JPH0352423Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、家具等の本体に横設して設けられる
棚板を支持するために用いられる支持装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、家具等の本体に横設して設けられる棚板
を支持する支持装置としては、例えば第７図に示
すように本体の縦枠等の固定部材ｂ内面の前後の
相対した位置の上下に孔部ｃが形成され、この孔
部ｃにその小径の嵌合部ｄが内装できる係止ピン
を複数、同一面にある孔部ｃにその大径の棚支持
部ｅを固定部材ｂ内面に突出させて取付け、棚板
ａを上方から棚支持部ｅに係止させて支持するも
のや、又は図示しないが棚板の側端を挾持させる
ために板材を断面コ字形に折曲させて水平方向の
三方を開放させた挾持部材の縦方向に向いた閉止
板に板状の取付片を下設し、この取付片に螺孔を
形成して固定部材内面の同一面にある前後の相対
した位置に複数螺着させ、棚板の両側端が挾持部
材内部に挾持されるように手前側から摺動させな
がら挿入して棚板を支持するものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、第７図に示すような係止ピンからなる
棚板の支持装置においては、下方から棚板を支持
するものであるから、棚板を少し上方に持ち上げ
るとこれが簡単に外れてしまうので、子供等が背
丈より高い位置にある棚板上の物を取る際等に下
方から棚板を押し上げてこれが外れて怪我をする
危険性がある。そのため、下方から押し上げても
棚板が外れないように、前記したような棚板の側
端を挾持させるために板材を断面コ字形に折曲さ
せて水平方向の三方を開放させた挾持部材の縦方
向に向いた閉止板に板状の取付片を下設し、この
取付片に螺孔を形成して固定部材内面の同一面に
ある前後の相対した位置に複数螺着させ、棚板の
両側端が挾持部材内部に挾持されるように手前側
から摺動させながら挿入して棚板を支持する支持
装置が考えだされたが、これは又、棚板の位置を
変更する際には、一旦棚板を支持装置から手前側
に摺動させて外し、支持装置の取付け位置を変更
した上で、再び棚板を手前側から摺動させて挾持
部材内部に挿入しなければならないので手間がか
かるという問題がある。

本考案はこうした問題点に鑑み棚板を下方から
押し上げても棚板が簡単に外れず、しかも棚板の
位置の変更が容易に行える棚板の支持装置を目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

こうした目的を達成するため、本考案では、家
具等の本体に横設して設けられる棚板の側端を挾
持させるために板材を断面コ字形に折曲させて互
いに平行な水平方向の一対の挾持板６，６とこれ
らの一つの側端間に縦設される閉止板１１を形成
するとともに、この閉止板１１に隣接した側並び
に対面した側を棚板の挿入開口１０とした挾持部
材５と、挾持部材５の下位の挾持板６の下面に間
隔をあけて一方は閉止板１１の直下に面一に、他
方はこれに平行にそれぞれ下設され、しかも相対
した位置に同じ大きさの円形状の開孔１２，１２
を開設した一対の板状の取付片９，８と、取付片
９，８の開孔１２，１２をその軸本体１４が摺動
自在に貫通し、その閉止板１１直下の取付片９に
対面した取付片８の外側に突出する軸本体１４一
端を屈曲させた操作部２１がこの軸本体１４他端
を閉止板１１直下の取付片９から外側に家具等の
本体内面側に開設された孔部に嵌合する嵌合部１
５として突出させてこの閉止板１１直下の取付片
９に対面した取付片８内面１７にこの軸本体１４
外周に突設させたこの取付片８の開孔１２に連通
させた切欠部１３を通過可能な大きさの突部１９
の操作部２１側の係止面１８が係止したときに前
記取付片８の外面に当接するか又はその外側に間
隔をあけて位置できる長さにその全体を形成した
操作ピン２３と、よりなる棚板の支持装置を構成
した。

