JPH0337880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は工作機械のクーラント供給装置付交換
工具に関する。

〔従来の技術〕

従来、タレツト上の交換工具にクーラントを供
給する手段として、タレツト方向からの交換工具
の該当挿着位置近傍にクーラント通路を導引き、
工具挿着された交換工具中央に導引く手段と、ま
た交換工具の外側からの位置決めピンを兼ねたジ
ヨイントとの接合で導引く手段とが知られてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来から知られている前述の交
換工具にクーラントを供給する手段として前者は
中央部をクーラントが通過すると残留クーラント
等のため錆の発生原因となると共に、工具中央部
に吐出用の孔を設けた特殊工具を必要とする。

また、後者は接合部であるジヨイント部が突出
した位置決めピンを兼ねているため、工具シヤン
ク中心とピン中心間の精度を正確に決めなければ
ならないという問題がある。

〔目的〕

本考案の目的は上記事情に鑑み問題を解決する
ために提案されたものであつて、エア供給を併設
することにより、残留クーラントや切粉等を完全
に除去することを可能し、さらに交換工具の着脱
の際にもクーラント供給の確実性を図つた交換工
具用クーラント供給装置を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段と作用〕

本考案は工作機械のクーラント供給装置を改良
したものであつて、その手段は工具挿着部外のタ
レツトヘツド内で工具軸心方向に沿つて第１のク
ーラント供給通路とする孔を穿設する。工具受け
部材をタレツトヘツドに挿着し、前記第１のクー
ラント供給通路と一致するように、第２のクーラ
ント供給通路となる孔を穿設する。さらに交換工
具（加工工具＋工具ホルダ）内にあつて、工具軸
心方向に沿つて第３のクーラント供給通路となる
孔を穿設し、該第３のクーラント供給通路の先端
部にクーラントが噴射されるノズルを取付ける。

また、第２のクーラント供給通路と第３のクー
ラント供給通路との間にはシールを介在せしめて
接触させる。正確な位置合わせでなくラフな位置
合わせで互いのクーラント供給通路が連通され
る。

而して、ジヨイントの孔からクーラントを供給
することによつて、クーラントが第１、第２およ
び第３のクーラント供給通路を通つてノズルから
工具刃先に向けて噴射される。

〔実施例〕

以下本考案の一実施態様を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は交換工具用クーラント供給装置をタレ
ツトヘツドに取付けた状態の一部正面断面図であ
る。

第１図において、タレツトヘツド１は図略の刃
物台にカツプリング２を介して割出し可能に取付
けられている。

タレツトヘツド１の一部に段付の装着孔１ａが
穿設され、該装着孔１ａにはテーパの工具装着孔
５ｂを設けた工具受け部材５の軸部が嵌合され、
タレツトヘツド１前面には工具受け部材５のフラ
ンジ部５がボルト６で固定されている。

前記工具受け部材５の工具装着孔５ｂには先端
にバイト等を取付けた工具の工具ホルダ７のテー
パーシヤンク７ａが着脱自在に嵌合される。

テーパーシヤンク７ａの挿入端面の中心部には
所定の深さの穴部７ｂが穿設され、この穴部７ｂ
の内周面には環状の係合溝７ｃが形成されてい
る。

工具ホルダ７は前記工具受け部材５のフランジ
部５の前面に突設されたキー（図示せず）によ
り位置決めされる。

工具受け部材５の後方に穿設された工具装着孔
５ｂと連通する段付孔５ａおよび工具ホルダ７後
端の穴部７ｂ内にはドロースリーブ８が摺動自在
に挿嵌され、該ドロースリーブ８の後方にはリン
グ部材３が螺着されている。

なお、リング部材３はタレツトヘツド１に穿設
された穴１ｊに摺動可能に挿嵌されると共に、該
穴１ｊとの隙間部はＯリングでシールされ、切粉
等のゴミの侵入を防止している。

更に、タレツトヘツドの装着孔１ａ内にあつて
工具受け部材５後方とリング部材３間には皿バネ
４が介挿されドロースリーブ８を後方へ付勢して
いる。

前記ドロースリーブ８には該スリーブの軸心を
貫通する段付孔８ｄが穿設され、該スリーブ８先
端部の周面に設けられた複数の小孔８ｂ内にはボ
ール９が遊嵌されている。

ドロースリーブ８内の段付孔８ｄ内には締結部
材１０が摺動可能に挿嵌され、該締結部材１０の
先端大径部外周面には前記複数個の締結用ボール
９を出没自在に収容する円弧状溝１０ａ（逃し溝）
が形成されている。

