JPS5946928B2 - 糖尿病治療及び予防薬 - Google Patents

糖尿病治療及び予防薬

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JPS5946928B2
JPS5946928B2 JP56024090A JP2409081A JPS5946928B2 JP S5946928 B2 JPS5946928 B2 JP S5946928B2 JP 56024090 A JP56024090 A JP 56024090A JP 2409081 A JP2409081 A JP 2409081A JP S5946928 B2 JPS5946928 B2 JP S5946928B2
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insulin secretion
glucose
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基之 矢嶋
幸一 細田
親憲 富岡
理生 宇井
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、百日咳■相菌又は■相菌(Bordetel
lapertussis phase I or II
) に属するインシュリン分泌増強活性成分生産能
を有する微生物の培養生成物から得られるインシュリン
分泌増強活性画分を有効成分として含有する糖尿病治療
及び予防薬に関する。
更に、本発明者は、上記インシュリン分泌増強活性画分
中、特定菌株即わち百日咳■相菌東浜株の培養液から得
られる画分につき、その精製を一層推進することにより
、インシュリン分泌増強活性画分を得ることができ、更
にその1例として新規な蛋白性物質(本発明者はこの分
質を”YH7512”と命名した。
)インシュリン分泌増強活性因子として単離同定するこ
とに成功したものである。
従って、本発明はインシュリン分泌増強活性画分又、イ
ンシュリン分泌増強活性因子である新規な蛋白性物質Y
H7512に係る。
蛋白質様物質から成るインシュリン分泌増強活性画分(
以下、単に活性画分と略称する。
)は、哺乳動物のインシュリン分泌を促進し且つ血糖値
を正常値に維持調整すると言う驚ろ(べき薬理作用を有
し、従って各種糖尿病の治療及び予防薬として極めて有
用であることが判明した。
本発明の活性画分は、病原菌として公知の百日咳■相菌
又は■相菌(Bordetela pertussis
phaseIorlI)に属する微生物を培養し、培
養物、特に培養液からインシュリン分泌増強活性成分を
採取することにより得られる。
培養物からの活性成分の有オリな採取及び精製は活性因
子の1種として単離同定されたYH7512の製法に準
じて実施されるが、より一般的には、カラムクロマトグ
ラフ、透析、電気泳動法、ゲルろ適法、イオン交換樹脂
法、沈澱−再溶解抽出、溶剤抽出、或いはこれらの手段
の組合せなど、当該分野で汎用の多(の分別精製方法に
より達成され得、従って本発明は特定の採取精製方法に
何等限定されるものではない。
I相菌培養精液から培地成分のみを除いて回収される蛋
白質様の産生物から成る粗製画分自体、何等の精製手段
を更に施こすことなしに0.2(Units/μg)程
度の高い比活性を有し、その17qで後記する糖尿病薬
として所要の力価である50単位程度は充分に保障し得
るので医薬として使用可能である。
活性画分の極めて有利な採取精製方法の1例として、カ
ラムクロマトグラフ的手段を掲示し得る。
この場合、微生物の培養上精液は、・・イドロキシアバ
タイト(生化学工業(株)製)、カルボキシメチルセフ
ァロースCL−6B(ファルマシア・ケミカルズ社製)
、コンA−セファロース−4B(同社製)などの充填材
より成るカラムを通される。
活性成分はこれらのカラムに極めて選択的に吸Nされ、
次いで0.5MNaC1含有の0.1Mリン酸緩衝液(
PH7,0)等の適切に選定された溶出液により溶離さ
れて活性画分を与える。
この両分に透析操作を極宜施こすことにより、不要な塩
類が除去されて高活性の医薬調整用画分が得られる。
又、活性成分は菌体内にも存在するので、所望の場合に
