JPH0346747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は採尿器具に係り、特にねたきりの老
人や脊髄損傷等の身体の不自由な者の採尿処理の
容易化を図る採尿器具に関する。

〔従来の技術〕

現在、社会の高齢化および人工の増加に伴つて
ねたきりの老人や身体の不自由な者が急増してお
り、これらの人々が快適に社会生活を過ごすため
には、排便排尿処理の改善等の種々問題が起こつ
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、採尿器具においては、例えばねたき
りの老人の自立心の向上を図るために、老人を昼
間は寝たままにせずベツドを離れてできるだけ歩
行のリハビリをさせる必要があるが、例えばおし
めをおしめカバーとで腰部を包む方式なので、内
股部位の摩擦が大となることにより歩行のリハビ
リを実施できないという現状である。

また、従来の採尿器具はプラスチツクやゴムラ
テツクス系製であり、形状の保持性が強く、採尿
器具を身体に装着した際に、密閉された状態とな
ることにより、尿が一時に多量に排出された場合
や座位あるいは臥床位の場合に、排尿がスムーズ
に収納容器側に以降されず、局所が常に濡れた状
態となり、更に局所部位の皮膚がふやけることに
より採尿器具によつて損傷され易く、また損傷後
には損傷箇所が治癒し難いという不都合がある。

更に、上述不都合を回避すべく採尿器具に通気
性および撥水性を与える方策や採尿器具の身体へ
の接触端部を柔軟性材料によつて形成する方策が
取られている。

しかし、採尿器具の受尿部端部を大径に形成し
たことにより、排尿時に尿が跳ね返り、身体を濡
らして不快感を惹起させるという惧れがあり、使
い勝手が低下するという不都合がある。

〔考案の目的〕

そこでこの考案の目的は、上述不都合を除去す
るために、採尿器具の受尿部を大径に形成した通
気性及び撥水性を有する受尿側第１空胴部と第１
空胴部先端に接続させた小径に形成した撥水性を
有する排尿側第２空胴部とにより形成するととも
に、受尿側第１空胴部後端の大径開口部には排尿
局所サイズに応じて所望の孔径の貫通孔を形成す
る調整片を装着し、調整片の受尿部側の一面に撥
水性部材を装着するとともに、排尿局所側の他面
には柔軟性部材を被着する構成としたことによ
り、排尿時の尿の逆流を防止し、身体を濡らして
不快感を惹起させるという不具合を回避し、ねた
きりの老人や脊損患者等の身体の不自由な者の座
位や臥床位の際の採尿処理の容易化を図り得て、
使い勝手を向上し得る採尿器具を実現するにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するためにこの考案は、装身部
と受尿部とからなる採尿器具において、前記受尿
部を大径に形成した通気性及び撥水性を有する受
尿側第１空胴部とこの第１空胴部先端に接続させ
た小径に形成した撥水性を有する排尿側第２空胴
部とにより形成するとともに前記受尿側第１空胴
部後端の大径開口部には排尿局所サイズに応じて
所望の孔径の貫通孔を形成する調整片を装着し、
この調整片の前記受尿部側の一面に撥水性部材を
装着するとともに排尿局所側の他面には柔軟性部
材を被着する構成としたことを特徴とする。

〔作用〕

上述の如く構成したことにより、排尿局所サイ
ズに応じて調整片に所望の孔径の貫通孔を形成
し、この調整片を受尿側第１空胴部端部の大径開
口部に装着して採尿器具を成形し、採尿器具を装
身部によつて身体に装着し、排尿時の尿の跳ね返
りを防止し、身体を濡らして不快感を惹起させる
惧れを回避し、ねたきりの老人や身体の不自由な
者の採尿処理の容易化を図つている。

〔実施例〕

以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細に
説明する。

第１〜３図はこの考案の実施例を示すものであ
る。第１〜３図において、２は採尿器具である。
前記採尿器具２は、例えばパンツ状に形成した装
身部４と、排尿局所を被覆する筒状受尿部６とか
らなる。つまり、装身部４は、第１図に示す如
く、フンドシ状に形成され、伸縮可能な腰部用第
１バンド４ａと大腿部用第２バンド４ｂとを有
し、第２バンド４ｂは長さ調節可能に設けられ
る。また、前記装身部４の採尿局所サイズに該当
する位置には受尿部６の取付け用孔部８が形成さ
れる。また、前記受尿部６を、大径に形成した通
気性及び撥水性を有する受尿側第１空胴部１０
と、この第１空胴部１０先端に接続させたビニル
やポリエチレン系からなる小径に形成した撥水性
を有する排尿側第２空胴部１２とにより形成す
る。そして、前記受尿側第１空胴部１０の後端た
る端部１０ａには大径開口部１４を現出させ、こ
の大径開口部１４を囲繞する柔軟性材料からなる
密着部１６を形成する。更に、密着部１６の外周
には、前記装身部４に受尿部６を取付けた際に離
脱を防止する顎部１８を形成する。

前記大径開口部１４を被覆すべく前記受尿側第
１空胴部１０の端部１０ａには調整片２０を嵌入
し、この調整片２０の前記受尿部６側の一面２０
ａにゴムなどの撥水性部材２２を被着するととも
に、排尿局所側の他面２０ｂには柔軟性部材２４
を被着する。また、前記調整片２０には排尿局所
サイズに応じて所望の孔径の貫通孔２６を現出さ
せる構成とする。なお符号２８は前記排尿側第２
空胴部１２の排尿孔、３０は排尿孔２８に連絡す
る連結管、３２は前記受尿側第空胴部１０の端部
１０ａに調整片２０を嵌入させる際に調整片２０
の入り込みを防止すべく端部１０ａの内面部位に
形成した突起、３４は前記連結管３０に接続し排
尿を図示しない収納容器に収納させる孔開きビニ
ル管である。

