JPH0346038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 本考案は、原動機の駆動によつて回転する垂直
方向の回転軸の下端に螺旋型のドリルの上端を接
続して設けた穴堀機に係るものである。

(b) 従来技術および解決しようとする問題点 従来、この種の穴堀機においては、エンジンの
動力を減速機を介して減速してドリルに伝達して
いるが、この減速機を平歯車、はすば歯車によつ
て減速する方式のものは、動力伝達の効率が良
く、小型にコンパクトに、しかも安価にできると
いう利点があるが、ドリルが土に食い込んだと
き、ドリルの回転を停止させて、ハンドル等の把
持部を把持して反対方向に回動して、ドリルを引
き抜く操作を行なうと、ドリルは停止したまま把
持部が反対方向に回動自在であるので、ドリルを
引き抜くことができなかつた。

(c) 問題を解決しようとする手段および作用 本考案は、原動機を支持する支持体に把持部を
設けるとともに、ドリルに接続する回転軸、ギヤ
ー等の回転部分に設けた係止孔に係脱自在に係止
する係止ピンを、把持部と一体的に固着するクラ
ンクケース、減速用のギヤーケース、クラツチハ
ウジング等の固定部分に、摺動自在または揺動自
在に支持して設けたもので、ドリルが土に喰い込
んだときには、ドリルと把持部との間を直接また
は間接的に係止して、把持部を反対方向に回動す
ることにより、ドリルを反対方向に回動させて、
容易に引き抜くことができるものである。

(d) 実施例 以下、図面により本考案の１実施例について詳
細な説明を行う。

第１図、第２図において、１は穴堀機を示すも
ので、つぎのように構成されている。すなわち、
３は枠状の支持体５に固着された原動機（エンジ
ン）で、７はクランクケース、９はシリンダー
（図示せず）を覆うシリンダーカバー、１１はマ
フラーカバー、１３は燃料タンクである。１５，
１５は支持体５を保持するためのハンドル状の把
持部である。１９はクランクケース７に固着する
ギヤーケースで、下方に回転軸２１が垂直方向に
軸支されている。２３は回転軸２１に接続された
ドリルで、ドリル軸２７の周囲に、下端に刃部２
９を備えた螺旋板３１が設けられ、エンジン３の
駆動により、ギヤーケース１９を介して回転す
る。３３はドリル軸２７の上端に固着して設けた
筒体で、回転軸２１の下端が嵌合し、水平方向に
貫通するボルト３５によつて回転軸２１に係止し
ている。ギヤーケース１９はつぎのように構成さ
れている。すなわち、原動機３の出力軸３７の下
端には小ギヤー３９が固着され、中間軸４１に固
着する大ギヤー４３と係合し、回転軸２１に固着
する大ギヤー４５は中間軸４１に固着する小ギヤ
ー４７に係合している。４９はギヤーケース１９
に摺動自在に設けた係止ピンで、内端は大ギヤー
４３に設けた係止孔５１に係脱自在に係止する。
５３は係止ピン４９を係止方向に不勢する弾機、
５５は係止ピン４９の外端に設けた偏平なつまみ
部で、係止時には、両側に並設したストツパー５
７，５７の間に位置し、係止ピン４９を引き出し
た状態で、ストツパー５７と直交する姿勢におい
ては、つまみ部５５の下縁がストツパー５７と係
止して、係止ピン４９が係止孔５１から離脱した
状態を保持する。

以上の実施例において、エンジン３を駆動し
て、作業者は把持部１７，１７を把持し、回転す
るドリル２３の刃部２９によつて地面を穿孔する
ものである。作業中は係止ピン４９は第３図の鎖
線の位置において大ギヤー４の係止孔５１から離
脱した状態にある。ドリル２３が土に喰い込んだ
ときには、ドリル２３の回転を停止し、係止ピン
４９を係止孔５１に係止して、把持部１７，１７
をドリル２３の回転と反対方向に回動すると、ド
リル２３がともに反対方向に回動して、ドリル２
３を抜き出すことができるものである。なお、第
４図は第２の実施例を示すもので、ギヤーケース
１９に設けた係止孔５９と、回転軸２１に設けた
係止孔６１とに同時に係止する係止ピン６３によ
つて回転軸２１を係脱自在に係止するものであ
る。なお、この回転軸２１側を、回転軸２１の表
面に平行面を設け、この平行面を挾持する係止片
によつて係止せしめてもよい。第５図、第６は第
３の実施例を示すもので、ギヤーケース１９に揺
動自在に枢着された揺動片６５に係止ピン６７を
固着し、この係止ピン６７を回転軸２１に設けた
係止孔７１に係脱自在に係止するものである。７
３は揺動片６５を係脱位置にそれぞれ保持するた
めの弾機である。なお、この係止ピン６７、係止
孔７１にかえて、回転軸２１の表面に平行面を設
け、この平行面を挾持する係止片に係止せしめて
もよい。

(e) 考案の効果 本考案は、請求の範囲に記載のとおりの構成で
あるから、ドリルが土に喰い込んだときに、把持
部をもつてドリルを反対方向に回動して引き抜く
ことができ、しかも、平歯車、はすば歯車等の製
作容易な歯車による減速機を使用することがで
き、製作費が安価でコンパクトな穴堀機を提供す
ることができるものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるもの
ではなく、他の態様においても実施しうるもので
ある。また、請求の範囲に示す符号は本考案の技
術的範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の斜視説明図、第２
図は要部の側断面図、第３図は要部の拡大正断面
図、第４図は第２の実施例の要部の側面図、第５
図、第６図はそれぞれ第３の実施例の要部の側面
図、斜視説明図である。 ３……原動機、５……支持体、１７……把持
部、２１……回転軸、２３……ドリル、４９……
係止ピン、５１……係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原動機３の駆動によつて回転する垂直方向の回
   転軸２１の下端に螺旋型のドリル２３の上端を接
   続して設けた穴堀機において、前記原動機３を支
   持する支持体５に把持部１７を設けるとともに、
   前記ドリル２３に接続する回転部分に設けた係止
   孔５１に係脱自在に係止する係止ピン４９を、前
   記把持部１７と一体的に固着する固定部分に、摺
   動自在に、または揺動自在に支持して設けたこと
   を特徴とする穴堀機。