JPH0337636Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 静脈内に度々の注射を行なう際に静脈に刺通し
その翼を粘着テープ等により固定して押えてその
まま留置させて使用するカテーテル針に関する。

（従来の技術） 従来、この種のものとしては、第１図示のよう
に針基１の先端部に穿設した貫通孔３に連通する
外針取付孔２に根部を挿入したテフロン等からな
る外針４を取付孔２中に充填した接着剤５により
固定したものであつて、管状基部６から水平方向
に延設した一対の翼片７，７を備える翼８を針基
１の先端部表面に嵌合し接着したものが知られて
いる。

しかしながら、この種のものは翼８の基部６を
針基１に嵌合接着しただけであるので接着が不十
分であると基部６が針基１から抜け出したり、回
動したりして翼８をもつて人体に確実に固定する
のが困難となる。また、この嵌合接着箇所は針基
１の先端部の細径部分におけるものであるため接
着作業に手数が掛り作業性が悪い不都合がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案はかかる従来の不都合を解決し針基に翼
の基部を確実に固定したもので製作容易な翼付留
置カテーテル針を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記の問題点を解決するべく先端部に
穿設した外針取付孔と連通した貫通孔を備えた針
基と、該取付孔に挿着した外針と該針基の先端部
表面に管状基部を嵌着し該基部から水平方向に延
設した一対の翼片を備える翼とからなるものにお
いて、前記針基の先端部表面にその長手方向に沿
つて起立片を設け、該起立片の前端部と後端部と
を残して起立片の長手方向に沿つて低い突条形の
凹入部を設け、前記翼の基部の長さを前記凹入部
の長さと一致させて形成し、該基部の嵌合孔の周
面に全長に亘り前記起立片の凹入部の高さに一致
させた深さの溝を設け、針基の先端部表面に翼の
基部を嵌着した際、該基部の溝を起立片の凹入部
に嵌着し基部の前後端を起立片の前後端部で係止
したことを特徴とする。

（実施例） 本考案の実施の一例を示す第２図乃至第５図に
従つて更に詳説する。

図示するものは針基１の円柱状先端部に穿設し
た貫通孔３に連通孔する外針取付孔２に根部を挿
入した外針４を該取付孔２中に充填した接着剤５
により固定したものであつて、管状基部６から水
平方向に延設した一対の翼片７，７を備える塩化
ビニール樹脂などの軟質合成樹脂からなる翼８を
針基１の先端部表面に嵌合した点は従来と相違し
ない。本考案にあつては、第５図示の如く前記針
基１の先端部表面にその長手方向に沿つて互に90
度の角度を相違させて４枚の起立片９を一体に形
成し、該起立片９にはその前端部と後端部とを残
して長手方向に沿つて低い突条形の凹入部１０を
設けた。これに対応して翼８の管状基部６の長さ
を前記凹入部１０の長さと一致させたものとし、
更に該基部６の嵌合孔１１の内周面に全長に亘
り、前記起立片９の位置に対応させた位置に針基
１の先端部表面から凹入部１０の高さに一致した
深さの４個の溝１２を形成した。このように構成
した針基１に対して翼８の基部６を取付けるに
は、起立片９を溝１２と一致させて針基１の先端
部側から嵌合孔１１に強制的に圧入すると、起立
片９の前部と溝１２の接触部は僅かに圧縮されて
通過が可能になり、通過後該接触部は復元し溝１
２は凹入部１０に嵌合するため、該基部６は凹入
部１０の前後端部間に装着され基部６の前後端が
係止される。従つて翼８の基部６の回動は突条形
の凹入部１０と溝１２との係合によつて阻止さ
れ、また抜け出しは凹入部１０より高い起立片９
の前後端部によつて規制される。

以上の実施例にあつては、翼８の基部６の針基
１の先端部に嵌合しただけの結着を示したが接着
剤を併用してもよく、また起立片９の数も適宜な
数であつても本考案の目的を妨げない。

（考案の効果） 本考案によるときは、前記のことから明らかな
ように、針基の先端部表面に、その長手方向に沿
つて起立片を設け、該起立片の前端部と後端部と
を残して起立片の長手方向に沿つて凹入部を設
け、翼の基部の長さを前記凹入部の長さと一致さ
せて形成し該基部の針基先端部に対する嵌合孔の
周面に全長に亘り前記起立片の凹入部の高さに一
致させた深さの溝を設け、針基の先端部表面に翼
の基部を嵌着した際、該基部の溝を起立片の凹入
部に嵌着し基部の前後端を起立片の前後端部で係
止したので翼の基部を確実に針基に対する回動を
阻止し抜け止めした翼付留置カテーテル針を提供
するの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す半断面図、第２図乃至第
５図は本考案の実施の一例を示すもので、第２図
はその斜視図、第３図及び第４図は第２図の−
線、−線断面図、第５図は第２図の分解斜
視図である。 １……針基、２……外針取付孔、３……貫通
孔、４……外針、６……管状基部、７……翼片、
８……翼、９……起立片、１０……凹入部、１１
……嵌合孔、１２……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端部に穿設した外針取付孔と連通した貫通孔
   を備えた針基と、該取付孔に挿着した外針と該針
   基の先端部表面に管状基部を嵌着し該基部から水
   平方向に延設した一対の翼片を備える翼とからな
   るものにおいて、前記針基の先端部表面にその長
   手方向に沿つて起立片を設け、該起立片の前端部
   と後端部とを残して起立片の長手方向に沿つて低
   い突条形の凹入部を設け、前記翼の基部の長さを
   前記凹入部の長さと一致させて形成し、該基部の
   嵌合孔の周面に全長に亘り前記起立片の凹入部の
   高さに一致させた深さの溝を設け、針基の先端部
   表面に翼の基部を嵌着した際、該基部の溝を起立
   片の凹入部に嵌着し基部の前後端を起立片の前後
   端部で係止したことを特徴とする翼付留置カテー
   テル針。