更に、ドロースリーブ８後方の段付孔８ｃと締
結部材１０との間にはスプリング１１が介挿さ
れ、該締結部材１０を後方へ付勢している。

工具ホルダ７には種々な切削工具が必要時に取
付けられ使用される。

工具ホルダ７は第１図における状態がクランプ
状態であり、このクランプ状態をアンクランプ状
態にするには、図略の油圧シリンダにより、締結
部材１０の後端部を前方へ押し出すと、締結部材
１０が前方へ移動し、締結部材１０の先端部にあ
る円弧状溝１０ａがボール９に嵌合し、ボール９
が径方向の内方へ落ち込みアンクランプ状態とな
る。而して工具ホルダ７を前方へ引き抜けば、工
具受け部材５から簡単に外れる。

クランプするには、工具ホルダ７を工具受け部
材５の工具装着孔５ｂ着した後油圧シリンダを解
除するとドロースリーブ８が皿バネの作用で後退
すると共に、締結部材１０の先端部が後方へ押さ
れて円弧状溝１０ａがボール９より外れ、スプリ
ング１１の付勢力で締結部材１０が後方へ移動し
ロツクされる。

このようなタレツトヘツド１に工具ホルダ７が
着脱可能に取付けられた状態において、タレツト
ヘツド１と図略の刃物台とを接合する接合部材２
（カツプリング）の外周部にクーラント供給通路
用孔２ａを穿設する。

接合部材２内に穿設されたクーラント供給通路
用孔２ａと一致するよう、タレツトヘツド１内に
孔１ｂ（第１のクーラント供給通路）を穿設する。
また工具受け部材５内に、タレツトヘツド１内の
孔１ｂと一致するよう孔５ｃ（第２のクーラント
供給通路）を穿設する。さらに工具ホルダ７の軸
線方向で、工具受け部材５の孔５ｃと一致せしめ
て孔７ｄ（第３のクーラント供給通路）と７ｅを
穿設する。一方接合部材２の孔２ａの後端部には
クーラントを供給するジヨイント１２が図略の油
圧シリンダにより進退自在に設けられている。タ
レツトヘツド１を割出す時には、このジヨイント
１２は後方位置へ図略の油圧シリンダにより移動
せしめて支障のないようになつている。孔５ｃと
孔７ｄとの間にはクーラントが洩れないようにシ
ール１３が取付けられる。

而して、ジヨイント１２の孔１２ａ、接合部材
２の孔２ａ、タレツトヘツド１内の孔１ｂ，工具
受け部材５内の孔５ｃおよび工具ホルダ７内の孔
７ｄ，７ｅが互いに連通される。その結果矢印の
如く、クーラントを供給することによつて、工具
ホルダ７の孔７ｅの先端部に取付けた球形のノズ
ル１４からクーラントが工具の先端部に向けて噴
射される。なお、ノズル１４は球形であるため、
方向は自由に設定される。

第２図は本考案の交換工具用クーラント供給装
置をタレツトヘツドに取付けた状態の一部正面断
面図である。

第２図において、タレツトヘツド１内に工具ホ
ルダ７がクランプ、アンクランプされる為の取付
け状態は第１図と全く同じであるから説明を省略
する。なお、図中には第１図と同じ符合を記して
ある。第２図において、本考案の主要部であるク
ーラント供給装置についてのみ説明する。タレツ
トヘツド１と図略の刃物台とを接合する接合部材
２の外周部にクーラント供給通路用孔２ａを穿設
する。孔２ａの前方には孔２ａおよび孔１ｂより
大なる径の孔１ｃが穿設され、該孔１ｃ内にクー
ラント供給通路用孔を設けた蓋１５と内部を空洞
にし、かつ孔１ｂ側に小孔を穿設したケース１６
とが挿嵌され、該ケース１６の空洞部にスプリン
グ１７を介して後方にボール１８が該ケース１６
の側壁に接触した状態で挿入されている。ボール
１８はスプリング１７の付勢力で常時後方へ付勢
され小孔を止じている。