は、例えば菌体浮遊液にN a Clを添加して菌体内
活性成分を溶液中に浸出せしめる手段などを採用しても
よい。
当該分野で汎用されている所謂硫安沈澱法も又、本発明
活性画分の製造方法として使用し得る。
この場合、微生物培養上清液に固体(NH4)2SO4
を飽和溶解度近傍まで添加し、希アンモニア水でPHを
6〜7に調整する。
次いで、沈澱物を水洗後、0.1MTris−0,5M
NaCA緩衝液(PH8)により活性成分は溶解抽出さ
れて活性画分を与える。
完全な病原菌と非病原菌(百日咳■相菌)との中間に分
類される百日咳■相菌も又活性成分を産生ずるものであ
ることは前記の通りであるが、収率は■相菌よりも高く
はな(一般に不安定である。
尚、百日咳■相菌又は■相面の菌学的性質、培養条件等
は、 Bergy’ s Manual of Determ
1nativeB acteri ol ogy 第8版1974年Baltimore:The wil
liams& willkns CO。
J 、Exp、 Med、129 : 523〜550
(1969)、細菌学実習提要:第3版第6頁以下、
昭和47年(丸善(株)発行)、等に記載されている。
こうして得られる本発明の活性画分は、糖尿病の治療及
び予防薬として極めて有用であり、人体に対する有効量
は総力価(後記測定方法参照)が30年位程度以上とな
るように規定され、通常、活性画分の比活性(蛋白質量
として)に応じて固形物として約10 n f/Ky
(体重)〜数10μグ/〜(体重)の範囲である。
廚者に対する投与方法は、静脈内投与が最も有効であり
、その地腹腔内、筋肉内及び皮下投与、或いは消化管内
への直接投与、経口投与、直腸内投与及び舌下、皮肉、
鼻粘膜、動脈、リンパ乃至気管投与も有効である。
投与形態としては、注射液、坐剤、腸溶剤、舌下錠及び
吸入剤等を例示し得る。
注射液の最も単純な組成を例示すれば、活性画分1μV
〜数■(蛋白質として)、NaCt9mfI及び滅菌蒸
留水で1−としたものをあげ得る。
尚、本明細書に於いて1活性画分11とは、活性成分含
有液体及びこれを凍結乾燥処理等で乾燥して得られる活
性成分含有固体の両者を意味するものとする。
例えば、注射薬液は両者のいずれを出発材料としても得
られることは自明であろう。
又、薬剤に調合する際に、活性を劣化せしめることのな
い任意の他成分を混合し得ることも当業者にとり自明で
あろう。
インシュリン分泌増強活性成分の1例としての本発明の
蛋白性物質YH7512は、下記の組成及び性質を有す
る。
存在状態及び溶解特性: 脱塩後、凍結乾燥して得られる粉末は、非潮解性白色粉
末であり、4mg/mg程度までは室温で水に易溶、G
NHCt中で不溶性白濁を生じ、ピリジン、ドテシル硫
酸ナトリウム、メルカプトエタノール、システィン溶液
に易溶。
冷時(4℃)、YH7512の溶液に硫安、ドライアイ
ス・アセトンあるいはエタノール、トリクロロ酢酸の添
加により、各々白濁、沈澱を生ずる。
水とクロロホルムあるいはn〜ブタノーノ4合液におい
て、YH7512はこれら両液の界面に集まる。
YH7512の水溶液を80℃以上に加温すると白濁す
る。
0.5M NaC1含有0.1 Mリン酸緩衝液(p
H7,0)にYH7512を溶解し、次いで蒸留水を外
液として透析すると、一時白濁するが透析の続行により
完全に再溶解し、白濁は消失する。
分子量: 0.5M NaCtを含有する0、1Mリン酸緩衝1(
pf(7,0)で平衡化させたバイオ−ゲルP−100
(B IO、RAD社製)カラムC2,8X80cm
)を用いたゲルろ適法による分子量は、77.000±
6,400である。
組成: Lowry法による蛋白質95重量%以上、フェノール
硫酸法による糖質約1重量係であり、且つ蛋白質成分の
アミノ酸組成及び組成比(μM//100μM)は、ア
スパラギン酸(As p ) 7.5 、スレオニン(
Th r ) 7.3、セリン(Ser)6.4、グル
タミン酸(Glu)10.0、プロリン(Pro)5.
s、グリシ7 (Q l y ) 8.8、アラニン(
Al a ) 9.3.1/2シスチン(Cy s/2
) 2.5、バリン(Val)6.5、メチオニンC
Me t ) 2.8、イソロイシン(Ileu)4.
