JPH0354174B2 - - Google Patents

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JPH0354174B2
JPH0354174B2 JP2793885A JP2793885A JPH0354174B2 JP H0354174 B2 JPH0354174 B2 JP H0354174B2 JP 2793885 A JP2793885 A JP 2793885A JP 2793885 A JP2793885 A JP 2793885A JP H0354174 B2 JPH0354174 B2 JP H0354174B2
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alloy
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powder
wear resistance
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JP2793885A
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた耐食性と耐摩耗性を有す
るFe基焼結合金に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、例えば自動車クーラー用コンプレツサー
ノズルや工業用カメラのマウント部品などの複雑
な形状を有し、かつすぐれた耐食性と耐摩耗性が
要求される部品の製造には、被削性のあまり良好
でないステンレス鋼溶製材からの削り出し製造よ
りコスト面で有利な各種の焼結ステンレス鋼が用
いられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、これらの従来焼結ステンレス鋼は、比
較的すぐれた耐食性をもつものの、一般の焼結部
品がそうであるように、溶製材に比して密度が低
いことに原因して、ビツカース硬さで200以上の
高硬度を得ることは困難であり、耐食性に合せて
耐摩耗性が要求されるこれらの用途においては、
比較的短時間で使用寿命に至るものであつた。 一方、上記従来焼結ステンレス鋼の硬さを高め
るために、その炭素含有量を多くする試みもなさ
れたが、この場合には耐食性の劣化を招き、上記
の要求を十分満足する特性を具備させることがで
きないものである。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、耐食性および耐摩耗性を具備した材料を開発
すべく研究を行なつた結果、重量%で(以下%は
重量%を示す)、 Cr:16〜26%、 Ni:8〜16%、 Mn:1〜5%、 P:0.05〜1.2%、 B:0.02〜1.2%、 C:0.05〜0.5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成を有するFe基焼結合金は、密度が高く、かつ
硬さも高く、時効処理を行なえばさらに高硬度と
なり、したがつてすぐれた耐摩耗性を有し、さら
にすぐれた耐食性も兼ね備えるという知見を得た
のである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に成分組成を上記の通りに限定
した理由を説明する。 (a) Cr Cr成分には素地に固溶して合金の耐食性を
高めると共に、MnおよびPなどの成分と結合
して硬質析出物を形成し、もつて合金の硬さを
高める作用があるが、その含有量が16%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方26%
を越えて含有させると合金の靭性が低下するよ
うになることから、その含有量を16〜26%と定
めた。 (b) Ni Ni成分には、素地に固溶して、素地のオー
ステナイト相を安定化させ、かつ溶体化処理時
に溶質成分を固溶しやすくし、もつて時効硬化
能を向上せしめるほか、耐食性を向上させる作
用があるが、その含有量が8%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方16%を越えて
含有させても前記作用により一層の向上効果が
得られないばかりでなく、むしろ切削加工など
の加工性が劣化するようになることから、その
含有量を8〜16%と定めた。 (c) Mn Mn成分には、Niとの共存においてオーステ
ナイトの安定化、時効硬化能の向上、並びに耐
食性の向上をはかる作用があるほか、加工歪に
よる加工硬化を促進して耐摩耗性を向上せしめ
る作用があるが、その含有量が1%未満では前
記作用に所望の向上効果が得られず、一方5%
を越えて含有させると、Mn成分は酸化し易い
成分であるため、焼結時に酸化され、合金中の
酸素含有量が増加し、靭性が低下するようにな
ることから、その含有量を1〜5%と定めた。 (d) PおよびB これらの成分は、ともにFeと共晶を形成し、
かつ共存した状態でのみ、相剰効果によつて合
金を緻密化し、これを高密度化するほか、時効
処理時にCrおよびFeなどと硬質析出物を形成
して、合金を高硬度化し、もつて耐摩耗性を向
上せしめる作用をもつが、その含有量が、それ
ぞれP:0.05%未満およびB:0.02%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方それぞ
れ1.2%を越えて含有させると硬質析出物の量
が多くなりすぎて靭性が低下するようになるこ
とから、その含有量を、P:0.05〜1.2%、
B:0.02〜1.2%とそれぞれ定めた。 (e) C C成分には、酸化し易い合金成分であるMn
による酸化を抑制するほか、炭化物を形成して
合金を高硬度化し、耐摩耗性を向上させる作用
があるが、その含有量が0.05%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方0.5%を越え
て含有させると、特にCr炭化物の形成量が増
し、これとは逆に素地に固溶するCr量が減少
して合金の耐食性が低下するようになることか
ら、その含有量を0.05〜0.5%と定めた。 なお、この発明の合金は、原料粉末として、各
成分の要素粉末を用いても、あるいは酸化し易い
Cr、Mn、およびPなどの成分を、例えばFeと合
