JPH0349668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、洗濯物を洗濯機で洗濯する場合
に、洗濯物を保護するのに用いられる洗濯袋に関
するものである。

従来の技術 従来、この種の洗濯袋として、古くは単にネツ
ト地を封筒状に縫製してフアスナー等の開閉手段
を設けたもの、ひようたん形に裁断した２枚のネ
ツト地を縫い合せることにより球状に縫製したも
の（実公昭50−11300号公報参照）、あらかじめ半
球状ないしは椀状に成形した１対のネツト地の周
縁を縫製して球形、卵形に形成したもの（特開昭
54−135455号公報参照）、あるいはネツト地から
裁断された布片を縫製して三角錐状、即ち四面体
状に形成したもの（実開昭62−76986号公報参照）
等、種々のものが提供されている。

ところで、洗濯袋を使用して洗濯することが望
ましい洗濯物には、例えばブラウス等のような比
較的丈夫な洗濯物からランジエリー、パンテイー
ストツキング等のような非常に傷み易い洗濯物ま
で種類、材質の異なる様々なものがある。そこ
で、従来、上記のような洗濯袋も洗濯物の種類、
材質等に応じてメツシユの異なるものがそれぞれ
市販されており、洗濯物に応じたメツシユの洗濯
袋を複数個購入し、洗濯物をそれらに分納して洗
濯を行つていた。

しかしながら、複数の洗濯袋を用意するのはコ
スト面で不利であるばかりか、洗濯に際して洗濯
袋の取扱いが不便である。また、洗濯機の中に複
数の洗濯袋を一度に入れて洗濯を行うと、洗濯袋
同士が摺擦し合つて、特にメツシユの細かい洗濯
袋が早期に損傷を起こし、耐久性の面でも不利で
ある。

そのため、最近、粗目のネツト部材と細目のネ
ツト部材とを組み合わせて、比較的丈夫な洗濯物
を収納する粗目の収納部と、傷みやすい洗濯物を
収納する細目の収納部とを有する分割収納タイプ
に構成した洗濯袋が提案されている（実開昭60−
164383号公報参照）。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、封筒偏平状の洗濯袋では、洗濯
中、袋内での洗濯物の動きが規制されて洗濯物同
士の遊動、摺擦が十分になされず、洗浄効果が十
分なものになりにくいという欠点があつた。

また、ひようたん形のネツト地を縫合して球状
とした洗濯袋では、このような欠点は解決される
ものの、反面、材料のネツト地からの製造歩留り
が悪く、また縫合部が曲線縫いとなつて生産性も
よくない等の欠点があつた。

また、半球状ないし椀状に成形した１対のネツ
ト地を縫合することにより球状に成形した洗濯袋
では、製造工程にネツト地を曲面成形する工程を
要し、また曲線縫いを必要とするため、生産性に
劣るという欠点があつた。

更に、これらの球状の洗濯袋では、洗濯中、水
流に揉まれることによる回転が必ずしも良好では
なく、洗浄効果の面で必ずしも最良のものではな
かつた。

また、三角錐状に形成された洗濯袋では、確か
に立体的であるから、洗濯中における内部の洗濯
物は、遊動、摺擦確保され、また、直線縫いが可
能で、歩留りも良く、生産性に優れ、更には、鋭
角状の各頂部の存在によつて洗濯中、水流に揉ま
れて勢い良く回転し、高い洗浄性能を発揮する
が、反面、全体形状が三角錐、即ち四面体である
から、形状に丸味、膨らみがなく、洗濯物の遊
動、摺擦に必ずしも最適ではなく、またその内部
容積も余り大きく確保されないという欠点があつ
た。

