JPH0350242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ガス通路内に可変ノズルベーンを備
えた可変ノズル付タービンの可変ノズル部の構造
に関する。

〔従来の技術〕

従来から、タービンホイールにガスを送るガス
通路内に回動可能なノズルベーンを設けた可変ノ
ズル付タービンの構造が各種知られており、可変
ノズル付ターボチヤージヤや可変ノズル付ガスタ
ービンエンジン等の各種構造が提案されている。
タービン入口に可変ノズルベーンを設けることに
より、変動する使用条件のもとにおいて、ガス流
路面積、ガス指向方向を可変調整することによつ
て、タービンの効率を望ましい値に制御すること
が可能となる。

可変ノズル付タービンの可変ノズルベーン設置
部においては、ノズルベーンが高温になるときに
おいてもガス通路内壁面との間でステイツクしな
いよう、ノズルベーンとタービンハウジングとの
間にある程度の隙間を確保する必要がある。ま
た、酸化スケール等の異物が侵入したとしても、
それをかみ込んでステイツクしないようにさらに
隙間を拡大する配慮がいる。しかしながら、この
隙間を拡大する事は、隙間からガスが洩れ、ノズ
ルベーンの効果を減少する事になる。

このような問題に対処するために、従来技術と
して、特公昭38−7653号公報に示される構造が知
られている。この構造は、ノズルベーン端面の長
手方向に突起状に密封部片を設け、さらに密封部
片にシール力をもたせることにより、ノズルベー
ン端面からガス洩れを生じさせないようにしたも
のである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記提案の構造においては、密
封部片がノズルベーンの摺動方向に対し直交する
方向に設けられ、かつシール力をもたせているた
め、ノズルベーンを回動する際の摺動抵抗が増大
し、ノズルベーンを摺動させるリンク、アクチユ
エータ等が必然的に大型化してしまうという問題
がある。

また、密封部片がタービンハウジングと密着し
ており、しかもノズルベーン回動の際密封部片が
異物をかき集める状態となるので、異物のかみ込
みによるステイツクが発生するおそれがあるとい
う問題もある。

本考案は、上記のような従来技術の問題点にも
着目し、ノズルベーン回動の際の摺動抵抗を低減
するとともに異物かみ込みの確率を減少させなが
ら、ノズルベーン端面とガス通路内壁面間のガス
シール性を向上することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的に沿う本考案の可変ノズル付タービン
は、タービンホイールにガスを送るガス通路内に
回動可能に可変ノズルベーンを設けた可変ノズル
付タービンにおいて、ノズルベーンのガス通路の
内壁面に対向する端面に、ノズルベーンを回動さ
せる回動軸の軸心に対し同心円状に延びる突起を
設けたものから成つている。

〔作 用〕

このような構造においては、ノズルベーン端面
とガス通路内壁面との間のクリアランスを小に保
ち、この間のガスシール性を確保する突起が回動
軸の軸心に対し同心円状に設けられているので、
ノズルベーンが回動される際、突起は回動方向と
同一の方向に延びることになり、回動方向と直交
する方向に延びる場合に比べ、摺動面積が大巾に
減少されて摺動抵抗が低減される。

また、同心円状の突起とすることにより、ノズ
ルベーン回動方向に対する突起の面積を小に抑え
ることができるので、突起とガス通路内壁面間に
異物をかみ込む確率は極めて小となり、異物かみ
込みによるステイツクの発生が防止される。

〔実施例〕

以下に、本考案の望ましい実施例を、図面を参
照して説明する。

第１図ないし第３図は、本考案の第１実施例に
係る可変ノズル付タービンを示しており、ターボ
チヤージヤに本考案を適用したものを示してい
る。図において、１はノズルベーンを示してお
り、回動軸２によつて回動されるようになつてい
る。ノズルベーン１は、タービンハウジング３の
スクロール部４から排気ガスをタービンホイール
５に送るガス通路６に、タービンハウジング３円
周方向に複数配設されている。回動軸２はブツシ
ユ７等によりシールされるとともに支持されてお
り、ノズルベーン１と反対側端部に連結されたリ
ンク機構８等によつて回動制御されるようになつ
ている。なお、９はコンプレツサを示している。

