JPH03400B2 - - Google Patents

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JPH03400B2
JPH03400B2 JP1139089A JP13908989A JPH03400B2 JP H03400 B2 JPH03400 B2 JP H03400B2 JP 1139089 A JP1139089 A JP 1139089A JP 13908989 A JP13908989 A JP 13908989A JP H03400 B2 JPH03400 B2 JP H03400B2
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JP
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insulin secretion
iap
substance
enhancing
hours
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Makoto Tamura
Toshi Murai
Kyoshi Ito
Chikanori Tomioka
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Publication of JPH03400B2 publication Critical patent/JPH03400B2/ja
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、インシユリン分泌増強活性因子の構
成成分である新規な蛋白性要素物質に係るもので
ある。更に詳しくは、ボルデテラ属に属する微生
物の菌体及び倍養上清中にインシユリン分泌を促
進し且つ、血糖値を正常に維持調整する薬理効果
を有する成分、すなわちボルデテラ属産生インシ
ユリン分泌増強活性物質(以下、N−IAPと略称
す。)の副作用を軽減した新規な蛋白性要素物質
に係るものである。 糖尿病薬であるN−IAPは、その特徴的なイン
シユリン分泌の促進及び血糖値を正常に維持調整
する薬理作用と併せて、高分子蛋白質であるが故
に、N−IAPを投与した時に発現する抗体産生に
より、N−IAPを再び投与すると、アナフイラキ
シを誘発するという問題点を有している。すなわ
ち、糖尿病の治療及び予防に有効であるインシユ
リン分泌増強活性以外の副作用の除去、特にアナ
フラキシが抑制されたより安全な医薬品の提供が
望まれている。 本発明者等は鋭意研究の結果、N−IAPを、高
濃度の尿素水溶液を用いて解離をおこなうことに
より新規な蛋白性要素物質を単離・同定すること
に成功した。この単離・同定された新規な蛋白性
要素物質はそれぞれ単独では、インシユリン分泌
増強作用は不活性であるが、この蛋白性要素物質
をそれぞれ別途に投与すると、驚くべきことに
IAPを投与したときと同等のインシユリン分泌促
進作用及び血糖値を正常に維持調整する作用を有
し、更に、N−IAPの投与したときに発現する抗
体産生により、N−IAPを再投与するとアナフイ
ラキシを誘発する欠点が著しく軽減することが判
明した。すなわち、単独では、糖尿病の治療及び
予防に有効であるインシユリン分泌増強作用は不
活性であるが、それぞれを別途に投与することに
よりインシユリン分泌増強活性を有し、しかも副
作用を大幅に減弱した新規な蛋白性要素物質の分
離・同定を達成したものである。 以下本発明の構成について説明する。 インシユリン分泌増強活性物質 本発明に於ける出発物質であるインシユリン分
泌増強活性物質(以下、“N−IAP”と略称する)
は、病原性菌として公知のボルデテラ属に属する
微生物(百日咳菌、パラ百日咳菌、気管支敗血症
菌)、特に好ましくは百日核相菌(Bordetella
pertussis phase )を固形培地や液体培地に
て培養し、その菌体しくは培地から採取、精製し
て得られる蛋白性物質である。 菌体ならびに培養物からN−IAPの有利な採取
および精製は、溶解度法、クロマトグラフイー
法、分子篩法、電気泳動法および生物学的方法の
