JPH0351398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、レンコン掘取機の堀取作業部である
バケツト部の土落し装置に関するものである。

【従来の技術】

従来周知のバツクホーやパワーシヨベルのよう
なクローラ形式の走行装置を有する自走車体の前
部に、左右回動可能でかつ油圧シリンダにより前
後回動可能にブームの基部を装着し、このブーム
の先端部に油圧シリンダにより前後回動可能にア
ームの基部を取付け、該アームの先端に油圧シリ
ンダにより作動するバケツト部を設けたレンコン
掘取機が本願出願人によつて提案されている。こ
のようなバツクホーやパワーシヨベルのバケツト
は、土砂を強力な力で堀取り、移動させるもので
あり、土砂を収容したバケツトを開放するように
傾動することで土砂を落下させている。

【考案が解決しようとする課題】

ところが、レンコン栽培圃場のように湿田状の
粘土質の泥土の堀取り、放出においては、特に放
出する際に泥土がバケツトから離脱、放出し難
く、また、レンコンの芽を欠いてしまうと翌年以
降の種レンコンとしての価値がなくなり、商品価
値も低下するので、バツクホーやパワーシヨベル
のバケツトがそのまま利用できないという問題点
があつた。 本考案は、上記の問題点を解決することを目的
になされてものである。

【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために本考案は、クローラ
形式の走行装置を有する自走車体の前部に、左右
回動可能でかつ油圧シリンダにより前後回動可能
にブームの基部を装着し、このブームの先端部に
油圧シリンダにより前後回動可能にアームの基部
を取付け、該アームの先端部に油圧シリンダによ
り作動するバケツト部を設けたレンコン掘取機に
おいて、 前記バケツト部は、フオーク状に弯曲した多数
の堀取爪からなり、これら堀取爪間に入り込むス
クレーパを設け、このスクレーパを、常時は堀取
爪の基部側に位置するよう支持し、堀取爪の回動
により堀取爪間を通つて堀取爪の回動範囲より小
さくなるように抜け出す構成としたことを特徴と
する。

【作用】

上記の構成によつて、フオーク状に弯曲した多
数の堀取爪からなるバケツト部により、レンコン
の植生している上土をほぼ所定の厚さに堀取り、
除去し、レンコン自体、また芽を傷めることがな
く堀り取る。そして、バケツト部を回動して上土
を放出するとき、粘土質の泥土でも容易に落下、
放出させる。

【実施例】

以下、本考案の実施例を、図面を参照して説明
する。 第１図において、符号１で示す車体には、広幅
でハイラグを有するゴムクローラからなる走行装
置２が装備され、後部にエンジン部３を搭載し、
前部に作業部４が設けられている。エンジン部３
の前側には操縦席５が設けられ、操縦席５のさら
に前側に操作部６が配設されている。 作業部４は、取付基台７を車体１に対し水平方
向に回動自在に支持し、この取付基台７と車体１
間に設けた油圧シリンダ８により回動（約150度）
するようにしている。この取付基台７の前部には
ピン９を介してく字状に屈曲したブーム１０の基
端部が前後方向に回動可能に枢支され、ブーム１
０の屈曲部１０ａと取付基台７の後部間にはブー
ム回動用の油圧シリンダ１１が設けられている。
ブーム１０の先端部にはピン１２を介してアーム
１３の基端部が前後方向に回動可能に枢支され、
その基端部とブーム１０の屈曲部１０ａ間にはア
ーム回動用の油圧シリンダ１４が設けられてい
る。 また、アーム１３の先端部には、バケツト部１
５がピン１６を介して前後方向に回動可能に枢支
され、このバケツト部１５とアーム１３の基部間
には、バケツト部を回動するための油圧シリンダ
１７が設けられ、アーム１３の基部には、バケツ
ト１５に向け照射するライト１８が取り付けられ
ている。 前記バケツト部１５は、第２図および第３図に
示すように、その掘取部に、先端がやや広幅で円
弧状、フオーク状に弯曲した多数の掘取爪２７，
２７…をバケツト基部２８の先端部に所定の間隔
に取付けている。バケツト基部２８の基端部は前
記ピン１６を介してアーム１３の先端部に枢支さ
れると共に、中間部が前記油圧シリンダ１７のピ
ストンロツド１７ａの先端部にピン２９を介して
枢支されている。掘取爪２７のバケツト両側端の
ものには、半円状のバケツト側板３０，３０が取
付けられている。 また、各掘取爪２７，２７…間に入り込むよう
にしてスクレーパ３１，３１…が配設され、これ
らスクレーパ３１，３１…は、先端側が掘取爪２
７，２７…間を通り、基端側は連結杆３２に固着
され、この連結杆３２には支持アーム３３および
一対の枢支アーム３４，３４が取付けられ、枢支
アーム３４，３４の先端は、前記ピン１６に枢支
されている。枢支アーム３４，３４の一つにはス
トツプアーム３５の基端部が固着され、その先端
側はバケツト基部２８と交差するように延びてお
り、このストツプアーム３５と衝合するストツパ
３６がアーム１３の一側に突出しており、油圧シ
リンダ１７のピストンロツド１７ａを収縮させて
バケツト部５をピン１６を中心に回動させたと
き、ストツプアーム３５とストツパ３６が衝合
し、バケツト基部２８および掘取爪２７はさらに
回動するようになつている。ストツプアーム３５
の基部とバケツト基部２８から突出させた取付片
３７との間にはばね３８が張設され、スクレーパ
３１，３１…を、常時は掘取爪２７，２７…の基
部側に弾支している。 このような構成のレンコン掘取機においては、
機体をレンコン栽培圃場に乗り入れ、レンコンの
上土を堀取り、取除くべき場所にバケツト部１５
を位置させ、作業者は操縦席５に座つて操作部６
を操作し、ブーム１０の水平方向の回動、油圧シ
リンダ１１，１４，１７等によりブーム１０、ア
ーム１３、バケツト部１５を作動させてレンコン
の上土を掘取り、その上土を他の場所に一旦積上
げる。 この上土の堀取り作業は、機体を後退させなが
ら行うが、圃場の泥土は通常は柔かく、かつ深い
にもかかわらず、走行装置２は広幅でハイラグク
ローラのため、接地圧がきわめて低く、湿田での
走行安定性はきわめて良好である。しかし、泥土
がさらに柔く深い場合には、アウトリガー２６の
接地板２４を屈曲アーム２３，２３を回動して外
側に張出し、連結杆２５を介して支持筒２２，２
２を油圧シリンダによりブラケツト２１，２１を
中心に回動させて接地板２４を接地して機体を支
持することによつて機体が泥土中に沈下すること
なく掘取作業を行うことができる。 特に本考案においては、バケツト部１５の掘取
爪２７，２７…間にスクレーパ３１，３１…を入
り込むように配設し、このスクレーパ３１，３１
…を常時はばね３８により掘取爪２７，２７…の
基部側に弾支し、ストツプアーム３５、ストツパ
３６を具備しているので、泥土を堀取るときは、
バケツト部１５により泥土を所定深さまで掘取
り、バケツト部１５内に収容した泥土をブーム１
０の回動により移動させて、油圧シリンダ１７の
ピストンロツド１７ａを収縮させる。 すると、バケツト部１５がピン１６を中心に回
動し、ストツプアーム３５がストツパ３６と衝合
し、バケツト基部２８および掘取爪２７，２７…
はさらに回動し、掘取爪２７，２７…内の泥土
は、スクレーパ３１，３１…によつて押出される
ようにしてバケツト外に排出され、バケツト内に
泥土が残ることがない。掘取爪２７，２７…が元
の位置に戻ると、スクレーパ３１，３１…は、ば
ね３８により、掘取掘爪２７，２７…の基部側に
位置するようになる。 なお、前記スクレーパ３１，３１…は、上記の
構成に限らず、例えば油圧シリンダ等によつて、
掘取爪２７，２７…と反対方向に作動させてもよ
いものである。 上土を取除いた後の上部がほぼ露出したレンコ
ンは、人力により容易に掘出すことができ、商品
価値の高いレンコンを収穫できる。レンコンを収
穫した後の上土は、ブレード２０により埋戻さ
れ、均平される。 なお、ライト１８は、例えば小型モータ等で遠
隔操作による照射角度の調節を行うようにしても
よく、また、アウトリガー２６の接地板２４をフ
ロート状にして接地状態で機体を移動できるよう
にしてもよいものである。

