JPH0350799Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 この考案は、電気的に駆動される発熱体を備
え、その発熱体によつて、任意のお香を焚くこと
のできる電気香炉に関する。

(b) 従来の技術 香木等を燻焼して香煙を発生させる電気香炉に
おいては、内部中空の香炉本体の中央に香皿を配
置し、この香皿を加熱するセラミツクヒータ等の
発熱体を香皿の下面に配置した構成のものがあ
る。このような電気香炉では、香煙を香炉本体上
部で分散させるため、香炉本体の上面を覆うドー
ム状の飾り蓋を取付けるとともに、その飾り蓋の
上部に複数の空気流出孔を設け、さらに下部に空
気流入孔を設けるものが提案されている。またこ
のドーム状の飾り蓋には、香炉本体と同様に、青
磁等の陶器で製作され、最上部にこの電気香炉を
持ち運び自在にしたり、新しい香木を補給時に飾
り蓋を取り外したりするための把持部を設ける。

(c) 考案の解決しようとする問題点 しかしながら、上記ドーム状の飾り蓋内部はセ
ラミツク等の発熱体により加熱されると、ドーム
状の頂部が加熱され、飾り蓋の上部及び把手部の
表面温度が上昇し、素手で触ることが出来なくな
り、電気香炉の持ち運びや飾り蓋の取り外しが不
可能になるとともに、香煙がドーム状の頂部に停
留し、香煙の流れが広がりにくくなるという欠点
があつた。

この考案の目的は、上記欠点に鑑み、香煙がド
ーム状飾り蓋の頂部に停留することなくスムーズ
に空気流出孔から流出し、ドーム状飾り蓋に設け
られる把持部の表面温度上昇を防ぎ電気香炉使用
時や使用直後にも把持部を持つて、電気香炉の移
動や飾り蓋の取り外しが出来る電気香炉を提供す
ることにある。

(d) 問題点を解決するための手段 この考案の電気香炉は、香皿を載置する発熱体
を備えた香炉本体の上面を覆うとともに、空気流
出孔と空気流入孔とを上部と下部にそれぞれ設け
たドーム状飾り蓋を備え、 前記空気流出孔の上部位置に、前記ドーム状飾
り蓋内の頂部に密閉部が形成されるように偏平状
の熱隔壁を設けたことを特徴とする。

(e) 作用 この考案に係る電気香炉では、発熱体で燻焼し
た香木の香煙は熱隔壁まで上昇しこの熱隔壁に沿
つて、空気流出孔に流出する。そのため、ドーム
状飾り蓋内部に停留することがなくなる。また、
この熱隔壁により形成される密閉部によつて、ド
ーム状の頭部がドーム状飾り蓋内部の温度から遮
断される。これによつて、ドーム状飾り蓋頭部の
温度上昇を防ぐことができる。

(f) 実施例 第１図は、この考案の実施例である電気香炉を
一部断面で示した正面図である。

電気香炉は香炉本体１とドーム状飾り蓋２とを
備え、中空の内部中央に香皿３、発熱体４、この
発熱体４よりも大径の絶縁板５および円筒部材６
とともに支持部材７に取付けられた遮断板８、温
調部９等を収納して構成されている。

香炉本体１は、略円筒状の青磁等の陶器で一体
形成されている。香炉本体１の上面には略凹状の
中蓋１ａが備えられ、さらに、中蓋１ａの中央部
には開口部１ｂが形成されている。また、香炉本
体１の底部には開口部１ｃが形成されている。

香皿３は、略凹状の金属で前記中蓋１ａ中央に
形成された開口部１ｂとの周縁に載置されてお
り、後述の発熱体４の加熱により香木を燻焼させ
る。

発熱体４はセラミツクヒータ等からなり、前記
中蓋１ａの開口部１ｂに収納されるとともに後述
の絶縁板５の上面に載置されている。

絶縁板５は圧縮バネ１０の付勢力により、前記
中蓋１ａの下面に押圧されている。

円筒部材６は、チユーブ状で硬質の絶縁材から
なり、上部が絶縁板５の貫通孔５ａに嵌合され、
下部が後述する支持フレーム７に固定されたスペ
ーサ１１の挿通孔に嵌入されている。この円筒部
材６には、上端が発熱体４の発熱体膜に接続さ
れ、下端が端子８ａに接続されたリード線が挿入
されている。

