JPH0346731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は円筒状のカフに指を挿入して、指動
脈を圧迫して、血圧を測定する指用電子血圧計に
関する。

(ロ) 従来の技術 近年、円筒状のカフで、指を圧迫し、血圧を測
定する指用電子血圧計が種々提案されている
（例：特願昭60−078651号）。この種の指用電子血
圧計のカフは、円筒状の基体の内部に、概略形状
が円筒状の空気袋を装着してなるものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 上記従来の指用電子血圧計ではカフが製作され
ると、基体の内径、及び空気袋の非加圧時の内径
が一定であるため、適性な測定をなし得る指径の
大きさに限界があり、極端に細い指や太い指では
測定誤差を生じる。しかし、測定誤差が生じる程
細い指であつても、もちろん指はカフに挿通可能
であり、また太い指でも、基体の内径以内の太さ
であれば、無理に挿通すれば、やはり挿通可能で
あり、したがつて測定者は自分の指が適性に測定
可能な範囲の径であるか、全く知ることができ
ず、そのため場合によつては、誤差を含んだまま
測定することもあつた。また指径が大きいにもか
かわらず無理に指を挿入して、空気袋を破損する
という不具合もあつた。

この考案は、上記に鑑み、測定者が自分の指に
つき、適性に測定可能な範囲であるか否かを確認
し得る指用電子血圧計を提供することを目的とし
ている。

(ニ) 問題点を解決するための手段及び作用 この考案の指用電子血圧計は、上記問題点を解
決するために、測定すべき指がカフの使用可能最
大指径以内であるか否かを確認する第１のゲージ
と、使用可能最小指径以上であるか否かを確認す
る第２のゲージを有する指径確認具を付設してい
る。

この指用電子血圧計では、測定者が血圧測定前
に、指径確認具の第１のゲージで使用可能最大指
径以内であり、かつ第２のゲージで使用可能最小
指径以上であることを確認した場合に、測定に入
る。予め指径が適性範囲内であることを確認して
いるので安心して血圧測定を行なえる。第一のゲ
ージで使用可能最大指径を越えているか、第２の
ゲージで使用可能最小指径よりさらに小さいと、
測定者は、自分の指の太さに対し、そのカフが適
性でないことを知り、むだな測定を回避できる。

(ホ) 実施例 以下実施例により、この考案をさらに詳細に説
明する。

第１図は、この考案の一実施例を示す指用電子
血圧計の外観斜視図である。同図において、本体
ケース１に指カフ２が、取付端２ａを支点に、所
定角だけ開閉可能に構成されている。指カフ２は
略円筒状の基体７と基体７内に収納される略円筒
状の空気袋８からなり、指カフボタン３の操作に
より、図示のように、先端部２ｂが、本体ケース
１から離れ、長い指を挿通しやすくしている。

本体ケース１の表面には、表示器４、電源ボタ
ン５、スタートボタン６を備えている。

本体ケース１の下端には、紐１３により、指径
確認具９が付設されている。この実施例指用電子
血圧計は、指径確認具９を有する点に特徴があ
る。この指径確認具９は、外形が略卵形の板材
に、指カフ２の使用可能最大指径を確認するため
の、大孔（第１のゲージ）１１と、指カフ２の使
用可能最小指径を確認するための小孔（第２のゲ
ージ）１２が設けられている。大孔１１の径は、
使用可能最大指径に設定され、また小孔１２の径
は、使用可能最小指径に設定されている。

したがつて、測定者が、測定前に、大孔１１に
指が入り、小孔１２に、指が入らないことを確認
すると、測定者の指径がその指カフ２で適性な測
定が可能な指径の範囲であるということになる。
しかし、大孔１１にも指が入らない場合は、指が
極端に太いことになり、逆に大孔１１のみならず
小孔１２にも指が入る場合には、指が極端に細い
ことになる。

この実施例で使用した、指径確認具９の外形状
は、略卵形であるが、この考案では、これに限る
ものではなく、例えば第２図ａ，ｂに示すよう
に、大孔１１と小孔１２を形成する大小リング１
４，１５を連結棒１６で一体的に連結したもので
もよい。この場合、第２図ａに示すように、連結
棒１６の一方の面に、小孔１２に矢印を向け「指
の入る人は使えません」と記載し、裏面には第２
図ｂに示すように、大孔１１に矢印を向け「指の
入らない人は使えません」と記載しておけば、測
定者が使用する際に、わかりやすく便利である。

また、指径確認具９の外形は第３図に示すよう
に楕円形でもよいし、第４図に示すように、指形
であつてもよい。

さらに大孔１１、小孔１２は、閉じているが、
この考案では指が入るか入らないか確認できるも
のであればよく、孔を形成する円形部分の一部が
切除されていてもよい。

また、第１図の実施例では、指径確認具９は、
紐１３で本体ケース１に連結しているが、第５図
に示すように本体ケース１の一端に、指径確認具
９の一端９ａを軸支し、本体ケース１の裏面に第
６図に示すように、指径確認具９の収納し得る凹
部１７を設け、不使用の時は指径確認具９を凹部
１７に収納しておき、指径が適性であるか否かを
確認する場合は、指径確認具９の自由端９ｂをつ
まみ、本体ケース１より離れるように開く〔第５
図参照〕ようにしてもよい。

さらに、指径確認具９は本体ケース内部に、埋
設収納するようにしてもよい。

(ヘ) 考案の効果 この考案によれば、本体に測定すべき指がカフ
の使用可能最大指径以内であるか否かを確認する
第１のゲージと、使用可能最小指径以上であるか
否かを確認する第２のゲージを有する指径確認具
を付設するものであるから、血圧測定に先立ち測
定者は、自分の指に適性なカフであるか否かを確
認でき、適性であれば安心して測定に入るし、適
性でないと判れば信頼度の低い測定を避けること
を選択できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す指用電子
血圧計の外観斜視図、第２図ａ，ｂ、第３図及び
第４図は、同指用電子血圧計に使用される指径確
認具の他の例を示す図、第５図は他の実施例指用
電子血圧計を示す平面図、第６図は同指用電子血
圧計の底面図である。 ９：指径確認具、１１：大孔（第１のゲージ）、
１２：小孔（第２のゲージ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状に形成されるカフを備え、このカフの筒
   内に指を挿通し、カフを加圧して、指動脈を圧迫
   して血圧を測定する指用電子血圧計において、測
   定すべき指が前記カフの使用可能最大指径以内で
   あるか否かを確認する第１のゲージと、使用可能
   最小指径以上であるか否かを確認する第２のゲー
   ジを有する指径確認具を付設してなる指用電子血
   圧計。