0、ロイシン(Leu)7.8、チロシン(Tyr)6
.5、フエ=7tzアラニジ(Phe)3.7、リジン
(Ly s ) 3.3、ヒスチジン(Hi s )
1.5及びアルギニン(Arg)6.4であり、脂質は
検出限界値以下である。
等電点pH二 8.4±0.5 ディスク電気泳動パターン: アクリルアミドゲル(ポリアクリルアミド濃度7.5%
、INKOH−氷酢酸緩衝液CPH4,3))、試料3
0μ?、通電4mAs 2時間/ゲル1本、アミドブラ
ックIOBによる染料、7%m酸溶液による脱色の条件
下でのディスク電気泳動において、距離(スペーサ・ゲ
ル先端を基準として)2.221±0.061cmの位
置に極めて先鋭な単一のバンドを与える。
生物学的性質: 咄浮動物に対しインシュリン分泌増強作用及び耐糖能良
化作用を有し、これらの作用は1回の投与で数週間乃至
数ケ月にわたって持続する。
急性毒性(LD50)はaay系マウス(静注)で約2
00μ?/Ky体重である。
実施例I:YH7512の製造及び精製 百日咳■相菌東浜株(Bordetella per
−tussis phase I+Tohama 5t
rain)の凍結乾燥保存菌株(北里大学薬学部微生物
学教室提供)をBordet−Gengou平板培地で
37℃、2日間培養後、下記第1表に組成を示すイオン
交換樹脂扉Cohen−Whee lerの変法培地(
CW培地)200r111を分注した500m1の振盪
コルベンに1白金耳接裡し、37℃、20〜22時間振
盪培養した。
この培養液の菌量な、分光光度計(波長650 nm
)で測定し、加えた時の菌量が最終濃度約0.1×10
9個/rnlとなるように、イオン交換樹脂加CW培地
14を分注した2tの振盪コンベルに加え、37℃、4
8時間振盪培養(振盪回数97回/分)を行なった。
尚、上記菌株の菌学的性質は、先にあげた百日咳■相菌
に関する文献の記載と一致した。
第1表 Cohen−Wheel e rの変法培地組成カザミ
ノ酸 10グ 酵母エキス 11 リン酸二水素カリウム 0.5 r可溶性澱粉
2グ 0.5係饋酸銅液 1me 1%塩化カルシウム液 1m1 4%塩化マグネシウム 1ゴ ポリベプトン 5t 1%シスチン液 2.5m10.5%硫
酸鉄液 1m 塩化ナトリウム 2.51 (蒸留水を加えて総量1000ilし、20%NaOH
水溶液でpH7,2に調整後、陰イオン交換樹脂(ダイ
ヤイオン5A−20AP;三菱化成(株)製)3vを加
え、121℃で15分間、高圧蒸気滅菌して使用に供し
た。
)得られた48時間振盪培養液を、56℃で30分間加
温した後、4℃で遠心分離(15,000rpm)して
培養上滑液と菌体とに分離した。
得られた培養上清液を本発明物質YH7512の精製単
離のための出発材料とした。
10tの培養上清液をIN塩酸でpH6,0に調整後、
第1精製工程としてハイドロキシアパタイトカラム(2
,5X 4Crrl)に流速200ml!/時間で流し
た。
大部分の蛋白質は吸着されずそのままカラムを通過し、
目的とするインシュリン分泌増強活性(後記活性測足法
参照)も殆んど検知されなかった。
尚、蛋白質濃度の測定は後記第2表註記のLowryの
方法による。
その後、吸着された物質についてはまず0.01Mリン
酸緩衝液(pH6,0)でカラムを洗い、次いでリン酸
緩衝液のモル濃度を0.1にpHを7.0に夫々上げて
吸着された蛋白質を順次溶出する。
しかし目的の活性画分はよだこの条件では溶出されず:
更に同じ条件のリン酸緩衝液に0.5MのNaCtを含
む同組成のリン酸緩衝液で溶出した。
この条件で浴出された蛋白質に一致して目的活性画分を
効率よく回収することができた(第1図)(得られた活
性画分を濃縮し、ついで透過分子量限界s 、o o
oの透析膜(’l’homas社製のCat No 。
3787−F25)に入れた後蒸留水に対して2回(計
12時間)0.01Mリン酸緩衝液(pH6,0)に対
して2回(計12時間)夫々透析した。
更に精製を進める為に、上記透析後の活性部分を含む浴
液を0.01Mリン酸緩衝液(pH6,0)で平衡化さ
イシたカルボキシメチルセファロースCL−6Eカラム
(1,5x 10cm )に通した。
このカラムに吸着されない物質には全く活性は存在しな
かったが、次いでリン酸緩衝液のモル濃度を0.1にp
