JPH0349471B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 (1) 技術分野 本発明は例えば経管栄養法等に於て、経管栄養
剤等を容易に注入できる液体収納用容器に関する
ものである。

(2) 先行技術およびその問題点 従来、栄養剤を入れる液体収納用容器として
は、硬質な容器と軟質な容器とがある。硬質な容
器は既存のイルリガードルの他に、支持脚と通気
孔のあるもの（特開昭57−193851）や、断続的に
投与できる保温瓶形式のもの（特公昭48−31277）
等がある。しかし、これらはいずれも、輸送又は
廃棄する際かさばり又高価である。

軟質の容器としては、袋上部にくさび条の剛性
のある支持具が取り付けてあるもの（特開昭57−
34235）、又袋に液量表示目盛付の透視部のあるも
の（特開昭57−160740）、また、投入口の蓋体に
更に薬剤投入口を設けたもの（特開昭56−1277）
等がある。上記の容器においては栄養剤を投与す
る場合栄養剤の粉末を一度に大量に溶解し、これ
を容器に分注して患者に投与することが多い。こ
の為容器に栄養剤を注入する操作は必ず必要とな
り、容器の操作性の良悪は重要なポイントとな
る。容器の注入口は広い方が多量の薬液を早く注
入することができ、狭い注入口では、少量の薬液
を注意深く注入しなければならない。また、注入
口の開閉手段としては金属片（実公昭46−21262
号、実開昭59−106853号）、プラスチツク成形物
やくさび状剛性体を芯にして袋体を折り込むも
の、又単にフイルムを折り込んで、クリツプ等で
止めるものがある。しかし、成形物を用いる構造
ではコストが高く、クリツプ等で止めるものでは
開閉操作が面倒であると共にクリツプ等を紛失し
易い欠点がある。

発明の目的 本発明は以上述べた従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は折り曲げ線に沿つて
折り曲げるだけで容器の封印が行え、懸垂したと
き折り曲げ部に湾曲を生じさせる特有の構成によ
り、折り曲げ部の密着性を強化し、閉塞をより完
全なものとする液体収納用容器を提案することに
ある。

発明の構成 上述の本発明の目的は、経管栄養剤等の医用液
体を収納可能とし、上端に注入口部を有する可撓
性の合成樹脂製容器であつて、該容器は前記注入
口部近傍に少なくとも１つの線状の肉薄部を横断
方向に有し、前記容器の縦方向には折り曲げ可能
な芯材を備え、前記注入口部は前記芯材と共に前
記肉薄部で折り曲げ可能であり、更に前記注入口
部を折り曲げた状態で、前記注入口部近傍の両端
から懸垂具で前記液体収納容器を懸下したとき前
記注入口部近傍が湾曲可能であることを特徴とす
る医用液体収納用容器によつて達成される。

発明の具体的説明及び作用 以下、本発明を好適な一実施例を示す図面を参
照して詳細に説明する。

第１図は本発明の一実施例に係る液体収納用容
器の外観図である。１は容器本体である。この容
器本体１の材質は熱シールの容易さ、平面上にス
タンデイングするのに適度な硬さが必要であるこ
とから、軟質の合成樹脂製シート、例えばラミネ
ートフイルムが用いられる。本実施例では表にナ
イロン15μ、裏にポリエチレン100μをラミネート
したラミネートフイルムを用いている。

容器本体１は上記ラミネートフイルムを熱シー
ルすることにより袋状に形成されており、２は両
側の熱シール部、３は上げ底部、４は上げ底部の
下方の側壁をなす脚部である。また、５はシール
部２に設けられた孔６に通された懸垂用紐、７は
上げ底部３に設けられたチユーブ接続用ノズル、
８は接続チユーブ、９は点滴筒、１０はクレン
メ、１１はコネクタ、１２は容器本体１上に付さ
れた内容液の量を知るための目盛である。また、
上記脚部４には容器本体１を置いたときに接続チ
ユーブ８を通すための収容孔４ａが設けられてい
て、接続チユーブ８が閉塞しないようになつてい
る。

第２図に示す如く、容器本体１上部には容器本
体１と同じ幅の注入口１ａが形成されており、こ
の注入口１ａより液体を注入する。また、第３図
に示す如く容器本体１の注入口１ａ近傍には横方
向に延びる線状の肉薄部１３が２条設けられてい
る。この肉薄部１３の部分で容器本体１の上部を
第４図に示す如く折り曲げれば極めて簡単に折り
曲げることができ、かつクリツプ等で止めなくと
も注入口１ａを閉鎖できるようになる。なお、肉
薄部１３はシールする際ラミネートフイルム間に
テフロン製シートを挿入しておけば容易に形成す
ることができる。