〔作用〕

而して、こうした支持装置を棚板の両側端の前
後に挾持部材５をその挿入開口１０から一対の取
付片９，８が下方に向き、しかも閉止板１１が両
側方に向くようにして挾持させて取付け、閉止板
１１直下の取付片９に対面した取付片８から外側
に突出した操作ピン２３基端の操作部２１をそれ
ぞれ手指で持つて操作ピン２３の突部１９と一方
の取付片８の開孔１２に連通させて設けた切欠部
１３が同一線上に並ぶように回動させた後、それ
ぞれの操作部２１を引つ張つて突部１９を切欠部
１３を通過させて、それぞれの嵌合部１５先端面
を挾持部材５の閉止板１１とほぼ面一にさせ、そ
の状態で棚板を家具等の本体の縦枠等の固定部材
間に挿入して、この固定部材内面の前後の相対し
た位置に開口した支持装置の操作ピン２３先端の
嵌合部１５が挿入される孔部の内、同一面にある
孔部にそれぞれの支持装置の嵌合部１５を位置さ
せ、それぞれの操作ピン２３基端の操作部２１を
手指で持つて突部１９と前記取付片８の開孔１２
に連通させた切欠部１３が同一線上に並ぶように
回動させ、次いで操作ピン２３を孔部に向けて押
し込み、突部１９が切欠部１３を通過した後、操
作ピン２３を回動させて前記取付片８の内面１７
に突部１９の操作部２１側の係止面２２を係止さ
せて棚板を支持させる。

このとき、固定部材にまず支持装置を取付けて
おき、棚板を手前側から挾持部材５の挿入開口１
０に向けて摺動させながら取付けることも可能で
ある。

そして、棚板の位置を変更させるときには、そ
れぞれの操作ピン２３の操作部２１を手指で引つ
張つて、その先端の嵌合部１５を孔部から離脱さ
せ、その棚板に支持装置を取付けた状態のまま上
下の所望の位置に移動させて、そこの同一面にあ
る孔部に同じように嵌合部１５を挿入させて棚板
を支持させるのである。

〔実施例〕 本考案の棚板の支持装置の詳細を添付の図面に
基づき更に説明する。図中１として示すのが木
製、金属製、合成樹脂製等の家具等の本体となる
筐体状の固定部材であり、この固定部材１内面に
棚板２を複数、横設して設けるためにこの固定部
材１内面適所の前後の相対した位置の上下に複数
の断面円形状の孔部３を開設し、この孔部３に棚
板２の両側端の前後に取付けた支持装置４を係止
させて支持するものである。

この支持装置４の一例を第２図〜第４図に基づ
き説明する。図中５として示すのが金属製、合成
樹脂製等の板材を断面コ字形に折曲させて形成し
た挾持部材で、これは板材を折曲させることで水
平方向の互いに平行な一対の挾持板６，６とこれ
らの一つの側端間に縦設される閉止板１１が形成
されるとともに、閉止板１１に隣接した側並びに
対面した側に棚板２の挿入開口１０が形成されて
いる。

又、下位の挾持板６の下面にはこれとほぼ直交
させて相対した一対の板状の取付片９，８を下設
している。これは、間隔をあけて一方は閉止板１
１の直下に面一に、又他方はこれに平行になるよ
うに形成されたものである。又、この一対の取付
片９，８には相対した位置に同じ大きさの円形状
の開孔１２，１２が開設され、しかもそれらの開
孔１２，１２の内、閉止板１１直下の取付片９に
対面した取付片８の開孔１２にはその外周側方に
この開孔１２に連通させた切欠部１３が開設され
ている。そして、この一対の取付片９，８には、
取付片９，８の開孔１２，１２をその丸棒状の軸
本体１４が摺動自在に貫通し、その閉止板１１直
下の取付片９に対面した取付片８の外側に突出す
る軸本体１４一端を屈曲させた操作部２１がこの
軸本体１４他端を閉止板１１直下の取付片９から
外側に家具等の本体内面側に開設された孔部３に
嵌合する嵌合部１５として突出させてこの閉止板
１１直下の取付片９に対面した取付片８の内面１
７にこの軸本体１４外周の操作部２１の突出側に
突設させたこの取付片９の開孔１２に連通させた
切欠部１３を通過可能な大きさの突部１９の操作
部２１側の係止面２２が係止したときに前記取付
片８の外面に当接するか又はその外側に間隔をあ
けて位置できる長さにその全体が形成された操作
ピン２３を設けている。

