釈)として使用することとしたのは、水
ガラスの粘度を下げ、粉粒体に対する均一な噴
霧・分散を確保し、かつ粉粒体に散布された後の
粒子間隙内への浸潤を促すことにより、粉粒体を
ムラなく固化させるためである。その水ガラス水
溶液の濃度(水ガラス容積/水容積×100(%))
は、薄いと粉粒体に対する水分量が過多となり、
水分の気化に伴つて砂型の膨れが生じる等の不都
合を招来し、逆にその濃度が高過ぎると、流動性
の不足により噴霧の困難性や粉粒体層内への浸潤
不足が生じる。かかる観点から求められる水ガラ
ス水溶液の濃度の実用範囲は、5〜70%であり、
より好ましくは、10〜70%である。 水溶液として噴霧される水ガラスの粉粒体に対
する混合率(水ガラス原液の重量/粉粒体重量×
100)(%)は、1%と低くても十分に粉粒体を固
化することができる。その混合率を高めても、別
段の不都合はないが、経済的でなく、また粉粒体
の固化強度が不必要に高くなる結果、鋳造後の型
バラシの困難が増すので、その混合率は5%まで
とするのが適当である。 粉粒体に対する水ガラス水溶液の噴霧量は、そ
の水溶液の濃度と、粉粒体に対する水ガラス(原
液)の所望の混合率によつて定められるが、その
量が少ないと、粉粒体層内への浸潤が不十分とな
り、逆に多過ぎると、水ガラス水溶液の濃度によ
つては、水分の気化に伴う不都合(砂型の剥がれ
の発生等)が生じる。これらの点から、粉粒体1
Kgに対する水ガラス水溶液の噴霧量は、10〜450
c.c.の範囲が適当であり、より好ましくは、10〜
300c.c.である。 上記の水ガラス水溶液の噴霧量および噴霧状況
は、その吐出圧力、ノズルの種類・口径、および
水溶液の濃度等により容易にかつ正確に制御する
ことができる。 ところで、粉粒体として、粒径の大きい砂を使
用する場合、その砂型は多孔となり、砂粒子間隙
が比較的大きいので、造型中の気化水分の逸散が
促される点で好ましいが、その反面造型された砂
型内面(鋳造時、溶湯に接する面)が粗面とな
り、凹凸が大きいために、砂粒子間に溶湯が侵入
し易く、得られる鋳造品の鋳肌が粗く、その表面
に砂の喰い込みが生じていることがある。 この対策として、砂型造型工程の途中で、金枠
内面に投与される粉粒体を粗粒のもの(例えば、
4.5号天然珪砂)から細粒のもの(例えば、7号
天然珪砂)に変えることにより、第2図に示すよ
うに、粗粒の粉粒体からなる層aと、その内側の
細粒の粉粒体からなる層bとの二層構造を有する
砂型に造型するとよい。また、別法として、砂型
の全砂厚を粗粒の粉粒体で造型したのち、その内
面に塗型剤(例えば、ジルコンフラワ)を塗布し
て内面の砂粒の凹凸が消える程度の厚さの塗型層
bを形成した砂型に仕上げることも有効な対策で
ある。所望により、粗粒の粉粒体の層と細粒の粉
粒体の層とを有する砂型の内面に更に塗型層を塗
設してもよい。 〔作用〕 本発明方法によれば、造型される砂型の砂厚
は、金枠内への粉粒体の送給速度、金枠内への投
与位置の移動速度、および投与位置の往復移動回
数等により容易にかつ、正確に調節される。ま
た、金枠の全長に恒つて均一な砂厚を有する砂型
の造型はもちろんのこと、所望により、例えば第
3図〔〕〜〔〕に示すように金枠の軸心方向
に沿つて砂厚が漸増もしくは漸減するテーパをも
つた砂型、あるいは段差をなして砂厚が変化した
砂型などの造型も容易である。 また、砂の固化剤として使用する水ガラスは無
機質であるから、有機系の固化剤を用いた場合の
ような鋳造時のガス発生がなく、また砂型内の水
分は造型中に気化し、遊離水分のない状態となつ
ているので、無孔金枠を使用して何ら支障えな
い。 更に、本発明では、水ガラスを水溶液として使
用することとしているので、前記のように粉粒体
をムラなく固化させることができるだけでなく、
粉粒体の層を重ねて砂厚の厚い砂型を造型する場
合にも、層界面の密着一体化が促され、層間剥離
が生じることはない。 なお、従来のガス砂にあつては、実用的な可使
時間および砂型強度の確保の観点から、粉粒体に
対する水ガラス(原液)の混合率は5〜6%に調
節されているが、本発明の場合は、前記のように
1%程度で十分な固化強度が得られる。従来のガ
ス砂が多量の水ガラスの混合を必要とするのは、
砂と水ガラスの混練機による混練過程で、空気中
の炭酸ガスとの接触により水ガラスの硬化(水ガ