一つ又は、これ等の方法の組合せなど、当該分野
で汎用の多くの分別精製方法により達成され得、
従つて本発明は特定の採取精製法に何等限定され
るものではない。 N−IAPの極めて有利な採取精製方法の1例と
して、カラムクロマトグラフイー的手段を提示し
得る。この場合、微生物の培養上清液は、ハイド
ロキシアパタイト(生化学工業(株)製)、カルボキ
シメチルセフアロースCL−6B(フアルマシア・
フアイン・ケミカルズ社製)の充填材より成るカ
ラムを通し次いで、セフアクリルS−200(フアル
マシン・フアインケミカルズ社製)を用いるゲル
ろ過法により精製されるN−IAPはこれらのカラ
ムに極めて選択的に吸着され、次いで0.5M
NaCl含有の0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)等の適切
に選定された溶出液に溶離されて精製物を与え
る。この精製物に透析操作を適宜施こすことによ
り、不要な塩類が除去されて高活性のN−IAPが
得られる。又、N−IAPは菌体内にも存在するの
で、所望の場合には、例えば菌体浮遊液にNaCl
を添加して菌体内N−IAPを溶液中に浸出せしめ
る手段などを採用してもよい。 N−IAPを産生するボルデテラ属の微生物は、
前記の通り百日核菌、パラ百日核菌及び気管支敗
血症菌として周知であるが、他方、これらの病源
菌を、培地組成の変更、紫外線、X線等の各種放
射線照射又は変異誘起剤の適用等の慣用の各種手
段で変異せしめて得られる変異株も又、N−IAP
産生菌として有用である。 培養方法としては、液体振盪培養方法が活性及
び収率の点で好ましいが、他の方法によることも
妨げない。 なお、ボルデテラ属に属する別生物の菌学的性
質、培養条件等はBergy′s Manual of
Deteminative Bacteriology第8版1974年
Baltimore:The Williams & Willkns CO.,
J.Exp・Med.129;523〜550(1969)、細菌学実習
提要:第3版第6頁以下、昭和47年(丸善(株)発
行)、等に記載されている。 次に、N−IAPの各種物性に付き詳述する。存
在状態及び溶解特性: 脱塩後、凍結乾燥して得られる粉末は、非潮解
性白色または淡褐色粉末であり、約3〜5mg/ml
までは室温で水に溶解、6NHCl中では不溶性白
沈を生じ、ピリジン、ドデシル硫酸ナトリウム、
メルカプトエタノール、システイン溶液に溶解す
る。冷時(4℃)、精製活性物質の溶液に硫安、
ドライアイス・アセトンあるいはエタノール、ト
リクロル酢酸、塩化亜鉛溶液及びその他の数種の
金属イオンを含む溶液等の添加により、各々白
濁、沈澱を生ずる。水とクロロホルムあるいはn
−ブタノール混合液では不溶性となり両液の界面
に集まる。 N−IAPの水溶液を80℃以上に加温すると白濁
する。0.5MNaCl含有0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)
に対し本N−IAPを溶解し、次いで蒸留水を外液
として透析すると、一時白濁するが透析の続行に
より完全に再溶液し、白濁は消失する。また、高
濃度溶液では0.01M酢酸緩衝液(PH4.5)に対し、
撤底的に透析すると淡褐色に着色して溶解するこ
ともある。 分子量: 10〜30%の密度匂配のアクリルアミドゲル37:
1の架橋比で、濃縮ゲルのPHが6.8、泳動ゲルの
PHが8.8、泳動電圧:90Vで16時間泳動する平板
法SDS−ポリアクリルアミド−デイスク電気泳動
法(ラムリー法)で処理した後、20%TCAで1
時間処理し、次いでクマージーブルーで染色す
る。尚蛋白質のSDS化を1%SDSで100℃5分間
処理する。SDS−ゲル電気泳動法によるN−IAP
の分子量は105700±5000である。 組成: Lowry法による蛋白質98重量%以上ある。尚、
各成分の測定方法は下記各文献に依つた。 蛋白質 Lowry,O.H.,N.J.Rosebrough,A.L.Farr,
and R.J.Randall. J.Biol.Chem.193:265 1951蛋白質成分のアミ
ノ酸組成及び組成比(μM/100μM;6NHClで
