JPH0343494A - 石油及び石炭系原料油の汚れ防止剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は石油及び石炭系原料油の新規な汚れ防止剤、さ
らに詳しくは、石油精製や石油化学プロセスにおける石
油及び石炭系原料油の汚れ、特に石油及び石炭系原料油
中に溶存酸素が存在する場合に生皮する汚れを効果的に
防止しうる薬剤に関するものである。

［従来の技術］ 従来、石油精製や石油化学工業においては、例えば常圧
蒸留、減圧蒸留、水素化脱硫、接触分解、接触改質、異
性化など、種々のプロセスが採用されており、各石油系
原料油は加熱、冷却、分解、分離などの処理が繰り返し
施され、各種石油製品に誘導されている。また、石炭乾
留油などの石炭系原料油も単独か又は石油系原料油と混
合されて同様の処理がなされている。

ところで、これらのプロセスにおいては、該石油及び石
炭系原料油は、例えば予熱熱交換器、加熱炉などで加熱
される際、熱変性を受けてスラッジが生皮し、これが熱
交換器や加熱炉の伝熱面に付着して汚れが生じるのを免
れず、このような汚れは、特に該石油系原料油中に溶存
酸素が存在する場合に激しいという問題がある。

したがって、このような汚れを防止する目的で、従来、
石油精製や石油化学プロセスにおいては、酸化防止剤、
金属不活性化剤、分散剤など、あるいはこれらを組み合
わせた汚れ防止剤が用いられている。この汚れ防止剤と
しては、例えば（１）ポリアルケニルコハク酸イミド、
（２）アルキル又はアルケニル置換有機カルボン酸とポ
リアルキレンポリアミン共重合体とホスファイトとを含
有する汚れ防止剤（特公昭４６−６５０３号公報）、ポ
リアミンとコハク酸化合物との反応物、フェノール系化
合物及びＮ、Ｎ’−ジサリチリデンー１．２−プロパン
ジアミンを含有する組成物から成る汚れ防止剤（特開昭
６０−５４３２７号公報）、スチレン−マレイン酸エス
テル共重合体、コハク酸エステル及びＮ、Ｎ’−ジサリ
チリデンー１，２−プロパンジアミンを含有する組成物
から成る汚れ防止剤（特開昭６２−２０７２６５号公報
）などが知られている。

しかしながら、これら従来の汚れ防止剤においては、例
えば汚れ度合が低い場合にはある程度汚れを抑制するこ
とができても、汚れ度合が高い場合には汚れ防止効果が
十分に発揮されなかっｔこり、石油精製などの高温処理
の場合、分解が生じ、汚れ防止効果が低下しｔ；す、触
媒毒として作用するアミンなどの好ましくない分解物を
生成したり、あるいは油不溶性のため薬注に特別の工夫
を必要としたりするなどの問題がある上、石油及び石炭
系原料油中に溶存酸素が多く含まれている場合、汚れ抑
制効果が低い、すなわち酸化防止効果が小さいという欠
点も有している。

このように、従来の汚れ防止剤は必ずしも十分に満足し
うるものではなく、高温処理においても好ましくない分
解物を生成せず、かつ優れた汚れ防止効果を発揮すると
ともに、溶存酸素の多い石油及び石炭系原料油に対して
も汚れ防止効果を十分に発揮しうる薬剤の開発が強く望
まれていた。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は、このような従来の汚れ防止剤が有する欠点を
克服し、溶存酸素の多い石油及び石炭系原料油に対して
も汚れ防止効果を十分に発揮しうる上、高温処理におい
ても優れた汚れ防止効果を発揮することができ、かつア
ミンなどのプロセス上好ましくない分解物を生成するこ
とのない、石油及び石炭系原料油の汚れ防止剤を提供す
ることを目的として々されｔこものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する石油系原料
油の汚れ防止剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ポ
リオルガノシロキサンがその目的に適合しうろことを見
い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至りＩ
；。

