JPH0345569Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は大きな網目とした無端のベルトコンベア
ーを機台の左右間に張設してこれを緩慢に回動せ
しめると共に、該ベルトコンベアーの中央部の上
下より海水を噴射してコンベアー上の真珠貝を洗
滌する真珠貝洗滌機において、回転主軸に軸着し
た大形の公転歯車に噛合する小形の自転歯車軸の
軸端に、分岐管を介して複数の噴射ノズルを取着
して形成したものをベルトコンベアーの上下に対
向して配設して、該ベルトコンベアー上に移送さ
れる養殖ネツトとその内部の真珠貝を噴射ノズル
より高圧噴射する海水により斑なく均一にして高
速洗滌する様にした真珠貝洗滌機における噴射ノ
ズル移動装置に関するものである。

（従来の技術） 従来より真珠の養殖に際しては、内海に固定的
に設けた筏に適正数の真珠貝を配置した養殖ネツ
トを多数長期間海中に吊り下げて該真珠貝の成育
を図ると共に、定期的にこの養殖ネツトを海中よ
り引き上げて、該ネツト内で成育する真珠貝が重
なり合わない様に点検すると同時に、真珠貝及び
養殖ネツトに付着して自然発生的に生じる着生生
物や、海藻、ゴミ等の夾雑物をを除去して正常な
る成育を図るためにこれらを洗滌してかかる付着
物を除去し、再度海中に吊り下げて真珠貝の健全
養殖を図つているものである。

而して、この養殖ネツト内の真珠貝をネツトご
と洗滌するための手段として、手動的に噴射ノズ
ルを握持して海中より引き上げた個々の養殖ネツ
トを個別に洗滌するか、或は網目上のコンベアー
の上下両面に向けて多数の噴射ノズルを固定的に
配置するか、又はコンベアーと同一幅移動可能と
した少数の噴射ノズルにより、このコンベアー上
に移送される養殖ネツトに対して海水を高圧噴射
してこれを洗滌しているものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらかかる洗滌方法の内、噴射ノズル
を手動的に操作して洗滌する方法にあつては真珠
貝の洗滌には理想的であるが、多量の養殖ネツト
をこの様な方法で洗滌処理することは極めて非能
率的なものであり、又固定的な多数の噴射ノズル
により洗滌する方法にあつては、上下の噴射ノズ
ル間を直交して通過する養殖ネツト及びその内部
の真珠貝はよく洗滌されるが、それ以外の噴射領
域を外れたネツト及びその内部の真珠貝は洗滌斑
が生じる憂いがあり、更にコンベアーと同一幅に
移動可能とした少数の噴射ノズルの洗滌方法にあ
つては、該噴射ノズルが移送コンベアーの横幅一
杯に移動自在とする構成としているので、構成各
部を耐蝕性に富む資材により構成しなければ長期
間の使用に耐えず、且つ必然的に構造が複雑とな
つて故障も起こり易く、保守点検も容易に行なう
ことが出来ず、更には比較的高価なものである等
未だ改良すべき点を種々有しているものである。

（問題点を解決するための手段） 本案はかかる現状に鑑みて考案したものであつ
て、簡単な構成にしてコンベアー上を移送される
養殖ネツト及びその内部の真珠貝を斑なく均一に
しかもこれを高速に洗滌する様に、コンベアーの
上下に対向して該コンベアーの横幅中心に大形の
公転歯車を軸着した回転主軸を配設すると共に、
この公転歯車に噛合する小形の自転歯車軸の軸端
に分岐管を介してその先端に上下相対向する様に
複数個の噴射ノズルを取着して形成し、回転主軸
の軸端部より導入する高圧の海水を自転歯車軸へ
導入し、更にこれを分岐管より複数個の噴射ノズ
ルより上下同一位置にて高圧噴射しつつ、比較的
緩慢に回転する大形の公転歯車の周囲に噛合する
小形の自転歯車が歯車比の相違により高速に自転
し、その軸端に分岐管を介して取着した噴射ノズ
ルより海水を広範囲に高圧噴射するものであるか
ら、如何様な着生生物及び夾雑物をも養殖ネツト
更にはその内部の真珠貝の表面を美麗にして均一
に、しかも高速に洗滌するものである。

（作用） 本案は一定数の真珠貝を収容する養殖ネツトを
移送するベルトコンベアーの横幅中心に回転主軸
を配置し、該回転主軸に大形の公転歯車を軸着し
てこれを緩慢に回転せしめると同時に、この公転
歯車軸の軸端に一体的に取着する導入管の他端部
に、一端に前記大形の公転歯車に噛合する小形の
自転歯車を有し、他端に大きく広がる分岐管を自
転歯車軸に軸着して、該分岐管の先端にはベルト
コンベアーに向け複数の噴射ノズルを取着して形
成したものを、該ベルトコンベアーの上下に一定
の間隔を置き同調して回転する様にしているもの
であるから、複数の噴射ノズルは自転歯車軸の高
速回転により自転しつつ公転歯車の周囲を回転し
てベルトコンベアーの上下両面より広範囲に高圧
の洗滌水を噴射して、かかる養殖ネツト及びその
内部の真珠貝の上下両面を高速洗滌するものであ
り、噴射ノズルの回転は大形の公転歯車と小形の
自転歯車との噛合による簡単な構成により得られ
るものであるから故障する憂いもなく容易に保守
点検が出来る極めて有用なものである。