金化した合金粉末を用いても、さらに所定の最終
成分組成を有する合金粉末を用いてもよく、これ
らの原料粉末を所定の配合組成に配合し、通常の
条件で混合した後、圧粉体にプレス成形し、つい
で酸化防止のため低露点の還元性雰囲気中あるい
は真空中で焼結し、必要に応じて焼結後、非酸化
性雰囲気中、約1050〜1150℃の温度に加熱後焼入
れの溶体化処理を行ない、さらに引続いて所定の
硬さとするために約550〜750℃の温度で時効処理
を施すことによつて製造することができる。 〔実施例〕 つぎに、この発明のFe基焼結合金を実施例に
より具体的に説明する。 原料粉末として、−100メツシユの還元Fe粉末、
−100メツシユのFe−18%Cr−10%Ni−3%Mn
−0.1%Cからなる組成をもつたFe合金アトマイ
ズ粉末、−200メツシユのカーボニルNi粉末、−
100メツシユのFe−27%Cr−0.3%Cからなる組
成をもつたFe合金アトマイズ粉末、−100メツシ
ユのFe−Mn合金(Mn:75%含有)アトマイズ
粉末、−100メツシユのFe−P合金(P:23%含
有)アトマイズ粉末、−100メツシユのFe−B合
金(B:20%含有)アトマイズ粉末、−100メツシ
ユの粉砕Cr粉末、および−200メツシユの黒鉛粉
末を用意し、これら原料粉末を所定の配合組成に
配合し、これに潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を
配合粉末に対して1%の割合で添加して混合し、
この混合粉末より5.5ton/cm2の圧力で圧粉体にプ
レス成形し、ついでこの圧粉体を、1気圧の分解
アンモニアガス雰囲気中で温度:550℃に加熱し
て前記潤滑剤を除去した後、0.05〜0.15torrの真
空中、温度:1140〜1250℃の範囲内の所定温度
に、1〜2時間の範囲内の所定時間保持して焼結
し、引続いて焼結後の冷却時に温度:1130℃に30
分保持してから冷却の溶体化処理を施し、さらに
1気圧の窒素雰囲気中、570〜710℃の範囲内の所
定温度に1.5〜5時間の範囲内の所定時間保持の
条件で時効処理を施すことによつて、それぞれ第
1表に示される成分組成をもつた本発明Fe基焼
結合金1〜10と従来焼結ステンレス鋼1、2をそ
れぞれ製造した。 ついで、この結果得られた本発明Fe基焼結合
金1〜10および従来焼結ステンレス鋼1、2につ
いて、相対密度、ビツカース硬さ(荷重:5Kg)、
引張り強さ、および伸びを測定し、さらに塩水噴
霧試験を行ない、24時間後の発錆状況を観察し
た。これらの結果を第1表に示した。 〔発明の効果〕 第1表に示される結果から明らかなように、本
発明Fe基焼結合金1〜10は、いずれもすぐれた
耐食性を有し、かつ高密度、高硬度、および高強
度を有するので、耐摩耗性のすぐれたものである
のに対して、従来焼結ステンレス鋼1は耐食性に
すぐれているものの耐摩耗性に劣るものであり、
また耐摩耗性を高めるためにC含有量を増やした
従来焼結ステンレス鋼2は、良好な耐摩耗性をも
つものの耐食性の低いものであつた。 上述のように、この発明のFe基焼結合金は、
【表】 すぐれた耐食性と耐摩耗性を具備しているの
で、これらの特性が要求される分野での使用は勿
論のこと、非磁性でもあるので、磁性がないこと
が要求される分野での使用においてもすぐれた性
能を長期に亘つて安定的に発揮するのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Cr:16〜26%、 Ni:8〜16%、 Mn:1〜5%、 P:0.05〜1.2%、 B:0.02〜1.2%、 C:0.05〜0.5%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
    成(以上重量%)を有することを特徴とする耐食
    性および耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金。
JP2793885A 1985-02-15 1985-02-15 耐食性および耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金 Granted JPS61186454A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2793885A JPS61186454A (ja) 1985-02-15 1985-02-15 耐食性および耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金

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JP2793885A JPS61186454A (ja) 1985-02-15 1985-02-15 耐食性および耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金

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JPS61186454A JPS61186454A (ja) 1986-08-20
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JP2793885A Granted JPS61186454A (ja) 1985-02-15 1985-02-15 耐食性および耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金

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GB0407539D0 (en) * 2004-04-02 2004-05-05 Atomising Systems Ltd Making sintered iron based alloy parts by using boron-containing master alloys

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JPS61186454A (ja) 1986-08-20

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