JPS6239177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、地盤改良のための薬液・モルタル注
入孔の穿孔機として、あるいは一般地質調査用の
ボーリングマシンとして、さらにはワイヤーライ
ン工法の試錐機として使用される中空スピンドル
回転型油圧給進式ボーリングマシンの改良に関す
る。

かかるボーリングマシンにおいては、中空スピ
ンドルの中にボーリングロツドを挿入し、そのロ
ツドをチヤツクでスピンドルに固定して回転する
スピンドルによりロツドを回転させると共に、給
進用油圧ジヤツキによりスピンドルを給進し、ロ
ツドに推力を与えて地盤穿孔を行い、穿孔の進行
につれ、順次ロツドを継ぎ足して行く。

第１図に従来のかかるボーリングマシンの概要
を示し、１は図示されていない変速装置を介して
同様に示されていない原動機により回転される変
速装置の出力軸、２は出力軸１の先端に取付けら
れたベベルギヤ、３はベベルギヤ２と噛合うスピ
ンドル側のベベルギヤ、４はベベルギヤ３内を挿
通しベベルギヤ３により回転される中空スピンド
ル、５はスピンドル４の下端に設けたチヤツク、
６はスピンドル４にスイベル７を介して連結され
てスピンドル４を給進し、ロツドの継ぎ足し時に
スピンドル４を後退させる給進用油圧ジヤツキを
示す。

かかるボーリングマシンにおいて、スピンドル
４の上方よりスピンドル４内にロツドを挿入し、
ロツドをチヤツク５で掴み、図示されていない原
動機を作動して同様に図示されていない変速装置
の出力軸１、ベベルギヤ２，３を介してスピンド
ル４を回転させることによりロツドに回転力を与
え、かつ給進用油圧ジヤツキ６を作動してスピン
ドル４を給進してロツドに推力を与えて穿孔す
る。ロツド長は通常３ｍ程度であり、また給進用
油圧ジヤツキ６のストローク長は500mm程度であ
るので、油圧ジヤツキ６の１ストローク分穿孔す
ればチヤツク５でロツドを切り放し、油圧ジヤツ
キ６でスピンドル４を後退させ、以後同様の作業
を繰り返してロツド１本分の穿孔を行う。そし
て、ロツド１本分の穿孔を終えればスピンドル４
の上方よりロツドをスピンドル４内に挿入してロ
ツドの継ぎ足しを行うわけであるが、スピンドル
４のロツド挿入位置はかなり高い位置になり、従
来のこの種のボーリングマシンによる場合は、マ
シン上に人が乗り、もう一人の補助を受けてロツ
ドの補給、継ぎ足しを行わねばならず、特に狭い
場所、足場の悪い場所でのロツド継ぎ足し作業に
は危険が伴うものであつた。

したがつて、本考案の目的とするところは、ロ
ツド継ぎ足しの際のロツドの補給、継ぎ足しを一
人で、しかも狭い場所、足場の悪い場所でも安全
に行うことのできる中空スピンドル回転型油圧給
進式ボーリングマシンを提供するにある。

以下、第２図ないし第５図を参照し本考案の実
施例を説明する。

第２図および第３図は本考案の実施例の中空ス
ピンドル回転型油圧給進式ボーリングマシンの全
容を示し、１１はベース、１２はベース１１上に
設けたモータあるいはエンジン等の駆動源、１３
はベース１１上に設けたオイルタンク、オイルモ
ータ等の油圧ユニツトでＶベルト１４を介して駆
動源１２により駆動させる。油圧ユニツト１３の
発生圧油は詳細を後述する油圧式給進ジヤツキ、
油圧式チヤツク、油圧式ホルダ等の駆動源に用い
る。１５は油圧ユニツト１３の操作レバー、１６
は圧力計を示す。１７はベース１１上に立設した
フレーム、１８はフレーム上に設けられクラツチ
を備えた変速装置で、Ｖベルト１９を介して前記
駆動源１２から動力が伝達される。２０は変速装
置１８の操作レバーを示す。また２１はギヤおよ
び回転軸のカバー、２２はギヤケース、２３は油
圧式チヤツク、２４は一対の油圧式給進ジヤツキ
で、これらについては第４図および第５図を参照
し詳細に説明する。