Hを7.0に上げ、更に食塩0.5Mを加えて溶出され
た蛋白質に一致した活性画分が得られた(2)2図)。
この部分は)ディスク電気泳動法的には未だわずかな不
純物乞営むため、この活性画分を濃縮しついで透析膜(
上記と同規格)に入れた後、蒸留水に対して2回(酢1
2時間)、0.01Mリン酸緩衝液(pH7,0)で2
回(計12時間)、透析した。
透併後の試料を0.01 M !jン酸緩衝液(pH7
,0)で平衡化したコンA−セファロース4Bカラム(
1,5X 8c7n)に通した。
先ず同一緩衝液で展開すると微少量の蛋白質が溶出され
るがこの部分に活性はな(、次いで0.5MNa(、:
tを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7−0)で溶出さ
れる蛋白質部分に一致した活性画分が得られた(第3図
)。
この部分は、ディスク電気泳動法的に極微量の不純物を
含むため、この部分を集めて濃縮後、0.5MNaC1
を含む0.01 Mリン酸緩衝液(pH7,0)に対し
て透析し、透析後の試料を同一緩衝液で平衡化されたパ
イオーゲルp−100CBIO,RAD社製)カラム(
2,8X60crrl)によってゲルろ過を行なった。
その結果、分子量s o、o o o前後の位置にピー
クを示す蛋白質成分と一致して純粋な活性画分が得られ
た(第4図)。
以上の精製工程による活性の回収率、精製度等は第2表
に示す通りである。
尚、ゲル1本当りの試料は30μV(蛋白質として)、
通電は4mAで2時間、染色はアミド。
ブラック10B1脱色は7%酢酸溶液による。
得られた結果を第5図(ゲル状態図及びデンシトメータ
による泳動図)に示す。
この結果、最終工程による試料は不純物を全く含まない
単一物質であり且つ後記実施例■で定義のインシュリン
分泌増強活性は単離されたこの物質に一致することが確
認された。
YH7512のサブユニット構成を見るため、A 、
L 、 5hapiloの方法(A 、L 、5hap
il。
et al 、Biochem 、Biophys、R
es 、comm 、 1967 。
28815) により、SDS (ドデシル酸硫酸ナ
トリウム)電気泳動法を次の通り実施した。
1%SD8.1%メルカプトエタノール、4M尿素にY
H7512サンプル50μグ/チューブ(蛋白質として
)を加え37℃、2時間インキュベートした後、この混
合物を1%SDSを含む10チポリアクリルアミドゲル
にアプライし、8mA、4時間/ゲル1本当り、通電し
、コムジー(Coomsie)ブルーで染色、7.5係
酢酸で脱色。
得られた結果を第6図(ゲル状態及びデンシトメータに
よる泳動図)に示す。
実施例II:YH7512の薬理効果 −1活性測定法 YH7512(又は活性画分)の活性は棟々のインシュ
リン分泌刺激物質に対する動物の反応性で測定出来るが
、通常はグルコースを刺激物質として用いる。
0検定用使用動物 ウィスター系雄性ラット(体重130〜1401) 0試験力法 各力価の粗精製あるいは精製標品を生理食塩水に溶解し
、七〇〇−2m1.をエーテル麻酔下で股静脈内に注入
し、3日後にインシュリン分泌増強活性を測定する。
なお実験開始前18〜20時間絶食させる。
創建方法は、ラット尾静脈より0.ITleの血液を採
取後、直ちに30%グルコース溶液を体重1001当り
1m腹腔内に投与し、正確に15分後、0.1meの血
液を再び採取する。
インシュリン分泌増強活性は、グルコース投与前、後の
血糖値および血中インシュリン値の差より求める。
血糖値はグルコースオキシダーゼ法、インシュリンは二
抗体法にて測定する。
尚、以下の薬理試験で使用の静注液も上記と同組成より
成る。
血糖値及びインシュリンの測定法法は夫々下記文献及び
キットによる。
血糖値ニゲルコースオキシダーゼ法 B ergmeyer J(、−U 、 t and
Bernet 、E oinllMethods of
enzymatic analysis ”Berg
meyer 、H,刊、e d s 、New Yor
kAcademic press P 123 (19
63)グルコスタット インシュリン二二抗体法 Morgan−CoR、、and Razarow A
、I) 1abetes−叱 115(1968) インシュリンリアキット−ダイナボット社製インシュリ
