JPH0356088B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の背景 発明の分野 本発明は圧力スイング吸着系におけるガスの精
製に関する。より詳細には、本発明は該系におけ
る生成物ガス回収の改良に関する。 先行技術の説明 圧力スイング吸着（PSA）プロセスは、少く
とも１種のガス成分を、該ガス成分と少くとも１
種の選択吸着可能な成分との原料ガス混合物から
分離精製する商業的に望ましい技法を提供する。
吸着剤床における吸着はより高い吸着圧で行わ
れ、その後で降圧してより低い脱着圧にして選択
吸着可能な成分を脱着させる。PSAプロセスは
多床系で用いられるのが普通であり、例えば少く
とも４つの床を有する系に関してワグナー
（Wagner）の米国特許3430418号に指されてお
り、かつ少くとも７つの吸着剤床の使用を開示す
るフデラー（Fuderer）等の米国特許3986849号
に示されている。広く知られかつこれらの特許に
記載されているように、PSAプロセスは循環基
準により次：各床において、各床の生成物端から
生成物流出流を放出するより高圧の吸着、床の生
成物端から空隙ガス（void space gas）を放出
する中間圧への並流降圧、より低い脱着圧への向
流降圧、パージ、再加圧を含む処理加工シーケン
スで行われるのが普通である。並流降圧工程の間
に放出される空隙ガスを均圧化に用いたり、該ガ
スを用いてより低い脱着圧の床へのパージガスと
するのが普通である。 多床系は、該系からの生成物流出流の実質的に
均一な流れに結び付いた一層大きな生産性という
固有の利点を有する。しかし、処理加工シーケン
スの１つの床から別の床への必要なサイクリング
は、該系からの生成物の回収をいく分制限する条
件を作り出すものと認められる。かかる影響は、
床の数及びPSA系の生産性要件を増大するにつ
れて一層顕著に成り、結果として各床から回収さ
れない、かつしいては向流降圧及びパージの際に
失われる生成物ガスの量を増大させることになり
得る。このような生成物ガスの損失は、PSAプ
ロセス及び系の特有の商業用途の全体の目的に照
らして見れば許容し得るものであるが、それでも
望ましいものではない。 生成物回収率を低下する傾向にあるかかる条件
の一つは、各床における再加圧を開始するに先立
つて該床をパージするのに利用できる時間数が限
られることである。パージ時間が比較照に短い場
合には、パージガスは、利用できるかかる限られ
た時間内に床を十分にパージするために、比較的
に高い圧力降下の下で床を通過させなければなら
ない。このような条件下で生成物純度の所望のレ
ベルを維持することができるが、比較的に高い圧
力降下は、より所望の生成物がかかる情況下でパ
ージ流出流と共に系から抜き出されることから、
生成物回収率に関して不利である。生成物の回収
に関するかかる制限が当分野において望ましくな
いことは当然である。 従つて、本発明の目的は、改良されたPSAプ
ロセス及び系を提供することである。 本発明の別の目的は、向上した生成物回収率を
有するPSAプロセス及び系を提供することであ
る。 本発明のそれ以上の目的は、各処理サイクルの
間にパージのために利用できる時間を増大させる
ことができるPSAプロセス及び系を提供するこ
とである。 これやあれやの目的を心に留めて、発明を本明
細書中以降で詳細に説明し、発明の新規な特徴を
特に特許請求の範囲に記載する。 発明の要約 本発明のPSAプロセス及び系は、並流降圧の
間に各床から放出されかつパージのために用いら
れる空隙ガスを一部はかかるパージのために別の
床に直接通し、かつ一部は外部サージドラムに通
すのに用いる。このようにしてサージドラムに通
すガスをその後で用いてパージガスをハージされ
るべき床に与える。いくつかの実施態様において
は、このようにして放出された空隙ガスの一部を
サージドラムの一端に通し、同時に追加の空隙ガ
スを該ドラムの他端から抜き出してパージガスを
パージされるべき床に与え、かつ該空隙ガスの残
りの部分を直接に均圧にするために用いる。それ
