JPH0347825Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ブラシタフトをフランジに取り付け
てなるブラシヘツドに関する。これを詳述すれば
多数集束された鋼線製のブラシ素線の束を円筒状
の金具の上端から挿入し、前記金具の外側から挟
着支持し、かつ脚部にボルトを付けたブラシタフ
ト（実開昭52−96312号「銹落し鋼線ブラシ」、実
願昭58−25709号「ブラシタフト」参照）複数個
を、駆動軸に連結する円盤状の基板であるフラン
ジに適宜の間隔を置いて、複数個穿設された前記
ブラシタフトのボルト用穴に各貫通させてナツト
締めしたブラシヘツドに関するものである。

〔従来の技術と、考案が解決しようとする問題点〕

従来、一般に使用されている円形平型研削用ブ
ラシヘツド（例えば、実開昭55−169359号公報参
照）は、被研削材の被研削面に対して、垂直方向
から切込み量分だけブラシ素線の先端を押し当て
た状態で、円周方向に回転を与えて、被研削面を
研削している。

前記実開昭55−169359号公報の保護板と同タイ
プのブラシヘツドは、回転研削時、回転方向後方
外側に、ブラシ素線、ブラシタフト内の集束され
たブラシ素線が、押圧力、研削力及び遠心力で、
応力が素線根元に集中するため、ブラシ素線が挟
着金具の上端に接触する根元から曲がつて、研削
力が弱まる他、円周方向の内外２層のブラシタフ
ト列の外側のブラシタフト列は、回転速度、遠心
力及び研削負荷のいずれにおいても、内側のブラ
シタフト列よりも、苛酷であるにもかかわらず、
内側のブラシタフト列のブラシ素線が、挟着金具
の上端の所で、軒並み折損してしまつているの
に、外側のブラシタフト列では、健在であつた。
なお、ブラシ素線が折損すれば、折れたブラシ素
線が飛散して、ブラシとしての寿命が短かくなる
ばかりでなく、付近で作業している作業者に危険
でもある。

この内外のブラシタフト列間の差を解明したと
ころ、外側のブラシタフト列のブラシ素線は、挟
着金具の上端と、保護板の上端との２箇所に遠心
力、押圧力及び研削力等の応力が分散するため、
内側のブラシ素線が挟着金具の上端の１箇所だけ
に応力が集中するのより、外側のブラシタフト列
の方が、１箇所に集中する応力が少ないから、研
削力が向上する反面、座屈等が減少し、又、折損
等を防止出来ることが判つた。

しかし、保護板による遠心力方向のカバーだけ
では、回転方向に対するブラシ素線の倒れを防止
することが出来ないことも判つた。

この知得した技術思想を展開して行つて、行き
着いた究極の技術思想は、ブラシタフト毎にブラ
シヘツドの円周方向に仕切り壁を設けると共に、
ブラシヘツドの半径方向にも仕切り壁を設けるこ
とになる。そうすると、各ブラシタフト間に必ず
仕切り壁が存在することになり、遠心力方向及び
回転方向がカバー出来、理想的な形となるが、反
面、ブラシタフト毎にカバーするため、仕切り壁
の製造、取付、補修費などが嵩むし、又組立が面
倒になると言う欠点が生じてしまう。

そこで、本考案では、仕切り板をブラシタフト
のブラシ素線部分に、これが撓つたときに、支持
出来る位置と大きさの穴を、少なくとも、ブラシ
タフトの数だけ有し、かつフランジに平行に設け
ることにより、各ブラシタフト毎に仕切り壁を設
けたのと同様な効果を得させて、コストアツプを
抑えると共に、保護板と仕切り壁の機能を活かし
て、ブラシタフトの研削力と寿命との向上を図る
ことにしたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の要旨とするところは、次の通りである
即ち、 多数集束された鋼線製のブラシ素線の束を円筒
状の金具の上端から挿入し、前記金具で外側から
挟着支持し、かつ脚部にボルトの付いたブラシタ
フト複数個を、 駆動軸に連結する円盤状の基板であるフランジ
に、適宜の間隔を置いて複数個穿設された前記ブ
ラシタフトのボルト用穴に、各貫通させてナツト
締めして、 前記フランジの外周部上に、前記ブラシタフト
の上端より低く、かつ前記挟着金具の上端より高
い高さを有する保護板を垂直に設け、 この保護板の上端に、前記フランジに平行に設
けられ、かつブラシ素線束用穴から前記各ブラシ
素線束を突設させる仕切り板を取り付けたことを
特徴とするものである。

