JPH0346392Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、時計ケースボタン穴部とボタンとの
間にボタンパツキンを設けてボタンを摺動させる
防水ボタン構造に関する。

〔考案の概要〕

本考案はボタンパツキンボツクスのボタン軸方
向の一方の内壁をケース内胴でまた他方の内壁を
ボタン頭部で形成し、ケース内胴外周に装着した
ケース外胴でボタンの軸方向外側への位置決めを
行なうことにより、ボタンのパツキン溝及びボタ
ン抜け防止部材を不要とし、ボタン部の製造・組
立コストダウンを図つたものである。

〔従来の技術〕

従来の時計ケースボタン構造は、第２図に示す
如く、ケース１，ボタン２，パツキン３，止メ輪
４，ムーブメントバネ５，からなり、ボタンパツ
キンボツクスのボタン軸方向の一方の内壁２ａ，
他方の内壁２ｂは共にボタンからなり、ボタン２
の抜け防止は止メ輪４で行なつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし前述の従来技術では、ボタン２のパツキ
ンボツクスを形成する為に、ボタンを切削加工し
なければならず、ボタン製造コストのブレークス
ルーが図れなかつた。またボタン２の抜け止めの
為、止メ輪４を用いることで、止メ輪取付費及び
止メ輪代の費用が重んでしまつた。そこで本考案
はこのような問題点を解決するもので、その目的
は、防水ボタン部のコストダウンを図り、価格競
争力有る時計ケースを提供するところにある。

〔問題点を解決する為の手段〕

本考案の防水ボタン構造は、ケース胴が内胴と
外胴とから構成され、且つ前記内胴のボタン穴部
とボタンとの間にボタンパツキンボツクスを形成
すると共に前記ボタンパツキンボツクスにボタン
パツキンを装着してボタンを摺動させる防水ボタ
ン構造において、 前記ボタンパツキンボツクスはそのボタン軸方
向の一方の内壁が前記内胴に形成されると共に他
方の内壁がボタン軸頭部に形成され、前記ボタン
の軸方向外側への位置決めが前記外胴の内壁に当
接してされることを特徴とする。

〔実施例〕 第１図は、本考案の実施例を示す要部断面図で
あつて、１１は腕時計など携帯用の時計ケース内
胴、１２はボタン、１３は時計ケース内胴１１と
ボタン１２との間に径方向の締め代をもつて配置
される合成ゴムからなるパツキン、１４はケース
内胴１１の外周に巻き付いたウレタン樹脂からな
るバンドと一体となつた外胴である。

ボタン１２にはパツキン溝を設けていない為、
ステンレススチールのような硬い材質でもヘツダ
ー加工にて容易に製造可能であり、従来の切削ボ
タンに対し、大幅なコストダウンが図れる。また
パツキン形状は組込み安定性を高める為、筒状と
する。ボタンのボタン軸方向内壁にはパツキンボ
ツクスを形成する為に、ケース内胴１１ａにて一
方の内壁を構成する。またこの内壁は、ボタン１
２のケース内胴１１への装着を容易にする為に斜
面としている。パツキンボツクスのボタン軸方向
の他方の内壁１２ａはボタン１２の頭部で構成す
る。ボタン１２のボタン軸外側の抜け防止及び外
部操作は、バンドと一体となつた外胴１４にて行
なう。この外胴１４は指で押すとへこんでボタン
１２を作動させ指を離する、復元する、弾性を有
するウレタンなどのエラストマー部材や合成ゴム
が好ましい。またこのように外胴をバンドと一体
にすることにより、尚一層ケース全体のトータル
コストダウンを図れる。

尚この実施例においては、ボタンの復元力はム
ーブメントに設けたバネ１５で行なつており、Ａ
はムーブメントバネ１５を変形させる為のストロ
ークとして必要なボタンストロークスペースであ
る。

〔考案の効果〕

以上、述べたように本考案によれば、ボタンパ
ツキンボツクスの一方の内壁が内胴に形成される
と共に他方の内壁がボタン頭部に形成されるの
で、例えば従来技術のようにボタン軸部にパツキ
ンボツクス溝を形成するものと比較すれば、ボタ
ン外形の形状をヘツダー加工可能なシンプルな外
形形状とすることができることからボタンの製造
コストを大幅にコストダウンできるという効果を
有する。

またボタンの軸方向外側への位置決めが外胴の
内壁に当接してされるので、例えば従来技術のよ
うにボタン先端部に位置決め用の止め輪を取着す
るものと比較すれば、止め輪自体が不要になると
共にそれを取着するためのボタン先端部への溝加
工等が不要になることから、製造コストが著しく
低減できると共にボタン部の組み作業がボタンを
投げ込むだけで可能となるため、未熟練者でも極
めて容易にできるという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の時計ケース構造の実施例を
示す要部の断面図。第２図は、従来例の時計ケー
ス構造を示す要部の断面図。 １１……内胴、１１ａ……パツキンボツクス内
壁、１２……ボタン、１２ａ……パツキンボツク
ス内壁、１３……パツキン、１４……外胴、１５
……ムーブメントバネ、Ａ……ボタンストローク
スペース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース胴が内胴と外胴とから構成され、且つ前
   記内胴のボタン穴部とボタンとの間にボタンパツ
   キンボツクスを形成すると共に前記ボタンパツキ
   ンボツクスにボタンパツキンを装着してボタンを
   摺動させる防水ボタン構造において、 前記ボタンパツキンボツクスはそのボタン軸方
   向の一方の内壁が前記内胴に形成されると共に他
   方の内壁がボタン軸頭部に形成され、前記ボタン
   の軸方向外側への位置決めが前記外胴の内壁に当
   接してされることを特徴とする防水ボタン構造。