110℃、24時間加水分解、日立−835高速アミノ酸
分析器にて分析): アスパラギン酸(Asp)7.5〜7.9、スレオニン
(Thr)6.8〜7.8、セリン(Ser)5.9〜7.6、グルタ
ミン酸(Glu)8.8〜9.4、プロリン(Pro)5.5〜
6.4、グリシン(Gly)8.7〜9.6、アラニン(Ala)
9.1〜10.8、シスチン/2(Cys/2)1.0〜2.0、バ
リン(Val)6.6〜7.6、メチオニン(Met)2.5〜
3.3、イソロイシン(Ile)3.6〜4.1、ロイシン
(Leu)7.5〜8.7、チロシン(Tyr)5.1〜6.6、フ
エニルアラニン(Phe)3.7〜4.5、リジン(Lys)
3.1〜4.4、ヒスチジン(His)0.9〜1.4、アルギニ
ン(Arg)6.1〜6.6であつた。等電点PH(ポリア
クリルアミドゲル等電点電気泳動法により泳動
し、種々の標準蛋白との泳動パターンと比較測
定):9.3±0.2 デイスク電気泳動パターン: アクリルアミドゲル(ポリアクリルアミド濃度
7.5%、1NKOH−泳酢酸緩衝液(PH4.3))、試料
30μg、通電4mA、2時間/ゲル1本、アミドブ
ラツク10Bによる染色、7%酢酸溶液による脱色
の条件下でのデイスク電気泳動において、距離
(スペーサ・ゲル先端を基準として)2.3±0.2cm
の位置に極めて先鋭な単一のバンドを与える。 生物学的性質: 哺乳動物に対しインシユリン分泌増強作用及び
耐糖能良化作用を有し、これらの作用は1回の投
与で数週間乃至数ケ月にわたつて持続する。急性
毒性(LD50)はddy系マウス(静注)で約
200μg/Kg体重である。 要素物質 1 前記N−IAPは、5M尿素の蛋白変性剤の共
存下、カラムクロマトグラフ法等により分別さ
れて2種の要素物質に分離されることが確認さ
れた。 要素物質の有利な単離精製法の1例として、
5M尿素存在下に於けるイオン交換法を提示し
得る。 即わち、N−IAPを3〜5M、好しくは4〜
5M尿素存在下PH5.4−6.8好しくはPH5.8−6.5の
リン酸緩衝液で12時間−96時間、好しくは24時
間−48時間インキユベイトし、前記リン酸緩衝
液によつて平衡化したCM−セフアロース カ
ラム クロマトグラフにて分離・精製を行な
う。その結果、N−IAPは分子量の異なる二種
の要素物質(以下、分子量の大きい順に蛋白性
要素物質CP−A及びPs−1とそれぞれ命名す
る)に分離され、これらの要素物質は同一カラ
ムによる再ゲルろ過により、デイスク電気泳動
的に単一な物質として得られる。 このようにして得られた要素物質Ps−1は
単独では、インシユリン分泌増強活性を示さな
い。またPs−1は酸性蛋白質であることが確
認された。 2 要素物質Ps−1は単独では殆んど目的とす
るインシユリン分泌増強活性を示さない。すな
わちインシユリン分泌増強不活性であるが、要
素物質Ps−1をもう一つの要素物質CP−Aと
in vitroで混合するとN−IAPを再構成し、更
にPs−1とCP−Aとを別々に投与、例えばCP
−Aを3μg/rat当り右股関節よりIVで投与
し、8時間経過後Ps−1を左股関節静脈より
投与すると、N−IAPと同等のインシユリン分
泌増強活性が発現し、しかも前記N−IAPを投
与したときに発現する抗体産生が著しく減少
し、N−IAPを再投与すると誘発されるアナフ
イラキシの発生が著しく低減されることが判明
した。 3 要素物質の物性: Ps−1 分子量:SDS−ゲル電気泳動法 28000±1200 等電点:PH5.8 アミノ酸分析 ASp.9.3±1.0,Thr.7.4±0.8,Ser.10.6±1.0,
Glu.10.6±1.0,Pro.4.4±0.5,Gly.11.2±1.0,
Ala.10.6±1.0,Cys/2 1.3±0.3,Val.6.7±
0.7,Met.1.6±0.3,Ile.3.2±0.4,Leu.5.5±0.6,
Tyr.4.6±0.5,Phe.3.5±0.4,Lys.2.2±0.3,
His.1.7±0.3,Arg.5.9±0.6 組成: Lowry法による蛋白質98重量%以上 CP−A 分子量:SDS−ゲル電気泳動法 75000±5000 塩基性蛋白質 アミノ酸分析: Asp.6.4±0.7,Thr.7.3±0.8,Ser.8.2±0.9,
