JPH0353223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は現像装置に関し、さらに詳しくは直接
ポジ型のハロゲン化銀写真感光材料をその現像処
理液内で反転のためのカブリ露光を行ないながら
現像処理する現像装置に関するものである。

［考案の背景］ 直接ポジ型である内部潜像型ハロゲン化銀写真
感光材料をカブリ処理を施しながら現像処理する
ことにより、直接ポジ像が得られることはよく知
られている。このカブリ処理を施す手段としては
薬剤を用いてカブらせる化学カブリ法と光でカブ
らせる光カブリ法が代表的であるが、このうち光
カブリ法は通常の現像条件で処理できるため、実
用的には便利である。

光でカブらせる方法としては、通常は画像露光
済みの感光材料を現像処理液に浸漬させながら、
感光材料の全面を露光する方法が行なわれてい
る。

ここで光源の光質（強度、スペクトル分布等）
や露光量はポジ画像の画質に大きな影響を及ぼす
ため、カブリ露光は適宜制御された条件下で行な
われなければならない。

ところで現像液は感光材料を処理していくに従
つて、次第に着色（又は変色）してくることはよ
く知られている。これは現像液の組成物が空気酸
化などによつて分解、反応し、その生成物が現像
液中に次第に蓄積されていく為である。実際の使
用に於いてこのような着色が或る程度起きること
は避けられない。

このような着色した現像液で感光材料を液中に
浸漬しながらカブリ露光すると、液中を透過する
照射光の一部が吸収される為、感光材料の感光面
の受光量は減少し、又特定波長域の吸収により光
質自体も変わるのでその結果光カブリが弱められ
ポジ画像に影響を及ぼすということになる。そこ
で一定のカブリ光が、常に照射されるように保持
する為には液の着色の程度に応じて光源自体を調
整することが必要になる訳であるが、着色の状況
に応じてその都度これを行うことはたいへん困難
なことである。

実開昭59−87051号公報には現像液の着色の影
響を小さくするために、透明な端面を有する露光
筒を設けてカブリ露光を行うことが提案されてい
る。しかし、カブリ光が通過する透明な端面は着
色した現像液中に浮遊する分解反応物が付着して
汚れ易く、しかも該露光筒は現像処理槽の側面に
光源部と一体になつて取り付けられているので、
該露光筒を取り外してその透明な端面の付着汚れ
を清掃するにはその都度、槽内の液抜きが必要で
大変煩雑である。またこのような露光筒を処理槽
の側壁に取り付けることは処理槽の形状が複雑に
なりコンパクト化という点からも好ましくない。

［考案の目的］ 本考案は上記従来の問題点に鑑み、簡単な構成
で、しかも現像液の着色、変色に影響されること
なく長期に亘つて安定したカブリ露光を施すこと
ができる現像装置を提供することを目的とする。

［考案の構成］ 本考案の上記目的は、少なくとも一対の搬送ロ
ーラーを有し、ハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理を行なうための現像装置において、少なくと
も前記ハロゲン化銀写真感光材料の感光面に接す
る側の少なくとも１つの前記搬送ローラーの円周
面は光透過性部材で形成され、該光透過性部材で
形成された搬送ローラーの内部に発光源を有して
いる現像装置を提供することによつて達成され
る。

［実施例］ 以下添付図面を参照しながら本考案の実施例に
ついて詳述する。

添付図面は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。

１は現像処理槽のケーシングであり、現像処理
槽には現像液２が収容されている。

３ａ，３ｂ，４ａおよび４ｂは搬送ローラーで
あり、直接ポジ型の内部線像型ハロゲン化銀写真
感光材料（以下感材と称する。）５の感光面に接
する側の搬送ローラー３ａおよび４ａの円周面は
光透過性部材で形成されている。光透過性部材と
しては例えば、光透過性の合成樹脂等が好ましく
用いられる。さらに搬送ローラー３ａおよび４ａ
の内部には、それぞれ発光源６および７を有して
おり、また搬送ローラー３ａおよび４ａの円周面
にそれぞれ摺擦するブレード部材８および９が設
けられている。

かかる構成において、画像露光が終了した感材
５は現像液２中を搬送ローラー３ａ，３ｂおよび
４ａ，４ｂによつて搬送され、この間に発光源６
および７の点灯により感材５の感光面にカブリ露
光が施される。本実施例の構成によれば、発光源
６および７から感光面へ到る距離が非常に短く、
しかもその光路中に、現像液２が介在しないの
で、現像液２の汚れによる透過光量の減少という
不都合は防止できる。また装置としてもコンパク
ト化できる。

搬送ローラー３ａおよび４ａの円周面に次第に
汚れが付着することが考えられるが、ブレード部
材８および９によつてこれを掻き取ることができ
る。ブレードの代わりにブラシ等を用いてもよ
く、またブレード等がローラーの円周面に常に接
触している必要はなく、接離可能な構成としても
よい。

また発光源６および７から発せられる不必要な
箇所への漏光を防止するために、必要に応じて搬
送ローラー３ａおよび４ａの内部あるいは外部に
遮光部材を設けることもできる。

また内部に発光源を有していない搬送ローラー
３ｂおよび４ｂは光透過性部材で形成されていて
もよいし、あるいは、そうでなくともよい。

また、本実施例では、光透過性部材で円周面が
形成され、かつ内部に発光源を有する搬送ローラ
ーが２本設けられているが、もちろんこのような
搬送ローラーが１本であつてもよいし、３本以上
有していてもよい。このような搬送ローラーを複
数本設ける構成は、特に段階的に照度を上げなが
らカブリ露光を行なう場合に有利である。例え
ば、本実施例で発光源７の光強度を発光源６より
も高くしておけば、段階的に照度を上げてカブリ
露光を行なうことができる。

［考案の効果］ 以上詳細に説明したように、本考案によれば、
簡単な構成でしかも現像液の着色、変色に影響さ
れることなく長期に亘つて安定したカブリ露光が
施されるので、良好な現像処理を行なうことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。 １……ケーシング、２……現像液、３ａ，３
ｂ，４ａ，４ｂ……搬送ローラー、５……感材、
６，７……発光源、８，９……ブレード部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも一対の搬送ローラーを有し、ハロゲ
   ン化銀写真感光材料の現像処理を行なうための現
   像装置において、少なくとも前記ハロゲン化銀写
   真感光材料の感光面に接する側の少なくとも１つ
   の前記搬送ローラーの円周面は光透過性部材で形
   成され、該光透過性部材で形成された搬送ローラ
   ーの内部に発光源を有していることを特徴とする
   現像装置。