ン分泌増強活性の計算力法 まず以下の式に従って活性物質投与群及び対照群ラット
の△I/△G値を求める。
△■/△G(μU/mfj) 尚、血糖値を活性の計算に用いるのは分泌されるインシ
ュリン量が血糖値によって太き(影響されるためである
次に活性物質の力価は 単位(Unit)=重物質投与群ラットの平均△■/△
G一対照群の平均△■/△G で求める。
本物質の比活性は力価単位を、蛋白質量 (Lowryの方法)で除したものとする。
0用量−反応関係 YH7512精製標品の力価と投与量(蛋白質量として
)との関係を第3表に示す。
※各5例の平均値 YH7512精製標品はシグモイド様の用量反応関係を
示すが、YH7512又は活性画分精製標品の力価及び
精製工程での計算では、出来るだけ直線部分(25On
1〜1000nグ)をえらんだ。
一2YH7512の薬理効果の要約 本物質はインシュリン分泌増強活性を主作用とし、その
他に耐糖能の良化作用、インシュリン分泌活性、ストレ
プトシトシン誘起糖尿病の治癒を促進する作用、更に遺
伝性糖尿病の耐糖能を改善するなど、薬理的に有能な効
果がみしれる。
更にこれらの作用は本物質の1回きりの投与で、いずれ
も数週間から数ケ月にわたって持続する。
これらの活性はマウス・ラット及び犬において詳細に検
討されるが、各種共に全(同様の現象が観察されること
から本物質の薬理作用には独走は影響しないと考えられ
る。
本物質は主に糖尿病治療薬として有用と考えられるが、
現在糖尿病に対する薬物療法は、インシュリン注射ある
いは血糖降下薬の経口投与のみでいずれも対症療法にす
ぎず、殆んど不治の病と言ってさしつかえない。
しかもインシュリン注射のために毎日通院しなげればな
らない繁雑さがあり血糖降下薬の投与では血糖値の異常
低下の発現が常に危険視されている。
本物質の特徴は、これ自身インシュリン分泌活性を有す
るのみならず血糖値をいろいろな条件で高めた時(高血
糖状態、特に摂食時に類するグルコース負荷時)にのみ
血中インシュリンを増加させて血糖値をすみやかに正常
に戻す作用があり、更に、この物質の利点としては、1
回投与で数週間から数ケ月にわたって活性が持続するこ
とである。
従って血糖値に対するインシュリン分泌の反応が低下し
た様な場合には、この物質投与によりインシュリン分泌
が再賦活化される。
以上の点より、本物質は糖尿病、糖尿病の合併症及び糖
尿病が起因となる様々な成人病の治療薬としてばかりで
な(、前糖尿病状態への適用や、現在全く治療法がなく
悲惨な状態にある若年型糖尿病の予防及び治療薬ならび
に診断薬として有用である。
−3インシユリン分泌増強活性 この作用は本物質の主たる作用の1つであるが、ラット
(ウスイタ−系雄性)、イヌ(ピーグル犬、雄雌)につ
いて実;検を行なった。
ラット 実験条件は活性測定法の項と同様であるが本物質投与3
日目に各インシュリン分泌刺激物質に対する反応性を正
常群と比較した(第4表)。
最も生理的な因子であるグルコース投与では、グルコー
スの投与経路の違いにもかかわらず、対照群に比し顕著
な血中インシュリン濃度の増加がめられた。
またグルカゴン(1〜/にり)、エピネフリン(200
μf/に9)などのホルモン刺激に対jる反応性も著明
に増加していた。
更に現在臨床で使用されている血糖降下薬であるトルブ
タミド(200〜/に7)、グリベンクラミド(2TI
JI/Kq)のインシュリン分泌活性の増強も入られた
以上の知見から、本物質投与はインシュリン分泌刺激物
質に対する生体の反応性を著しく増強することが確認さ
れた。
犬 犬に各力価の本物質を静脈内に投与し、3日後にグルカ
ゴン(25μ? /に9体重、静注)あるいはグルコー
ス(0,3f/Kg体重、静注)刺激を行いインシュリ
ン分泌増強活性を調べた。
実験開始前18時間絶食した。
グルカゴン刺激時の実験結果を第5表に示した15on
f(蛋白質として、以下同様)/Kg(体重)で弱いな
がらグルカゴン投与5分後にインシュリ・ン分泌の増強
が対照群と比較してみもれ、投与量の増加と共にインシ
ュリン分泌の増強がみもれ、1μf/Kyでほぼ反応は
最高に達した。
以上の結果以外にも、グルコース(経口投与、静脈内投
与)及びエピ坏フリンによっても同様にインシュリン分
泌作用の増強がみられた(第6表)ことから、犬におい