なお、この部材を総称してチエツク弁と呼ぶ。
工具受け部材５内の先端部には摺動部材１９と蓋
２０とが一体的に取付けられ、収納される。工具
受け部材５内の後端部にはクーラント供給通路孔
２１ａを設けた弁支持部材２１が取付けられる。
弁支持部材２１の先端部には弁２２が取付けら
れ、摺動部材１９内に突出している。蓋２０と弁
支持部材２１との間にはスプリング２３が介設さ
れ、工具ホルダ７が挿着されていない場合には、
一体化された摺動部材１９と蓋２０がスプリング
２３の付勢力で前方へ摺動し、蓋２０と弁２２そ
の間の隙間が遮断されてクーラントを矢印の如く
供給しても前方へ吐出されない。工具ホルダ７を
工具受け部材５の工具装着孔５ｂに挿着せしめる
と、摺動部材１９と蓋２０とが後方へ摺動し蓋２
０と弁２２との間に隙間が生じ、クーラントが矢
印の如く供給されると、ジヨイント１２の孔１２
ａ、接合部材２外周の孔２ａおよびタレツトヘツ
ド１の孔１ｂ内を順次通過する。

クーラントがタレツトヘツド１の孔１ｂを通過
した後、ケース１６の孔を通つてボール１８に衝
突する。ボール１８はクーラントの圧力で前方へ
押圧されるので、クーラントがケース１６の空洞
内および蓋１５内を通過する。さらに弁支持部材
２１のクーラント供給通路孔２１ａを通つて、蓋
２０と弁２２との間に生じた隙間を通過する。ク
ーラントは隙間を通過した後に、孔７ｄ，７ｅを
通り、孔７ｅの先端部に取付けられた球体ノズル
１４から噴射される。

一方タレツトヘツド１内にエア供給通路用孔１
ｄを穿設し、孔１ｄの先端部には、該孔１ｄの径
より大なる孔１ｅを穿設し、該孔１ｅ内に蓋２４
とケース２５とを一体化せしめて収納される。ケ
ース２５のエア供給通路孔１ｄ側に小孔が穿設さ
れている。ケース２５内にはスプリング２７が介
設され、スプリング２７とケース２５の側壁との
間にボール２６が設けられ、ボール２６はスプリ
ング２７の付勢力で常時後方へ押し付けられてい
る。

また、タレツトヘツド１内に孔１ｆが穿設さ
れ、該孔１ｆ内には蓋２８とケース２９とが一体
的に取付けられて収納される。ケース２９内には
スプリング３０が介設され、ケース２９の側壁と
スプリング３０との間のボール３１が設けられ
る。ボール３１はスプリング３０により常時前方
へ付勢されている。ボール３１の前方にはエア供
給通路孔が穿設され、その孔とケース２５の空洞
部との間にはエア供給通路孔で連通される。また
工具受け部材５内に穿設された孔５ｄがケース２
５の空洞部に連通される。孔５ｄは傾斜孔５ｅに
も連通される。タレツトヘツド１のケース２９内
の空洞部に連通された孔１ｇはケース１６に連通
された孔１ｈに連通される。また、ケース２９内
の孔とケース２５内の孔とは孔１ｉで連通され
る。

而して、工具ホルダ７を工具受け部材５内に挿
着させない状態で、孔１ｄからエアを供給する
と、エアは孔１ｄからボール２６に衝突し、エア
の圧力でボール２６を前方へ押し出し通過する。
さらにエアはケース２５内から孔５ｄ，傾斜孔５
ｅより噴射されると共に、孔１ｉ，ケース２９，
孔１ｇを通過したエアはケース１６内に供給され
るが、蓋２０と弁２２との間に〓間を生じていな
いから、ケース１６内からエアは外部に放出され
ない。すなわち、孔５ｄ，傾斜孔５ｅから工具受
け部材５の工具装着孔５ｂへ向けて噴射され、装
着内面が洗浄される。

また、工具ホルダ７を工具受け部材５内に挿着
させた状態で、孔１ｄからエアを供給すると、エ
アは孔５ｄおよび傾斜孔５ｅより噴射されないた
め、エアは孔１ｄからボール２６に衝突し、エア
の圧力でボール２６を前方へ押し出し通過する。
さらにエアはケース２５内から孔１ｉを通過し、
ケース２９内を通つてボール３１に衝突する。エ
アの圧力でボール３１を後方へ押し出して通過し
孔１ｇ、孔１ｈを通つてケース１６内に供給され
る。エアは、蓋２０と弁２２との間に隙間が生じ
ているので、その隙間を通つて孔７ｄ，７ｅを通
過し、孔７ｅの先端部に取付けられた球体からな
るノズル１４から噴射され、各孔に残留していた
クーラントおよび切粉を除去する。