ノズルベーン１のガス通路６内壁面に対向する
両端面には、回動軸２の軸心１０に対し同心円状
に延びる突起１１が設けられている。本実施例で
は、第２図に示すようにノズルベーン１に対し回
動軸２がオフセツトされた位置に設けられている
が、第４図に第２実施例を示すように、オフセツ
トされていない場合についても、回動軸１２の軸
心１３に対して、ノズルベーン１４の端面に同心
円状に突起１５を設けることは勿論可能である。
この突起１１，１５の断面形状は、ガス通路６の
内壁側に突出する形状であれば任意の形状でよ
く、たとえば、第５図に示すような断面が略三角
形状に突起１６、第６図に示すような断面が略矩
形状の突起１７等である。

このように構成された実施例装置の作用につい
て説明する。

ノズルベーン１，１４の端面に設けられる突起
１１，１５は、回動軸２，１２の軸心１０，１３
に対し同心円状に設けられるので、ノズルベーン
１，１４の回動方向に対しては、突起１１，１５
の占める面積（すなわちノズルベーン１，１４と
ガス通路６内壁面間のクリアランス長さに占める
突起１１，１５の長さの割合）が小に抑えられ、
それだけノズルベーン１，１４回動時の摺動抵抗
が小に抑えられる。したがつて、ノズルベーン
１，１４を回動させるリンク機構８等も小さな力
ですみ、コンパクトな機構ですむ。そして、突起
１１，１５はガス通路６内壁面側に突出している
のであるから、この間のクリアランスが適当に縮
小され、ガスシール性が向上される。

また、ノズルベーン１，１４の回動方向に占め
る突起１１，１５の占める割合が小さいので、回
動時に突起１１，１５とガス通路６内壁面間に異
物がかみ込む確率は極めて小さなものとなり、こ
の間のステイツクの発生が防止される。

つぎに、第７図および第８図に本考案の第３実
施例を示す。

本実施例においては、ノズルベーン２０の端面
に、回動軸２１の軸心２２と同心状に突起２３が
設けられるとともに、該突起２３間のガス通路６
側内壁面（ハウジング側）にも、回動軸２１の軸
心２２と同心状に延びる突起２４が設けられる。

このように構成すれば、突起２３，２４により
この部分がラビリンス構造とされ、ガスシール性
が一層向上される。

その他の構成、作用は第１実施例に準じる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の可変ノズル付タ
ービンによるときは、ノズルベーンの端面に回動
軸の軸心と同心状に突起を設け、ノズルベーンの
回動方式に突起の占める割合を小に保ちながらこ
の間のガスシールを行うことができるようにした
ので、ノズルベーン回動時の摺動抵抗を小に抑え
ることができるとともに、この部分の異物かみ込
みを防止し、ステイツクの発生を防止することが
できるという効果が得られる。したがつて、ノズ
ルベーンとハウジングとの間の良好なガスシール
性を保ちつつ、ノズルベーンの円滑な回動動作を
確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係る可変ノズル
付タービンのノズルベーンまわりの断面図、第２
図は第１図の−線に沿う側面図、第３図は第
１図の装置の全体断面図、第４図は本考案の第２
実施例に係る可変ノズル付タービンのノズルベー
ンまわりの側面図、第５図および第６図は突起の
形状の例を示す拡大断面図、第７図は本考案の第
３実施例に係る可変ノズル付タービンのノズルベ
ーンまわりの断面図、第８図は第７図の−線
に沿う側面図、である。 １，１４，２０……ノズルベーン、２，１２，
２１……回動軸、３……タービンハウジング、５
……タービンホイール、６……ガス通路、８……
リンク機構、１０，１３，２２……軸心、１１，
１５，１６，１７，２３……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タービンホイールにガスを送るガス通路内に回
   動可能に可変ノズルベーンを設けた可変ノズル付
   タービンにおいて、前記ノズルベーンの前記ガス
   通路の内壁面に対向する端面に、ノズルベーンを
   回動させる回動軸の軸心に対し同心円状に延びる
   突起を設けたことを特徴とする可変ノズル付ター
   ビン。