この考案は、上記のような従来の欠点を解決
し、洗濯中における袋内の洗濯物の遊動、摺擦が
活発で、また、水流に揉まれて勢い良く回転しや
すく、更に、材料地を無駄無く使用できて製造歩
留りが良く、しかも縫合を直線的に行うことがで
き、また更に、内部容積も広く確保される分納タ
イプの洗濯袋を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 而して、この考案は上記目的を達成するため
に、略正方形の同大の４つのネツト単位を有し、 そのうち２つのネツト単位が粗目に形成される
と共に、他の２つのネツト単位が細目に形成さ
れ、 細目のネツト単位同士が重合状態に配置され、 この重合ネツト単位の隣接２辺が一方の粗目の
ネツト単位の隣接２辺に一体的に連ねられると共
に、同重合ネツト単位の他の隣接２辺がもう一方
の粗目のネツト単位の隣接２辺に一体的に連ねら
れ、かつ両粗目のネツト単位の残りの隣接２辺同
士が相互に一体に又は一体的に連ねられて洗濯袋
本体に形成され、 ２つの粗目のネツト単位と１つの細目のネツト
単位とによつて囲まれた粗目の収納部と、２つの
細目のネツト単位間に形成された細目の収納部と
のそれぞれに、フアスナーにより開閉自在な袋口
が形成されてなることを特徴とする洗濯袋を要旨
とするものである。

実施例 以下、この考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

第１図ないし第３図において、１は洗濯袋本体
で、この洗濯袋本体１は、可撓性を有する粗目の
ネツト部材２と、該粗目のネツト部材よりもメツ
シユの細かい可撓性を有する細目のネツト部材３
と、前記細目のネツト部材３と同じくメツシユの
細かい可撓性を有する細目の仕切用ネツト部材４
とを備え、仕切用ネツト部材４を粗目のネツト部
材２と細目のネツト部材３との間に介在させた状
態においてこれらのネツト部材２，３，４を周縁
部において相互に縫合し、内部に、該仕切用ネツ
ト部材４により仕切られた粗目の収納部５と細目
の収納部６との２つの収納部を形成してなるもの
である。

すなわち、粗目のネツト部材２は、第２図イに
示されるように、同じ大きさの正方形状に裁断さ
れた２枚の粗目のネツト単位としてのネツト地片
７，７からなり、また細目のネツト部材３と仕切
用ネツト部材４は、第２図ロに示されるように、
上記ネツト地片７，７と同じ大きさの正方形状に
裁断された各１枚の細目のネツト地片８，８から
なる。

粗目のネツト部材２を構成するネツト地片７，
７は、第２図イに示されるように、それらの一辺
にフアスナー９の左右辺９ａ，９ｂが取付けられ
ている。ネツト地片７，７のこれらの辺部は袋口
１０を形成し、フアスナー９によつて開閉自在と
なされている。フアスナー９の各辺９ａ，９ｂは
その裏面をネツト地片７，７の辺部の内面に沿わ
せた状態にし縁テープ１１を当てて縫合するのが
好ましい。こうすることによつて、ネツト部材２
の収納側に縫合部が突出することに起因して洗濯
物の遊動が妨げられるのを軽減できる。また縁テ
ープ１１の使用により縫合部の美感が向上され
る。また洗濯時にフアスナー９のつまみ９ｃが洗
濯機の槽内面に当たつて異音を発するのを防止す
る等のため、第２図イに示されるように、フアス
ナー９が閉じた状態におけるつまみ９ｃの位置に
は、該つまみ９ｃを外方から覆い隠すための布小
片９ｄを縫着しておくのが好ましい。

この粗目のネツト部材２は、第２図ロに示され
るように、フアスナー９の位置において内側に折
曲げられ、更に各ネツト地片７，が対角線を折曲
線として両側に開くように折曲げられて、三角形
状の重合部１２と正方形状の平面部１３とが形成
されるようにされる。