（実施例） 本案による一実施例を説明すれば、大きな網目
とした無端のベルトコンベアー１を機台２の左右
間に張設してこれを緩慢に回動せしめると共に、
該ベルトコンベアー１の中央部の上下より海水を
高圧噴射してコンベアー１上を移送する真珠貝を
洗滌する真珠貝洗滌機３において、ベルトコンベ
アー１の中央部の横幅中心の上下に一定の間隔を
置き海水導入管４，４′を貫通する回転主軸５，
５′を配設し、該回転主軸５，５′の外側軸端には
駆動用スプロケツト６，６′を、中間部には大形
の公転歯車７，７′を、内側軸端には導入管８，
８′を一体的に取着したものを夫々軸着し、更に
該導入管８，８′の他端部に自転歯車軸９，９′を
嵌挿し、その一端には前記大形の公転歯車７，
７′に噛合する小形の自転歯車１０，１０′を軸着
し、他端には大きく広がる分岐管１１，１１′を
取着すると共に、該分岐管１１，１１′の先端に
はベルトコンベアー１に向け噴射ノズル１２，１
３，１２′，１３′を取着してなるものであつて、
図中、１４，１４は海水導入ホース、１５は養殖
ネツト押えバネ、１６は養殖ネツト、１７は真珠
貝、１８，１８′は機枠板１９は洗滌水排出口、
２０，２０′は駆動チエーンである。

（考案の効果） 本案は叙上の如き構成によりなるものであつて
機台２の左右間に張設するベルトコンベアー１の
中央部の横幅中心に配設する回転主軸５，５′に
軸着の大形の公転歯車７，７′と、この公転歯車
７，７′の周囲に噛合する自転歯車軸９，９′の軸
端に軸着する小形の自転歯車１０，１０′は、そ
の両者の歯車比の相違により該自転歯車軸９，
９′の他端に分岐管１１，１１′を介して取着した
噴射ノズル１２，１３，１２′，１３′を高速にし
て広範囲にベルトコンベアー１上に移送される養
殖ネツト１６及びその内部の真珠貝１７に向け上
下両面より同一位置で同調して海水を高圧噴射し
てこれらを均一に斑なく洗滌するものであり、
又、図示する実施例における分岐管１１，１１′
は直線状にして、その回転半径は回転主軸５，
５′と自転歯車軸９，９′との距離間としている
が、それを更に広くとり、且つ分岐管１１，１
１′を三方、或はそれ以上としたものを組み合せ
て夫々の先端にベルトコンベアー１に向け噴射ノ
ズルを取着すればより広範囲にして洗滌範囲が重
複したものが得られるものであり、これらは大形
の公転歯車と小形の自転歯車との噛み合せによる
簡単な構成により得られるものであつて、これに
より従来にない各別の洗滌効果が得られる極めて
有用なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の要部拡大側面図、第２図は第１
図Ａ−Ａ線切断面図、第３図は同上におけるＢ−
Ｂ線切断面図、第４図は本案による真珠貝洗滌機
の一部切開側面図である。 図中、１……ベルトコンベアー、２……機台、
３……真珠貝洗滌機、４，４′……海水導入管、
５，５′……回転主軸、６，６′……駆動用スプロ
ケツト、７，７′……公転歯車、８，８′……導入
管、９，９′……自転歯車軸、１０，１０′……自
転歯車、１１，１１′……分岐管、１２，１３，
１２′，１３′……噴射ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無端のベルトコンベアー１を機台２の左右間に
   張設してこれを緩慢に回動せしめると共に、該ベ
   ルトコンベアー１の中央部の上下より海水を高圧
   噴射してコンベアー１上を移送する真珠貝を洗滌
   する真珠貝洗滌機３において、ベルトコンベアー
   １の中央部の横幅中心の上下に一定の間隔を置き
   海水導入管４，４′を貫通する回転主軸５，５′を
   配設し、該回転主軸５，５′の外側軸端には駆動
   用スプロケツト６，６′を、中間部には大形の公
   転歯車７，７′を、内側軸端には導入管８，８′を
   一体的に取着したものを夫々軸着し、更に該導入
   管８，８′の他端部に自転歯車軸９，９′を嵌挿
   し、その一端には前記大形の公転歯車７，７′に
   噛合する小形の自転歯車１０，１０′を軸着し、
   他端には大きく広がる分岐管１１，１１′を取着
   すると共に、該分岐管１１，１１′の先端にはベ
   ルトコンベアー１に向け噴射ノズル１２，１３，
   １２′，１３′を取着してなることを特徴とする真
   珠貝洗滌機における噴射ノズル移動装置。