JPH0356100B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗料吐出口開閉用の針弁に、空気圧
が作用するピストンを設けることによつて、針弁
操作を円滑としたスプレーガンに関する。

〔従来の技術〕

近年、高粘度の塗剤、例えば接着剤、特に２液
混合型の接着剤などをスプレーガンを用いて塗付
する場合が多い。

このような高粘度の塗剤は、霧化するのに高圧
空気が必要となる他、塗剤は高圧圧送され、従つ
て、塗料吐出口を入切りする針弁の押付け力をも
増加させる必要がある。

しかし、従来のスプレーガンは、第６図に示す
ように、圧送される塗剤の入切りのための針弁Ａ
押付け用のバネＢのバネ力を増すことにより、空
気、塗剤の漏れを防止している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしこのような従来のスプレーガンでは、バ
ネ力の増加によつて引金の操作力が増大し、取扱
い性に劣る他、長時間の使用によつては指を疲労
させ、又腱傷炎の原因ともなつていた。

本発明は、針弁にピストンを設けその前方部に
加圧空気を付加すことを基本として、針弁の操作
力を低減でき、スプレーガンの取扱い性、操作性
を高めうるスプレーガンの提供を目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、前記した目的を達成でき、問題点を解決
しうる本発明の手段の一実施例を図面に基づき説
明する。

図において、スプレーガン１はスプレーガン本
体２に形成する気室３に、針弁４に設けたピスト
ン５を収納している。

スプレーガン本体２には、引金１０を取付ける
とともに、本実施例では、該引金１０により後進
しかつスプレーガン本体２に導電する軸杆１１
と、スプレーガン本体２とは絶縁される端子金具
１２とからなるスイツチＳを設ける一方、電磁弁
Ｖ動作用の電線１４，１５の一方を前記スプレー
ガン本体２に、又他方を、前記端子金具１２に導
通する調節つまみ１３に、クリツプ状の接続端子
１６を用いて導通させている。

前記スプレーガン本体２には、胴部２１の前端
に頭部２２を又後端に把手２３を設けたピストル
状をなし、前記引金１０は胴部２１で枢支される
とともに胴部２１、頭部２２間の空所内に垂下
し、その操作によつて、前記針弁４の軸杆１１と
を後進できる。

針弁４は、頭部２２に螺合する塗料ノズル２６
の中心孔先端に形成される塗料吐出口６をその後
進とともに開き、前記中心孔と、頭部２２の内孔
２７と、該内孔２７からニツプル２９に通じる側
孔３０とからなる塗料流路３１を流過する塗料を
吐出する。なおニツプル２９には、塗剤を圧送す
る塗料圧送機等の塗剤供給具Ｅに導通させる。

又針弁４は、前記空所に突出するとともに、そ
の後端には、前記スプレーガン本体２後方に設け
る前記気室３を摺動する前記ピストン５が設けら
れる。

気室３は、スプレーガン本体２後方の前記把手
２３に設ける透孔３４に挿着する筒金具３５によ
り形成される。

前記透孔３４は、段差を介して前方に小径部を
有する段付き孔からなり、また筒金具３５は、基
筒４１とその後端に螺着するキヤツプ４２とを具
える。又基筒４１は、段付孔に螺合するネジ部４
３と前記段差にシールを介して当接するフランジ
４４との間に減径部４５を形成するとともにネジ
部４３後端に増径部４６を有する。又基筒４１に
は、前端からのびる案内孔４９に大径かつ後端が
開口する孔部５０を形成し、又孔部５０は、該孔
部５０後端の内ネジに前記キヤツプ４２を螺合す
ることによつて、前記気室３を形成する。なおキ
ヤツプ４２には、空気抜き孔を設けるとともに、
ロツクナイトにより固定される調節ネジ５２がそ
の中心に螺合する。

他方、前記針弁４は、その後端に設ける小径の
ネジ部によつて、前記案内孔４９に支持されるプ
ランジヤ５５と、ピストン金具５６とを同芯に螺
結している。

ピストン金具５６は、第２図に示すように、プ
ランジヤ５５後端の小径部に嵌合するシールリン
グを前端で押圧する膨出部５７に、前記案内孔４
９との間に空隙を保つ首部５９と前記気室３を摺
動するピストン５とを連設する。又ピストン５後
端のバネ受け６０と前記キヤツプ４２内面との間
にバネ６１を配し、前記針弁４を前に付勢し、前
記塗料吐出口６を封止する。

