JPH0337691Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、研究所や病院等で少量の液体を濾過
するのに使用される濾過装置に関するものであ
る。

「従来技術及びその問題点」 研究所や病院等では、試験、研究等を目的とし
て、少量の液体の濾過が頻繁に行なわれている。
このような目的に使用する濾過器としては、例え
ば第６図に示すように、濾過する液体収容器１の
底部にパイプ９を介して円形のフイルター収容部
２を連設し、前記液体収容器１の上端に蓋３を冠
着させてなる濾過器が知られていた。しかしてこ
の濾過器は、蓋３に形成した孔４にチユーブ５を
差し込み、チユーブ５から圧縮空気を送つて液体
収容器１内を加圧し、濾過する液体６をフイルタ
ー７を通して濾過し、濾液を容器８に受けるもの
であるから、濾過すると必然的に濾過器の内面に
は、濾過する液体が付着するので、別の液体を濾
過する場合には、濾過器はその都度洗浄しなけれ
ばならなかつた。しかして、研究所や病院等で
は、頻繁に別の種類の液体の濾過を行なうと共に
濾過器の若干の汚れをも許されなかつたので、濾
過器は完全に洗浄しなければならなかつたが、こ
れは非常に厄介な作業であるばかりでなく、濾過
器の汚れに起因する実験データのミスの心配をし
なければならなかつた。

この考案は、このような欠点を解消しようとす
るものであり、別の種類の液体を濾過する場合で
も全く洗浄する必要のない濾過器を提供すること
を目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記目的に沿う本考案の構成は、濾材からなる
フイルターの下方に濾液排出部を形成し、前記フ
イルターの上方に濾過する液体収容部となる袋状
体を連設してなる濾過器と、該濾過器を収容する
濾過容器と、前記濾液排出部下端が突出する前記
濾過容器底面に形成した開口と、濾過すべき液体
収容後前記袋状体上端をシールする手段と、前記
袋状体を加圧する手段と、を具備してなり、前記
袋状体を加圧し、前記濾過容器下端から突出した
濾液排出部から濾液を排出することを特徴とす
る。

「実施例」 次に本考案の実施例を図面に基ずいて説明す
る。

第１図は本考案に使用する濾過器を示す断面図
で、フイルター１１の下方に漏斗状の濾液排出部
１２を形成し、フイルター上方にはポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のビニルフイルムからなる
袋状体１３を連設し、前記濾液排出部１２の排出
管２５外周にＯ−リング１４を装着した例を示
す。

袋状体１３は、第２図に示すように、濾過すべ
き液体１６を収容した後、袋状体上端をシールす
る。

第４図は、本考案の濾過装置の実施例を示す断
面図で、底面中央に開口１７を形成した円筒状の
濾過容器１８内に、第２図に示す濾過すべき液体
を収容した濾過器１５を、濾過器下端の排出管２
５が濾過容器１８の開口１７から突出し、排出管
外周に装着したＯ−リング１４が開口に密接する
ように装入し、濾過容器上端フランジ部１９にパ
ツキン２０を介して蓋体２１を載置し、蓋体２１
と濾過容器１８とをバンド２２で連結し、蓋体２
１に形成した孔２３に圧縮空気を導入するチユー
ブ２４を接続した例を示す。

「作用」 次に、上記のように構成された本考案の作用を
説明する。

まず、第２図に示すように、袋状体１３内に濾
過すべき液体１６を収容し、袋状体上端をシール
する。これを第３図に示すように、底部に開口１
７を形成した濾過容器１８内に装填し、ついで第
４図に示すように、濾過容器の上端フランジ部１
９にパツキン２０を介して蓋体２１を載置し、蓋
体２１と濾過容器１８とをバンド２２で連結し、
蓋体２１に形成した孔２３にチユーブ２４を接続
する。この状態で第４図に示すように、チユーブ
２４から圧縮空気を送つて、袋状体１４を加圧圧
縮し、濾過すべき液体１６をフイルター１１を通
して濾過する。

濾過終了後は、第５図に示すように、濾過器１
５を濾過容器１８から取り出し、濾過器１５はそ
のまま廃棄する。

このように濾過する液体は、濾過中濾過容器１
８内面とは直接接触しないので、濾過容器内面は
濾過する液体で汚れない。

本考案に使用する袋状体上端のシールは、ヒー
トシール若しくは高周波シール、或いは袋状体内
周面に形成した凹凸部を嵌合させるフアスナーを
使用したシール等で行なうことができるが、単に
袋状体上端を縛る方法により行なつてもよい。

「考案の効果」 以上述べた如く、本考案の濾過装置は、フイル
ターに袋状体が連設されている濾過器を使用する
ので、濾過すべき液体は、この袋状体内に密封さ
れ、濾過器を収容する濾過容器と濾過する液体と
は直接接触しないから、別の種類の液体を濾過す
る場合でも、濾過容器は全く洗浄する必要がない
ので、作業能率が飛躍的に向上する。また、濾過
すべき液体は、直接濾過容器に接触しないので、
濾過容器が汚れている場合でも、特に差し仕えな
く濾過することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に使用する濾過器の断面図で
あり、第２図は、本考案の濾過器に濾過すべき液
体を収容し袋状体上端をシールした状態を示す断
面図、第３図は、本考案の濾過器を濾過容器に収
容した状態を示す断面図、第４図は、本考案の濾
過装置を示す断面図、第５図は、濾過終了後濾過
器を濾過容器から取り出した状態を示す断面図、
第６図は、従来の濾過器の断面図である。 図中、１１……フイルター、１２……濾液排出
部、１３……袋状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 濾材となるフイルターの下方に濾液排出部を形
   成し、前記フイルターの上方に濾過する液体収容
   部となる袋状体を連設してなる濾過器と、該濾過
   器を収容する濾過容器と、前記濾液排出部下端が
   突出する前記濾過容器底面に形成した開口と、濾
   過すべき液体収容後前記袋状体上端をシールする
   手段と、前記袋状体を加圧する手段と、を具備し
   てなり、前記袋状体を加圧し、前記濾過容器下端
   から突出した濾液排出部から濾液を排出すること
   を特徴とする濾過装置。