によつて並流降圧、パージ付与工程を短縮させる
ことができ、そのため各床において比較的に長い
パージ工程を採用することができ、各床から及び
全PSA系からの生成物の回収率の向上に寄与す
る。 発明の詳細な説明 本発明の目的は、各床における処理加工サイク
ルの間に比較的に短い並流降圧、パージ付与工程
時間及び比較的に長いパージ工程時間を実施する
ことによつて達成される。それにより、生成物回
収率は従来の周知PSA処理加工サイクルにおい
て行われるような比較的に短いパージ工程に伴う
比較的に高い圧力降下条件を回避することによつ
て高められる。 発明のPSAプロセス及び系は、上記したよう
に、系の各吸着剤床が、循環基準で、より高圧の
吸着と、空隙ガスを床の生成物端から放出する中
間圧レベルへの並流降圧と、脱着したガスを床の
原料端から放出するより低い脱着圧への向流降圧
と、パージと、該高い吸着圧への再加圧とを受け
るこのような従来のPSA技法に関する。上記の
特許に開示されているように、一つの床からそれ
の並流降圧の間に放出される空隙ガスの一部を、
通常、直接に或は外部貯蔵タンクに通して初めに
より低圧にある床に通して該床の間を、普通１つ
以上の均圧化工程で均圧にする。該空隙ガスの別
の部分を用いてパージ工程を受ける床にパージを
与える。このために、放出される空隙ガスを並流
降圧を受ける床からパージされる床に直接に通す
のが有利である。代りに、先行技術では該放出さ
れる空隙ガスを直接に別の床に送るのでなく、典
型的には直接の均圧化系と比較して経済的に不利
な外部貯蔵タンクに送り、該タンクからパージさ
れるべき床に送るシステムを採用してきた。 発明の実施において、パージのために用いられ
るべき放出空隙ガスの一部を上述の特許に記載さ
れているように、全PSA系の処理加工サイクル
中のその点でパージされるべき吸着剤床に直接導
入する。しかし、同時に放出空隙ガスの残りの部
分を外部のサージドラムに導入する。その後で、
該ガスをパージガスとして、サージドラムからパ
ージされるべき吸着剤床に通す。各床において並
流降圧、パージ付与工程をこのように実施するこ
とによつて各床における並流降圧、パージ付与工
程の時間をその床におけるパージ時間よりも大き
く短縮させるという極めて有利な処理加工サイク
ルを採用し得ることが見出される。各床で得られ
る比較的短いパージ付与時間／長いパージ時間が
各床及び全吸着系において生成物回収率を高め
る。 発明は吸着剤床を少くとも４つ有する多床
PSA系で、好ましくは吸着剤床を５〜10有する
系で有利に実施し得るが、また発明を一層多くの
床を有する系において用いることもできる。かか
る多床系では、原料ガスを処理加工サイクルの任
意の特定の段階にある１つよりも多い床に通すこ
とができることが理解されよう。このように、か
かる多床系の操作において原料ガスを任意の所定
時間に少くとも２つの床に通すことがよくある。
従来の実施及び発明の実施に関連して上に指した
ように、PSAプロセスでは、多床操作において、
高圧の一つの床から放出される並流降圧ガスを用
いて初めにより低い圧にある別の床を部分的に再
加圧する均圧化工程を１つ、２つ、３つ或はそれ
以上採用するのが望ましい。このように、本発明
を処理加工サイクル、例えば吸着剤床を５つ含ん
で吸着状態にある床がいつでも２つあり、かつ１
つの均圧化工程を有するサイクル、吸着剤床を６
つ含んで吸着状態にある床がいつでも２つあり、
かつ２つの均圧化工程を有するサイクル、吸着剤
床を８つ含んで吸着状態にある床がいつでも２つ
あり、かつ３つの均圧化工程を有するサイクル等
で用いることができる。当業者であれば、その他
の種々のPSAプロセス及び系を発明の所望の利
点を利用するように適合させ得ることがわかるで
あろう。 発明の実施を、発明の５床の実施態様に関して
下表によつて例示することができる。

【表】 表中、Ａは高い吸着圧にある吸着工程を表わ
し、Ｉは吸着工程を完了した床とより低い脱着圧
でパージされた床との間の並流降圧均圧化工程を
表わし、Ｅは床から放出される空隙ガスの一部を
パージ工程を受ける別の床に直接送り、同時に該