Glu.9.3±1.0,Pro.6.3±0.7,Gly.11.±1.0,
Ala.9.0±0.9,Cys/2 1.2±0.3,Val.6.2±0.6,
Met.2.7±0.4,Ile.3.4±0.4,Leu.8.4±0.9,
Tyr.5.6±0.6,Phe.3.6±0.5,Lys.4.7±0.5,
His.1.1±0.3,Arg.4.9±0.5 組成: Lowry法による蛋白質98重量%以上 実施例 N−IAPの製造及び精製 1 百日咳相菌前野株IID513 (Bordetella pertussis phase I,Maeno
StrainIID 513)の凍結乾燥保存菌株(北里大薬
学部微生物学教室捉供)をBordet−Gengou平板
培地で37℃、2日間培養後、下記第1表に組成を
示すイオン交換樹脂加Cohen−Wheelerの変法培
地(CW培地)200mlを分注した500mlの振盪コル
ベンに1白金耳接種し、37℃、20〜22時間振盪培
養した。この培養液の菌量を、分光光度計(波長
650nm)で測定し、加えた時の菌量が最終濃度約
0.1×109個/mlとなるように、イオン交換樹脂加
CW培地1を分注した2の振盪コルベンに加
え、37℃、48時間振盪培養(振盪回数97回/分)
を行つた。 尚、上記菌株の菌学的性質は、先にあげた百日
咳I相菌に関する文献の記載と一致した。 第 1 表 Cohen−Wheelerの変法培地組成 カザミノ酸 1.0g 酵母エキス 1g リン酸二水素カリウム 0.5g 可溶性濃粉 2g 0.5%硫酸銅液 1ml 1%塩化カルシウム液 1ml 4%塩化マグネシウム液 1ml ポリペプトン 5g 1%シスチン液 2.5ml 0.5%硫酸鉄液 1ml 塩化ナトリウム 2.5g (蒸留水を加えた総量1000mlとし、20%NaOH
水溶液でPH7.2に調整後、陰イオン交換樹脂(ダ
イヤイオンSA−20AP;三菱化成(株)製)3gを加
え、121℃で15分間、高圧蒸気滅菌して使用に供
した。) 得られた48時間振盪培養液を、56℃で30分間加
温した後、4℃で遠心分離(15000rpm)して培
養上清液と菌体とに分離した。得られた培養清液
をN−IAPの精製単離のための出発材料とした。 10の培養上清液を1N塩酸でPH6.0に調整後、
第1精製工程としてハイドロキシアパタイトカラ
ム(2.5×4cm)に流速200ml/時間で流した。 大部分の蛋白質は吸着されずそのままカラムを
通過し、目的とするインシユリン分泌増強活性
(後記活性測定法参照)も殆んど検知されなかつ
た。尚、蛋白質濃度の測定は後記第2表註記の
Lowryの方法による。 その後、吸着された物質についてはまず0.01M
リン酸緩衝液(PH6.0)でカラムを洗い、次いで
リン酸緩衝液のモル濃度を0.1にPHを7.0に夫々上
げて吸着された蛋白質を順次溶出する。しかし目
的のN−IAPはまだこの条件では溶出されず;更
に同じ条件のリン酸緩衝液に0.5MのNaClを含む
同組成のリン酸緩衝液で溶出した。この条件で溶
出された蛋白質に一致して目的N−IAPを効率よ
く回収することができた。 得られた粗N−IAPを濃縮し、ついで透過分子
量限界8000の透析膜(Thomas社製Cat.No.3787−
F25)に入れた後蒸留水に対して2回(計12時
間)0.01Mリン酸緩衝液(PH6.0)に対して2回
(計12時間)夫々透析した。更に精製を進める為
に、上記透析後のN−IAPを含む溶液を0.01Mリ
ン酸緩衝液(PH6.0)で平衡化されたカルボキシ
メチルセフアロースCL−6Bカラム(1.5×10cm)
に通した。このカラムに吸着されない物質には全
く活性は存在しなかつたが、次いでリン酸緩衝液
のモル濃度を0.1にPHを7.0に上げ、更に食塩0.5M
を加えた溶出液で溶出してN−IAPを得た。 この部分は、デイスク電気泳動法的には未だわ
ずかな不純物を含むため、このN−IAPを含む溶
液を濃縮し、セフアクリルS−200によりゲルろ
過法をおこなう。 以上の精製工程によつて精製されたN−IAPの