又前記基筒４１の減径部４５には、導通孔６２
が穿設され、該導通孔６２は気室３のピストン５
前方部に通じうる。

又前記導通孔６２は、スプレーガン本体２に設
ける空気流路１７に導通している。

空気流路１７は、前記把手２３下端のニツプル
６４から、把手２３前面で開口する盲孔６５、前
記透孔３４をへて、胴部２１を通る導孔６６に通
じる立上げ孔６７と、前記導孔６６先端から、塗
料ノズル２６の周囲を通り、空気吐出口１８に通
じる空孔６９とからなる。なお導孔６６には、バ
ツフルプレート７０、キヤツプナツト７１、空気
キヤツプ７２等により、該空気キヤツプ７２のパ
ターン孔７３に通じる分岐流路が設けられる。な
お前記バツフルプレート７０からのびる筒体７４
に近離し、パターン調節空気を調量する弁体７５
を有する、パターン空気調節用の調節つまみ７７
が取付けられる。

又把手２３下端には、前記立上げ孔６７と斜め
に交わり、盲孔６５に通じる斜孔７９が開穿さ
れ、前記盲孔６５には前記軸杆１１が、又斜孔７
９には、端子金具１２が取付けられる。

前記盲孔６５は、略中央の段差９１を介して後
方に小径部を形成する段付孔であり、又前端が開
放する大径部には、前記段差９１にシールを介し
て当接するフランジと、大径部前端で螺合するネ
ジ部との間を小径とした支持金具９４が螺入され
る。

前記軸杆１１は、後端をテーパ状の案内部とし
たピン体であり、支持金具９４の内孔９５に挿入
しかつ該支持金具９４後端の小径の案内孔で支持
され、後方に突出する。又軸杆１１は、前記内孔
９５前端で螺入するネジ金具で前方部を支持され
かつ該ネジ金具をこえてその前端は引金１０に向
かつて突出している。又軸杆１１は、前記ネジ金
具の背部において、該軸杆１１に設ける止め輪９
７と、支持金具９４後方の周壁との間にバネ９９
を設けることにより、前方に付勢される。

なお、軸杆１１、支持金具９４、ネジ金具はと
もに導電性の金属材を用いることによつて、該軸
杆１１はスプレーガン本体２に導電する。

前記端子金具１２は、本例では、案内筒１００
に取付けられ、又案内筒１００は、ステム１０２
を介して前記調節つまみ１３に固定される。又調
節つまみ１３は、前記斜孔７９下端に螺合するネ
ジ金具１０３に螺進退可能に螺入される。

端子金具１２は、第３図に示すごとく、細径の
基部１０５下端にフランジ１０６を設けたピン状
をなす。又前記案内筒１００は、ポリアミド、ポ
リアセタール等の合成樹脂を用いてなり、前記基
部１０５を挿通する通孔１０７に、前記フランジ
１０６を遊挿する比較的長い導孔１０９が設けら
れる。又案内筒１００はその外周溝に螺入する例
えばＯリングを用いたバネリング１１０を介し
て、前記斜孔７９上方の小径部に挿入されること
により該案内筒１００は振れ止めされる。又導孔
１０９下端には、前記ステム１０２が螺着すると
ともに、該ステム１０２と前記フランジ１０６と
の間にはバネ１１１を間挿し、端子金具１２を、
下降可能に上向きに付勢している。

又ステム１０２の下端は、前記調節つまみ１３
に固定し、又該ステム１０２には、止め輪１１２
を嵌着している。

又ステム１０２には、該ステム１０２が通る前
記ネジ金具１０３の小孔上面に設けられ、該ステ
ム１０２を軸封するＯリング１１３の上面と、前
記止め輪１１２との間において、バネ１１４が外
挿される。なお該バネ１１４は、前記Ｏリング１
１３を押圧し、ステム１０２とネジ金具１０３と
の間のシール効果を高めるとともに、ステム１０
２の長手方向の遊びをなくし、又調節つまみ１３
の遊動回転を防止している。

さらに、前記端子金具１２、バネ１１１、ステ
ム１０２、調節つまみ１３は金属などの導電性素
材を用いて形成する一方、案内筒１００、ネジ金
具１０３は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹
脂などの非導電性の素材を用いて形成することに
よつて、前記端子金具１２等は、スプレーガン本
体２から絶縁される。従つて、スプレーガン本体
２に導通する前記軸杆１１と、スプレーガン本体
２から絶縁された端子金具１２とは、引金１０の
牽引により、前記軸杆１１が後進することによつ
て接触し、その間を導通させる接点Ｓ１，Ｓ２を
有するスイツチＳを形成している。