ガスの残りの部分を外部サージドラムに導入する
発明の並流降圧、パージ付与工程を表わし、Ｄは
向流降圧工程を表わし、Ｐはより低い脱着圧にあ
るパージ工程を表わし、Ｒは再加圧してより高い
吸着圧にすることを表わす。例示した実施例のプ
ロセスでは、５床の内の２つがサイクル中の任意
の所定時に重複するシーケンスで吸着工程にある
ことが分かるであろう。１つの均圧化工程を採用
するので、見出しにおいて全サイクルを（521）
圧と呼び、５は床の数を表わし、２は吸着中の床
の数を表わし、１は１つの均圧化工程を表わし、
Ｅは並流降圧、パージ付与ガスが直接に１つの床
から別の床にかつ同時に外部のサージドラムに通
る発明の新規の点を表わす。こうして、上で特に
言及した６及び８床系を、同様にそれぞれ（622）
Ｅ及び（823）Ｅサイクルと呼ぶ。 サイクル中に例示した処理加工サイクルにおい
て、床１の並流降圧、パージ付与工程は放出空隙
ガスを床１の生成物端から床５の生成物端に直接
通して工程Ｄの後にパージ工程にある該床５につ
いてパージガスを与えることを含む。同時に、床
１からの放出空隙ガスを外部サージドラムに導入
する。床１における向流降圧工程Ｄの間に空隙ガ
スをパージのために外部サージドラムから床５に
通す。床１における向流降圧工程Ｄの後に、空隙
ガスをパージのために外部サージドラムから床１
に戻して通す。例示の実施態様では、かかる外部
パージガスを床１のパージの初めの部分に用い、
その後床２からの並流降圧、パージ付与ガスを直
接用いて床１を更にパージし、その後、外部パー
ジドラムからの追加のパージガスを用いて床１の
パージを完結する。床１からの並流降圧、パージ
付与ガスをこのように床５の直接パージに用い、
床２からの該パージガスを床１の直接パージに用
い、床３からの該パージガスを床２の直接パージ
に用い、床４からの該パージガスを床３の直接パ
ージに用い、床５からの該パージガスを床４の直
接パージに用いる。発明を実施する各場合におい
て、また、各床からの並流降圧、パージ付与ガス
を同時に外部サージタンクに通した後に、該タン
クから該ガスを、パージガスを上記の別の床から
該床に直接通す前及び通した後に、パージされる
床に戻して通す。 発明の例示した（521）Ｅの実施態様では、所
定の許容される或は望ましい全サイクル時間の限
度内でパージガスを一つの床から別の床へ直接付
与することを含む従来のサイクルよりも、各床に
ついて小さい降圧により長いパージ時間の望まし
い使用が可能になる。他方、従来の実施において
は、各床についてかかる長いパージ時間を与える
ことは、通常、一層長い吸着時間と一層長い全処
理加工時間とを必要とし、系の生産能力を落と
す。 当業者であれば、パージを与える外部均等化の
特徴を用いることにより、本発明はある程度の吸
着或は各床からの不純物前端破過に関して用いる
ことができるのに対し、パージガスを一つの床か
ら直接に別の床に与えることのみを含む従来の実
施では、並流降圧、パージ付与工程を、通常、不
純物前端が床中に残留しながら停止させることが
理解されよう。この特徴どおり、一層小さな吸着
床を用いることが可能になるが、立ち代つて一層
大きなサージドラムを使用する必要がある。この
点では、放出空隙ガスを通す外部サージドラム
は、ガスが自由にかつ乱れて混合することができ
空のドラムにすることができるか、或は代りにエ
クスランデイドチユーブ、例えばｕ−チユーブ構
造或はその他の貯蔵単位であつて初めに容器に入
つていたガスと放出空隙ガスを該容器に通すため
に該容器に入るガスとの乱れた混合を避けるため
に該ガスを静かに通すことができるものから成る
ことができる。このいわゆるプラグ流れ方式で操
作して、ガスを後に使用して吸着剤床にパージを
与える際に、外部サージ容器又はドラムからの該
ガスを用いてパージング停止の有効性を高めるた
めに初めに最も純度の低いガスを床に導入した後
により純度の高いガスを導入する方法でガスを外
部容器から抜き出し得るようにガスの不純物ブロ
フアイルを保つことができる。 驚くべきことに、直接及び間接のパージ付与工