すなわち、本発明は、２５°Ｃの温度における粘度が０
．６５〜１，０００，０００ｃＳｔのポリオルガノシロ
キサンを含有して成る石油及び石炭系原料油の汚れ防止
剤を提供するものである。

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明の汚れ防止剤として用いるポリオルガノシロキサ
ンとしては、例えば−数式 ％式％（） （式中のＲ１ないしＲ１は、それぞれ低級アルキル基、
低級アルコキシ基、アリール基又はアリーロキシ基であ
り、それらは同一であってもよいし、たがいに異なって
いてもよく、Ｘ及びＹは、それぞれ水素原子、ヒドロキ
シル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール
基、アリーロキシ基又は他の有機残基であって、それら
は同一であってもよいし、たがいに異なっていてもよい
が、少なくともどちらか一方がヒドロキシル基、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、アリール基又はアリーロ
キシ基であり、ｍ及びｎは、それぞれＯ又は１以上の整
数である） で表される構造を有するものを挙げることができる。

前記−数式（Ｉ）における低級アルキル基としては、例
えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ｎ−プロピ
ル基などが、低級アルコキシ基としては、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、インプロポキシ基、ｎ−プロポキシ
基などが挙げられ、またアリール基及びアリーロキシ基
としては、例えばそれぞれフェニル基及びフェノキシ基
などが挙げられる。

このようなポリオルガノシロキサンの具体例として（ま
、ポリジメチルンロキサン、ポリジフェニルシロキサン
、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジエチルシロキ
サン、ポリエチルメチルシロキサン、ポリメチルハイド
ロジエンシロキサン、ポリエチルハイドロジエンシロキ
サン、ポリフェニルハイドロジエンシロキサンなどが挙
げられる。

本発明においては、これらのポリオルガノシロキサンは
、温度２５℃における粘度が０．６５〜１．０００，０
ＯＱｃＳｔの範囲にあるものが用いられる。この粘度が
０．６５ｃＳｔ未満のものでは、重合度が低すぎて本発
明の効果が十分に発揮されないし、１，０００，０００
を超えると薬注が困難となる上、石油及び石炭系原料油
に溶解しにくくなる傾向がみられる。

本発明の汚れ防止剤は、前記ポリオルガノシロキサンを
１種用いてもよいし、２種以上を組み合わせて用いても
よく、また本発明の目的を損なわない範囲で、所望に応
じ他の成分、例えば公知の汚れ防止剤や補助剤と併用し
てもよい。

本発明の汚れ防止剤の処理対象となる石油及び石炭系原
料油については特に制限はなく、石油精製や石油化学プ
ロセスにおいて処理される際に、汚れを発生するすべて
の被処理油に本発明の汚れ防止剤を適用することができ
るが、特に、留出油を処理するプラントの予熱用熱交換
器や加熱炉などで処理される被処理油、例えばナフサ、
灯軽油などの水素化脱硫装置における予熱用熱交換器や
加熱炉、ＦＣＣ装置における予熱用熱交換器、アルキレ
ーションなどの改質装置における予熱用熱交換器や加熱
炉などで処理される被処理油に対する適用が好ましい。

このような被処理油となる石油系原料油としては、例え
ば原油、原油のガソリン留分、灯油、軽油、重質軽油、
軽質ガソリン、重質ガンリン、分解ガソリン、分解軽油
、重油、ナフサなどが挙げられる。一方石炭系原料油と
しては例えばタールピンチの分解油、分解油のガソリン
留分、灯油、軽油、ナフサなどが挙げられる。

本発明の汚れ防止剤が特番こ好適に使用できる石油及び
石炭系原料油としては、石油精製プロセスにおいて粗精
製された溶存酸素５ｐｐｍ以上のす７すから重質軽油ま
での留出油を挙げることかできる。この溶存酸素が５ｐ
ｐｍ以上の留出油としては、例えばある精油所で粗精製
されたのち、別の精油所まで船などにより空気と接触す
る状態で輸送されて、この精油所で精製される場合の留
出油や、同一の精油所内でも、粗精製後空気と接触する
状態で貯蔵されたのち、再度精製される場合の留出油な
どが挙げられる。