尚、図中１６は操作ピン２３の軸本体１４外周
に設けた突部１９の係止面２２が前記取付片８の
内面１７に係止したときに、もう一方の閉止板１
１直下の取付片９の外側に突出する嵌合部１５基
端にその底部の外形状を楕円状にして設けた溝部
である。又、２０は操作ピン２３先端の嵌合部１
５先端面が閉止板１１直下の取付片９とほぼ面一
になつたときに、その操作部２１側の係止面２２
がもう一方の取付片８内面１７に係止する前記突
部１９と軸本体１４の外周位置を偏位させてその
軸本体１４外周に設けた突部で、これも又前記突
部１９と同様、前記取付片８の開孔１２に連通さ
せて設けた切欠部１３を通過可能な大きさになつ
ている。

而して、こうした支持装置４を棚板２の両側端
７，７の前後に挾持部材５をその挿入開口１０か
ら一対の取付片９，８が下方に向き、しかも閉止
板１１が両側方に向くようにして挾持させて取付
け、閉止板１１直下の取付片９に対面した取付片
８から外側に突出した操作ピン２３基端の操作部
２１をそれぞれ手指で持つて操作ピン２３の突部
１９と一方の取付片８の開孔１２に連通させて設
けた切欠部１３が同一線上に並ぶように回動させ
た後、それぞれの操作部２１を突部１９が切欠部
１３を通過してもう一方の突部２０の係止面２２
が前記取付片８の内面１７に係止されるまで引つ
張つて、それぞれの嵌合部１５先端面を挾持部材
５の閉止板１１とほぼ面一にさせ、その状態で棚
板２を家具等の本体の縦枠である固定部材１間に
挿入し、この固定部材１内面の前後の相対した位
置に開口した支持装置４の操作ピン２３先端の嵌
合部１５が挿入される孔部３の内、同一面にある
孔部３にそれぞれの支持装置４の嵌合部１５を位
置させ、それぞれの操作ピン２３基端の操作部２
１を手指で持つて突部１９と前記取付片８の開孔
１２に連通させた切欠部１３が同一線上に並ぶよ
うに回動させ、次いで操作ピン２３を孔部３に向
けて押し込み、突部１９が切欠部１３を通過した
後、操作ピン２３を回動させて前記取付片８の内
面１７に突部１９の操作部２１側の係止面１８を
係止させて棚板２を支持させる。そして、棚板２
を固定部材１に取付けた後には、操作ピン２３は
その操作部２１を下方に向けて保持されるが、そ
れによつて突部１９も下方に向き、側方に開放し
た切欠部１３とは位置が偏位して操作ピン２３を
引つ張つてもそれが一対の取付片９，８から抜け
出すことはないのである。

このとき、固定部材１にまず支持装置４を取付
けておき、棚板２を手前側から挾持部材５の挿入
開口１０に向けて摺動させながら取付けることも
可能である。

そして、棚板２の位置を変更させるときには、
それぞれの操作ピン２３の操作部２１を手指で引
つ張つて、その先端の嵌合部１５を孔部３から離
脱させ、その棚板２に支持装置４を取付けた状態
のまま上下の所望の位置に移動させて、そこの同
一面にある孔部３に同じように嵌合部１５を挿入
させて棚板２を支持させるのである。

又、第１図〜第４図に示した実施例では、筐体
状の固定部材１を一例としたが、例えば第５図に
示すような管体２４状になつた固定部材１の管壁
２５に孔部３を開設して、この孔部３に嵌合部１
５を挿入させて棚板２を支持させるようにするこ
とも可能である。このとき、嵌合部１５基端の底
部の外形状が楕円状になつた溝部１６を孔部３の
孔縁に嵌合させて嵌合部１５を孔部３に挿入させ
る。