程の組合せを用いる本発明により上記のフデラー
（Fuderer）等の特許の極めて望ましいプロセス
及び系で得られるよりも費用及び性能の利点を達
成し得ることを見出した。こうして、上に言及し
た本発明の（823）Ｅ実施態様は、10床のフデラ
ー等の系で得られるものに本質的に等しい費用及
び性能特性を有する８床系を用いる。（521）Ｅの
実施態様と同様に、（622）Ｅの実施態様では並流
降圧、パージ付与工程の使用を包含してパージガ
スを外部サージドラムに与え、同時に該パージ付
与ガスを直接に床１から床６へ、床２から床１
へ、床３から床２等へ通す。特有の処理加工の変
更を発明の任意の実施態様に加入し得ることは理
解されよう。特に望ましい（622）Ｅの実施態様
は、例えば、各床の処理サイクルにおける第１及
び第２並流降圧、パージ付与工程の間の遅延期間
を含む。本発明の（622）Ｅ実施態様は望ましい
ことに従来の（622）系よりも費用が少くかつ回
収率の高いことが分つた。 本発明の実施において、発明の（832）Ｅ実施
態様は、本発明の特有のパージ付与の特徴を採用
するばかりでなく、８床、任意時に吸着中の３
床、２つの並流降圧−均圧化工程を用いて、対応
する（832）系よりも50％長いパージ時間を与え
ることができる。ここで、（832）プロセス及び系
は、各床において90秒の並流降圧、パージ付与時
間と同じく90秒のパージ時間とを用いて採用する
ことができる。プロセス及び系を発明の（832）
Ｅの実施態様に変更することにより、本質的に変
化しない全サイクル時間の範囲内で並流降圧付与
時間を45秒に低減し、パージ時間を135秒に伸ば
すことができる。匹敵し得る従来のサイクルより
も50％長いパージ時間を有するサイクルのこの例
は、発明の使用によつて得られる実用的かつ極め
て重要な利点を示す。本発明の（832）Ｅの実施
態様に必要な外部サージドラムは比較的に小さ
く、一つの吸着剤床の容積の30％にすぎない。
（832）Ｅの実施態様はバランスのよくとれた時間
配分を有する最も有効なPSAサイクルの内の一
つであり、外部サージドラム内の一層均一な圧力
プロフアイルを与える。 当業者であれば、PSAプロセス及び系の詳細
において特許請求の範囲に記載した発明の範囲か
ら逸脱することなくその他の種々の変更及び変更
態様を行うことができることが理解されよう。以
上、発明を特に５、６、８床系について説明して
きたが、７床或は８床系よりも多いその他の系を
採用し得るが、種々のPSA処理加工の特徴を本
明細書中に開示しかつ特許請求の範囲に記載した
特有のパージ付与の発明を加入させる任意の特有
のサイクル或は系と混和し得ることが理解されよ
う。上に挙げた種々の実施態様のように、外部ド
ラムに通した空隙ガスをそれが放出された同じド
ラムに戻して通すことができるが、外部ドラム或
は容器から放出された空隙ガスを該空隙ガスが放
出された床と異る床に通すことは本発明の範囲内
にあることは理解されよう。また、外部ドラムか
らの空隙ガスを通して一つの床へパージガスを与
え、一方、別の床からの空隙ガスを同時に外部ド
ラムに通し続けることも本発明の範囲内である。 本発明から利点を得る目的に対して必須ではな
いが、発明の（823）Ｅの実施態様に関して例示
した例で記述したように、各床についての並流降
圧、パージ付与時間を該床についてのパージ時間
の約半分よりも少くすることが通常好ましい。発
明を一般に適用する場合、PSA系が適当なシー
ケンスで一つの処理工程から次の工程への吸着剤
床の必要なスイツチングを行うための種々の導
管、バルブ、その他の制御特徴を必ず組み入れる
ことは容易に理解されよう。本発明は上に挙げた
特許に関連して示されるように当分野で周知の従
来の導管及び制御の特徴を採用する。本発明のた
めに、外部サージドラムを、並流降圧、パージ付
与工程の間に放出される空隙ガスの一部を該外部
サージドラムに送り、同時に該放出空隙ガスの残
りの部分を従来の導管手段に通してパージされる
べき床に直接導入する手段、すなわち導管及び従
来の適切な制御と共に用いることは理解されよ