次に、本発明の汚れ防止剤の好適な使用方法の１例につ
いて説明すると、まず前記ポリオルガノシロキサン及び
必要に応じて併用された他の汚れ防止剤や補助剤などを
適当な炭化水素系溶媒に溶解したのち、この溶液を石油
精製や石油化学プロセスにおいて汚れが発生している設
備、例えば熱交換器、加熱炉、配管などの前に連続注入
するか、又は石油系原料油タンクに一括注入する。この
際、本発明の汚れ防止剤の使用濃度は、通常０．１〜５
０　、ＯＯＯｍｙ／ｂｙ処理油の範囲で選ばれる。

本発明の汚れ防止剤を石油及び石炭系原料油に添加する
と、ポリオルガノシロキサンが溶存酸素による原料油の
酸化劣化を防止してスラッジの生成を抑制すると同時に
スラッジを分散させ、その結果汚れ付着量の減少をもた
らし、優れた汚れ防止効果が得られる。

一般に溶存酸素の存在するナフサや灯軽油などを処理す
る水素化脱硫装置においては、汚れ防止剤無添加の場合
、汚れの付着により数か月間ぐらいしか運転できないし
、また従来の汚れ防止剤の使用ではほとんど効果は認め
られず、運転期間の延長には至らなかった。これに対し
、本発明の汚れ防止剤では従来の２倍以上の運転期間が
達成可能となり、その結果省エネルギー、省メンテナン
ス、装置の安定運転が可能となる。

［実施例］ 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によってなんら限定されるものではな
い。

なお、汚れ防止効果の評価として、誘導期間法により試
料油の酸化安定度を求めた。

該誘導期間法は、ＪＩＳＫ−２２８７に準拠し、温度２
００　’０、酸素圧３１２９／　ｃｍ”　・Ｇ　（溶存
酸素量約１５０ｐｐｍ）の条件で恒温油槽を用いて実施
しｔ：。

実施例１ 汚れ防止剤として、前記−数式（１）におけるＲ１ない
しＲ”、Ｘ及びＹのすべてがメチル基で、ｍとｎとの和
が６５．２５℃における粘度が１００ｃＳｔのポリジメ
チルシロキサンを用い、かつ試料油として重質軽油を用
いて、誘導期間法により、ポリジメチルシロキサンの各
添加量における誘導期間（分）を求め、酸化安定度（汚
れ防止効果）を評価した。その結果を第１表に示す。

誘導期間が長いほど酸化安定度は良い。

比較例１〜３ 汚れ防止剤を使用しないで（比較例１）、また実施例１
におけるポリジメチルシロキサンの代わりに、アルケニ
ルコハク酸イミド（比較例２）、スチレン−マレイン酸
エステル共重合体とコハク酸エステルとＮ、Ｎ’−ジサ
リチリデンー１．２−プロパンジアミンとの混合物（比
較例３）を用いて、実施例１と同様にして実施した。そ
の結果を第１表に示す。

（以下余白） 第 表 第１表から分かるように、従来品（比較例２．３）は１
０　、ＯＯＯｍｇ／ｋｇの添加でもほとんど効果を示さ
ないが、ポリジメチルシロキサンは優れた効果（誘導期
間を延ばす）を発揮する。

〔発明の効果］ 本発明の石油及び石炭系原料油の汚れ防止剤は、ポリオ
ルガノシロキサンを含有するものであって、溶存酸素の
多い石油及び石炭系原料油に対しても汚れ防止効果を十
分に発揮しうる上、高温処理や汚れ度合が高い場合でも
効率よく汚れを防止することができ、しかも分解により
アミンなどのプロセス上好ましくない物質を生皮するこ
とがないなど、優れた特徴を有している。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １２５℃の温度における粘度が０．６５〜１，０００，
   ０００ｃＳｔのポリオルガノシロキサンを含有して成る
   石油及び石炭系原料油の汚れ防止剤。