JPH0337985B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は静電噴霧方法および装置に関するも
のである。静電噴霧装置は例えば英国特許第
1569707号明細書に開示された型式のものであり
得る。

英国特許第1569707号明細書には噴霧液体の帯
電と噴霧化との両方を静電力で行なうことのでき
る特に作物への噴霧散布に有効な携帯型の静電噴
霧装置が開示されている。この装置では噴霧粒子
に付与された静電荷により粒子はアースまたは逆
の電荷の存在するまたは誘導され得る任意の他の
物体に強く引き付けられることになる。機械は粒
子を噴霧目標物（例えば噴霧散布すべき作物）に
向つて噴射し、それらの粒子のほとんどは目標物
に当るが、しかし当らない粒子が幾分あり得る。
英国特許第1569707号では、目標物に当らない小
滴は噴霧装置の本体に向かつて引き付けられ（後
方噴霧）と考えて、噴霧ノズルの後方に噴霧ノズ
ルと同様に帯された環状電極を噴霧ノズルと同軸
に設けることによつてこの後方噴霧を避けること
が提案されている（英国特許第1569707号の第１
１図）。

英国特許第1569707号明細書に開示された型式
の携帯型噴霧装置の実際の動作では、噴霧装置の
本体自体の汚染より噴霧装置を保持する作業者の
噴霧汚染の方が一般に比較的重量な問題であるこ
とを見い出した。このような汚染は一般に少ない
（そして他の公知の噴霧装置の場合より少ない）
が、薬剤の噴霧は一般に人間には多少とも有害で
あるのでその汚染を絶対最小値まで減少すること
が望ましい。これらの装置においては噴霧ノズル
は普通長さ約２ｍのハンドルを用いて噴霧散布す
べき作物（例えば綿）の上方ほぼ20〜40cmの高さ
に保持される。これらの状態では、ノズルの後方
の帯電した円形電極はほとんどそばに立つている
作業者を保護することができない。

英国特許第1569707号明細書に開示された型式
の携帯型の噴霧装置の別の特徴は、形成された噴
霧における電荷のため散布幅が比較的狭いことに
ある。例えば綿の一列上に保持すると、噴霧はほ
とんど全部下側の列上に落下し、極く僅かが隣接
した列に降下する。これは、作業者が各列に沿つ
て噴霧装置を持ち運ばなければならない点で欠点
であり、これに対して、例えば回転噴霧装置によ
つて帯電されてない噴霧を散布する場合には、作
業者は二列またはそれ以上の列を同時に噴霧散布
することができる。

この発明では散布幅の比較的広くて作業者の汚
染のほとんどないまたは作業者の汚染の傾向のな
い噴霧方法および携帯型噴霧装置を提供する。こ
の噴霧装置は例えば一回の進行で二つまたはそれ
以上の作物の列を噴霧するのに用いられ得る。

この発明によれば、帯電した多数の薬剤粒子か
ら成る下降していく雲状体を形成し、そしてこの
雲状体と同じ符号の電位に帯電されかつ雲状体の
横に配置された電極によつて雲状体に横方向運動
成分を付与することを特徴とする薬剤の静電噴霧
方法が提供される。

またこの発明によれば、噴霧ハンドルを形成す
る細長い本体が、その一端に静電噴霧ヘツドを支
持する頚部と、静電噴霧ヘツドに液体を供給する
容器と、静電噴霧ヘツドを高電位に帯電させる高
電圧発生装置とを備え、頚部が、静電噴霧ヘツド
の一側に設けられしかも静電噴霧ヘツドの近くに
おいて頚部からのびる一つまたはそれ以上の導電
性要素を支持し、上記導電性要素を静電噴霧ヘツ
ドと同じ符号の高電位に電気的に接続したことを
特徴とする薬剤の携帯型静電噴霧装置が提供され
る。

この明細書において用語“導電性”および“導
体”は半導電性および半導体を包含する。導電性
要素は実質的に直線状の棒状体の形状を成し得
る。この発明の有利な形態では、一対のこのよう
な棒状体は噴霧ヘツドと作業者との間のほぼ垂直
平面に例えば互いに90°の角度を成してしかも垂
直方向に対して例えば45°に配置されて設けられ
る。導電性要素は好ましくは外部的に絶縁され、
電流損失を避けそして作業者が通電中に偶然に触
れた場合にシヨツクを受けないようにされる。有
利には、導電性要素は棒状体の形状を成し、そし
て動作位置から頚部に横たわる収納位置まで動き
得るように装着され得る。導電性要素は好ましく
は、作物の上方に噴霧装置を保持する作業者の負
担を軽減するためできるだけ軽く作られる。それ
らは噴霧装置を地上に置いたとき噴霧ヘツドが地
面に接触しないように支持する脚部として作用す
るように十分に強く作られ得る。これにより噴霧
ヘツドはよごれることがない。代りにそれらは薄
い金属線の棒状でもよい。