活性の回収率、精製度等は第2表に示す通りであ
る。
【表】 上記最終工程で得られた物質の純度をポリアク
リルアミドゲル(ポリアクリルミド濃度7.5%,
1N KOH−氷酢酸緩衝液(PH4.3))デイスク電
気泳動法によつて検定した。 実験方法は、J.V.Maizel,Jrの方法
(Biochem,Biophys.Res.Comm.1963,13483)
によつた。 尚、ゲル1本当りの試料は30Kg(蛋白質とし
て)、通電は4mAで2時間、染色はアミド・ブラ
ツク10B、脱色は7%酢酸溶液による。 −2 百日咳I相菌東浜株IID 510 (Bordetella Pertussis phaseI,Tohama
Strain IID 510)の凍結乾燥保存菌株(北里大学
薬学部微生物学教室提供)を用いて、実施例I−
1と同様の方法にてN−IAPを生成した。 本生成物のデイスク電気泳動(PH4.3ゲル使用)
で単一なバンドを与え、等電点PHは9.3±0.2を示
した。またその組成は、蛋白質約98重量%以上で
あり、かつアミノ酸組成および組成比は、第4表
に示す通りであつた。
【表】
【表】 実施例 要素物質の製造及び精製 精製したインシユリン分泌増強活性物質(N−
IAP)10mgを5M尿素含有の0.05Mリン酸緩衝液
(PH6.4)で24時間透析した後、同じ緩衝液で平衡
化したCM−セフアロースCL−6Bカラム
(16φ200mm)に装填し、流速:2ml/時及び3
g/フラクシヨンの条件にて0.1Mリン酸、0.5M
塩化ナトリウム及び5M尿素を含む水溶液を用い
食塩密度勾配にて溶出する。この結果を第1図に
示した。インシユリン分泌増強物質はこの操作に
より2種の分子量の異なる要素物質(前記の通り
分子量の大きい順にCP−A及びPs−1と命名)
に分離された。 これ等の構成成分を更に精製度を高めるため
に、まず、Ps−1分画を、集めて濃縮後、セフ
アクリルs−200カラム(16φ×1100mm)を用い
て、ゲルろ過をおこなつた。この結果、純粋Ps
−1を1.2mg得た。要素物質Ps−1とCP−Aの蛋
白質成分のアミノ酸組成及び組成比率(μM/
100μM)は下記の通りである。 Ps−1 Asp.9.3,Thr.7.4,Ser.10.6,Glu.10.6,
Pro.4.4,Gly.11.2,Ala.10.6,Cys./2 1.3,
Val.6.7,Met.1.6,1le.3.2,Leu.5.5,Tyr.4.6,
Phe.3.5,Lys.2.2,His.1.7,Arg.5.9 CP−A Asp.6.4,Thr.7.3,Ser.8.2,Glu.9.3,Pro.6.3,
Gly.11.1,Ala.9.0,Cys./2 1.2,Val.6.2,
Met.2.7,Ile.3.4,Leu.8.4,Tyr.5.6,Phe.3.6,
Lys.4.7,His.1.1,Arg.4.9 −3 上記各例で単離精製された要素物質 Ps−1及びCP−Aは、第2図に示す通り、デ
イスク電気泳動的に単一物質であることが確認さ
れた。 又、インシユリン分泌増強活性因子と要素物質
Ps−1及びCP−AとをSDS・デイスク電気泳動
法により比較検討した結果を、第3図に示す。 尚、要素物質Ps−1及びCP−Aの物性は、前
記“要素物質の物性”の項に詳記した通りであ
る。又、各電気泳動の実験条件は実施例に準ず
る。 実施例 薬理効果 −1 インシユリン分泌増強活性測定法 各活性物質の当該活性は種々のインシユリン分
泌刺激物質に対する動物の反応性で測定出来る
が、通常はグルースを刺激物質として用いる。 Γ 検定用使用動物 ウイスター系雄性ラツト(体重130〜140g) Γ 試験方法 各力価の活性物質を生理食塩液に溶解し、その
0.2mlをエーテル麻酔下で股静脈内に注入し、3
日後にインシユリン分泌増強活性を測定する。な
お実験開始前18〜20時間絶食させる。測定方法
は、ラツト尾静脈より0.1mlの血液を採取後、直
ちに30%グルコース溶液を体重100g当り1ml腹
腔内に投与し、正確に15分後、0.1mlの血液を再
び採取する。インシユリン分泌増強活性は、グル
コース投与前、後の血糖値および血中インシユリ
ン値の差より求める。血糖値はグルコースオキシ
