JPH0343281Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は梁せいを小さくした梁ユニツトに関す
る。

（従来の技術） 一般に、均一梁せいのRC構造（鉄筋コンクリ
ート構造）のPC梁（プレキヤストコンクリート
梁）はその両端部を柱に接合するものであるが、
梁端部と柱との間にヒンジが形成される。このた
め梁スパンを長くすればこれに対応して梁せいは
大きくなる。またPC梁には梁端部にハンチを設
け、中央梁せいを小さくしている例がある。

（考案が解決しようとする課題） 前者の従来例では梁スパンが長くなると梁せい
を大きくせざるを得ず、その分階高が高くなる不
都合が生じ、また後者の例ではハンチを設けるた
めハンチ処理を必要とする。

本考案の目的は梁せいを小さくすると共にハン
チ処理を不要にし、柱梁接合部における主筋の定
着を十分とれるようにすることにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は、鉄筋コンクリート構造の柱１の柱梁
接合部の位置に取り付けるための柱梁接合鉄骨２
と、この柱梁接合鉄骨の両端部に連結されている
RC構造のPC梁体３，４とからなるものである。
上記柱梁接合鉄骨２の端部はPC梁体３，４の端
部内に埋入されている。

（作用） 柱梁接合鉄骨２とその両端のPC梁体３，４と
が一体化されて、１ユニツトを構成する。

（実施例） 現場打ちRC構造の柱１の柱梁接合部の位置に
はＨ型鋼からなる柱梁接合鉄骨２が貫通してい
る。柱梁接合鉄骨２の両端部は柱１を挟んで対向
している各梁の一部を構成しているPC梁体３，
４の端部内に埋入され、埋入部分が梁端部ハンチ
の役割を有している。PC梁体３，４は1/2スパン
の長さで、下端筋３ａ，４ａに掛回してあるスタ
ーラツプ３ｃ，４ｃの上側はPC梁体の上端面よ
り上方へ突出している。上端筋３ｂ，４ｂは、施
行時にスターラツプ３ｃ，４ｃの上端角部の内側
に配筋される。一対のPC梁体３，４と柱梁接合
鉄骨２とは１ユニツトを形成している。

また柱梁接合鉄骨２の中央部に、桁行方向にこ
の柱梁接合鉄骨を挟んで柱１と梁１３，１４とを
接合するためのＨ型鋼からなる柱梁接合鉄骨１２
が溶接により接合されている。梁１３，１４は現
場打ちによるRC造の梁であり、各梁の端部に柱
梁接合鉄骨１２の両端部が埋入してある。１３
ｂ，１４ｂは下端筋、１３ｃ，１４ｃはスターラ
ツプである。

上例において、一方のPC梁体３（又は４）の
長さは１スパンとしてもよい。

第２図において、５は柱梁接合鉄骨２のウエブ
より突出してあるスタツドジベルであつて、スタ
ツドジベルの存在でPC梁体３，４と柱梁接合鉄
骨との一体化を強化している。

（考案の効果） 本考案によれば、柱梁接合鉄骨により、柱と梁
との接合部の剛性を上げることができて、ヒンジ
ゾーンを梁の中央方向に移動し、梁端部にハンチ
を設けたのと同じ効果を生じさせることができ、
梁せいの低減を図ることができ、梁スパンが長い
場合でもハンチを設ける必要がなく、ハンチ処理
が不要とすることができ、ハンチの存在により美
観を損う問題を生じさせないことができる。そし
て構造的には梁の主筋の定着長さを大きくとれ、
じん性に富んだ架構を形成できる。柱梁接合鉄骨
とPC梁体とが１ユニツトとなつているので、柱
梁接合部における梁の位置合せが容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部断面平面図、第２図はPC梁体と
柱梁接合鉄骨との接合状態を示す正面図、第３図
は第２図の一部切欠平面図である。 １……柱、２……柱梁接合鉄骨、３，４……
PC梁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄筋コンクリート構造の柱の柱梁接合部の位置
   に取り付けるための柱梁接合鉄骨と、この柱梁接
   合鉄骨の両端部に連結されている鉄筋コンクリー
   ト構造のPC梁体とからなり、上記柱梁接合鉄骨
   の端部が上記PC梁体の端部内に埋入されている
   ことを特徴とする梁ユニツト。