JPH0338686Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は耐候性試験、促進暴露試験、塩水噴霧
試験等の試験装置において試験片を支持するため
の試験片保持具に関する。

〔従来技術〕

従来、促進試験では試験方法及び試験片ホルダ
ーがJISで決定されている。たとえば促進暴露試
験はJIS Ａ 1415（プラスチツク建築材料の促進
暴露試験方法）に於て第３図の如き試験片ホルダ
ー及び試験方法が決められている。第３図におい
て試験片ホルダー１００には両端部付近にホルダ
ー１００を吊設するための貫通孔１０１，１０
１′が設けられ、ホルダー１００の上半分及び下
半分にそれぞれ、一対の係止具１０２，１０２′，
１０３，１０３′が設置されており、係止具１０
２と１０２′ではさまれた部分Ａ及び係止具１０
３と１０３′ではさまれた部分Ｂに試験片を嵌入
可能になされている。そして試験をする際には照
射時間の四分の一毎に試験片の反転、上下の入替
をすることが決められているが、上記試験片ホル
ダーの大きさ及び係止具の大きさは一定のため試
験片の長さや厚みが異なると粘着テープや針金等
で固定しなければならず、試験片の反転や上下の
入替作業が煩雑であつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は、上記欠点に鑑み、長さや厚み
の異なる試験片を容易に設置できかつ容易に反転
や上下の入替作業をすることができる試験片支持
具を提供することにある。

〔問題点と解決するための手段〕

本考案の試験片支持具は枠体、略板状の保持片
を有する試験片保持具と略板状の押圧片を有する
試験片押圧具よりなる一対の試験片支持体及び連
結体よりなるものであり、試験片保持具と試験片
押圧具は各々両端部付近で固定可能となされ、試
験片支持体は枠体の相対する枠片に摺動可能に架
設されており、連結体は異なる相対する枠片に設
置されている。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。第１図は本考案の試験片支持具の一例を示す
斜視図である。図中１は針金等の線状体で形成さ
れた枠体である。枠体１は枠片１１，１２，１
３，１４によつて略矩形に形成されている。図中
２は試験片支持体であり、試験片保持具３と試験
片押圧具４よりなる。試験片保持具３は略板状の
保持片３１の両端部付近が直角方向に屈曲され、
さらに外方逆方向に屈されて枠片１１，１３に摺
動架設するための設置部３２，３２が形成され、
かつ両先端部が屈曲されてリング保持部３３，３
３が形成され、各々のリング保持部３３，３３に
大きさの異なるリング３４，３５が保持されてい
る。又、保持片３１の側縁部は補強のために屈曲
され、リブ３６が形成されており、保持片３１の
試験片を保持する面には試験片が脱落しないで確
実に保持できるようにクツシヨン材３７が設置さ
れている。そして一対の試験片保持具３，３が、
設置部３２，３２に枠体１の相対する枠片１１，
１３が嵌合されて、枠体１に摺動可能に架設され
ている。試験片押圧具４は略板状の押圧片４１と
板状バネ４３より形成されている。押圧片４１は
側縁部が補強及び試験片がずり落ちるのを防止す
る目的で屈曲されリブ４２が形成されている。板
状バネ４３は略中央部が押圧片４１の略中央部に
かしめ部４５によつて固定され、両端が上方（押
圧片４１と逆方向）に付勢されており、かつ両端
部が付勢方向に屈曲されてリング３４，３５を係
止するため係止部４４が形成されている。５，６
は一端部が屈曲され吊設可能になされた連結体で
あり、各々、相対する枠片１２，１４に固定され
ている。

上記試験片支持具で試験片を支持するには、ま
ず試験片保持具３を摺動させ、試験片の長さと略
同じ幅にし、クツシヨン材３７，３７上に試験片
を載置し、その上に押圧片４１が当接するように
試験片押圧具４を置きバネ４３を押し下げリング
を係止部４４に嵌合して固定する。次いで試験片
を促進暴露試験装置等で試験するには試験片を固
定した試験片支持具を連結体５または６で試験装
置に吊設すればよく、複数の試験片支持具を連結
体５，６で連設してもよい。

第２図は本考案の試験片支持具の異なる例の要
部を示す説明図である。図中３′は試験保持具で
あり、保持片３１′の端部付近が屈曲されて設置
部３２′が形成され、設置部３２′には枠片１１′
が嵌合され、試験片保持具３′が摺動可能に設置
されている。又、保持片３１′の設置部３２′に貫
通孔７が穿設されている。４′は試験片押圧具で
あり、押圧片４１′の端部付近に貫通孔７１が穿
設されている。９は試験片であり、保持片３１′
と押圧片４１′で挟持されており、貫通孔７，７
１に挿通されたボルト８とナツト８１及びバネ８
２によつて固定されている。

又、試験片支持体へ試験片を固定する方法は任
意の方法が採用されてよく、たとえばクリツプ、
磁石等で固定する方法があげられる。

〔考案の効果〕

本考案の試験片支持具の構成は上述の通りであ
るから長さや厚さの異なる試験片を容易に固定す
ることができ、試験片の反転や上下の入替作業を
容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の試験片支持具の一例を示す斜
視図であり、第２図は異なる例の要部を示す説明
図であり、第３図はJIS Ａ 1415で決められてい
る試験片ホルダーを示す平面図である。 １……枠体、１１，１２，１３，１４……枠
片、２……試験片支持体、３……試験片保持具、
３１……保持片、３２……設置部、３４，３５…
…リング、４……試験片押圧具、４１……押圧
片、４３……板状バネ、４５……かしめ部、５，
６……連結体、７，７１……貫通孔、８……ボル
ト、８１……ナツト、９……試験片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 略矩形の枠体、該枠体の相対する枠片に摺動
   可能に架設された一対の試験片支持体及び上記
   枠体の異なる枠片にそれぞれ設置された連結体
   よりなる試験片支持具であつて、前記試験片支
   持体が略板状の保持片を有する試験片保持具と
   略板状の押圧片を有する試験片押圧具よりな
   り、上記試験片保持具と試験片押圧具が各々両
   端部付近で固定可能になされている試験片支持
   具。 ２ 枠体が線状体よりなる実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の試験片支持具。 ３ 試験片保持具は保持片の両端部付近が直角方
   向に屈曲され、さらに外方逆方向に屈曲されて
   枠片に摺動可能に架設する設置部が形成され、
   かつ両先端部にリングが設置されており、試験
   片押圧具は押圧片と略中央部が押圧片の略中央
   部に固定され、両端が上方に付勢された板状バ
   ネよりなる実用新案登録請求の範囲第１項又は
   第２項記載の試験片支持具。 ４ 試験片保持具と試験片押圧具は各々両端部付
   近に貫通孔が穿設されており、ボルトとナツト
   で固定可能になされている実用新案登録請求の
   範囲第１項又は第２項記載の試験片支持具。