てもインシュリン分泌刺激物質に対する反応性が本物質
の投与により著しく高まっていると考えられる。
一4グロコース負荷後の耐糖能良化作用 ラット、犬において経口的にグルコースを負荷し、負荷
後の血糖値の減衰と血中インシュリン値の増加を測定し
耐糖能を判定した。
18〜20時間絶食後にグルコースをラットでは0.5
P/100y体重、イヌでは151/犬投与した。
ラット、イヌで本物質処置群では対照群に比較し、血中
グルコースの上昇は著明に抑制される一方、血中インシ
ュリン値は明らかな増加をみせ、その後血糖値の正常化
と一致してインシュリン値ハクルコース負荷前の値にす
みやかに戻り、インシュリンの過剰分泌による低血糖の
発現は入られなかった(第7乃至第8表)。
従って、本物質処置動物では、耐糖能が著しく良化して
いることが示された。
5一本物質前処置によるストレプトシトシン誘発糖尿病
の治癒 ストレプトシトシン(以下5TZ)投与はスイ臓ランゲ
ルハンス島β細胞を特異的に破壊することにより実験動
物に糖尿病を誘起することが知られているが、本物質前
処置しておいたラットではSTZによって引き起こされ
た糖尿病状態をすみやかに治癒させ、非絶食時血糖及び
耐糖能を正常化することが見い出された。
実験方法は本物質を1μ?ラツトに投与し、3〜5日後
STZ (5ml1/100 f静注)を投与スる。
STZ投与24時間後対照群及び本物質処理群共に高血
糖を発症するが、その後処理群では5日目、7日目と血
糖値が正常域に近づき血中インシュリン量も対照群に比
し有意に高い(第9表)。
更にSTZ投与7日目日目ルコース負荷試験を行い、耐
糖能についても検討した(第10表)。
これらのラットを絶食すると血糖値はみかげ上対照群(
STZのみ投与)、本物質処置群共に同じになるが、対
照群では明らかに正常群に比較して耐糖能の劣化が認め
られる。
一方処置群ではほぼ正常群に匹敵するまでに耐糖能が改
善されている又血中インシュリンも対照群に比ベグルコ
ースに反応し有意に高い。
以上の結果から本物質前処置ではSTZによる糖尿病を
治癒すると考えられる。
−6ヒト類似自然発症糖尿病マウスCKK系)における
本物質投与による耐糖能の改善 KK系マウスは遺伝的及び環境的因子を背景として加令
と共に糖尿病を自然発症することから、ヒト糖尿病に類
似のモデル病態動物と考えられている。
従って本物質の治療効果がこの動物に及ぶか否かは、動
物実験における結果をヒトで類推する上で大きな指標と
なると思われ、以下の実験を行った。
KK系マウスは名古屋大学農学部家畜育種学教室より提
供され、以後兄弟交配及び飼育を続げたものについて行
った。
実験方法は、生後20〜25週令のマウス(体重約40
1)で、経口法によるグルコース負荷(0,15グ/体
N201?)を行い、明らかに正常群CddY系)に比
較して耐糖能の劣化が認められる5例をまず選抜した。
第11表に示すごと(これらのマウスはグルコース負荷
後、クルコースの消失は殆んど見られず明らかに糖尿病
状態にあると考えられる。
これらのKK系群に本物質を0.1μV尾静注後3日目
に再びグルコース負荷を行った。
その結果耐糖能は本物質投与前に比較し著しく亢進して
いた。
更に正常群よりもはるかに良化さえ示している。
従って本物質投与は自然発症糖尿病に充分の治療効果を
発現すると考えられる。
−7薬理活性の作用持続性 本物質の各薬理活性は本物質投与数時間後から発現し3
〜7日目に最高に達しその後除々に各活性は低下するが
ラット(0゜5μm)、イヌ(1,0μ? /Kg)を
用いての作用の持続性の実験結果について述べる。
イヌでは本物質投与15日目に静注法によるグルコース
負荷での耐糖能、29日目、42日目に夫々エピネフリ
ン、グルカゴン刺激時のインシュリン分泌増強活性を調
べた。
その結果42日目においてもなお充分な増強活性が示さ
れた(第12表)。
ラットにおいても本物質投与28日目においてもなおも
最高時の活性(投与3日後)の約50%を発現した。
以上の結果から用量の関係でその作用の強弱はあるが、
作用は数週間から数ケ月持続すると考えられる。
−8有効量、投与形態 YH75120人間に対する有効量は、精製標品の場合
、10 n f/に−9(体重) 〜1 ttftAq
