JPH0341501B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は重合体を含有させることにより変性し
たポリフエニレンエーテル樹脂を含む組成物に関
する。特にポリフエニレンエーテル樹脂、
EPDM変性ポリスチレンおよびスチレンとブチ
ルアクリレートの共重合体を含む組成物は、成形
中の良好な流れ、および成形後の良好な耐衝撃性
および熱安定性を有する。 ポリフエニレンエーテル樹脂は、各種エンジニ
アリング用に好適である一群の熱可塑材料からな
るものとして当業者に良く知られている。これら
はヘイの米国特許第3306874号および第3306875
号、およびスタマトツフの米国特許第3257357号
および第3257358号（これらは引用してここに組
入れる）の如き特許文献に記載されている触媒法
および非触媒法で作ることができる。 ポリフエニレンエーテル樹脂は、非変性および
変性したスチレン樹脂と混合して、個々の両者の
重合体の性質よりも良好な性質を有する組成物を
作りうることは知られている。かかる組成物はチ
ツエクの米国特許第3383435号これは引用してこ
こに組入れる）に記載されている。 ポリフエニレンエーテル樹脂を含有する組成物
は、EPDMエラストマーで変性されたポリスチ
レンを含ませることによつて改良できることは知
られている。かかる組成物は米国特許第3943191
号、第3959211号および第3974235号（低不飽和度
を有するEPDMゴム）；米国特許第3981841号
（エマルジヨングラフトEPDMスチレンコポリマ
ーを含む）；米国特許第4172826号（水素化トリブ
ロツクと共に小粒度のEPDM）；米国特許第
4101503号（スチレン樹脂が高分子量を有する小
粒度EPDMゴム）；米国特許第4101504号
（EPDMゴム含有率が少なくとも８重量％であ
る）；米国特許第4101505号（トルエン不溶性ゲル
を少なくとも約２重量％含有）；米国特許第
4102850号（鉱油と一緒の小粒度EPDMゴム）；
米国特許第4139574号（水素化ラジアルテレブロ
ツク共重合体と組合せたEPDMゴム）；米国特許
第4152316号（EPDMゴムが約2μより小さい粒度
を有する）；米国特許第3960808号（非変性スチレ
ン樹脂と組合せたEPDM変性スチレン樹脂）；米
国特許第4143095号（水素化トリブロツクと組合
せたEPDMゴム変性スチレン樹脂）に記載され
ている。 米国特許第3792123号、第3833688号および第
3983090号には、一定のアクリル樹脂変性ジエン
ゴム含有樹脂を含有させることによつて強靭性お
よび侵害性溶楳に対する抵抗性を改良するためポ
リフエニレンエーテル樹脂を含有する組成物を変
性できることが記載されている。 更に最近、ポリフエニレンエーテル樹脂および
ホモポリスチレンを含有する組成物がスチレンと
ブチルアクリレートの共重合体を含有させること
によつて変性できることが提案された。流動性の
著しい改良が観察されたが、耐衝撃性における改
良は期待外れの小さいものであることも判つた。 ここにスチレンとブチルアクリレートの共重合
体をポリフエニレンエーテル樹脂およびEPDM
変性ポリスチレンを含有する組成物中に含有させ
ると、形成される組成物が増強された耐衝撃を有
することを見出した。 本発明によれば、(a)ポリフエニレンエーテル樹
脂；(b)モノオレフインおよびポリエンの混合物の
ゴム状共重合体で変性したポリスチレン；および
(c)スチレンとブチルアクリレートの共重合体を含
有する、成形例えば押し出し、圧縮成形、射出成
形等に有用な熱可塑性組成物を提供する。 モノオレフインとポリエンの混合物のゴム状共
重合体は時には「EPDMゴム」とも称される。
本発明においては（熱安定性がより大きいため）
ゴムの実質的に全てが飽和されているものが好ま
しいのであるが、飽和した形および不飽和の形の
両者を使用できる。 好ましいポリフエニレンエーテル樹脂は、式 （式中一つの単位の酸素エーテル原子は次の接合
単位のベンゼン核に結合しており、ｎは正の整数
で、少なくとも50であり、各Ｑは水素、ハロゲ
ン、三級α−炭素原子を含有しない炭化水素基、
ハロゲン原子とフエニル核の間に少なくとも２個
の炭素原子を有するハロ炭化水素基、炭化水素オ