以下この発明の特定の実施例を添附図面を参照
して説明する。

本装置は本体１を有し、この本体１内には高電
圧発生装置２を備え、この高電圧発生装置２はス
イツチ３を介して乾電池４によつて付勢される。
本体１は頚部５を備え、この頚部５は６で角度を
調整できそして導電性環状ノズル７を支えてい
る。ノズル７にはねじ付つばを介してノズル７に
取外し可能に装着されるプラスチツク容器８から
噴霧すべき液体（例えば1979年の欧州特許出願第
3251号明細書に記載された型式の殺虫剤パーメト
リン（permethrin）の組成物）が供給される。
ノズル７の周囲にはその口部の背側に金属環状体
９が設けられ、この金属環状体９はノズル７から
絶縁されそして引きずるアース線１０に接続さ
れ、一方ノズル７は導体１７を介して高電圧発生
装置の出力端子１１に接続される。頚部５には一
対の脚部１２，１３が装着されている。これらの
脚部１２，１３は絶縁のため塩化ポリビニルで被
覆したアルミニウム管から成り、そして球形のプ
ラスチツク足部１４，１５で終端している。脚部
１２，１３は二つの安定位置をもたらすばね負荷
取付部材１６によつて頚部５に取付けられる。上
記二つの安定位置の一方は作動状態（第１図に示
す状態）であり、この状態では脚部１２，１３は
ほぼ下方に突出し、本体１の軸線の垂直平面に直
角なほぼ垂直平面に対称に広がり、すなわち脚部
１２，１３間の角度は90°であり、また各脚部と
垂直軸線との成す角度は約45°である。他方の安
定位置は収納状態であり、この状態では脚部１
２，１３は頚部５に横たわり、本体１に向つてお
りたたまれる。脚部１２，１３のアルミニウム
シヤフトは取付部材１６を介して導体１７に接続
され、高電圧発生器の出力端子１１に通じてい
る。

第１図に示すように使用においては、まず密封
キヤツプ（図示されてない）がノズル７からはず
される。そして作業者１８は噴霧装置の本体１を
握つて作物１９の上方約40cmの高さに保持する。
作業者１８はスイツチ３を閉じて高電位（例えば
25KV）を脚部１２，１３およびノズル７に印加
する。作業者１８が歩進する際に地面と断続的に
接触する引きずりアース線１０は金属環状体９を
低電位に維持している。ノズル７を通つて出てく
る液体は帯電したノズル７と低電位の金属環状体
９との間の強い静電界の作用によつて広い円錐形
を成して２０で示すようにひも状に引き出され
る。これらひも状に引き出された液体は極めて一
様な寸法の高電荷をもつた小滴２１に分裂する。
作業者１８の方向に放出された小滴は脚部１２，
１３における反発静電界によつて作物１９に向つ
て偏向される。従つていかなる薬剤散布の場合も
作業者１８に極めてふりかかりにくい。必要なら
ば散布作業後、密封キヤツプは装着され、そして
噴霧装置は地上に置かれ、脚部１２，１３は本体
１の別の端部と共に３脚を成す。

第３図には第１，２図の装置で２列の作物に散
布している場合を示す。ノズル７は第１図の場合
より作物１９の上方に幾分高く（約40cmではなく
約60cm）に保持される。脚部１２，１３からの静
電界は噴霧曇２２を横に押して２列目の作物２３
上に有効に広がつて散布するように作用する。上
から見ると、噴霧曇の形は楕円形であり、その長
軸はノズル７を通つて噴霧装置の本体１から離れ
る方向にのびている。第４図には比較のため、脚
部１２，１３を備えてない噴霧装置２４を作物１
９の上方の同じ距離（60cm）に保持した場合を示
す。噴霧曇２５は上から見てほぼ円形である。噴
霧曇のほとんどは作物１９の列に落ち、列２３も
幾分ふりかかるが有効な処理のためには不十分で
あり、ほぼそれと同量が作業者に引き付けられ得
る。