ダーゼ法、インシユリンは二抗体法にて測定す
る。血糖値及びインシユリンの測定方法は夫々下
記文献及びキツトによる。 血糖値:グルコースオキシダーゼ法 Bergmeyer,H,−U.,and Berner,E.in
“Methods of enzymatic analysis” Bergmeyer,H,−U.,eds,New York
Academic press P.123(1963) グルコスタツト インシユリン;二抗体法 Morgan,C.R.,and Razarow,A.Diabetes
12115(1963) インシユリンリアキツト−ダイナボツト社製 まず以下の式に従つて活性物質投与群及び対照
群ラツトの△I/△G値を求める。 △I/△G(μU/mg) =グルコース投与後の血中インシユリン値(μU/m
l)−グルコース投与前の/ グ
ルコース投与後の血糖値(mg/ml)−グルコース※ ※血中インシユリン値(μU/ml)/投与前の血糖値
(mg/ml) 尚、血糖値を活性の計算に用いるのは分泌され
るインシユリン量が血糖値によつて大きく影響さ
れるためである。 次に活性物質の力価は、 単位(unit)=(本物質投与群ラツトの平均△I/△
G−対照群の平均△I/△G/対照群の平均△I/△G
)×100 で求める。 各物質の比活性は力価単位を、重量で除したも
のとする。 −3 インシユリン分泌増強活性 本発明者が単離、精製したインシユリン分泌増
強活性物質は哺乳動物のインシユリン分泌を促進
し、且つ血糖値を正常値に維持調製する作用を示
し、さらに抗体産生を増強し、細胞性免疫を高め
る作用をも示す。本活性因子は極めて微量でこれ
等の作用を示す事から各種糖尿病の治療および予
防薬として、或いは免疫機能の異常による疾患
(例えば、悪性腫瘍、再生不良性貧血、リユウマ
チ関節炎等)に対する医薬として有用である。 本発明者は、この様な有効な活性を示すN−
IAPを、その要素物質に分離すると、薬理作用が
不活性となるが、これ等の要素物質をそれぞれ別
途に投与することによつて、その薬理活性を示す
新規な単一物質を得ることに成功した。要素物質
Ps−1及びCP−Aのインシユリン分泌増強活性
を第6表に示す。 −4 副作用および毒性 本発明者が単離、精製したインシユリン分泌増
強活性物質は、きわめて微量で、インシユリン分
泌増強活性を示し、各種糖尿病の治療および予防
薬として極めて有用と考えられる。しかしこのイ
ンシユリン分泌増強活性物質には、本来の活性と
は別に、白血球数を増加させる作用、ヒスタミン
に対する感受性を増加させる作用等のいわゆる副
作用を示し、さらに強い抗体産生の発現、すなわ
ち抗原性を示す事が判明した。特に抗原性は、二
回目以後の投与時にアナフイラキーシヨツク等の
重篤な結果をもたらしかねない。インシユリン分
泌増強活性物質は極めて微量で、本来の効果を示
すことから、この副作用が発現する可能性は少な
いものと考えられるが、より安全で有効な医薬品
と言う意味からは、本来の効果を低下させない
で、副作用を除去する事が望ましい事は言うまで
もない。 本発明はインシユリン分泌増強活性物質を要素
物質に分離し、これ等要素物質をそれぞれ別途に
投与することによつて、インシユリン分泌増強活
性はインシユリン分泌増強物質と同程度の活性を
有し、更に抗原性が1/30以下に減弱し、急性毒性
値(LD50値)も減少することが確認された。要
素物質Ps−1及びCP−Aの抗原性を第6表に示
す。 Γ 抗原性の測定法 ハートレイ系雄性モルモツト(体重 250g)−
群6匹に、試料を連日3回投与し、投与後22日目
に、同じ試料1mgを静脈内に注射し、その後のア
ナフイラキシ−シヨツクによる死亡数を観察し
た。
【表】 要素物質Ps−1及びCP−Aの静注LD50値を第7
表に示す。
【表】 要素物質Ps−1はもう一つの要素物質CP−A
と組合わせて主に糖尿病治療薬として有用と考え
られる。現在糖尿病に対する薬物療法は、インシ
ユリン注射あるいは血糖降下薬の経口投与のみで
いずれも対症療法にすぎず、殆んど不治の病と言
つてさしつかえない。しかもインシユリン注射の
ために毎日通院しなければならない繁雑さがあ
り、血糖降下薬の投与では血糖値の常位低下の発