又、操作ピン２３の軸本体１４に突設させる二
つの突部１９，２０の突設位置を第６図中一点鎖
線で示すように、例えば一方の突部１９がＡの範
囲で前記取付片８の開孔１２に連通させた切欠部
１３を通過可能とし、又他方の突部２０がＢの範
囲で切欠部１３を通過可能とすれば、一方の突部
１９と切欠部１３を同一線上に並ぶようにして操
作ピン２３を回動させ、その状態のまま引つ張つ
て嵌合部１５を固定部材１の孔部３から離脱させ
ても、棚板２を挾持部材５に挾持させている限
り、他方の突部２０は切欠部１３を通過させるこ
とができず、操作ピン２３が一対の取付片９，８
から抜け出ることがないので、棚板２の位置を変
更させる場合、操作ピン２３が抜けて棚板２が外
れる危険がないのである。

〔考案の効果〕

このような本考案の棚板の支持装置では、棚板
の側端を断面コ字形の挾持部材５で挾持させるの
で、特に子供等が背丈より高い棚板上の物を取る
とき等に誤つて棚板を下方から押し上げても、こ
れが外れることがないので怪我をする危険性がな
い。又、棚板の位置を変更させるときには、操作
ピン２３をその操作部２１を手指で持つて回動さ
せ、次いでこれを引つ張るだけで嵌合部１５が固
定部材の孔部から離脱し、所望の位置に棚板２を
この支持装置を取付けたまま移動させ、再び操作
ピン２３を回動させた後、これを押し込むことで
その先端の嵌合部１５がそこにある孔部に嵌まつ
て支持されるのである。更に、この支持装置は、
あらかじめ棚板の両側端に取付けて固定部材に取
付けるようにする他、固定部材にまず取付け、そ
の後棚板を取付けることもでき、対象物となる固
定部材の形状に応じて二通りの取付け方法の内、
一方法を選択することもでき、使用の汎用性が向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の棚板の支持装置を固定部材に
取付けた状態を示す説明図、第２図はこの支持装
置の分解状態斜視図、第３図イ，ロ，ハ，ニはそ
れぞれ支持装置の底面図、平面図、側面図、正面
図、第４図は支持装置を固定部材に取付けた状態
の縦断面図、第５図は支持装置を他の固定部材に
取付けた状態を示す縦断面図、第６図はこの支持
装置の他の実施例を示す正面図、第７図は従来例
を示す縦断面図である。 １：固定部材、２：棚板、３：孔部、４：支持
装置、５：挾持部材、６：挾持板、７：側端、
８，９：取付片、１０：挿入開口、１１：閉止
板、１２：開孔、１３：切欠部、１４：軸本体、
１５：嵌合部、１６：溝部、１７：内面、１８，
２２：係止面、１９，２０：突部、２１：操作
部、２３：操作ピン、２４：管体，２５：管壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 家具等の本体に横設して設けられる棚板の側端
   を挾持させるために板材を断面コ字形に折曲させ
   て互いに平行な水平方向の一対の挾持板６，６と
   これらの一つの側端間に縦設される閉止板１１を
   形成するとともに、この閉止板１１に隣接した側
   並びに対面した側を棚板の挿入開口１０とした挾
   持部材５と、 挾持部材５の下位の挾持板６の下面に間隔をあ
   けて一方は閉止板１１の直下に面一に、他方はこ
   れに平行にそれぞれ下設され、しかも相対した位
   置に同じ大きさの円形状の開孔１２，１２を開設
   した一対の板状の取付片９，８と、 取付片９，８の開孔１２，１２をその軸本体１
   ４が摺動自在に貫通し、その閉止板１１直下の取
   付片９に対面した取付片８の外側に突出する軸本
   体１４一端を屈曲させた操作部２１がこの軸本体
   １４他端を閉止板１１直下の取付片９から外側に
   家具等の本体内面側に開設された孔部に嵌合する
   嵌合部１５として突出させてこの閉止板１１直下
   の取付片９に対面した取付片８内面１７にこの軸
   本体１４外周に突設させたこの取付片８の開孔１
   ２に連通させた切欠部１３を通過可能な大きさの
   突部１９の操作部２１側の係止面１８が係止した
   ときに前記取付片８の外面に当接するか又はその
   外側に間隔をあけて位置できる長さにその全体を
   形成した操作ピン２３と、 よりなる棚板の支持装置。