う。同様に外部ドラムからパージガスを通させ、
所望の場合には、同時に空隙ガスをドラムに通し
続けるため、かつ本発明の範囲内に入る特有の実
施態様のその他の所望の態様を行うために、空隙
ガスを該ドラムからパージされるべき床に通す手
段、原料ガスを処置サイクルの全段階にある２つ
以上の吸着剤床に通す手段を与える。 本明細書中に開示かつ特許請求の範囲に記載す
る圧力スイング吸着プロセス及び系を有利に用い
て原料ガス混合物中の少くとも１つの成分を選択
吸着させ、それによつて所望の生成物流出流ガス
を分離精製することができる。例えば、水素の他
に選択吸着性成分として二酸化炭素を、通常望ま
しくない不純物として除去されるべき１種以上の
追加の少量成分、例えば窒素、アルゴン、一酸化
炭素、軽質飽和及び不飽和炭化水素、芳香族、軽
質イオウ化合物等と共に含有する原料ガス混合物
の主成分として存在する水素を分離精製する際に
本発明を有利に用いることができる。当業者であ
れば、また、原料ガス混合物中の少くとも１つの
成分を本明細書中で説明した型の吸着系において
選択吸着させるその他の所望の分離にも本発明を
有利に採用し得ることが理解されよう。空気から
の酸素の分離精製、メタンと二酸化炭素、アンモ
ニア、硫化水素等との混合物或はその他の一層重
質の炭化水素ガスからのメタン精製は本発明のそ
の他の応用の例である。原料ガス混合物の１成分
の別の成分にまさる選択性、例えば不純物の所望
の生成物にまさる選択性を有する任意の適当な吸
着剤物質を用いて、一般的にはPSAプロセスを、
特に本発明を実施し得ることに注目すべきであ
る。適当な吸着剤はゼオライトモレキユラーシー
ブ、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ等を包含
する。水素と二酸化炭素、窒素等との混合物に含
まれる水素の分離精製には、通常、ゼオライトモ
レキユラーシーブ吸着剤が望ましい。該ゼオライ
トモレキユラーシーブを包含する適当な吸着剤に
関するそれ以上の情報は、キヨナガの米国特許
3176444号及びその他の種々の特許、例えば上に
挙げた特許に載つている。 上に示したように、本明細書中に開示しかつ特
許請求の範囲に記載した如き発明の範囲から逸脱
することなく本発明が指向するPSAプロセス及
び系において種々の変更及び変更態様を行うこと
ができる。こうして、均圧化工程を、すなわち外
部均等化容器に通して直接か或は間接のどちらか
で実施する方法、かかる均等化の数、より高い吸
着圧へ、すなわち原料ガスにより或は系からの生
成物流出流の一部により再加圧する方法は発明に
とつて、或はそこから利点を得ることにとつて臨
界的なものではない。この点で、また、本明細書
中、パージ工程はより低い脱着圧において行われ
ると説明してきたが、当業者であれば、パージ工
程は向流降圧してより低い脱着圧にした後に行わ
れるのがより一般的ではあるが、かかる低い脱着
圧よりも高い圧力でも行い得ることが理解されよ
う。 本発明の実施によつて達成される比較的短いパ
ージ付与時間／長いパージ時間は多床プロセス及
び系における生成物回収率及び全体効率を高め
る。生成物の回収率が高められる理由はいくつか
ある；すなわち、(1)パージ付与時間が一層短くな
り、パージ時間が一層長くなることがパージ工程
の間の降圧を一層小さくし、それによつて上で検
討したように回収率を増大させる、(2)各床からの
ある程度の不純物の破過が外部サージドラムにお
ける混合によつて許容されるので、床の大きさを
一層小さくさせることができ、これが一層高い回
収率となる、(3)パージ付与時間を一層短くするこ
とがその工程の間のガス速度を増大させ、これが
立ち代つて気相から固相への物質拡散速度を増大
させ、物質移動前端を一層鋭くし、よつて一層高
い回収率になる。加えて、また、外部サージドラ
ムは所定のサイクル時間内で追加の、すなわち間
接の均圧化を考慮することができ、これは所定の
費用で一層高い回収率に、或は所定の回収率で一
層安い費用になり得る。系を一層短い吸着時間で
操作することができ、これが吸着床の大きさを低