ラスの消耗)が生じ、また混練後の使用開始まで
にも同様の消耗が生じる結果、造型時に固化剤と
して有効に働く水ガラスの量が減少するため、そ
の消耗量を見込んで配合しなければならないから
である。一方、本発明の場合にはわずか1%程度
の水ガラスの混合により十分な固化強度が得られ
るのは、ガス砂と異なつて、粉粒体と水ガラスと
の混練工程を省略し、水ガラスを水溶液として金
枠内の粉粒体に直接噴霧して粉粒体を濡らすと共
に熱硬化させるようにしたので、空気との接触に
よる水ガラスの消耗は殆どなく、噴霧された水ガ
ラスの略全量が有効に固化剤として働くからであ
り、これに加えて、本発明では、炭酸ガスとの接
触により水ガラスを硬化させる従来のガス砂と異
なつて水ガラスの熱硬化反応により粉粒体を固化
させており、その熱硬化反応に伴つて、水ガラス
が発泡するごとくに体積を増して砂粒間隙を満た
す状態となるからである。 〔実施例〕 実施例 1 第1図に示した砂型造型装置により、砂型造型
を行つた。使用した粉粒体は、4.5号天然珪砂で
あり、金枠は無孔金枠(内径:220φ、長さ:
400l、mm)である。金枠の予熱温度は130〜220℃
とした。また、水ガラス(原液)は比重1.44のも
のを用いた。 造型条件、造型された砂型の性状およびその砂
型を用いて遠心鋳造された管状鋳物の性状を第1
表に示す。試番(No.)1〜4、6〜8の鋳物サイ
ズは外径:約197φ、肉厚:約25t、長さ:約392l
(mm)であり、No.5は、外径:約208φ、肉厚:約
24t、長さ:約392l(mm)である。 各試番(No.)の砂型の性状を比較すると、No.5
〜7の砂型は十分な強度を有しており、No.3およ
び4の砂型はやや強度が低く、またNo.8の砂型は
層間の密着力がやや低いが、いずれも実用上支障
のない強度を有している。なお、No.1およびNo.2
は砂型の十分な強度を有してはいるが、鋳造後の
型ばらしが困難で、特にNo.2では、金枠表面に砂
の焼付きが生じていた。また、No.7を除く各試番
の砂型は平坦な内面を有しているのに対し、No.7
の砂型は、造型時の水分が若干多目であつたた
め、砂型内面がややあばた状を呈しているが、こ
れも実用上障害となる程の欠陥ではない。 各試番の砂型により鋳造された鋳物のうち、No.
7の鋳物は、他の試番の鋳物に比し、鋳肌に軽度
の凹凸が認められるが、問題となる程のものでは
なく、いずれも鋳物も良好な表面品質を有してい
る。また、鋳物の断面のマクロ試験により、良好
な鋳造組織および内部品質の健全性も確認され
た。 実施例 2 第1図に示した砂型造型装置により、第2図に
示す如きa層とb層とからなる砂型を造型した。
造型条件、造型された砂型の性状および遠心鋳造
された鋳物の性状を第2表に示す。試番(No.9)
の砂型は、a層を4.5号天然珪砂で造型し、b層
は7号天然珪砂で造型した。他方、No.10の砂型
は、a層を4.5号天然珪砂で造型したのち、塗型
装置を使用し、塗型材として、ベントナイトの水
溶液にジルコンフラワを懸濁したスラリをa層の
内面に散布することによりb層を形成した。使用
した金枠はいずれも無孔金枠(内径:220φ、長
さ:400l、mm)であり、その予熱温度は130〜220
℃とした。また、水ガラス(原液)は比重1.44で
ある。なお、鋳物のサイズは、各試番とも、外
径:約197φ、肉厚:約25t、長さ:約392l(mm)の
管状体である。 試番(No.)9および10の砂型のいずれも、適切
な強度を有し、かつ前記実施例1の砂型に比し、
平滑な内面を有している。b層を塗型材で形成し
たNo.10の砂型内面の平滑さは特にすぐれている。 また、No.9および10の各砂型にて鋳造された鋳
物のいずれも、表面の砂の喰い込みは皆無で、前
記実施例1で得られた鋳物を比し、鋳肌の平滑性
にすぐれており、鋳肌のまま使用することができ
る表面性状を有している。特に、No.10(b層が塗
型層)の砂型を用いた鋳物の鋳肌は美麗である。
なお、各鋳物の鋳造組織も良好であり、健全な内
部品質を有することも確認された。
【表】
【表】
〔発明の効果〕
本発明方法によれば、 () 厚薄任意の砂厚を有する砂型を能率よく造
型することができる。造型に必要な作業量は、
例えば第4図のように芯金とランマーを用いて
行う造型法に対して、約1/10〜1/50と少なく、
