JPH0336624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【技術分野】

本考案は、水道に直結されていて水道圧により
洗浄ノズルから洗浄水を吐出させる水道直結型の
洗浄便座において洗浄水が水道側へ逆流するのを
防止するための技術に関する。

【背景技術】

水道直結型の洗浄便座においては、水道と洗浄
水を吐出させる洗浄ノズルが直結された構造とな
つているために、水道本管側が洗浄ノズル側より
も負圧になると洗浄ノズルから水道本管へ洗浄水
が逆流し、水道水が汚染されるので、洗浄水の水
道側への逆流を防止するため途中に逆流防止弁を
設ける必要があつた。そして、この逆流防止弁の
主な構造はばね等の弾性力で弁を付勢し、水道側
からはばねに抗して水圧で弁が開くが、反対側か
らでは逆流圧とばねの力で弁を閉じるものであ
り、可動部分や摩耗部分を有するために構造が複
雑であるばかりでなく、寿命及び信頼性の面でも
問題があつた。

【考案の目的】 本考案は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところは構造が
簡単で、長寿命で、信頼性の高い洗浄便座におけ
る洗浄水の逆流防止構造を提供するにある。

【考案の開示】

本考案洗浄便座における洗浄水の逆流防止構造
は、水圧を印加された流水イを高速で吐出させる
ジエツトノズル１と流水イを受け入れる流入口２
とを容器３内において空間ロを隔てて一直線状に
対向させ、容器３内にこぼれた流水イを排出させ
るための排水口４をジエツトノズル１の高さより
も低い位置で容器３に設けて成ることを特徴とす
るものである。しかして、ジエツトノズル１から
は流入口２へ向けて高速で流水イを吐出させるこ
とにより流水イを流入口２へ注入すると共に流入
口２に水圧を伝達させることができるが、流入口
２側からジエツトノズル１側へ流水イが逆流した
としても、逆流した流水イはジエツトノズル１へ
注入されることなく容器３内へ落ちるので、ジエ
ツトノズル１側へ逆流する恐れがないのである。
しかも、基本的にはジエツトノズル１と流入口２
とが空間ロを隔てて対向させられているだけであ
るので、構造が簡単で可動部分を持たず、可動部
品の摩耗や故障のおそれがなく、信頼性の向上と
長寿命化を図ることができるものである。更に、
ジエツトノズル１から吐出されて流入口２へ注入
されることなく溢れた流水イは容器３内に溜めら
れるので、排水口４から適当な場所へ排水するこ
とができるのである。また、洗浄便座で使用する
洗浄水の流量は僅かで、水道で供給することので
きる最小吐水量制限以下である場合でも、ジエツ
トノズル１からはこの最小吐水量以上の流水イを
吐出させ、そのうち必要水量だけ流入口２から注
入させ、余分の水を容器３内へ除去することによ
り極く少量の流水イを供給するが可能となるもの
である。 以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。ジエツトノズル１は水道本管（市水）と連通
した水道管５の先端に設けられており、ジエツト
ノズル１の先部は管内径を細く絞られていて水道
圧によりジエツトノズル１の先から高速で流水イ
を吐出させると共に吐出される流水イの命中度合
を良くすることができるようになつている。ま
た、水道管５には止水弁（例えば電磁弁）６と流
量調整弁７が設けられており、止水弁６を開放す
ると、流量調整弁７で制限されただけの流量の流
水イがジエツトノズル１から吐出されるようにな
つている。ジエツトノズル１の先方には流入口２
が一直線状に対向しており、ジエツトノズル１か
ら高速で吐出させられた流水イは流入口２へ注入
される構造となつている。したがつて、流入口２
は流水イを導入し易いように余り小さな孔となつ
ておらず、また流水イが逆流してもジエツトノズ
ル１のように流水イを高速で吐出させることのな
いようにしてある。このジエツトノズル１と流入
口２とは箱状あるいは管状などをした容器３内で
空間ロを隔てて対向しており、容器３の底面には
排水口４が開口され、上面には空気孔８が開口さ
れている。したがつて、ジエツトノズル１から吐
出されて流入口２へ注入されず跳ね返つた流水イ
は容器３内へこぼれ、排水口４から便器内などの
機器外へ排水されるのであり、容器３の上面に空
気孔８を開口してあるので、ジエツトノズル１の
高さまで排水が溜まつて流水イの注入を妨げるこ
とのないようになつている。尚、空気孔８は排水
口４で兼ねるようにすることも可能である。ま
た、流入口２は温水タンク９に接続されている。
温水タンク９内には、ヒータ１０が内蔵されてい
て温水タンク９内の水はヒータ１０により加熱さ
れて温水として蓄えられており、ヒータ１０と流
入口２との間は隔壁１１により仕切られていて、
流入口２から注入された流水イは隔壁１１の下を
通つてヒータ１０側へ達する。温水タンク９の流
入口２と反対側の壁面には洗浄ノズル１２が接続
されており、流入口２から流水イが注入される
と、同時に流入口２から水道圧（流量調整弁７に
より調整されている。）も伝達されるので、温水
タンク９内の温水は伝達された水道圧により押し
出され、洗浄ノズル１２の先端から勢い良く吐出
され、肛門を洗浄するのである。尚、隔壁１１は
流入口２から注入れた温度の低い流水イが直接に
洗浄ノズル１２から吐出されるのを防止してい
る。 以上のようにして水道側から洗浄ノズル１２へ
流水イが供給されるが、例えば温水タンク９内で
の水の膨張により温水タンク９内の水圧が水道圧
以上になつたとしても、温水タンク９内の温水は
流入口２から溢れて容器３内へ落ちるだけであ
り、ジエツトノズル１内へ逆流することはないの
である。 なお、流入口２への流水イの供給量はジエツト
ノズル１の管内径やジエツトノズル１と流入口２
との距離を適当に設定することで調整することが
できる。また、洗浄ノズル１２からの吐出量が水
道の最小吐水量よりも小さい時には、ジエツトノ
ズル１からは最小吐水量以上の流水イを吐出さ
せ、流入口２の径を小さくし流入口２へは水道の
最小吐水量以下の流水イしか注入されず、余分の
流水イは容器３へ落ちて排水されるようにするこ
とが可能である。