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のレンコン掘取機
の土落し装置によれば、バケツト部をフオーク状
に弯曲した多数の掘取爪により形成し、これら掘
取爪間に入り込むスクレーパを設け、このスクレ
ーパを、常時は掘取爪の基部側に位置するよう支
持し、掘取爪の回動により掘取爪間を通つて掘取
爪の回動範囲より小さくなるように抜け出すよう
にしたから、バケツト部で掘取つた泥土を排出す
るとき、バケツト部の回動によりスクレーパで押
出されるようにしてバケツト部内に泥土が残るこ
となく排出される。そして、バケツト部の一回の
排出動作で、粘土質の泥土でも確実に排出するこ
とができ、バケツト部の掘取り、排出動作に無駄
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すレンコン掘取
機全体の斜視図、第２図はバケツト部の側面図、
第３図は同平面図である。 １……車体、２……走行装置、３……エンジン
部、４……作業部、５……操縦部、６……操作
部、７……取付基台、８，１１，１４，１７……
油圧シリンダ、１７ａ……ピストンロツド、９，
１２，１６，２９……ピン、１０……ブーム、１
０ａ……屈曲部、１３……アーム、１５……バケ
ツト部、１８……ライト、１９，３３……支持ア
ーム、２０……ブレード、２１……ブラケツト、
２２……支持筒、２３……屈曲アーム、２４……
接地板、２５，３２……連結杆、２６……アウト
リガー、２７……掘取爪、２８……バケツト基
部、３０……バケツト側板、３１……スクレー
パ、３４……枢支アーム、３５……ストツプアー
ム、３６……ストツパ、３７……取付片、３８…
…ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 クローラ形式の走行装置を有する自走車体の前
   部に、左右回動可能でかつ油圧シリンダにより前
   後回動可能にブームの基部を装着し、このブーム
   の先端部に油圧シリンダにより前後回動可能にア
   ームの基部を取付け、該アームの先端部に油圧シ
   リンダにより作動するバケツト部を設けたレンコ
   ン掘取機において、 前記バケツト部は、フオーク状に弯曲した多数
   の堀取爪からなり、これら堀取爪間に入り込むス
   クレーパを設け、このスクレーパを、常時は堀取
   爪の基部側に位置するよう支持し、堀取爪の回動
   により堀取爪間を通つて堀取爪の回動範囲より小
   さくなるよう抜け出す構成としたことを特徴とす
   るレンコン掘取機の土落し装置。