又前記スプレーガン本体２と、調節つまみ１３
とは、スプレーガン本体への、塗料又は空気もし
くはその双方、即ち空気、塗剤の供給を入切りす
る電磁弁Ｖ動作用の電線１４，１５が接触され、
又本実施例では、前記電磁弁Ｖは、高圧空気を供
給する高圧空気源Ｐに接続される。

前記把手２３下端のニツプル６４には、継金具
１１６、ナツト金具１１７を介して、前記電磁弁
Ｖを介して高圧空気源Ｐに通じるホース１１９接
続用のホース継手１２０が連結され、前記電線１
４，１５は、該ホース１１９内部を通り、前記ホ
ース継手１２０から外部に取出される。

なお電線１４，１５は、外皮に覆われる１本の
電気コード１９内に包含される。なお芯線とその
周囲を囲むシーズ線とを有する電気コードを用い
て、前記芯線を一方の電線１４、シーズ線を他方
の電線１５として用いることもできる。

前記ホース継手１２０は、第４図に示すよう
に、六角部１２１の上端に上筒部１２２を設け、
かつ下端に継手部１２３を形成しており、又前記
上筒部１２２には、前記電気コード１９を比較的
密に挿入できかつ前記六角部１２１上面の凹溝１
２６に通じる切欠き溝１２５を設けている。従つ
て、電気コード１９は、切欠き溝１２５をへて凹
溝１２６に嵌入できる。又前記ナツト金具１１７
をネジ筒部１２２に螺入することにより、電気コ
ード１８は押圧されかつホース１１９から外部に
気密に取出される。なお六角部１２１上面とナツ
ト金具１１７との間にゴム、合成樹脂などの弾力
性を有する座板１２７を介在させる。

又電気コード１９は、前記のごとくホース１１
９を挿通したうえ、第５図に示すごとく、その下
端部から、同様に取出され、前記電磁弁Ｖに接続
される。

又一方の電線１４は、前記六角部１２１にビス
止め等により接続され、又その周囲を、絶縁リン
グ、絶縁テープ等を用いて被覆する。従つて該電
線１４は、ナツト金具１１７、継手１１６、ニツ
プル６４を介してスプレーガン本体２に導通す
る。

又他方の電線１５は、その端部に接続端子１６
を接合する。

接続端子１６は、第４図に示すように、例えば
バネ材を用いたクリツプ状をなし、前記電線１５
が接続されるＵ字の折曲げ部１２９の脚端に、前
記調節つまみ１３の首部を挟持する円弧に湾曲す
る把持部１３０，１３０を設けたクリツプ状をな
す。従つて接続端子１６は、把持部１３０を拡げ
て容易に調節つまみ１３に着脱でき、その取付け
によつて導通できる。従つて、ホース１１９の取
外しに際して、接続端子１６は簡易に抜き取りで
きる。又接続端子１６は、調節つまみ１３と相対
的に回動でき、該調節つまみ１３の調節を容易と
する。

なお接続端子１６として、クリツプ状のもので
あれば、把持部１３０，１３０をねじりバネを持
ちを用いて開閉可能としたもの、バネ片をＶ字に
折曲げるとともに、調節つまみに設ける孔内に着
脱自在にさし込み可能としたものなど、種々な態
様のものが使用できる。

然して、引金１０の操作によつて、軸杆１１を
後進させ、その接点Ｓ１が、接続金具１２上端の
接点Ｓ２と当接し導電することにより、スイツチ
Ｓを閉じる。

従つて、接点Ｓ１がスプレーガン本体２、継手
１１６、ナツト金具１１７、ホース継手１２０を
へて接続される電線１４と、前記端子金具１２、
バネ１１１、ステム１０２、調節つまみ１３を介
して接続される電線１５との間を短絡させ、電磁
弁Ｖを開く。従つて、空気源からの高圧空気は、
該電磁弁Ｖ、ホース１１９などをへて空気流路１
７に流入し、前記空気吐出口１８、分岐流路を通
るパターン孔７３から噴出する。

又空気流路１７は、基筒４１に設ける導通孔６
２から、気室３の、ピストン５前方部に高圧空気
を流入し、ピストン５を後方に加圧する。従つ
て、該ピストン５を前に付勢するバネ６１のバネ
力を低減する。