そしてこの粗目のネツト部材２は、その平面部
１３の下側に細目のネツト部材３が配置されると
共に、上記平面部１３と細目のネツト部材３との
間に仕切用ネツト部材４が介在された状態で重合
され、第２図ハに示されるように、フアスナー９
が開いたときのつまみ９ｃの位置する角部と対向
する角部から周縁部の３辺に亘つて周縁部が外方
に突出した状態で縫合される。なお、該周縁部は
縁テープ１１を当てて縫合されている。更に残り
の周縁部一辺においては、フアスナー１４の左右
辺１４ａ，１４ｂが取付けられている。すなわ
ち、フアスナー１４の一方の辺１４ａは、細目の
ネツト部材２の辺部に縫合されると共に、他方の
辺１４ｂは仕切用ネツト部材４の辺部に粗目のネ
ツト部材２の辺部と一体に縫合されている。これ
により細目のネツト部材３と仕切用ネツト部材４
の各辺部は袋口１５を形成し、フアスナー１４に
よつて開閉自在となされている。なおフアスナー
１４が閉じた状態でのつまみ１４ｃの位置には、
該つまみ１４ｃを覆い隠すための布小片１４ｄが
縫着されている。そして粗目のネツト部材２の重
合部１２の開いた残りの一辺同士が縫合される。

上記のように構成された洗濯袋本体１の内部
は、仕切用ネツト部材４により、該仕切用ネツト
部材４と粗目のネツト部材２とで囲まれた粗目の
収納部５、及び仕切用ネツト部材４と細目のネツ
ト部材３とで囲まれた細目の収納部６の２つの収
納部に仕切られたものとなる。第２図ハに示され
るように、粗目のネツト部材２の頂部１８をつま
んで矢印Ａ方向に持上げた状態において、洗濯袋
は、第１図に示されるように、三角錐を２つあわ
せた概略六面体を呈し、かつ各ネツト地７，７，
８の対角線部に形成される当該六面体の３つの稜
線が曲率半径の大きな丸味のあるものとなり、全
体として膨らみのある形状となつて、粗目の収納
部５は膨らみのある立体的な広い収納空間とな
る。また、細目の収納部６は対角線部における湾
曲方向を同じくする偏平状となる。

洗濯に際しては、第３図に示されるように、例
えばブラウス等のような比較的丈夫な洗濯物は袋
口１０より粗目の収納部５に収納すると共に、ラ
ンジエリー、パンテイーストツキング等のような
傷み易い洗濯物は袋口１５より細目の収納部６に
収納して洗濯を行う。そうすると、粗目の収納部
５に収納された洗濯物は、該粗目の収納部５が立
体的なものであるため、内部で遊動し易く、洗濯
物同士の摺擦が活発に行なわれ、良好な洗浄効果
が発揮される。しかも、洗濯袋自体が複数個の頂
部を有するので水流に揉まれて回転され易く、洗
濯物の遊動、洗濯物同士の摺擦が一層助長されて
更に良好な洗浄効果が発揮される。加えて、概略
六面体構造であること、及び稜線部に丸味が形成
されて全体として膨らみがあるものとなることに
よつて、粗目の収納部５の内部容積が広く確保さ
れ、袋中の洗濯物の遊動、摺擦効果が高められる
という効果もある。

一方、細目の収納部６に収納された洗濯物は、
その細目の収納部６が、偏平であること、対角線
部における湾曲方向を同じくしていること、及び
粗目の収納部５に収納されている洗濯物から押圧
力を受けること、によつて、その遊動、摺擦が抑
制され、適当な洗浄効果を発揮しつつも、洗濯物
の損傷を効果的に防止することができる。

また上記のように、正方形状の同じ大きさのネ
ツト地片７，７，８，８を縫製することによつて
洗濯袋本体１を形成するものであるから、材料の
ネツト地を無駄なく使用できて製造歩留りが良い
のみならず、裁断を能率的に行うことができる。
しかも縫合はすべて直線縫いでよく、極めて簡単
な縫製加工によつて洗濯袋を製作できる利点を有
する。

更に、不使用時には、粗目のネツト部材２を第
２図ハに示されるように、重合部１２を矢印Ｂ方
向に折畳むことによつて全体を正方形状の扁平体
にすることができるので、保管、整理に便利であ
る。