キシ基、およびハロゲン原子とフエニル核の間に
少なくとも２個の炭素原子を有するハロ炭化水素
オキシ基からなる群から選択した一価置換基であ
る）を有するものである。 上記式に相当するポリフエニレンエーテル樹脂
の製造は前述したヘイおよびスタマトツフの特許
明細書に記載されている。 本発明において使用するのに最も好ましいポリ
フエニレンエーテル樹脂はポリ（２，６−ジメチ
ル−１，４−フエニレン）エーテルである。 スチレン樹脂は式 （式中、R¹およびR²は水素および炭素原子数１
〜６の低級アルキル基またはアルケニル基からな
る群から選択し、R³およびR⁴は塩素、臭素、水
素および炭素原子数１〜６の低級アルキル基から
なる群より選択し、R⁵およびR⁶は水素、炭素原
子数１〜６の低級アルキル基およびアルケニル基
からなる群から選択し、あるいはR⁵とR⁶はヒド
ロカルビル基と共に結合してナフチル基を形成し
てもよい）のアルケニル芳香族単量体から誘導さ
れた単位を少なくとも25％有すべきである。 アルケニル芳香族単量体の特別の例にはスチレ
ン、ブロモスチレン、クロロスチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルキシレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルナフタレン、およびビニルトルエンを
含む。ここで使用するのに特に好ましいのはスチ
レンである。 有用なEPDM重合体には、エチレン、α−オ
レフインおよびポリエンから作つた重合体を含
む。このましい種類のものは、10〜90モル％のエ
チレン、10〜90モル％の炭素原子数３〜16を含有
するα−オレフイン、および0.1〜12モル％の、
炭素原子数５〜20を有する非共役環式または開鎖
ジエンであるポリエンからなる。特に好ましいの
は炭素原子数３〜10を有するα−オレフインおよ
び炭素原子数５〜10を有する非共役環式または開
鎖ジエンのものである。 有用なEPDMゴム状重合体にはまたエチレン
−プロピレン−エチリデンノルボルネンタ−ポリ
マ−およびビニル・アンド・アライド・ポリマー
第１巻第121頁（1968年）に記載されているもの
も含む。好ましいEPDMゴム状共重合体には、
エチレン、プロピレンおよび５−エチリデン−２
−ノルボルネンからなるもの；エチレン、プロピ
レンおよび１，４−ヘキサジエンからなるもの；
エチレン、プロピレンおよびジシクロペンタジエ
ンからなるものがある。好ましい変性アルケニル
芳香族樹脂はゴム状共重合体約４〜約25重量％を
含む。 EPDMゴムで変性したポリスチレンはスチレ
ン単量体中にゴム状共重合体を溶解し、混合物を
好ましくはフリーラジカル開始剤の存在下にスチ
レン単量体の90〜100％（重量）が反応して上記
EPDM変性ポリスチレンが形成されるまで重合
させることによつて作ることができる。 スチレンとブチルアクリレートの好ましい共重
合体はポリ（ブチルアクリレート）とポリスチレ
ンのグラフト共重合体である。これらは従来から
例えばブチルアクリレートゴムの存在下にスチレ
ンを重合させ、ほぼ等量のポリ（ブチルアクリレ
ート）とポリスチレンを含有する共重合体が得ら
れた後重合反応を停止させて作られる。例えばケ
ミカル・アブストラクツ第84巻、第18347欄
（1976年）参照。 本発明の組成物の重合体各成分は実質上あらゆ
る割合で存在させることができる。良く知られて
いるように、ポリフエニレンエーテル樹脂および
ポリスチレンは実質的にあらゆる割合で、例えば
ポリフエニレンエーテル樹脂１〜99重量部からポ
リスチレン99：１重量部まで相溶性である。同様
にスチレンとブチルアクリレートの共重合体の量
も組成物中で広く変えることができる。しかしな
がら好ましくは、本発明の組成物はポリフエニレ
ンエーテル樹脂約５〜約95重量部、EPDM変性
ポリスチレン約95〜５重量部およびスチレンとブ
チルアクリレートの共重合体約５〜約50重量部を
含有する。 他の成分、例えば顔料、着色剤、難燃剤、滴下
防止剤、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、補強剤お
よび／または充填剤等を、それらの従来の使用目
的に応じて本発明の組成物中に含有させることも
