JPH0337027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はギターヘツドに装着して、弦の振動音
を共鳴装置によつて導き出す音響効果に優れたギ
ターヘツド共鳴装置に関するものである。

（従来の技術） 従来は実公昭45−3103号公報記載のもののよう
に、弦竿の上端に穿設した取付孔内部に空洞を設
け収納可能とした陶器等の装飾体を取付け自在と
した容器兼用飾り物があり、調律笛または手紙等
を封入して利用するものがあるが、空洞部を利用
してより音響効果の良い楽器を製作しようとする
ものではなかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 従来のギターヘツド取付部材には、調律笛また
は手紙等小物入れとして使用するものが多く、ギ
ターの響胴以外にも弦の振動音を取出し空洞室を
設けてより大きく音を震わせ、共鳴させることに
よりギターの奏でる音の音域により変化を与えよ
うとするものがなかつたが弦の振動はギターヘツ
ドの調弦部にも上昇しており、共鳴装置を設けて
音の振幅を拡大しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は弦の調弦部にも共鳴装置を設けて、弦
の振動による音をより拡大して震わせ、響胴のみ
ではなく弦全体より弦の振動音を取出して音色お
よび音質の変化の幅を広げて楽しむことができる
ものを提供するものであつて、凹陥部の両側にギ
ターの糸巻きつまみ用通孔を形成しこの凹陥部と
小径孔により連通する空洞室を有する握拳状響部
を一端に成形し他端を開放状とした下受部材と、
両縁部と中央隔壁を立設して凹陥部を形成する上
蓋部材とをギターヘツドに装着してなるギターヘ
ツド共鳴装置である。

（作用） 本考案のギターヘツド共鳴装置は、ギターヘツ
ドの糸巻軸取付孔間にボルトを挿通し上蓋部材と
下受部材をナツトで一体にギターヘツドに装着
し、ギターヘツドの表面と上蓋部材との間に立設
した両縁部と中央隔壁により空洞室を形成し、下
受部材の凹陥部に収納したギターヘツドの一端に
握拳状響部の一部に空洞室を形成して小径通孔に
より凹陥部と連通させているので、ギターの弦を
弾くと響胴部によつて音を共鳴するばかりでな
く、ギターヘツドに設けた調弦部に達した弦の振
動を上蓋部材と下受部材との形成した空洞室に誘
導し弦の振動音を拡大することができる。

（実施例） 本考案ギターヘツド共鳴装置Ａの実施例を第１
図乃至第７図に基づいて説明する。

上蓋部材１の裏面には長さ方向に両縁部１ａ，
１ｂと中央にボルト用通孔２を有するＴ字状の中
央隔壁１ｃを立設し、裏面の他の部分に凹陥部１
ｄ，１ｅ，１ｆを形成する。

この凹陥部１ｄ，１ｅ，１ｆには上蓋部材１の
表面に至る所望形状の通孔１ｇ，１ｇ，１ｇ…を
適宜穿設する。

また、ギターヘツドイの表面に当接する上蓋部
材１の裏面に形成する両縁部１ａ，１ｂ、中央隔
壁１ｃの表面にはフエルト等の布部材３を張付け
る。

下受部材４にはギターヘツドイの糸巻きつまみ
ロ，ロ，ロ…を挿通させる通孔４ａ，４ａ，４ａ
…を長手方向両側に形成し、さらに通孔４ｇ，４
ｇ，４ｇ…の外側に両側壁部４ｂ，４ｂを立設し
て凹陥部４ｃを形成し、この凹陥部４ｃと小径通
孔５と連通する空洞室６ａを有する握拳状響部６
を形成し通孔６ｂ，６ｂ，６ｂによつて外気と連
通する。

下受部材４の凹陥部４ｃは他端を開放状に形成
するとともに布部材３を張付け所定位置にボルト
用通孔７を設ける。

符号８はボルト、９はナツトを示す。

上記のように本考案ギターヘツド共鳴装置Ａを
構成したので、ギターヘツドイを下受部材４の凹
陥部４ｃに嵌挿し、上蓋部材１をギターヘツド表
面に装着してボルト８を上蓋部材１のボルト用通
孔２より挿入し、糸巻軸取付孔ハの間隙より下受
部材４のボルト用通孔７に突出させ、ナツト９で
ギターヘツドイと一体に装着する。

ギターヘツドの表面と上蓋部材１、ギターヘツ
ドの裏面と下受部材４とは布部材３によつて密着
され保護されている。

（考案の効果） 本考案ギターヘツド共鳴装置は弦の振動音を上
蓋部材と下受部材で成形した空洞室で拡大共鳴す
ることができるので、従来の響胴部のみによる楽
器演奏より音色とともに音質を綺麗に出し、高音
やビブラート、和音に優れた音色とすることがで
きる等実用的な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ギターヘツド共鳴装置の平面
図、第２図は同・一部切欠右側面図、第３図は
同・一部切欠左側面図、第４図は同・正面図、第
５図は同・底面図、第６図は同・蓋部材の裏面
図、第７図は本考案ギターヘツド共鳴装置の取付
状態説明図である。 Ａ……ギターヘツド共鳴装置、１……上蓋部
材、２，７……ボルト用通孔、３……布部材、４
……下受部材、６……握拳状響部、８……ボル
ト、９……ナツト、イ……ギターヘツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 凹陥部の両側にギターの糸巻きつまみ用通孔を
   形成しこの凹陥部と小径孔により連通する空洞室
   を有する握拳状響部を一端に成形し他端を開放状
   とした下受部材と、両縁部と中央隔壁を立設して
   凹陥部を形成する上蓋部材とをギターヘツドに装
   着してなるギターヘツド共鳴装置。