第１図に示す型式の脚部を取付けた装置による
噴霧テストの結果、第４図に示す型式の脚部なし
の装置と比較して作業者の汚染が実質的に減少さ
れた。

噴霧曇における導電性要素の影響はそれらの形
状、寸法、位置および電位に関係する。例えば第
５図にはある角度前方に曲がつた脚部３１，３２
を備えたこの発明による別の噴霧装置３０を示
す。噴霧装置３０の構造はその他の点では第１〜
３図に示す装置と同じである。ノズル３４から噴
射する噴霧曇３３は脚部３１，３２から生じる静
電界によつて横の強いインパルスと上向きの幾分
かのインパルスとを受け、例えば頭上面３５（例
えば天井）近くに保持していれば装置は図示した
ように容易に上向きに噴霧できる。

例えば英国特許出願公告第2030060A号および
欧州特許出願公告第31649号明細書に開示された
型式の容器をこの発明における噴霧ノズルと一体
にして用いることは有利である。この発明はま
た、他の型式の静電噴霧ヘツド例えば回転円板ま
たはカツプで機械的に噴霧化すると同時に接触ま
たは誘導によつて帯電させる噴霧ヘツドを用いた
携帯型装置にも適用できる。

上述の装置においては種々の他の変更が可能で
ある。脚部１２，１３は必ずしもノズル７と同じ
電位である必要はなく、幾分低いか幾分高い電位
でもよい。このようにし電位の調整で良好な噴霧
特性すなわち優秀な噴霧パターンが得られ得る。
噴霧パターンをさらに変更するためまたは秀れた
機械的安定性を得るため或いはそれらの両方のた
め、脚部１２，１３はそれらの足部近くでそれ自
体導電性材料から得り得る控え部材によつて結合
され得る。この控え部材は各脚部にヒンジで取付
けられそして中間でヒンジされた棒から成り、収
納時には脚部組立体を折たたむことができるよう
にされるか、または控え部材は一方の脚部にヒン
ジされそして他方の脚部には例えばスタツドまた
はスロツト嵌合によつて取外し可能に取付けられ
得る。控え部材はまたコードまたは軽いチエーン
の形状でもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による装置を用いて作業者を
作物に噴霧散布している場合を示す概略側面図、
第２図は第１図の装置の回路線図、第３図は第１
図の装置を二列の作物に散布するのに用いた場合
の概略側面図、第４図は一列の作物に散布するの
に用いた従来技術の装置の概略側面図、第５図は
天井に噴霧するのに用いたこの発明の別の実施例
の概略側面図である。 図中、１：本体、２：高電圧発生装置、５：頚
部、７：導電性環状ノズル、８：容器、９：金属
環状体、１０：アース線、１２，１３：脚部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 帯電した多数の薬剤粒子から成る降下してい
   く雲状体を形成し、そしてこの雲状体と同じ符号
   の電位に帯電されかつ上記雲状体の横に配置され
   た電極によつて上記雲状体に横方向運動成分を付
   与することを特徴とする薬剤の静電噴霧方法。 ２ 噴霧ハンドルを形成する細長い本体が、その
   一端に静電噴霧ヘツドを支持する頚部と、静電噴
   霧ヘツドに液体を供給する容器と、静電噴霧ヘツ
   ドを高電位に帯電させる高電圧発生装置とを備
   え、頚部が、静電噴霧ヘツドの一側に設けられし
   かも静電噴霧ヘツドの近くにおいて頚部からのび
   る一つまたはそれ以上の導電性要素を支持し、上
   記導電性要素を静電噴霧ヘツドと同じ符号の高電
   位に電気的に接続したことを特徴とする薬剤の携
   帯型静電噴霧装置。 ３ 一つまたはそれ以上の導電性要素が外部的に
   絶縁される特許請求の範囲第２項に記載の噴霧装
   置。 ４ 静電噴霧ヘツドが、環状接地電極で包囲され
   た帯電されたノズルから成る特許請求の範囲第２
   項または第３項に記載の噴霧装置。 ５ 一つまたはそれ以上の導電性要素が棒の形状
   を成している特許請求の範囲第２項〜第４項のい
   ずれか一項に記載の噴霧装置。 ６ 棒の形状の導電性要素が堅固で、噴霧装置を
   地上に置いたとき脚部として機能できる特許請求
   の範囲第５項に記載の噴霧装置。 ７ 一つまたはそれ以上の棒の形状の導電性要素
   が、作動位置から収納位置へ動き得るように取付
   けられる特許請求の範囲第５項または第６項に記
   載の噴霧装置。