【考案の効果】

本考案は、叙述のごとく水圧を印加された流水
を高速で吐出させるジエツトノズルと流水を受け
入れる流入口とを容器内において空間を隔てて一
直線状に対向させ、容器内にこぼれた流水を排出
させるための排水口をジエツトノズルの高さより
も低い位置で容器に設けてあるから、ジエツトノ
ズルからは流入口へ向けて高速で流水を吐出させ
ることにより流水を流入口へ注入すると共に流入
口に水圧を伝達させることができるが、流入口側
からジエツトノズル側へ流水が逆流したとして
も、逆流した流水はジエツトノズルへ注入される
ことなく容器内へ落ちるので、ジエツトノズル側
へ逆流する恐れがなく、確実に流水の逆流を防止
できるものである。しかも、基本的にはジエツト
ノズルと流入口とが空間を隔てて対向させられて
いるだけであるので、構造が簡単で可動部分を持
たず、可動部分の摩耗や故障のおそれがなく、信
頼性の向上と長寿命化を図ることができるという
利点がある。更に、溢れた流水は容器内に溜めら
れるので、排水口から適当な場所へ排水すること
ができ、周囲を濡らすことがない。また、水道か
らその最小吐水量制限以上の流水を流出させなが
らその最小吐水量制限以下の僅かの流量の洗浄水
を流入口側へ供給することもできるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図であ
り、 １はジエツトノズル、２は流入口、３は容器、
４は排水口、イは流水、ロは空間である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水圧を印加された流水を高速で吐出させるジエ
   ツトノズルと流水を受け入れる流入口とを容器内
   において空間を隔てて一直線状に対向させ、容器
   内にこぼれた流水を排出させるための排水口をジ
   エツトノズルの高さよりも低い位置で容器に設け
   て成る洗浄便座における洗浄水の逆流防止構造。