JPH0349829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野 この考案はスポツト溶接ガン装備される溶接電
極、特に内部に冷却水を循環させるようにした溶
接電極に関するものである。従来の技術 スポツト溶接ガンは、第４図に示す様に、一対
の溶接電極１，１を有し、当該溶接電極１，１を
適宜の加圧手段（図示せず）にて互いに接近・離
反可能に支持しており、前記溶接電極１，１にて
被溶接ワーク２，３の溶接個所を一定の圧力で挟
持させ、この状態で溶接電極１，１間に低圧の大
電流を流してワーク２，３にスポツト溶接を施す
ものである。

ところで上記スポツト溶接では、溶接時、ワー
ク２，３だけでなく溶接電極１，１も高温に加熱
され溶着する恐れがある為、溶接電極１，１を冷
却してやる必要がある。

溶接電極１を冷却する方法として、例えば第５
図に示す様に、溶接電極１を電極棒４と電極チツ
プ５とで構成し、電極棒４の中心部に冷却水を循
環させる冷却水通路６を形成すると共に冷却水通
路６内に冷却水を供給する給水パイプ７を配設
し、電極棒４の先端に冷却水通路６を閉塞するよ
うに電極チツプ５を嵌合固定させてあり、冷却水
通路６内に冷却水を循環させることにより電極棒
４並びに電極チツプ５を冷却する方法が採られて
いた。考案が解決しようとする問題点 上記の如き溶接電極１はある程度使用し、電極
チツプ５の先端が摩耗すると、その先端を研磨修
正し乍ら再使用し、使用限界に達すると、電極チ
ツプ５を新しいものと交換していた。この電極チ
ツプ５の交換時には給水パイプ７への給水を停止
させているが、給水を停止しても給水パイプ７及
び冷却水通路６内には大量の冷却水が滞留してお
り、電極チツプ５を電極棒４から外すと、滞留し
ていた冷却水が漏れ、これが作業者や周辺設備の
かかつて汚したり、また周辺設備に発錆させた
り、さらに周辺設備に制御盤に冷却水がかかり、
漏電や感電等の事故を生じるといつた様々な問題
があつた。問題点を解決するための手段 この考案は、中心部に冷却水通路を形成した電
極棒と、当該電極棒の先端に取付けられる電極チ
ツプとよりなる溶接電極において、伸縮可能な蛇
腹状ブーツと当該ブーツの先端に取付けられ、電
極チツプに接触する金属板とからなるキヤツプを
電極棒の先端に冷却水通路を閉塞するように取付
けたものである。作用 この考案は電極チツプの交換時、電極チツプを
電極棒から取外したときにキヤツプにて冷却水の
漏れを防止するようにするものである。実施例 第１図は本考案の一実施例を示す断面図で、同
図において、１０は電極棒で、中心部に軸方向に
沿つて冷却水通路１１を形成してあり、先端部外
周面１０ａを擂鉢状にテーパに形成し、且つ先端
部内周面１０ｂに雌ネジ１２を刻設してある。１
３は電極棒１０の冷却水通路１１内に配置した給
水パイプで、例えば合成樹脂で形成してあり、先
端を電極棒１０の先端開口部に開口させ、後端を
給水源（図示せず）に接続してある。１４は電極
棒１０の先端外周面に取付けた電極チツプで、外
周先端面１４ａを球面に形成し、且つ内部に後端
側から断面が逆台形状の凹部１５を形成し、当該
凹部１５の底面１５ａを平坦面に形成してある。
この電極チツプ１４は凹部１５の後端外周面を電
極棒１０のテーパ面１０ａに嵌合させて一体的に
結合させ、凹部１５を冷却水通路１１と対向させ
てある。１６は電極棒１０と電極チツプ１４との
間に設けたキヤツプで、金属或いは合成樹脂、ゴ
ム等で伸縮可能に形成した蛇腹状のブーツ１７と
アルミニウムや銅等の熱伝導性の良い金属で円盤
状に形成された金属板１８とから成り、ブーツ１
７の先端に金属板１８を一体結合させてある。ま
たキヤツプ１６はブーツ１７の後端をストレート
な円筒状に形成し、当該円筒部１７ａの外周面に
雄ネジ１９を刻設してある。そしてこのキヤツプ
１６は前記雄ネジ１９を電極棒１０に刻設された
雌ネジ１２に螺挿させて電極棒１０に一体に取付
けられ、冷却水通路１１を閉塞させると共に冷却
水通路１１と電極チツプ１４の凹部１５とを仕切
つており、水圧が作用するとブーツ１７が伸長し
て金属板１８が電極チツプ１４の凹部１５の底面
１５ａに密着する。

上記構造の溶接電極は、給水パイプ１３から電
極棒１０内へ冷却水が給水されると、冷却水はキ
ヤツプ１６内を通り、冷却水通路１１へ流れて循
環し、同時に水圧にてキヤツプ１６を伸ばして金
属板１８を電極チツプ１４の底面１５ａに密着さ
せる。そして溶接時には冷却水通路１１内を流れ
る冷却水にて電極棒１０を冷却し、且つ、キヤツ
プ１６内を流れる冷却水にて金属板１８を介して
電極チツプ１４を冷却する。また電極チツプ１４
が摩耗し交換する際、電極チツプ１４を電極棒１
０から外しても、第２図に示す様に、電極棒１０
の冷却水通路１１はキヤツプ１６にて閉じられて
いるので、冷却水が漏れることはない。従つてこ
の電極チツプ１４の交換時、給水は停止しておつ
ても、継続しておつてもよい。

第３図はキヤツプ１６の他の一例を示す図面
で、金属板２０を逆ハツト型断面に形成し、当該
金属板２０のフランジ部２０ａをブーツ２１の先
端部内周面に形成した環状溝２２へ嵌合固定して
支持させたものである。考案の効果 この考案は電極チツプを取外しても電極棒から
冷却水が漏れないので、冷却水が周囲に飛散して
作業者や周辺設備を汚すことがなく、発錆の問題
も除去される。また周辺設備の制御盤における漏
電や感電等の事故も防止される。

また電極チツプと接触するキヤツプの金属板を
熱伝導性の良い金属で形成したので、電極チツプ
は十分に冷却され溶着することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る溶接電極の一例を示す要
部断面図、第２は電極チツプを外した状態の要部
断面図、第３図はキヤツプの他の実施例を示す拡
大断面図、第４図は一般的なスポツト溶接を示す
概略図、第５図は従来の溶接電極の要部断面図で
ある。 １０……電極棒、１１……冷却水通路、１３…
…給水パイプ、１４……電極チツプ、１６……キ
ヤツプ、１７……ブーツ、１８……金属板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心部に冷却水が循環する冷却水通路を形成し
   た電極棒と、前記電極棒の先端部に一体的に結合
   される電極チツプと、伸縮可能な蛇腹状ブーツと
   電極チツプに接触する金属板とからなり、前記ブ
   ーツを電極棒に取付けて冷却水通路をカバーする
   キヤツプとで構成したことを特徴とするスポツト
   溶接ガンの溶接電極。