なお、クーラントが孔１２ａから供給された
際、孔１ｈ，孔１ｇを通つて、さらに孔１ｉへ供
給されないよう、ボール３１は逆流防止の役目を
果している。

従つて、実施例２においては、クーラントを供
給する供給通路を設けると共に、さらにクーラン
トや切粉を除去するためのエア供給通路を設けた
ものである。

〔効果〕

本考案はクーラント吐出用供給通路を工具挿着
部外の外部に設けると共に、工具ホルダを工具受
け部材内へ挿着する際、クーラント供給部が互い
に表面で接触しシールされ、位置決めピンを兼ね
ることもないため、正確な位置合わせも不要と
し、かつクーラントが外側部を通過する構造にあ
る為、工具挿着部にクーラントの残留が皆無とな
るので、錆の発生から解消される。また、エアを
工具挿着部と工具のクーラント吐出孔部に吐出す
ることにより残留クーラントやクーラント内の切
粉等が完全に除去されるため、切粉等による摩耗
で精度低下を起こす恐れから全く解消される。延
いては品質向上につながる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の交換工具用クーラント供給装
置をタレツトヘツドに取付けた状態の一部平面断
面図である。第２図は本考案の別な交換工具用ク
ーラント供給装置をタレツトヘツドに取付けた状
態の一部平面断面図である。 １……タレツトヘツド、２……接合部材、３…
…リング部材、５……工具受け部材、７……工具
ホルダ、８……ドロースリーブ、９……ボール、
１０……締結部材、１０ａ……円弧状溝、１１…
…スプリング、１ｂ，２ａ，５ｃ，７ｄ，７ｅ…
…孔、１２……ジヨイント、１３……シール、１
４……ノズル、１６……ケース、１７……スプリ
ング、１８……ボール、１９……摺動部材、２０
……蓋、２１……弁支持部材、２２……弁、２３
……スプリング、２５……ケース、２７……スプ
リング、２６……ボール、２９……ケース、３０
……スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 旋削工作機械の主軸に対して主軸軸線方向およ
   びこの主軸軸線方向と直交する方向に相対移動可
   能に設けられるとともに、工具を着脱自在に装着
   する刃物台において、この刃物台の基部に旋回割
   出し自在に軸承され、複数の工具装着部を形成し
   たタレツトヘツドと、 この工具装着部に装着され、前記主軸と対向す
   る前面側端部にフランジ部を形成し、内径部に前
   記工具を装着する装着孔部を形成した工具受け部
   材と、 この装着孔部軸線と平行に、この装着孔部と近
   接した位置の前記タレツトヘツド内に穿設され、
   供給源よりクーラントが供給される第１のクーラ
   ント供給通路と 前記工具受け部材のフランジ部に穿設され、前
   記第１のクーラント供給通路と連通する第２のク
   ーラント供給通路と 前記工具に穿設され、前記第２のクーラント供
   給通路と連通する供給口を前記工具受け部材側に
   設け、また、装着した工具の刃先に向けてクーラ
   ントを噴出させるノズルを加工領域側に設けた第
   ３のクーラント供給通路と、 前記第２のクーラント供給通路内に設けられ、
   前記工具が前記工具受け部材より離脱したとき付
   勢手段により付勢されて前記第２のクーラント供
   給通路を遮断するとともに、前記工具が前記工具
   受け部材に装着されたとき前記工具により押圧さ
   れて前記付勢手段の付勢力に抗して移動し、前記
   第２のクーラント供給通路と第３のクーラント供
   給通路とを連通させる供給通路遮断手段と、 エア供給源よりタレツトヘツドを介して供給さ
   れるエアを、前記第１のクーラント供給通路およ
   び工具装着部に連通して供給するように設けられ
   るエア供給通路と、 前記エア供給通路内に設けられ、前記第１のク
   ーラント供給通路側へクーラントが供給されてい
   るときには付勢手段により付勢されて前記第１の
   クーラント供給通路と前記エアー供給通路とを遮
   断するとともに、クーラントの供給が停止し、且
   つ、前記エアが供給されているときには付勢力に
   抗して前記第１のクーラント供給通路と前記エア
   供給通路とを連通させ、エアを前記第１のクーラ
   ント供給通路に供給する第２の供給通路遮断手段
   とを有することを特徴とする交換工具用クーラン
   ト供給装置。