支持フレーム７は薄板で形成されており、ビス
ナツトで香炉本体に螺着されている。支持フレー
ム７内には遮断板８、温調部９が設けられてい
る。遮断板８は略方形で、この支持フレーム７内
の上面に設けられ内部にリード線並びに電源コー
ドを接続する端子を収納している。また、温調部
９はボリユームスイツチと発熱体４の温度を調節
する位相制御回路を含み、支持フレーム７の左側
部に保持され、香炉本体１の側方に突出したつま
み９ａの回転で電源オン・オフと温度調節が可能
となる。

この温調器９の上部には、発光ダイオード等の
表示ランプ１０が取付けられ、通電の表示を行う
ようになつている。

ドーム状飾り蓋２は、香炉本体１と同一の陶器
で形成されており、前記中蓋１ａの上面に底部が
嵌合されて保持されている。このドーム状飾り蓋
２の周囲の上部には空気流出孔２ａが設けられ、
下部には空気流入孔２ｂが設けられている。さら
に、このドーム状飾り蓋の頭部には、小鳥状の把
持部２ｃを取り付けて香炉本体１への着脱を容易
にするとともに、電気香炉を持ち運び自在にして
いる。また、空気流出孔２ａの上部位置で、ドー
ム状飾り蓋内の頂部に密閉部２ｄを形成させる偏
平状の熱隔壁２ｅが設けられている。この熱隔壁
によりドーム状飾り蓋２内の香煙が空気流出孔に
導かれる。また、熱隔壁で形成された密閉部２ｄ
により、ドーム状飾り蓋内の熱がドーム状飾り蓋
の頭部に伝達されなくなる。

上記のように構成することにより、この電気香
炉においては、つまみ９ａを回転し、発熱体４を
通電すると香皿３を加熱状態にすることにより、
香皿３内に載置した香木を燻焼させる。この香煙
が、ドーム状飾り蓋内の上部に設けられた熱隔壁
に沿つてスムーズに流れ、ドーム飾り蓋内に停留
することなく空気流出口２ａに流出する。又、ド
ーム状飾り蓋内の頂部にこの熱隔壁によつて形成
される密閉部が香木の燻焼によるドーム状飾り蓋
２の頭部の加熱を防ぎ、把持部表面の温度を上昇
させないため、電気香炉の使用時や使用直後に把
持部２ｃを持つて、電気香炉を移動させたりドー
ム状飾り蓋の取り外すことができる利点がある。

(g) 考案の効果 以上の様に、この考案によれば、ドーム状飾り
蓋の頂部に密閉部を形成する偏平状の熱隔壁を設
けたため、この密閉部によつて、ドーム状飾り蓋
の頭部がドーム状飾り蓋内の温度上昇による熱が
遮断され、頭部に把持部を設けても、この把持部
によつて使用時や使用直後に電気香炉の持ち運び
や飾り蓋の取り外しができるという効果がある。
又、この熱隔壁をドーム状飾り蓋内の空気流出孔
の上部位置に設けたため、香煙が熱隔壁に沿つて
空気流出孔にスムーズに流出し、飾り蓋内に滞留
することがないという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例である電気香炉を一
部断面で示した正面図である。 １……香炉本体、２……ドーム状飾り蓋、２ａ
……空気流出孔、２ｂ……空気流入孔、２ｄ……
密閉部、２ｅ……熱隔壁、３……香皿、４……発
熱体（セラミツクヒータ）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 香皿を載置する発熱体を備えた香炉本体の上面
   を覆うとともに、空気流出孔と空気流入孔とを上
   部と下部にそれぞれ設けたドーム状飾り蓋を備
   え、 前記空気流出孔の上部位置に、前記ドーム状飾
   り蓋内の頂部に密閉部が形成されるように偏平状
   の熱隔壁を設けたことを特徴とする電気香炉。