JPH034404B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車用安全ベルトを含む、安全ベル
ト用キヤリヤの係止装置に開し、特に、押力に対
して撓まないケーブルを介して案内部材の長手方
向に移動自在な安全ベルト用キヤリヤを、該キヤ
リヤと係合する可動係止部材が内部に配設された
ケースに係止する型式の安全ベルト用キヤリヤ係
止装置に関する。

（従来の技術） 押圧に対して撓まないケーブルを介して案内部
材の長手方向に移動自在な安全ベルト用キヤリヤ
を該キヤリヤと係合する可動係止部材が内部に配
設されたケースに係止する型式の安全ベルト用キ
ヤリヤ係止装置は、例えば西ドイツ特許出願公開
（DE−OS）第2942207号により既に知られてお
り、此の場合、上記ケースは両端面及び片側部が
開いた断面Ｕ字形部材から成る。尚、ケースを一
対の半割体で構成し、これ等の半割体を一体溶接
すると共に、耳部を設けて上記案内部材の位置決
めに利用することも既に提案されている。

（本発明が解決しようとする問題点） 上記従来の構成に係る安全ベルト用キヤリヤ係
止装置は、ケースの両端面及び片側部が開いてい
る為、該ケース内に収容された部材が比較的無防
備の状態に在る。又、半割体を一体に溶接し、こ
れに耳部を設けた構成の場合には、製作上、寸法
公差の問題が生じて来る。

本発明は、従来の安全ベルト用キヤリヤ係止装
置に於る斯かる問題点を有効に解決すべく為され
たものである。

（問題点を解決する為の手段） 本発明は、押力に対して撓まないケーブル２を
介して案内部材４８の長手方向に移動自在な安全
ベルト用キヤリヤ６を該キヤリヤと係合する可動
係止部材１０が内部に配設されたケース８に係止
する型式の安全ベルト用キヤリヤ係止装置であつ
て、上記ケース８を部分的に筒状に形成してその
内部に、上記案内部材４８の自由端を形状閉鎖的
に囲繞する、特に合成樹脂製、より好ましくはポ
リアセタール製、或いは金属ダイカスト製、より
好ましくはアルミニウム製の、嵌込部材３６を取
外し可能に固設した、安全ベルト用キヤリヤ係止
装置を提供する。

（実施例） 以下に、本発明の好適実施例を添付図面に基づ
き詳述する。

第１図乃至第５図は、本発明の第１の好適実施
例に係る安全ベルト用キヤリヤ係止装置を示すも
ので、該係止装置は、プツシユプルケーブル２に
より案内部材４８の長手方向で移動停止自在な安
全ベルト用キヤリヤ６をケース８に係止せしめる
機能を有する。該ケース８中には、キヤリヤ６と
係合自在なフツク形の可動係止部材１０が枢設さ
れていて、フツク部１２がキヤリヤ６に係合し、
その際、キヤリヤ６は、ケース８の側面に設けら
れた外方へ開口したスリツト１４に嵌合されてい
る。又、キヤリヤ６は、ケーブル２上に、該ケー
ブル２を囲繞するシース２０の近くで、ストツパ
ー１６，１８間の限られた距離だけ軸方向に摺動
可能に取り付けられている。ケース８内で、キヤ
リヤ６の案内方向前方のケーブル２上には、解除
部材２２が軸方向摺動自在に装着されている。此
の解除部材２２は取付方及び該部材２２によりキ
ヤリヤ６をケーブル２上で摺動せしめる上での作
動様式は、前記西ドイツ特許公開（DE−OS）第
2942207号と同じである。

第３図に示される如く、上記ケース８は、部分
的に筒状に形成されている。即ち、ケース８は、
重なり部２４を持つ如く折曲して外側の自由延伸
縁２６で溶接した鋼板から成り、該鋼板の一部を
ケース８の両端から突出せしめて夫々取付孔３
２，３４を備える耳部２８，３０を形成してい
る。尚、ケース８は、車両方向に於て前記案内部
材４８前方の位置Ｘにて、上記取付孔３２，３４
を介し、自動車のＢピラーＢに、該ピラーを越え
て側方に突出しない様に、取り付けられる。

以上に於て、ケース８中には、合成樹脂製嵌込
ブロツク３６がぴつたり嵌装されており、該ブロ
ツク３６は、ケース８の全長に亘り装着された部
分３８，４０（第３図）及び底部４２を備えると
共に、ケース８下方への突出部４４（第１図）を
有し、該突出部４４で、前記シース２０の支持を
為す半円筒状凹部３７を構成しており、ケース８
に挿通したネジ４６（第５図）でブロツク３６全
体が固定されている。ブロツク３６は好ましくは
ポリアセタール製とし、此の点、金属ダイカスト
製、好ましくはアルミニウム製、としても良い。

前記案内部材４８は、その自由端が、上記合成
樹脂ブロツク３６に、該ブロツク３６の底部４２
迄差し込まれ、ブロツク３６内周は、上記案内部
材４８を形状閉鎖的に囲繞しており、前記ケース
８全長に亘るブロツク部分３８，４０を介して上
記底部４２へと至る。又、案内部材４８は、ケー
ブル２を保持するキヤリヤ６の環状部５２を受け
る溝部５０と、キヤリヤ６のガイド用ラグ５６を
受ける長手方向溝５４とを備え、該溝５４によ
り、キヤリヤ６のケーブル２廻りの揺動を阻止し
ている。