なお上記実施例においては、粗目のネツト部材
２を正方形状の２枚のネツト地片７，７にて構成
し、また細目のネツト部材３と仕切用ネツト部材
４とをそれぞれ１枚の正方形状のネツト地片８，
８にて構成したものについて説明しているが、粗
目のネツト部材２を、２つ折りにした状態で正方
形となるような長方形状の１枚のネツト地片にて
構成すると共に、細目のネツト部材３と仕切用ネ
ツト部材４とを、上記同様の長方形状の、１枚一
体のネツト地片にて構成することも可能である。
その場合、材料のネツト地からの裁断作業の一層
の効率化が図れるうえ、縫合長さを短縮されて縫
合作業の効率化も図れ、洗濯袋の生産性を一層向
上することが可能となる。

考案の効果 この考案の洗濯袋は、上述した構成を有するも
のであるから、次のような優れた効果を奏する。

即ち、粗目の収納部に収納された洗濯物は、該
粗目の収納部が立体的なものであるため、内部で
遊動し易く、洗濯物同士の摺擦が活発に行なわ
れ、良好な洗浄効果が発揮される。

しかも、洗濯袋自体が複数個の頂部を有するの
で水流に揉まれて回転され易く、洗濯物の遊動、
洗濯物同士の摺擦が一層助長されて更に良好な洗
浄効果が発揮される。

そしてそれに加えて、概略六面体構造であるこ
と、及び稜線部に丸味が形成されて全体として膨
らみがあるものとなることによつて、粗目の収納
部の内部容積が広く確保され、袋中の洗濯物の遊
動、摺擦効果が高められるという効果もある。

また一方、細目の収納部に収納された洗濯物
は、その細目の収納部が、偏平であること、対角
線部における湾曲方向を同じくしていること、及
び粗目の収納部に収納されている洗濯物から押圧
力を受けること、によつて、その遊動、摺擦が抑
制され、適当な洗浄効果を発揮しつつも、洗濯物
の損傷を効果的に防止することができる。

更に、袋の製造においても、ネツト地材料を、
正方形、長方形を２つ連ねた長方形に裁断すれば
よいから、材料に無駄を生じることがなく、製造
歩留りが良い。

また、直線的な裁断でよいから、裁断効率も良
い。

更にまた、ネツト単位が同大の正方形であるか
ら、構成ネツト材の寸法を定格化でき、生産性に
優れる。

また、縫製も、直線縫いでよいから、縫製能率
も非常によい。

更に、不使用時には、保管、整理に便利であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の洗濯袋の一実施例を示す斜
視図、第２図イないしハは該洗濯袋の製作工程を
示す平面図ないし斜視図、第３図は洗濯物を収納
した状態の洗濯袋の斜視図である。 １……洗濯袋本体、２……粗目のネツト部材、
２……細目のネツト部材、４……仕切用ネツト部
材、７……粗目のネツト地片（粗目のネツト単
位）、８……細目のネツト地片（細目のネツト単
位）、５……粗目の収納部、６……細目の収納部、
９，１４……フアスナー、１０，１５……袋口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 略正方形の同大の４つのネツト単位を有し、そ
   のうち２つのネツト単位が粗目に形成されると共
   に、他の２つのネツト単位が細目に形成され、 細目のネツト単位同士が重合状態に配置され、 この重合ネツト単位の隣接２辺が一方の粗目の
   ネツト単位の隣接２辺に一体的に連ねられると共
   に、同重合ネツト単位の他の隣接２辺がもう一方
   の粗目のネツト単位の隣接２辺に一体的に連ねら
   れ、かつ両粗目のネツト単位の残りの隣接２辺同
   士が相互に一体に又は一体的に連ねられて洗濯袋
   本体に形成され、 ２つの粗目のネツト単位と１つの細目のネツト
   単位とによつて囲まれた粗目の収納部と、２つの
   細目のネツト単位間に形成された細目の収納部と
   のそれぞれに、フアスナーにより開閉自在な袋口
   が形成されてなることを特徴とする洗濯袋。