現が常に危険視されている。要素物質Ps−1の
特徴は、もう一つの要素物質CP−Aと組合せる
と、インシユリン分泌活性を有するのみならず血
糖値をいろいろな条件で高めた時(高血糖状態、
特に摂食時に類するグルコース負荷時)にのみ血
中インシユリンを増加させて血糖値をすみやかに
正常に戻す作用を発現する。要素物質Ps−1を
もう一つの要素物質CP−Aと別々に投与する利
点としては、1回投与で数週間から数ケ月にわた
つて活性が持続することがあり、更に特に、特願
昭52−10397号及び特願昭52−49641号に開示され
ているインシユリン分泌増強活性物質の、抗体産
生の発現により連続投与することができなかつた
次点を解決し、連続投与可能ならしめたことであ
る。更に、要素物質Ps−1はもう一つの要素物
質CP−Aと組合せることによつて糖尿病、糖尿
病の合併症及び糖尿病が起因となる様々な成人病
の治療薬としてばかりでなく、前糖尿病状態への
適用や、現在全く治療法がなく悲慘な状態にある
若年型糖尿病の予防及び治療薬ならびに診断薬と
して有用である。 以上、詳述の通り、本発明要素物質Ps−1は
もう一つの要素物質CP−Aと組合せることによ
つて、糖尿病の治療および予防薬、免疫調節剤と
して極めて有用であり、人体に対する有効量は、
活性物質の比活性に応じて固形物として、インシ
ユリン分泌増強活性用途においては約数
10Units/Kg(体重)〜数万Units/Kg(重量)
の範囲であり、免疫増強活性用途については約数
10Units/Kg(体重)〜数万Units/Kg(体重)
の範囲である。 患者に対する投与方法は、各活性用途とも静脈
内投与が最も有効であり、その他腹腔内、筋肉内
および皮下投与、あるいは消化管内への直接投
与、経口投与、直腸内投与および舌下、皮内、鼻
粘膜、動脈、リンパ乃至気管投与も有効である。 投与形態としては、各活性用途とも注射液、坐
剤、腸溶・胃溶剤、舌下錠および吸入剤等を例示
し得る。注射液の最も単純な組成を例示すれば、
インシユリン分泌増強活性10000Units,NaCl9mg
および滅菌蒸溜水で1mlとしたものをあげ得る。 又、薬剤に調合する際に、活性を劣化せしめる
ことのない任意の他成分を混合し得ることも当業
者にとり自明であろう。
【図面の簡単な説明】
第1乃至第3図は、本発明実験説明図であり、
第1図は、CM−セフアロースCL−6Bカラムク
ロマトグラフイーである。第2図は、Disc−電
気泳動図である。第3図は要素物質のSDS−
Disc電気泳動図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 SDS−ゲル電気泳動法による分子量が28000
    ±1200;Lowry法による蛋白質98重量%以上で
    あり、且つ蛋白質成分のアミノ酸組成及び組成比
    (μM/100μM)は、 Asp.9.3±1.0,Thr.7.4±0.8,Ser.10.6±1.0,
    Glu.10.6±1.0,Pro.4.4±0.5,Gly.11.2±1.0,
    Ala.10.6±1.0,Cys/2 1.3±0.3,Va1.6.7±
    0.7,Met.1.6±0.3,Ile.3.2±0.4,Leu.5.5±0.6,
    Tyr.4.6±0.5,Phe.3.5±0.4,Lys.2.2±0.3,
    His.1.7±0.3及びArg.5.9±0.6であり; 且つ等電点PH5.8でありCP−Aとの組合せによ
    りインシユリン分泌増強活性の発現に係わること
    を特徴とする蛋白性要素物質Ps−1。 2 ボルデテラ属に属する微生物を精製して得ら
    れたインシユリン分泌増強活性物質を3M〜5M尿
    素含有リン酸緩衝液(PH5.4−6.8)で12−96時間
    インキユベイトし、次いで、リン酸緩衝液(PH
    5.4−6.8)によつて平衡化したCM−セフアロー
    スCL−6Bカラムにて分離・精製をおこなうこと
    を特徴とする蛋白性要素物質Ps−1の製造方法。
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