第４図および第５図において、２７は前記の変
速装置１８の出力軸で、出力軸２７の先端にはベ
ベルギヤ２８が回転一体に固着されている。２９
は回転中心より偏心した角形軸部分、例えば６角
形軸部分２９ａを有する回転軸で、その先端にベ
ベルギヤ３０が回転一体に固着されており、ベベ
ルギヤ３０は前記の出力軸２７のベベルギヤ２８
と噛合い、回転軸２９は変速装置１８を介して駆
動源１２により回転駆動される。したがつて回転
軸２９はボルトＢ（第２図）をとりはずして回転
盤Ｄを所定角度回転してその位置で再びボルトＢ
で固定すれば任意の角度位置に固定できる。３１
は回転軸２９の角形軸部分２９ａに嵌合された第
１の平歯車で、この第１の平歯車３１は回転軸２
９により回転されると共に、回転軸２９の角形軸
部分２９ａに沿つて摺動できるようになつてい
る。３２は前記の第１の平歯車３１と噛合う第２
の平歯車で、この第２の平歯車３２にそれの中心
を通して中空スピンドル３３が固着されており、
中空スピンドル３３はその中に通されたボーリン
グロツドを保持する。２２は第１の平歯車３１お
よび第２の平歯車３２を補うギヤケース、２３は
ギヤケース２２の上部に設けられていて中空スピ
ンドル３３と回転一体とされた油圧作動のチヤツ
クで、中空スピンドル３３中に挿入されたロツド
を掴みロツドを中空スピンドル３３と共に回転さ
せる。そしてギヤケース２２は第２図および第３
図に示す油圧作動の給進ジヤツキ２４，２４に連
結されており、スピンドル３３、チヤツク２３は
ギヤボツクス２２と共に給進ジヤツキ２４，２４
により回転軸２９の角形軸部分２９ａに沿つて給
進および後退する。またロツドを保持する中空ス
ピンドル３３は第４図からわかるように従来の中
空スピンドルに比べて短いものであり、ロツドを
保持した場合にロツドにぶれを生じて穿孔進行に
ずれを生じるといけないので、第２図および第３
図に示すようにスピンドル３３の下方にホルダ２
５を設け、スピンドル３３と共にロツドを保持す
る。ホルダ２５は油圧シリンダ２６により作動す
る。その他第４図および第５図においては、３４
はベアリング、３５はダストシールを示す。

本考案に係る中空スピンドル回転型油圧給進式
ボーリングマシンは前述のような構成となつてい
るで、ボーリングロツドを中空スピンドル３３に
挿入し油圧式チヤツク２３を作動してロツドを掴
みロツドをスピンドル３３と回転一体化する。そ
して変速装置１８のクラツチを入れることによ
り、モータ１２の回転がＶベルト１９、変速装置
１８、出力軸２７、ベベルギヤ２８，３０、回転
軸２９、平歯車３１，３２、スピンドル３３と伝
わり、チヤツク２３で挟持したロツドを回転さ
せ、それと同時に油圧式給進ジヤツキ２４，２４
を作動しスピンドル３３を給進してロツドに推力
を与え穿孔する。給進ジヤツキ２４，２４の１ス
トローク分穿孔すればチヤツク２３でロツドを切
り放し、給進ジヤツキ２４，２４でギヤケース２
２をスピンドル３３、チヤツク２３と共に回転軸
２９の角形軸部分２９ａに沿つて後退させ、以後
同様の作業を繰り返してロツド１本分の穿孔を行
う。そしてロツド１本分の穿孔を終えればロツド
の継ぎ足しを行うわけであるが、第１図に示す従
来のベベルギヤを中空スピンドルが挿通するもの
に比べてロツドの挿入位置が低くなり、地上でも
つて一人でロツドの補給、継ぎ足しを行うことが
できる。このことは狭い場所や足場の悪い場所で
は特に好ましいことであり、かかる場所において
も安全かつ迅速にロツドの継ぎ足しを行うことが
できる。さらに給進ジヤツキは勿論のことロツド
を掴むチヤツクおよびロツドを保持するホルダも
油圧作動式のものであるので、自動的にそれらを
操作することができる。これらのことからして従
来は一人でせいぜい１台のマシンしか管理できな
かつたが、本考案によるマシンによれば一人で３
ないし４台のマシンの管理が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の中空スピンドル回転型油圧給進
式ボーリングマシンを示す概略図である。第２図
および第３図は本考案に係る中空スピンドル回転
型給進式ボーリングマシンの全容を示し、第２図
は正面図、第３図は側面図である。第４図および
第５図はその要部を示し、第４図は一部を平面で
示す縦断面図、第５図は平面図である。 １１……ベース、１２……モータ、１３……油
圧ユニツト、１８……変速装置、２２……ギヤボ
ツクス、２３……油圧式チヤツク、２４……油圧
式給進ジヤツキ、２５……油圧式ホルダ、２９…
…回転軸、３１，３２……平歯車、３３……中空
スピンドル、３４……ベアリング、３５……ダス
トシール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変速装置を介して駆動源により回転され、かつ
   回転盤により任意の方向に固定される回転軸を備
   え、その回転軸は角形軸部分を有し、回転軸の角
   形軸部分に回転軸の軸線方向に摺動できるように
   して第１の平歯車を回転一体に設け、その第１の
   平歯車と噛合う第２の平歯車を設けると共に、そ
   の第２の平歯車にロツドを保持する中空スピンド
   ルを第２の平歯車の中心を通して固着し、また第
   １の平歯車および第２の平歯車の被うギヤケース
   を設け、そのギヤケース上部に中空スピンドルと
   一体化され中空スピンドルに挿入したロツドを掴
   んでロツドを中空スピンドルと一体回転させる油
   圧作動のチヤツクを設けると共に、中空スピンド
   ルの下方にロツドを保持する油圧作動のホルダを
   設け、ギヤケースを前記回転軸に沿つて中空スピ
   ンドルおよびチヤツクと共に油圧作動の給進ジヤ
   ツキにより上下動させるようにしたことを特徴と
   する中空スピンドル回転型油圧給進式ボーリング
   マシン。