〔作用・効果〕

本考案は、上記の如き構成よりなるため、上記
ブラシヘツドは、被研削材である鋼材の端面に対
して、切込みを加えながら、その円周方向に回転
する。そのため、各ブラシタフトの素線は、回転
方向後方外側へ湾曲するが、仕切り板の各穴の後
方外側に位置する内側の板の厚みに支承されるの
で、ブラシヘツドの研削力は、従来のブラシヘツ
ドに比べて、２倍に大きくなり、このブラシヘツ
ドに使用されたブラシタフトの寿命も、従来のブ
ラシタフトに比べて、４倍も長くなる。その上、
従来切削不十分であつた部分も、綺麗に取り残し
なく切削し切れる。

〔実施例〕

次に、本考案の１実施例をその図面に基づいて
説明する。

１は、円盤状の基盤であるフランジであり、適
宜の間隔を置いて、複数個の後述のブラシタフト
６のボルト穴４が穿設されており、かつ中央に
φ52mmの回転駆動軸５をナツト５１で固定するボ
ルト穴２と、その脇に前記駆動軸５と芯合わせ並
びにスリツプ防止用突起に嵌合する４個の穴３と
が設けられている。

６は、φ18mmのブラシタフトであつて、これ
は、多数集束された鋼線製の長さ120mmのブラシ
素線７の束を、高さ40mmの円筒状の金具８の上端
から挿入し、かつ脚部にボルト１５が挿入された
前記金具８で外側から挟着支持されたものであ
り、このボルト１５が、前記フランジ１のボルト
穴４を貫通してナツト１６でフランジ１に固定さ
れる。

１０は、鉄板製の仕切り板である。これは、前
記フランジ１の外周部上に、前記ブラシタフト６
の上端より低く、かつ前記挟着金具８の上端より
高い高さを有する鉄板製の保護板１３を垂直に溶
接して設け、この保護板１３の上端に、前記フラ
ンジ１に平行に溶接で設けられ、かつ適宜の間隔
を置いて、複数個の前記ブラシ素線束を突出させ
るための穴１１が設けられており、これらの穴１
１，１１から、前記ブラシタフト６のブラシ素線
７の束を各々突設させるものである。

このようにして組み立てられたブラシヘツドは
前記フランジ１のボルト穴２を通して、回転駆動
軸５にナツト５１で着脱自在に取付られている。

上記実施例の作用及び効果を説明する。

上記ブラシヘツドは、被研削材である鋼材（図
示せず）の端面に平行で、かつ３mmの切込みを加
えるべく、回転して研削する。

この回転と研削とによつて、ブラシ素線７は、
回転方向後方外側へ彎曲するが、仕切り板１０の
ブラシタフト用穴１１の後方外側に位置する内側
の板の厚みに、ブラシ素線７の彎曲した腰部が支
持されるので、このブラシヘツドの研削力は、従
来のブラシヘツドに比べて、２倍に大きくなる。

この場合、ブラシ素線７が金具８と接触する所
から、ブラシ素線の先端までの弾性も作用するも
ので、研削力は２倍に向上する他、ブラシの寿命
も、2000本で折損していたものが、被研削材を
8000本も研削出来るようになつた即ち、従来の４
倍に寿命が向上した。

その上、従来切削が不十分で取り残し部分があ
つたのが、かかる部分も十分綺麗に切削し切れる
ようになつた。

なお、本考案は、上記実施例に限定されること
なく、本願登録請求の範囲に記載の要旨に反しな
い限り、付加変更をなし得るものであつて、例え
ば、フランジは、円板状に限らず、円筒状のも含
まれるし、又、仕切り板は、プレスで穴あけした
板に限らず、金網であるものも、本願登録請求の
範囲に包含されるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の１実施例にして、説明用側断
面図である。 １……フランジ、２，４……ボルト穴、３……
嵌合用穴、５……駆動軸、６……ブラシタフト、
７……ブラシ素線、８……ブラシ金具、１０……
仕切り板、１１……ブラシ素線束用穴、１２……
ナツト穴、１３……保護板、１５……ボルト、１
６，５１……ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 多数集束された鋼線製のブラシ素線の束を円筒
   状の金具の上端から挿入し、前記金具で外側から
   挟着支持し、かつ脚部にボルトの付いたブラシタ
   フト複数個を、 駆動軸に連結する円盤状の基板であるフランジ
   に、適宜の間隔を置いて複数個穿設された前記ブ
   ラシタフトのボルト用穴に、各貫通させてナツト
   締めして、 前記フランジの外周部上に、前記ブラシタフト
   の上端より低く、かつ前記挟着金具の上端より高
   い高さを有する保護板を垂直に設け、 この保護板の上端に、前記フランジに平行に設
   けられ、かつブラシ素線束用穴から前記各ブラシ
   素線束を突設させる仕切り板を取り付けたことを
   特徴とする仕切り板付きブラシヘツド。