引金１０をさらに牽引することによつて、前記
プランジヤ５５を介して針弁４を後退させ、塗料
吐出口６を開く。従つて、塗剤供給具Ｅからの塗
剤は、塗料流路３１を通り塗料吐出口６から流出
し、空気によつて霧化噴出される。このように、
ピストン５は高圧空気によつて後方に加圧されて
いるため、引金１０によつて容易に牽引できる。
又バネ６１のバネ力を高めることができ、針弁４
による封止力を向上し、高圧塗剤の入切りを容易
とする。又針弁４の引き代の微調整も可能とな
り、塗付精度を高める。

又高圧空気は、軸杆１１と端子金具１２とがな
すスイツチＳにより作動する電磁弁Ｖにより入切
りできる。又軸杆１１を付勢するバネ９９は、そ
のバネ力を小に設定できる。従つて高圧空気を、
低いバネ力の軸杆１１の牽引により入切りでき、
引金１０の操作力を低減する。又バネ力の大なる
空気開閉弁を開く際の衝撃をなくすとともに、衝
撃に伴う過引きを防ぐ。従つて軸杆１１操作時の
針弁４をも、その過引によつて牽引することを防
止できる。その結果、高圧空気を吐出させること
が容易となり、操作性を高める。又操作力を低下
させることによつて、指の疲労を減じ、腱傷炎等
の障害を防止する。

又前記気室３は、空気開閉弁、本例では、前記
電磁弁Ｖの下流側に導通しているため、引金操作
時のみに前記ピストン５に空気圧を作用でき、引
金１０の非操作時には強いバネ力により塗料吐出
口６を閉じる。

さらに、電線１４，１５はホース１１９内を挿
通するため、ホース１１９の引きずりによる電線
１４，１５の損傷を防止する。又クリツプ状の接
続端子１６を用いて、電線１５を取付けるため、
その着脱が容易となり、ホース１１９の取付け、
取外しが便宜となり、又調節つまみ１３に取付け
た際にも、相対回動可能とすることによつて、つ
まみ調整を容易とする。

又電線１４，１５として、シーズ線を用いるこ
とによつて、外皮が損傷したときにも、シーズ線
をアース側に接続することによつて、漏電に伴う
危険を防ぐ。

なお本発明のスプレーガンにおいて、ピストン
５の面積を増大するなどにより、引金１０の操作
とともに、針弁４が開くようにも形成できる。又
第６図に示した従来の空気開閉弁Ａを有するガン
において、その空気流路の空気開閉弁下流側に気
室３を形成し、本発明のガンを形成させるなど、
種々変形しうる。

〔発明の効果〕

このように、本発明のスプレーガンは、スプレ
ーガン本体の後方に形成した気室に、塗料吐出口
を閉じる針弁に設けるピストンを摺動可能に収納
しかつ気室を空気流路に導通させるものであるた
め、前記ピストンに作用する空気圧により、針弁
に後方力を、空気流路に加圧空気が流れる間に、
即ち空気開閉弁の開閉とともに付与できる。従つ
て、バネにより針弁に強い前向力を付与している
際にも、引金の牽引力を軽減できる。従つて、通
常の塗料の他、高圧圧送が必要な高粘度の塗剤を
使用する際にも、針弁による封止を確実とすると
ともに、その引き力を低減でき、ガンの操作性を
向上する。又引金の牽引力を低下させることによ
つて、針弁の引き代を調節することが可能とな
り、塗装効率を高め、塗付品質を向上できる。

さらに本実施例のごとく、空気開閉弁をも軸杆
と端子金具とからなるスイツチによつて、開閉さ
せるときには、高圧空気の入切も容易となり、ガ
ンの取扱い性を著高できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２
図はピストンを例示する斜視図、第３図が、本発
明のスプレーガンにおいて使用しうるスイツチ形
成用の軸杆を略示す斜視図、第４図は、本発明の
スプレーガンにおいて、採用しうる電線配置を略
示する斜視図、第５図はその一使用状態を示す線
図、第６図は従来のスプレーガンを略示する断面
図である。 ２……スプレーガン本体、３……気室、４……
針弁、５……ピストン、６……塗料吐出口、１０
……引金、１７……空気流路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 引金を有するピストル状のスプレーガン本体
   に、該スプレーガン本体の先端に設けられた塗料
   吐出口に通じる塗料流路と、先端の空気吐出口に
   通じる空気流路とを設け、かつ前記スプレーガン
   本体の後方に気室を形成するとともに、バネによ
   り前向きに付勢され前記塗料吐出口を閉じるとと
   もに前記引金により押圧され前記塗料吐出口を開
   く針弁の後端に前記気室を摺動するピストン形成
   する一方、前記気室の前方部を、スプレーガン本
   体に設ける前記空気流路に導通してなるスプレー
   ガン。