JPH0339055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、棚板の高さ（間隔）を無段階に変
更し得るようにした組立棚に関し、周面に適宜な
間隔でローレツト目を施した支柱にテーパー支持
環を外嵌せしめ、該テーパー支持環に棚板の係止
環を嵌着して棚板を楔止固定するようにしたこと
を技術的特徴とするものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来から、棚板の高さ（間隔）を変更し得るよ
うにした組立棚は広く利用されているが、従来の
この種組立棚は、例えば断面Ｌ形の支柱の各面に
予め一定間隔で貫設されたボルト穴と、棚板に設
けられたボルト穴とを対応せしめ、これにボル
ト・ナツトを貫設挾定して棚板を固定するように
したものであつたから、棚板高さの調節範囲が上
記ボルト穴の間隔に限定され収納スペースに無駄
を生じていた上、ドライバーその他の工具を使用
して多大な労力と時間をかけて組み立てる必要が
あり、又、数度の組立・分解でねじ山等が破損す
る等、種々の問題点が見受けられたものである。

この為、支柱に一定間隔で凹溝を周設し、該凹
溝に嵌合する内リブを備えた截頭円錐形断面を有
する半割形の支持部材を、上記支柱に互いに対向
して外嵌せしめ、棚板の四隅に設けられる金具を
上記支持部材に嵌着して、その下降を阻止するよ
うにした組立棚も一部で発表されているが（実公
昭50−25372号公報参照）、この場合も上記凹溝は
一定間隔で周設されたものであつたから、猶、棚
板高さの調節が段階的であり、収納スペースに無
駄を生じていた上、時として上記支持部材の内リ
ブが凹溝に嵌合せず、支柱面を摺動して棚板を充
分に支持し得ないという不都合が見られたもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

このような実情に鑑み本考案は、この種組立棚
を、周面に少なくともテーパー支持環の長さより
短い間隔でローレツト目を施した支柱と、該支柱
に外嵌する稜線方向に切溝を有するテーパー支持
環と、上記テーパー支持環と係合する形状の係止
環を備えた棚板とから構成することにより、上述
した問題点を一気に解消したものである。

〔作用〕

叙上の構成にかゝる本案組立棚は、棚板の係止
環が、支柱の所望位置に外嵌したテーパー支持環
に嵌合して、これを圧締し、支柱に施したローレ
ツト目と相俟つて支柱を強く把持し、棚板を確実
に楔止固定し得るという格別の作用を奏するもの
である。

〔実施例〕

以下、本案組立棚を図面に示す一つの実施例に
基づいて更に具体的に述べると、図において、１
は支柱、２は該支柱の周面に下述するテーパー支
持環の長さより短い間隔をおいて施されたローレ
ツト目、又３は例えば、ポリエチレン等の弾性素
材からなる截頭円錐形の所謂テーパー支持環であ
つて、上記支柱１の直径に見合う内径を有し、稜
線方向に切溝３ａを設けたものであるが、必儲に
応じてその内周面に１乃至複数本の条溝３ｂを通
設して、その拡開を容易としたものである（第３
図参照）。

次に４はスチール線材４′等で編成された棚板
であつて、その四隅に上記テーパー支持環３に嵌
着するテーパー状の係止環５を設けたものであ
る。

而して、上記棚板４はスチール線材４′による
ものに限定されるものでなく、平板や細幅の条材
等その構成は随意に変更し得るものであり、その
形状も亦、三角形、円形等任意である。

尚、上記支柱１の周面のローレツト目２は、上
記一定間隔のものに限らず、支柱全体に亘つて施
したものであつても、その作用効果に変わりない
ことは当然である。

而して、上記組立棚の組み立てに当たつては、
上記支柱１を適宜な基台上に立設した後、所望の
位置にテーパー支持環３を外嵌する。この場合、
該テーパー支持環３はその切溝３ａを拡開して容
易に上記支柱１に嵌着し得るものであり、又、そ
の復元性及び支柱１の周面のローレツト目２によ
り、その設定位置に止まるものである。

次に、上方より棚板４の係止環５をそれぞれ支
柱１に嵌挿して、棚板４全体を下降させれば、上
記係止環５がテーパー支持環３に嵌着し、その楔
止効果により棚板高さを上記所望の設定位置に維
持固定できるものである。

この時、上記テーパー支持環３は係止環５の内
周面により圧締され、支柱１周面のローレツト目
２と相俟つて、上記棚板４を確実に支持するので
ある。

又、棚板高さを変更する際には、棚板４を僅か
に持ち上げるだけで容易にテーパー支持環３を解
放でき、これを任意の位置に移動し得るものであ
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように本案組立棚は、支持周面に少
なくともテーパー支持環の長さより短い間隔でロ
ーレツト目を施したものであるから、支柱の任意
の位置にテーパー支持環を嵌着して棚板を固定で
き、棚板の高さ（間隔）が無段階に調節可能とな
つて収納スペースを有効に利用し得るという格別
の効果の他、その組立、分解に何等工具を必要と
しせず、誰にでも容易かつ省力的に強固な棚を組
み立て得る等、種々の実用的効果が期待できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案組立棚の一部を示す斜視図、第２
図は支柱に対する棚板の係合状態を示す部分断面
図、又、第３図はテーパー支持環の一例を示す斜
視図である。 尚、図中１……支柱、２……ローレツト目、３
……テーパー支持環、４……棚板、５……係止
環。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 周面に少なくともテーパー支持環３の長さよ
   り短い間隔でローレツト目２を施した支柱１
   と、該支柱に外嵌する稜線方向に切溝３ａを有
   するテーパー支持環３と、上記テーパー支持環
   と係合する形状の係止環５を備えた棚板４とか
   ら構成したことを特徴とする組立棚。 ２ テーパー支持環３が内周面に１及至複数の条
   溝３ｂを有する実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の組立棚。