次に作用について説明する。

排尿局所サイズに応じて所望の孔径の貫通孔２
６を前記調整片２０に現出させ、前記大径開口部
１４を被覆すべく前記受尿側第１空胴部１０の端
部１０ａに調整片２０を嵌入し、前記装身部４の
取付け用孔部８に受尿部６を取付けて採尿器具２
を形成する。そして、この採尿器具２の前記排尿
側第２空胴部１２の排尿孔２８に連結管３０の一
端を連絡させるとともに、この連結管３０の他端
を図示しない収納容器例えば尿袋に連絡させる。

前記採尿器具２を装身部４によつて身体に装着
するとともに、前記図示しない尿袋は足の所望部
位に固定する。

排尿時には、前記調整片２０に形成した貫通孔
２６を通過する排尿局所から受尿部６内に尿が排
出され、排尿孔２８、連結管３０を経て、図示し
ない尿袋に流入する。

これにより、排尿時の尿の逆流を調整片によつ
て防止することができ、身体を濡らす不都合がな
く、不快感を回避でき、特にねたきりの老人や身
体の不自由な者の採尿処理を容易化し得て、使い
勝手を向上することができる。

また、調整片の貫通孔を排尿局所サイズに応じ
て所望の孔径に形成することができ、貫通孔の孔
径の異る採尿器具を選択する手間が省け、実用上
有利である。

更に、前記第１空胴部１０に通気性及び撥水性
を有せしめたことにより、受尿部６内が密閉状態
となるのを確実に防止でき、男性局所の尿ぬれや
発汗による皮膚のトラブルを回避し得るととも
に、尿の流下が円滑に果たされ、実用上有利であ
る。

なお、この考案は上述第実施例に限定されるも
のではなく、種々の応用改変が可能である。

例えば、この考案の実施例においては、前記大
径開口部１４を被覆すべく前記受尿側第１空胴部
１０の端部１０ａに調整片２０を嵌入する構成と
したが、第４図に示す如く、密着部１６の外周に
形成した顎部１８に調整片４０を外嵌すべく調整
片４０の外周部位に外嵌用環状溝部４２を形成す
ることもでき、調整片４０の取外し作業を容易化
できるとともに、受尿側第１空胴部１０の端部１
０ａの内面に突起を形成する作業工程を省くこと
もできる。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明した如くこの考案によれば、採
尿器具の受尿部を大径に形成した通気性及び撥水
性を有する受尿側第１空胴部と第１空胴部先端に
接続させた小径に形成した撥水性を有する排尿側
第２空胴部とにより形成するとともに、受尿側第
１空胴部後端の大径開口部には排尿局所サイズに
応じて所望の孔径の貫通孔を形成する調整片を装
着し、調整片の受尿部側の一面に撥水性部材を装
着するとともに、排尿局所側の他面には柔軟性部
材を被着する構成としたので、排尿時の尿の逆流
を調整片によつて防止し得て、身体を濡らす不都
合がなく、不快感を回避でき、特にねたきりの老
人や脊損患者等の身体の不自由な者の座位や臥床
位の際の採尿処理を容易化し得て、使い勝手を向
上し得るものである。また、調整片の貫通孔を排
尿局所サイズに応じて所望の孔径に形成すること
ができ、貫通孔の孔径の異る採尿器具を選択する
手間が省け、実用上有利である。更に、前記第１
空胴部に通気性及び撥水性を有せしめたことによ
り、受尿部内が密閉状態となるのを確実に防止で
き、男性局所の尿ぬれや発汗による皮膚のトラブ
ルを回避し得るとともに、尿の流下が円滑に果た
せしめ得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はこの考案の実施例を示し、第１図
は採尿器具の概略斜視図、第２図は受尿部の拡大
断面図、第３図は排尿局所サイズに応じて所望の
孔径の貫通孔を形成する調整片の拡大斜視図であ
る。第４図はこの考案の他の実施例を示す概略断
面図である。 図において、２は採尿器具、４は装身部、６は
受尿部、８は孔部、１０は受尿側第１空胴部、１
０ａは端部、１２は排尿側第２空胴部、１４は大
径開口部、１６は密着部、１８は顎部、２０は調
整片、２０ａは一面、２０ｂは他面、２２は撥水
性部材、２４は柔軟性部材、２６は貫通孔、２８
は排尿孔、３０は連結管、３２は突起、３４は孔
開きビニル管である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装身部と受尿部とからなる採尿器具において、
   前記受尿部を大径に形成した通気性及び撥水性を
   有する受尿側第１空胴部とこの第１空胴部先端に
   接続させた小径に形成した撥水性を有する排尿側
   第２空胴部とにより形成するとともに前記受尿側
   第１空胴部後端の大径開口部には排尿局所サイズ
   に応じて所望の孔径の貫通孔を形成する調整片を
   装着し、この調整片の前記受尿部側の一面に撥水
   性部材を装着するとともに排尿局所側の他面には
   柔軟性部材を被着する構成としたことを特徴とす
   る採尿器具。