極めて生産性が高い。 () 砂厚を厚薄任意に、かつ正確に調節できる
ので、鋳造条件(鋼種、鋳造サイズ・形状等)
に応じた砂厚に造型することにより、鋳造金属
の凝固速度の適切な制御と鋳造欠陥の防止・鋳
造組織の改善が可能となる。例えば、急冷凝固
による割れ感受性の高い鋳造品を鋳造する場合
には、砂厚を十分に厚く造型することにより、
凝固速度を望むとおりに緩慢化させることがで
きる。 () 造型上の困難を伴わずに、砂型の内面を細
粒の粉粒体からなる平滑面に仕上げることがで
きるので、鋳造品の鋳肌を平滑美麗にしてその
表面品質を高めることができ、従つてグライン
ダー等の表面手入れ工程を省略して、鋳造品を
鋳肌のまま使用することもできる。 () 金枠の全長に恒つて均一な砂厚に造型でき
るだけでなく、目的とする鋳造品の形状に応じ
て、例えば金枠の軸心方向に傾斜したテーパ、
または段差をなして砂厚の変化する砂型を造型
することができるので、テーパ管、中細管、中
太管あるいは段差付き管などの異形鋳物の鋳造
が可能である。 () 第5図のように樋状の砂受け治具を用いて
行う造型法では、砂受け治具に砂を入れると重
量が大きくなり、これを片持ちするための装置
が大型化し、かつ治具にたわみ・曲がりが生じ
るので、小径・長尺の砂型造型が困難である
が、本発明では、そのような問題はなく、小
型・長尺サイズの砂型の造型も可能である。 () 金枠は無孔金枠であつてよいので、金枠の
孔あけ加工が不要であり、かつ孔あき金枠の場
合のような金枠強度の低下がなく、長期に恒る
反復使用が可能であり、金枠コストが大幅に節
減される。 () 金枠温度は、水分の蒸発と水ガラスの硬化
反応を生じる温度であればよく、また高温にお
いても砂の固化強度の低下がないので、金枠の
温度管理が容易であり、しかも金枠の予熱は最
初の1回だけでよく、2回目以降の反復使用に
おいては、前回の鋳造時に熱せられているの
で、あらためて予熱を行う必要はなく、連続的
に造型および鋳造を行うことができる。 () 砂の固化剤である水ガラスの使用量は少量
でよく、かつガス砂の場合のような可使時間の
制限もないので、砂の使用に無駄がなく、むろ
ん第4図の造型法のような芯金の必要もなく、
これらの面からの造型コスト低減効果も大であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施例を示す断面説明
図、第2図は本発明方法により造型される砂型の
例を示す径方向断面図、第3図〔〕〜〔〕は
本発明方法により造型される砂型の他の例を示す
軸方向要部断面図、第4図〜第6図は従来の砂型
造型または塗型形成法を示す軸方向断面説明図で
ある。 1:粉粒体、S:水ガラス水溶液、10:金
枠、20:砂送給管、22:ホツパ、30:水ガ
ラス水溶液送給管、31:ノズル、32:水ガラ
ス水溶液タンク、100:回転ローラ、M:砂
型、a:粗粒層、b:細粒層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 温度100〜400℃に加熱された円筒形状を有す
    る無孔金枠(以下「金枠」)の水平軸心を回転中
    心とする回転運動下に、 鋳型砂である耐火物粉粒体(以下「粉粒体」)
    を、金枠内面に対する投与位置を軸心方向に一端
    側から他端側へ1回もしくは複数回反復して移動
    させながら金枠内面に投与すると共に、その粉粒
    体に、濃度5〜70%(容積)の水ガラス水溶液
    を、粉粒体1Kg当り10〜450c.c.の割合で噴霧する
    ことにより、水ガラス混合率5%(重量)以下の
    水ガラス含有粉粒体層を所定の層厚に形成し、金
    枠の保有熱により生じる水ガラスの硬化反応によ
    り固化させることを特徴とする遠心力鋳造用砂型
    の造型方法。 2 粉粒体層の表層部を、下層部の粉粒体より細
    粒の粉粒体で形成することを特徴とする上記第1
    項に記載の遠心力鋳造用砂型の造型方法。 3 粉粒体層の表面に、塗型剤を塗布して砂粒の
    凹凸を平坦化するに足る層厚の塗型層を形成する
    ことを特徴とする上記第1項に記載の遠心力鋳造
    用砂型の造型方法。
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