減することになるので、本発明の実施において全
体の系の費用を低減させる。また、本発明の有利
な実施においては、従来の実施におけるようにパ
ージ付与工程をパージ工程にもはや結合させな
い。このように、１つの床におけるパージ付与工
程を全体の処理サイクル中同じ時間間隔でパージ
されている床に並べる（ラインアツプ）必要はな
い。これはPSA系の制御及び運転に所望の柔軟
性を導入する。また、発明の全体の柔軟性の一部
として、パージ付与工程の間に床から放出される
ガスを系内の１つよりも多いその他の床に通し、
一方、同時に１つ以上の外部サージドラムに通し
得ることに注目すべきである。同様に、外部サー
ジドラムから抜き出されるガスをパージされる１
つ以上の床に通し、かつかかる特徴の組合せを用
いて空隙ガスを直接及び間接に任意の所定時間に
１つ以上の吸着剤床に通すことができる。数の一
層少い吸着剤床によつ該プロセス及び系の費用及
び性能特性をフデラー等の特許のプロセスの極め
て望ましい実施において前に得られる費用及び性
能と比較して有利にさせることによつて、発明は
極めて望ましい処理加工の柔軟性を与え、工業ガ
スの分離精製運転の発生要件を満足させる際の
PSA技術の発展に大きく寄与する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少くとも４つの吸着剤床を有し、該床の各々
   は、循環基準で、より高圧の吸着と、空隙ガスを
   床から放出する中間圧への並流降圧と、より低い
   脱着圧への向流降圧と、パージと、該高圧への再
   加圧とを受け、及び１つの床から放出される空隙
   ガスの一部を初めにより低圧の床に通してそれら
   の間を均圧にし及び該ガスの別の部分を用いて該
   パージ工程を受ける床をパージするガスを与える
   吸着系における原料ガス混合物の少くとも１種の
   成分を選択吸着する圧力スイング吸着方法におい
   て、 (a) パージを与えるのに用いられる放出空隙ガス
   の一部をパージされる床に直接導入し、 (b) 同時に、パージを与えるのに用いられる放出
   空隙ガスの残りの部分を外部サージドラムに導
   入し、 (c) 該外部ドラムからの空隙ガスをパージされる
   床に通す ことを特徴とする前記方法。 ２ 系から抜き出される生成物ガスが水素を含み
   及び前記選択吸着される成分が二酸化炭素を含む
   特許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ 原料ガス混合物を、循環基準で、５〜10の吸
   着剤床に通す特許請求の範囲第１項記載の方法。 ４ 床をより低い脱着圧でパージするために、前
   記外部ドラムから通された空隙ガスを、該ガスが
   放出された同一の床に通す特許請求の範囲第１項
   記載の方法。 ５ 前記外部ドラムから放出する空隙ガスを、該
   空隙ガスを放出した床と異る床に通す特許請求の
   範囲第１項記載の方法。 ６ 空隙ガスを前記外部ドラムから通して１つの
   床へ、パージガスを与え、同時に別の床からの空
   隙ガスを該外部ドラムに通している特許請求の範
   囲第１項記載の方法。 ７ 各床についての並流降圧、パージ付与時間
   が、該床についてのパージ時間の約半分よりも短
   い特許請求の範囲第４項記載の方法。 ８ 原料ガス混合物を、循環基準で、５〜10の吸
   着剤床に通す特許請求の範囲第７項記載の方法。 ９ 系から抜き出される生成物ガスが水素を含み
   及び前記選択吸着される成分が二酸化炭素を含む
   特許請求の範囲第８項記載の方法。 １０ 原料ガスを処理サイクルの全段階における
   少くとも２つの吸着剤床に通す特許請求の範囲第
   １項記載の方法。 １１ パージガスを与えるのに用いられる放出空
   隙ガスの一部を直接パージのために直接に１つよ
   りも多い床に通す特許請求の範囲第１項記載の方
   法。 １２ 間接パージのために前記外部サージドラム
   から通る空隙ガスを１つよりも多い吸着剤床に通
   す特許請求の範囲第１又は１１項記載の方法。