尚、第４図から明らかな如く、前記合成樹脂ブ
ロツク３６は、ケース８と隣接する側面５８に、
フツク形係止部材１０の背面に押し当てられた板
バネ６６の折曲基端６０を差し込む溝６２が形成
されている。又、係止部材１０は、隣接するケー
ス８側壁部に、支軸ピン６８により枢着され、該
ピン６８と前記フツク部１２との間に解除要素７
０が結着されている。該解除要素７０は、前記西
ドイツ特許出願公開（DE−OS）第2942207号に
於ると同じ機能を有している。

次いで、本発明の第２図の好適実施例に係る安
全ベルト用キヤリヤ係止装置に付き、第６図及び
第７図を参照して、以下に説明を行なうに、該キ
ヤリヤ係止装置は前記第１実施例との比較に於
て、嵌込部材３６の底部４２に、キヤリヤ６によ
り作動せしめられるリミツトスイツチ８０が配設
されている点のみが異なり、此の点、第６図及び
第７図の実施例の構成要素の内、第１図乃至第５
図に示す実施例と同じ形状及び機能を有するもの
には、同じ参照番号を付し説明を省く。

本実施例に於ては、必ずしも不可欠という訳で
はないが、ケース８の内部には、該ケースと係止
状態にあるキヤリヤ６とリミツトスイツチ８０と
の間に、バネ８４を介してケース固定ピン８６に
支持されたスイツチ用中間部材８２が配設され、
該部材８２は、リミツトスイツチ８０のスイツチ
ング突起８８を駆動自在な構成となつている。

（発明の効果） 以上により明らかな如く、本発明によれば、ケ
ース８の内部に案内部材４８の自由端を形状閉鎖
的に囲繞する嵌込部材３６を設けたため、案内部
材４８がケース８から抜出する心配がなく、又、
ケース８は筒状に折曲して溶接した鋼板で形成し
たため、重大な公差上の問題を生じること無く、
少数の構成要素で、容易に製作可能な安全ベルト
用キヤリヤ係止装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の第１の好適実施例に係る安
全ベルト用キヤリヤ係止装置を示す側面図、第２
図は第１図の装置の案内部材を除去した矢視方
向断面図、第３図は、上記案内部材を含む第２図
と同様の図、第４図は第２図の−線断面図、
第５図は、第４図の−線断面図、第６図は、
本発明の第２の好適実施例に係る安全ベルト用キ
ヤリヤ係止装置を示す第４図と同様の図で、90゜
回転したもの、そして、第７図は第６図の装置の
別の状態を示す図である。 尚、図面中、参照番号は２はケーブル、６はキ
ヤリヤ、８はケース、３６は嵌込部材、そして、
４８は案内部材を示している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 押力に対して撓まないケーブルを介して案内
   部材の長手方向に移動自在な安全ベルト用キヤリ
   ヤをケースに係止するための装置であつて、上記
   ケースを部分的に筒状に形成してその内部に上記
   案内部材の端部を保持し、該ケースには、上記キ
   ヤリヤと係合する可動係止部材がその係合方向に
   板バネで付勢されて内部に配設された乗用車の安
   全ベルト用キヤリヤ係止装置において、 上記ケースには内部に上記案内部材４８の端部
   を囲繞する嵌込部材が配設されており、該嵌込部
   材３６は上記案内部材４８の端面が当接する底部
   ４２を有し、上記嵌込部材３６に、前記ケーブル
   ２を囲繞するシース２０を受容・支持する為の凹
   部３７を設け、かつ、上記板バネ６６の基端を収
   容する溝６０を上記嵌込部材３６の上記ケース８
   と隣接する側面に形成したことを特徴とする、安
   全ベルト用キヤリヤ係止装置。 ２ 前記ケース８は、筒状に折曲して溶接された
   鋼板から成ることを特徴とする、前記特許請求の
   範囲第１項に係る安全ベルト用キヤリヤ係止装
   置。 ３ 前記嵌込部材３６は、前記ケース８中に、該
   ケース８に外方より挿通されたネジ４６で固定さ
   れていることを特徴とする、前記特許請求の範囲
   各項の一に係る安全ベルト用キヤリヤ係止装置。 ４ 前記ケース８を、車両前後方向に関し前記案
   内部材４８の前方位置ｘに於てＢピラーＢにネジ
   止めしたことを特徴とする、前記特許請求の範囲
   各項の一に係る安全ベルト用キヤリヤ係止装置。 ５ 前記嵌込部材３６の底部４２に、前記キヤリ
   ヤ６で作動せしめられるリミツトスイツチ８０を
   設けたことを特徴とする、前記特許請求の範囲各
   項の一に係る安全ベルト用キヤリヤ係止装置。 ６ 前記ケース８の内部には、該ケースと係止し
   た位置にある前記キヤリヤ６と前記リミツトスイ
   ツチ８０との間に、弾性的に支持されたスイツチ
   用中間部材８２を配設したことを特徴とする、前
   記特許請求の範囲第５項に係る安全ベルト用キヤ
   リヤ係止装置。