JPH0336726Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、建築物等に使用する気泡コンクリー
ト（ALC）に化粧板等を固定するのに用いる気
泡コンクリート用アンカー釘に関するものであ
る。

「従来の技術」および「考案が解決しようとする
問題点」 前記のアンカー釘は、実開昭60−79005号公報
等の公知例があり、二枚の短ざく状の板材を重ね
合せて釘部と成し、その釘部の頭部に別体のナツ
トを溶着した構造のものが多く、その釘部を気泡
コンクリートに打込むと共に、打込み抵抗によつ
て二枚の板材をラツパ状に開脚させて気泡コンク
リートに固着させる構造になつている。

しかし、以上の従来のアンカー釘は、釘部の先
端が長方形の短辺を成す平らな面のため、打込み
抵抗が大きく、気泡コンクリートを破損したり、
打込みの位置ずれを生ずることがあり、さらに、
別体のナツトを溶着するので機能美に劣り、コス
ト高になることが避けられない不具合点がある。

本考案は、以上の従来技術の難点を解消する新
規のアンカー釘を提供するのが目的である。

「問題点を解決するための手段」 以上の目的を達成する本考案のアンカー釘は
「打込み抵抗によつて開脚する重合板形状の釘部
から成る気泡コンクリート用アンカー釘におい
て、単一の管材から形成した釘部とねじ部から成
り、釘部は該管材を板状に圧着して縁部を切除す
ると共に、前端が三角形状の先鋭部となる形状を
有し、さらに、ねじ部は、前記釘部の後端に管体
を成して連設され、外周または内周に螺設した構
造」が特徴である。

「作用」 以上の構成の本考案のアンカー釘は、釘部前端
に先鋭部が形成してあるので、気泡コンクリート
への打込み抵抗が少なくなると共に、打込み位置
が安定して打込み性能が向上し、その打込みによ
る気泡コンクリートの損傷が極めて少なくなる。
そして、ねじ部が単一管体からなるので機械的強
度が強く、打ち込みによる釘部の開脚応力によつ
て、ねじ部が開いたりする形状崩れを起すことが
全くなくアンカー釘としての機能が安定する。さ
らに、管体から成るねじ部に雄ねじまたは雌ねじ
が形成可能であり、当該アンカー釘が雄ねじアン
カーまたは雌ねじアンカーのいずれにも機能する
と共に、単一の管体から釘部とねじ部が形成され
るので、アンカー釘の機能美が優れ、製作が簡便
となる。

「実施例」 以下、実施例に基づいて詳しく説明する。その
一実施例を示す第１〜４図を参照して、第１図は
そのアンカー釘を示す正投象図、第２，３図はそ
のアンカー釘の使用状態、第４図はそのアンカー
釘の成形方法が示してある。図において、本考案
のアンカー釘は、単一の管体からなる釘部１とね
じ部２から成つており、釘部１は該管体を圧着し
て板状体にし、その板状体の両側縁と先端を切除
して、分離可能な重合板構造に成つており、さら
に、その釘部１の先端は、三角形を成して中央に
頂点を有する先鋭部３に形成してある。なお、先
鋭部３の頂点には、重合した二枚の板材が、気泡
コンクリートへの打込みによつて開脚し易いよう
に、板材間に案内間隙４が設けてある。

一方、ねじ部２は前記の単一管体の一端であ
り、内周または外周に雌ねじまたは雄ねじを螺設
し（この実施例は内周に雌ねじが形成してある）、
アンカー用ねじとして機能するように形成してあ
る。

そして、第２図のように、気泡コンクリート６
の所要位置に釘部１をたててハンマー等で打ち込
むと、打ち込み抵抗によつて二重板の釘部１が開
脚して気泡コンクリート６に打ち込まれ、その開
脚姿勢で打設固定され、ねじ部２をアンカーねじ
として利用し、化粧板等を取り付け固定する構造
に成つている。

また、他の用法として、第３図のように、気泡
コンクリート６にねじ部２を挿着する挿着孔８を
予め穿設し、釘部１を打ち込むと共にねじ部２を
気泡コンクリート６に埋設し、別体のアンカーね
じ９をねじ部２に挿着すると、雄ねじアンカーと
して使用することができる。

つぎに、第４図は第１図実施例の成形手順を示
したもので、所要長の管体１０の一側をプレス圧
着して板状体１１を形成すると共に、管体１０の
他側の残りの管部１２を、そのままねじ部２にす
る。そして、板状体１１の縁部１１′を切除して
二重板材を分離可能にすると共に、先鋭部３を形
成して釘部１を形成し、ねじ部２にねじ１３を螺
設して、雄ねじアンカー釘、または雌ねじアンカ
ー釘として形成する。

以上の構成の本考案のアンカー釘は、単一の管
体から釘部１とねじ部２が一体に形成され、釘部
１の先端には、先鋭部３が設けてあるので、気泡
コンクリート６への打ち込みに際し、打ち込み抵
抗が小さく、かつ打ち込みの際の位置ずれがない
ので、気泡コンクリート６を損傷することが少な
く、アンカー釘としての性能が向上する。そし
て、ねじ部２の内周と外周に螺設して雌ねじアン
カー、または雄ねじアンカーとして多機能に使用
できると共に、従来構造のねじ部溶着構造に対比
してアンカー釘としての強度が向上し、外観機能
美が格段に向上する利点がある。

そして、前記の成形手段によつて簡便に形成で
きるので、安価に提供することができる。

「考案の効果」 以上の説明のとおり、本考案のアンカー釘は優
れた性能と多機能性、ならびに機能美を有し、安
価に提供され、気泡コンクリート用アンカー釘の
実用性能を一段と向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案一実施例のアンカー釘の正投象
図を示し、Ａは正、背面図、Ｂは左、右側面図、
Ｃは平面図、Ｄは底面図、ＥはＡのAA断面図、
ＦはＡのBB断面図、第２，３図：第１図実施例
のアンカー釘の使用状態を示す正面図、第４図：
本考案のアンカー釘の成形方法を示す斜視図、 主な符号、１：釘部、２：ねじ部、３：先鋭
部、４：案内間隙、６：気泡コンクリート、１
０：管体、１１：板状体、１３：ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 打込み抵抗によつて開脚する重合板形状の釘部
   を有する気泡コンクリート用アンカー釘におい
   て、単一の管材から形成した釘部とねじ部から成
   り、該釘部は前記管材を板状に圧着して縁部を切
   除すると共に、前端が三角形状の先鋭部となる形
   状を有し、さらに、該ねじ部は前記釘部の後端に
   管体を成して連設され、かつ、外周または内周に
   螺設した構造を特徴とする気泡コンクリート用ア
   ンカー釘。