C体重)程度であるが、2μfI/Kti (体重)
以上の一時的な大量投与も可能である。
最も有効な投与方法は、静脈内投与であるが、その他の
投与方法でもよい。
一9活性の安定性 熱安定性 実験方法 試料溶液(40μ?蛋白質Δ砿PH7゜0)
を37℃から100℃まで15分間熱処理を行い・1ン
シュリン分泌増強活性の変化を調べた。
対照としては4℃保保存品を用い、活性の表示は4℃標
品を100とした相対活性で示した。
本物質の熱安定値は56℃以下であるが、80℃処理に
おいても活性の残存が入られた。
pH安定性 40μ?蛋白質/祷の溶液を、3N−塩酸あるいは3N
−苛性ソーダを用いて夫々のpHに調整し、24時間4
℃に保持した。
その後pHを中性付近に戻し動物に投与しインシュリン
分泌増強活性の変化を検討した。
結果を、第14表にpH7,0を100とする相対活性
で示す。
安定値はpH4から9であるが3以下及び10゜11に
おいても活性は残存している。
−10急性毒性 ddY系マウスを用いたYH7512精製標品の急性毒
性LD50(μP/に9体重)は次の通りである。
実施例■:活性画分の製造、精製及び活性測定−百日咳
NIHI44 C3779B )菌株百日咳NI:E(
114(3779B )菌株の凍結乾燥保存菌(北里大
学薬学部微生物学教室提供)を、実施例1と同様に振盪
培養、菌体分離して、培養上滑液lOtを得た。
この培養上清液を2分して、1刀の液をIN塩酸でpH
6,0に調整後、ハイドロキシアパタイトカラム(2,
5X 4cm )に流速200me/hrで適した。
カラムを水洗後、吸着物質な0−5M NaC1含有
0.1Mリン酸緩衝液CpH7,0)で溶出した。
得られた溶出液を透過分子量限界s、oooの透析膜(
Tho m as )社製Cat、A3787 F2
5 )に入れて蒸留水に対して3回(計18時間)透析
処理し、活性画分を得た。
次いでこの両分を凍結乾燥処理して褐色調白色微粉末(
標品■)28.6■を得た。
他力の培養上清液5tには、(NH4)2SO4を飽和
値の90%まで添加して(希アンモニア水でpH6,5
に調整)、殆んどの蛋白様物質を沈澱させた。
次いで沈澱物を充分水洗後0.1 M Tris−0
,5M NaCt緩衝液(pH9)で浸出処理し、抽
出液を得た。
INHCtで中和後、抽出液を上記透析膜で蒸留水に対
して計3回(18時降透析処理して、活性画分を得、凍
結乾燥粉末(標品II)11.υバ得た。
一2百日咳 前野株■相菌(Maeno phase
I)百日咳 前野株■相菌(M aeno phase
I )の凍結乾燥保存菌(北里大学薬学部微生物学教
室提働を用いて、上記実施例II−Iと同様にして、活
性画分の凍結乾燥粉末(標品■及び■)夫々23.6■
、10.8mgを得た。
一3各標品の活性及び急性毒性 前記実施例111−Iの方法により、得られた各標品の
比活性を求めた(第15表)。
各標品の急性毒性(LD50)は、第16表に示す通り
である。
従ってこれらの活性画分粉末標品は、YH7512と同
様に糖尿病治療乃至予防薬として使用に適するものであ
り、有効量は1〜100μfllKqC体tである。
【図面の簡単な説明】
第1乃至6図は、本発明実施例■の実験説明図であり、
第1図はハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフ
を、第2図はカルボキシメチルセファロースCL−6B
カラムクロマトグラフを、m3図はコンA−セファロー
スカラムクロマトグラフを、第4図はバイオケルP−1
00カラムクロマトグラフを、第5図はYH7512の
ディスク電気泳動図を、第6図はYH7512のSDS
電気泳動図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 百日咳■相菌又は■相菌(Bordetellap
    ertussis phase I or I
    I)に属するインシュリン分泌増強活性成分生産能を有
    する微生物の培養生成物の画面を有効成分とする糖尿病
    治療及び予防薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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