できる。 特にガラス繊維からなる補強剤および／または
充填剤を挙げる。この材料は使用したとき、(a)、
(b)および(c)を合計した重量に基いて約５〜約50重
量部の量で存在させるのが好ましい。 難燃性が望まれるときには、難燃剤を組成物中
に含有させることができる。一般に難燃剤は、ハ
ロゲン化有機化合物、アンチモン化合物との混合
物の形でのハロゲン化有機化合物、元素状リン、
リン化合物、リン−窒素結合を含有する化合物、
上述した化合物の混合物を含む通常の材料の中か
ら選択する。好ましくは難燃剤は(a)、(b)および(c)
の合計100重量部について約0.5〜50重量部の量で
存在させる。 組成物は任意の方法で作ることができる。しか
しながら通常組成物は各成分を混転して予備混合
物を形成し、予備混合物を約450〜約650〓の温度
で押し出し、押し出し物を小片に切断し、約450
〜約550〓の温度で射出成形することによつて作
る。 組成物は任意の形および大きさの物品に成形で
きる。 本発明を下記実施例で更に説明するが、これに
限定されるものではない。 実施例 １〜４ 本発明による組成物は、各成分を混合し、混合
物を550〓の温度でワーナー・プフアイドラー28
mm二軸スクリユー押出機で押し出し、500〓の温
度で、成形器温度190〓で射出成形して作つた。 成形した組成物を標準ASTM法で物理的性質
について評価した。組成および性質を表に示す。

【表】

【表】

【表】 上述した説明からみて本発明の他の改変も可能
である。従つて本発明の範囲内で、逸脱すること
なく本発明の個々の具体例で変化をなしうること
を理解すべきである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) ポリフエニレンエーテル樹脂； (b) モノオレフインとポリエンの混合物のゴム状
   共重合体で変性したアルケニル芳香族樹脂；お
   よび (c) スチレンとブチルアクリレートの共重合体を
   含有する熱可塑性組成物。 ２ ポリフエニレンエーテル樹脂約５〜約95重量
   部、モノオレフインとポリエンの混合物のゴム状
   共重合体で変性したポリスチレン約95〜約５重量
   部、およびスチレンとブチルアクリレートの共重
   合体約５〜約50重部を含有する特許請求の範囲第
   １項記載の組成物。 ３ スチレンとブチルアクリレートの共重合体が
   ほぼ当量のポリスチレンとポリ（ブチルアクリレ
   ート）からなるグラフト共重合体からなる特許請
   求の範囲第１項記載の組成物。 ４ ポリフエニレンエーテル樹脂が式 （式中、１単位の酸素エーテル原子は次の隣接単
   位のベンゼン核に結合し、ｎは正の整数で少なく
   とも50であり、各Ｑは水素、ハロゲン、三級α−
   炭素原子を含まぬ炭化水素基、ハロゲン原子とフ
   エニル核の間に少なくとも二つの炭素原子を有す
   るハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基、およびハ
   ロゲン原子とフエニル核の間に少なくとも二つの
   炭素原子を有するハロ炭化水素オキシ基からなる
   群から選択した１価置換基である）を有する特許
   請求の範囲第１項記載の組成物。 ５ ポリフエニレンエーテルがポリ（２，６−ジ
   メチル−１，４−フエニレン）エーテルである特
   許請求の範囲第２項記載の組成物。 ６ アルケニル芳香族樹脂が式 （式中R¹およびR²は水素および炭素原子数１〜
   ６の低級アルキル基またはアルケニル基からなる
   群から選択し、R³およびR⁴は塩素、臭素、水素
   および炭素原子数１〜６の低級アルキル基からな
   る群から選択し、R⁵およびR⁶は水素および炭素
   原子数１〜６の低級アルキル基およびアルケニル
   基からなる群から選択し、あるいはR⁵およびR⁶
   はヒドロカルビル基と共に連鎖してナフチル基を
   形成してもよい）から誘導された単位を少なくと
   も25％有する特許請求の範囲第１項記載の組成
   物。 ７ また繊維状ガラスからなる強化材および／ま
   たは充填材も含有する特許請求の範囲第１項記載
   の組成物。 ８ また難燃材も含有する特許請求の範囲第１項
   記載の組成物。