次に、容器本体１の両側のシール部２には第２
図に示すように折り曲げ可能な比較的硬質の芯材
１４（例えば針金状金属）が挟み込まれている。
この芯材１４は容器本体１の成形の際シール部２
に同時に挟み込む。そして、容器本体１を上記肉
薄部１３で折り曲げると、この芯材１４も第４図
に示すように共に折り曲がるようにしてある。こ
のように、芯材１４を設ければ、容器本体１上部
を折り曲げたときに芯材１４が折り曲げ部の復元
力に打ち勝つことにより、折り曲げ状態すなわち
注入口１ａの閉鎖状態を安定に保持することがで
きる。

また、この構成の合成樹脂製容器の開口部であ
る容器本体の上部は、軟質合成樹脂の特性に従い
力が加わつたときたとえば第１図のように撓む可
撓性が維持される。一方、容器の参照番号２で示
される両側部は高さ方向に伸びる補強部材が延設
されているので、開口部より強度が高い。このよ
うに構成した容器を上端の両側部近傍の少なくと
も２点で懸垂すると、容器上端がたとえば、第１
図のように湾曲する。この湾曲は線状の肉薄部で
折り曲げることにより施された容器の封印を強化
し、封印部の密着性を強化する。したがつて、容
器が懸垂されたとき、その自重により封印部の密
着性を維持し、閉塞を完全なものとする他、この
湾曲により折り曲げた部分の復元（緩み）をほぼ
完全に阻止できる。

さらに、上記のように容器本体１の上部を折り
曲げた場合、合成樹脂製シートの密着性と相まつ
て充分な密閉性が得られ、倒れても液体がこぼれ
ず、落下菌等の混入も防止され衛生的に容器を使
用できる。

以上のように本実施例の液体収納用容器によれ
ば、開口部１ａを容器本体１の幅と同じとし広く
形成したので栄養剤等の液体が注入し易くなる。
肉薄部１３及び芯材１４を設けたので注入口１ａ
の折り曲げが容易となり、注入口１ａの開閉が簡
単に行なえるようになると共に、クリツプ等を用
いなくとも閉鎖状態を安定に保持することが可能
となる。また肉薄部１３及び芯材１４は容器の成
形の際に簡単に設けることができるので、従来の
プラスチツク成形物やくさび条剛性体を芯にする
場合に比べ極めて安価である。なお芯材１４は上
述の実施例に従つて、シール部に挟み込む必要は
なく、第２図の破線で示すように注入口１ａ近傍
から下方に吊り下げておくだけでも所定の目的を
達成できる。

また更に第６図に示すように、容器本体１の注
入口１２の近傍部位に両面テープ１５等を貼着し
ておくことにより、容器の折り曲げ部分の戻りを
防止する構成としてもよい。こうすることによ
り、容器の戻りの防止が更に強化できる。

発明の具体的効果 本発明の液体収納用容器によれば、少なくとも
２点で懸垂すると、容器上端がたとえば、第１図
のように湾曲する。この湾曲は線状の肉薄部で折
り曲げられる封印部の密着性を強化する。したが
つて、容器が懸垂されたとき、その自重により封
印部の密着性を増し、閉塞性を向上させる。

また、この湾曲により折り曲げた部分の弛みを
ほぼ完全に阻止できる。

また、肉薄の折り目及び芯材は容器の成形の際
に簡単に設けることができるので、従来のプラス
チツク成形物等を設ける場合に比べ安価に液体収
納用容器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る液体収納用容
器の外観図、第２図は第１図に示す液体収納用容
器の注入口部分の一部斜視図、第３図は第２図に
おけるＡ−Ａ線部分の断面図、第４図は第１図に
示す液体収納用容器の注入口の部分を折り曲げた
状態の側面図、第５図は第１図に示す液体収納用
容器を立てて置いた状態の一部側面図である。第
６図は他例である液体収納用容器の注入口の部分
を折り曲げた状態の断面図である。 ここで、１……容器本体、１ａ……注入口、２
……シール部、１３……肉薄部、１４……芯材で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 経管栄養剤等の医用液体を収納可能とし、上
   端に注入口部を有する可撓性の合成樹脂製容器で
   あつて、該容器は前記注入口部近傍に少なくとも
   １つの線状の肉薄部を横断方向に有し、前記容器
   の縦方向には折り曲げ可能な芯材を備え、前記注
   入口部は前記芯材と共に前記肉薄部で折り曲げ可
   能であり、更に前記注入口部を折り曲げた状態
   で、前記注入口部近傍の両端から懸垂具で前記液
   体収納容器を懸下したとき前記注入口部近傍が湾
   曲可能であることを特徴とする医用液体収納用容
   器。