JPH0343110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は二輪車（三輪車も含む）のサイドグリ
ツプの構造に関する。

（従来の技術） 自動二輪車等にあつては、駐車する際にスタン
ドを掛け、車体が横倒しにならないようにしてい
る。そして、スタンドを掛けたり外したりする場
合には、車体の後部を若干持ち上げるようにした
状態で、車体を前方又は後方に引くようにしてい
る。

このため、車体の一部には車体を持ち上げる際
に把むためのサイドグリツプを設けている。この
サイドグリツプは一般にシート下方又はシートの
側部に設けられる。

ところで、サイドグリツプがシートの側部或い
は下方にそのまま露出しているのでは、グリツプ
部材を外観的に好ましい形状にすることが要求さ
れ部材が高価又は複雑な形状になる。

（考案が解決しようとする問題） そこで、サイドグリツプをシートよりも内側に
位置せしめ、サイドグリツプを隠すような構造が
考えられる。

このようにサイドグリツプをシートの内側に配
置すれば、サイドグリツプが外部に露出しないの
で、簡略なものにでき、又、外観を損うこともな
い。

しかしながら、サイドグリツプを外部から見る
ことができないため、スタンドを掛けたり、外す
場合には、いちいちサイドグリツプの位置を手さ
ぐりで探さなければならず不便である。また、シ
ート表皮がよがれることにんなり、外観性を損な
うことになる。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本考案に係るサイドグ
リツプは、サイドグリツプパイプをシート側部の
下縁部よりも車体内側に配置してサイドグリツプ
が外部から見えないようにし、一方シート側部の
下縁部外側面でサイドグリツプパイプの把持部と
側面視重なる部分には、該把持部の長さと略々等
しい長さの表示カバーを取付けるようにした。

（作 用） スタンドを掛けたり外したりする際には、表示
カバーの部分を把むようにする。すると表示カバ
ーの内側にサイドグリツプパイプの把持部が位置
しているため、把持部をも同時に把むこととな
る。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。

第１回は本考案に係るサイドグリツプをスクー
タ型車両に適用した例を示す全体斜視図であり、
車両１のフレームはヘツドチユーブ２、前部フレ
ーム３及び後部フレーム４から基本骨格が形成さ
れ、前部フレーム３は前半部が前上方に立ち上
り、後半部が水平となつており、この前部フレー
ム３に結着される後部フレーム４は断面矩形状を
なし、前半部が前部フレーム３の後端部から後上
方に立ち上り、後半部が水平となつている。

そして、前記ヘツドチユーブ２及び前部フレー
ム３の前半部はフロントカバー５にて囲まれ、こ
のフロントカバー５はアウタカバー５ａとインナ
カバー５ｂとからなり、インナカバー５ｂはレツ
グシールドを兼ねる。またフロントカバー５の上
方にはハンドル６が位置し、このハンドル６の中
央部にはウインカー、スピードメータ等を内蔵し
たボツクス状カバー７を設け、フロントカバー５
の下部からはフロントフオーク８が露出し、この
フロントフオーク８下端にて前輪９が回転自在に
支承される。

また、前部フレーム３の後半部上にはフロアパ
ネル１０が載置され、このフロアパネル１０前端
部と前記フロントカバー５のインナカバー５ｂ下
部後端とが連結している。

更に、前記後部フレーム４はセンターカバー１
１にて囲まれ、このセンターカバー１１は中央が
くびれた立ち上り部１１ａと、この立ち上り部１
１ａの下端前半部から左右の側方及び前方に延出
される平担部１１ｂとからなり、立ち上り部１１
ａの上端部にはシート１２が載置され、平担部１
１ｂの前端部とフロアパネル１０の後端部とは連
結している。

車体の後部及び下側部はリヤカバー１３にて覆
われる。このリヤカバー１３は左右両側に設けら
れ、前半部は前記フロアパネル１０の下部に嵌め
付けられ、後半部は側方に膨出した段状をなし、
この段状部の上面は後上方に向つて傾斜する平担
部１３ａとなつており、前記センターカバー１１
の平担部１１ｂと面一に連結している。そして、
リヤカバー１３内には後輪１４を回転自在に支承
するパワーユニツト１５等が収められ、リヤカバ
ー１３の側面下部には外気導入用の開口１６が、
平担部１３ａと側面との境界には熱気を排出する
ための開口１７が形成されている。

また、後部フレーム４の下部にはスタンド１８
が回転自在に支持されている。

第２図はシート取付部の拡大図、第３図は第２
図のＡ−Ａ線断面図であり、後部フレーム４の周
囲はセンターカバー１１にて囲まれ、後部フレー
ム４の水平部上には燃料タンク１９が固着され、
この燃料タンク１９の後方にはステー２０がフレ
ームに取付けられ、センターカバー１１の立ち上
り部１１ａ上端で覆う如くシート１２が取付けら
れる。

そして、シート１２は両側部が立ち上り部１１
ａよりも外方へ張り出しており、且つ側部の下端
縁１２ａは下方に垂下している。この下端縁１２
ａよりも車体内側位置にはサイドグリツプ２１が
配設される。このサイドグリツプパイプ２１の下
端部は前記後部フレーム４に結着され、上端部は
後部フレーム４に取付けられたステー２０に結着
され、更に中間部をなす把持部２１ａはシート下
端縁１２ａに沿つている。

また、シート下端縁１２ａの外側面で、且つ前
記把持部２１ａに対し側方から見て重なる位置に
は表示カバー２２をビス２３にて取付けている。
この表示カバー２２は板状をなし、その長さは把
持部２１ａの長さと略々等しくなつている。

以上において、車両１を駐車する場合などにお
いてスタンド１８を掛けるとき、或いはスタンド
１８を外して走行するときには、車体後部に上方
への力を加え、車体を前方又は後方へ動かす。そ
してこの時には表示カバー２２の部分を把むよう
にする。すると、第３図に示すように、把持部２
１ａとシート下端縁１２ａとの間は近接している
ため、表示カバー２２を把むと同時に把持部２１
ａも把むこととなる。したがつてシート１２を曲
げたりすることなくスタンドの掛け外しを行え
る。

（考案の効果） 以上に説明した如く本考案によれば、スタンド
の掛け外しの際に把むサイドグリツプパイプをシ
ート側部下端縁よりも車体内方に配設したため、
外部からサイドグリツプパイプが見えず、外観性
の向上が図れる。

また、サイドグリツプパイプの把持部の長さと
略等しい長さの表示カバーを、把持部と側面視重
なる位置に設けるようにしたため、表示カバーを
把めば、同時に把持部を把むこととなり、シート
下縁部によつて表示カバーを支持できるので取付
位置の自由度も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るサイドグリツプを適用し
たスクータ型車両の全体斜視図、第２図はシート
取付部の拡大図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面
図である。 尚、図面中１は車両、５はフロントカバー、１
０はフロアパネル、１１はセンターカバー、１２
はシート、１２ａはシート側部の下端縁、２１は
サイドグリツプパイプ、２１ａは把持部、２２は
表示カバーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートの左右下縁部を下方に垂下し、この下縁
   部の内側にフレームに支持されるサイドグリツプ
   を配設すると共に、前記シートの下縁部の外側面
   で且つ側面から見てサイドグリツプパイプの把持
   部と重なる部分には該把持部の長さと略々等しい
   長さの表示カバーを取付けたことを特徴とする二
   輪車のサイドグリツプ。